
日刊鹿島アントラーズニュース
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2019年2月19日火曜日
◆異例体制。なぜ鹿島アントラーズは歴代最年長主将に内田篤人、最年少10番に安部裕葵を指名したのか(THE PAGE)

サッカーダイジェスト 2017年1月26日号2017年1月26日号【電子書籍】
就任時の年齢がクラブ史上で最年長となる新キャプテンと、拝命時のそれが対照的に最年少となる初々しい「10番」――。Jリーグを代表する常勝軍団、鹿島アントラーズが過去にない体制で2019シーズンに臨む。
昨年末に電撃引退したレジェンド、MF小笠原満男からチームキャプテンを受け継いだのは、アントラーズへ復帰して2シーズン目になる元日本代表のDF内田篤人。小学生時代に幕を開けたサッカー人生で、大役を託されたのは意外にも初めてだった。
アントラーズのチームキャプテンは、実は歴代で5人しかいない。Jリーグが産声をあげた1993シーズンのMF石井正忠を初代に、1994シーズンから2代目のMF本田泰人が13年間も務めた。2007シーズンのFW柳沢敦をへて、2008シーズンからは小笠原が11年間担ってきた。
しかも、チームキャプテンに就任したときの年齢を見れば、石井の26歳に始まり、本田が25歳、柳沢が29歳、そして小笠原が28歳。3月で31歳になる内田は最年長であり、加えてドイツから帰国して再びアントラーズのユニフォームに袖を通すまで、実に7年半もの空白期間があった。
実際、復帰した直後の昨年1月には、ちょっぴり戸惑い気味にこんな言葉を残している。
「若手がかなりオレにビビっているみたいだね。ランニングしていて周りをみたら誰もいなかったこともあったし、何か距離感があって寂しい感じがしたけど、そんなにベタベタする必要もない。ある程度のチームワークやコミュニケーションは大事ですけど、ここは仲良しこよしのチームじゃないから」
小笠原の引退を受けて、内田をチームキャプテンに推したのは大岩剛監督だった。現役時代は当時の二強を形成していた、ジュビロ磐田とアントラーズでプレーした経験をもつ46歳の指揮官は、チームキャプテンという肩書きがもつ重さをこう表現する。
「ジュビロで言えば、チームキャプテンは中山雅史さんでした。強いクラブではキャプテンの存在感も大きい。それなりの重さというものが必要となれば、必然的に(歴代のチームキャプテンの)人数は少なくなっていくんじゃないかな、と」
ドイツの地でプレーしていても、内田はプロ人生のスタートを切ったアントラーズの動向を注視していた。インターネットを介して古巣の負けを知ると「鹿島は常に勝たなければいけないクラブ。一人のファンとして『何をしているのか』という気持ちになる」と語ったこともある。
選手生命すら危ぶまれる右ひざの大けがからの復活を期した昨シーズン。リバウンドとも言える筋肉系の小さなトラブルで幾度となく戦線離脱を強いられ、もどかしさを募らせたなかでも見せ続けたチーム愛は、重みと存在感を感じさせるのに十分だった。大岩監督が期待を込める。
「内田には昨シーズンのもどかしさを吹き飛ばすようなパワーを見せてほしいし、若い選手たちには内田の言葉や立ち居振る舞い、経験を含めたパーソナリティーのすべてを感じてほしい。そのうえで、どのように表現していくのか。そうやって伝統というものが引き継がれていくと思うので」
FW金崎夢生がサガン鳥栖へ電撃移籍した昨夏を境に、持ち主不在の状態となっていた「10」番は、昨シーズンのベストヤングプレーヤー賞に輝いたFW安部裕葵に託された。今シーズンの背番号が発表された1月16日の段階で、安部は20歳になる直前だった。
固定背番号制が採用された1997シーズン以降で、安部はMFビスマルク、MF本山雅志、MF柴崎岳、そして金崎に続く5代目の「10番」となった。1996シーズン以前の変動背番号制時代に「10番」を背負った神様ジーコやレオナルドを含めて、十代で拝命した選手は安部だけとなる。
「年齢という部分に対する不安は、僕のなかではないです。彼自身がプレッシャーを感じるかもしれないけど、それをしっかりと受け止められるパーソナリティーももっているので」
広島・瀬戸内高から加入して3シーズン目。中学時代に所属した帝京FCジュニアユースが、途中から本田圭佑のマネジメント事務所HONDA ESTILOの傘下となり、チーム名称もS.T. FOOTBALL CLUBへと変わったなかで、本田の生き様や哲学に触れた安部はこんな言葉を残したことがある。
「夢をもって、それを周囲に言って、自分の逃げ道をなくす。素晴らしい考え方だと思いましたし、同時に強い人間じゃなければできないことだと思いました」
20歳とは思えない思考回路は、託された「10番」に対する思いからも伝わってくる。安部は「別に何も感じていない。チームが勝てばそれでいい」と不敵な言葉を紡いでいる。
「ジーコさんから金崎選手までさまざまな方がいたなかで、誰のことも思い浮かべることなく、僕は僕らしく『10番』像を作っていけばいいだけなので」
栄光の「10番」の変遷を見れば、2代目の本山が14年間にわたって背負ったのに対し、3代目の柴崎は拝命からわずか1年でスペインへ新天地を求めた。海外移籍が加速するなかで、非凡なセンスをもつ安部にもいつラブコールが届くかわからない。再び大岩監督が言う。
「もしかすると彼も短いスパンかもしれないけど、それでも重みのある『10番』にしてほしい。シーズンが進んでいくなかで、彼やチームの調子が悪くなったときにどのように振る舞えるか。そこで本当の部分が見えてくるし、僕としては若い彼を引っ張りあげるのではなく、しっかりと支えてあげたい。鹿島アントラーズの日常に流れている、緊張感や勝利へのこだわりという空気を感じて、思い切り吸い込みながら受け継いでいってほしい」
ワールドカップ・ロシア大会直後にDF植田直通がベルギーへ、オフにはDF昌子源がフランスへ移籍。DF西大伍もヴィッセル神戸へ新天地を求めたなかで、内田と安部を中心に大きく生まれ変わろうとしている常勝軍団は、ニューカッスル・ジェッツ(オーストラリア)をホームに迎えるACLプレーオフから、連覇がかかったACLを含めた四冠独占へ向けた大航海へ出航する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)
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