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どんな状況であっても絶対に譲れない戦いというのはある。浦和の選手たちにとって鹿島との激突は、意地とプライドをかけた戦いのひとつである。なかでも、古巣対決となる興梠慎三(写真)にとってはなおさら特別な試合になる。
2013年に鹿島から浦和に加入した興梠も、今年で浦和在籍7年になる。親族が営む「ローストチキンコオロギ」の浦和店をオープンし、浦和に骨を埋める覚悟を決めている。7月6日の仙台戦でゴールを決め、レジェンドの福田正博氏を超える浦和通算92得点を記録し、歴代トップに。名実ともに浦和の顔となった。
7月20日の磐田戦では、巧みな裏への抜け出しからGKとの一対一で股抜きシュートを決める、興梠らしい技術と冷静な判断が光るゴールを決めた。これで今季の得点数を7得点とし、8年連続二桁得点という偉業も視野に捉えている。
鹿島から浦和に移り、決定力に磨きをかけてきた。「鹿島のときは若かったし、レギュラーで居続けるのも自分らの歳の場合は1試合ダメだとすぐ代えられていたので、心の余裕というのも多少はあるのかなと思う」。浦和で不動の存在となり、点取り屋としての経験を重ねていくことで天性のセンスが遺憾なく発揮されるようになった。
まさに興梠がそうだが、伝統的に優れた選手を輩出し続けている鹿島は直近でも安部裕葵、安西幸輝、鈴木優磨と立て続けに有望な若手を新たな挑戦に送り出し、チーム編成で苦しい状況に陥っている。だが、それでもしぶとく勝ちを掴み取っていくのが鹿島だ。今回の一戦も激しいぶつかり合いになるはずだ。
ただ、そういうときに違いを生み出すのが、エースの役目である。記録の上で“福田超え”を果たした興梠には、記憶の中でも頂点に立ちたいという願望がある。
「サポーターの皆さんの中ではレジェンドは福田さん。それは変わらないと思うので、それを変えるにはもっともっと活躍しなきゃ。次の目標はサポーターの心を動かしていきたい」
すでに何度もサポーターをの心を震わせてきたはずの興梠だが、因縁多き鹿島との対戦で勝負を決する一撃を決めれば、その目標はまた一つ叶うはずだ。何年にも渡って前線で浦和を引っ張ってきた男は、これからも愛するクラブの牽引役となるべく最前線で戦い続ける。古巣との注目の一戦でも、頼もしい後ろ姿を見せてくれるはずだ。
文:神谷正明(浦和担当)
明治安田生命J1リーグ 第16節
7月31日(水)19:30KO 埼玉
浦和レッズ vs 鹿島アントラーズ
◆【浦和 vs 鹿島】興梠慎三、古巣に示す浦和のエースの後ろ姿(J's GOAL)