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バルセロナの日本に対するマーケティング戦略と指摘 「アジア市場にインパクトがある」
先日、Jリーグの鹿島アントラーズから日本代表MF安部裕葵がスペインの強豪バルセロナのBチームに加入することが発表された。27日付のイタリア紙「トゥット・スポルト」は、この移籍劇にイタリアでの日本人選手獲得のパターンを踏まえ、マーケティングの側面を分析している。一方で「確実にスポーツ面では賭け」とも評した。
安部について同紙は「才能ある日本人の安部裕葵を獲得した。左ウイングの選手でまだ20歳。2023年までの契約にサインした。契約破棄には4000万ユーロ(約48億円)の支払い条件だ。まず初期には、Bチームにレンタル移籍させる。Jリーグで若い選手のMVPの賞を取った。新しいタイプの選手として評価された」と紹介した。
もっとも、6月のコパ・アメリカ(南米選手権)にも出場した選手だけに、世界トップレベルの中に入ってどの程度のプレーができるのかという点では、懐疑的な姿勢を隠さない。獲得の面で「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝したFWだった100万ユーロ(約1億2000万円)以上の価値はなかったが、スペインで4シーズンの契約をした」と、現時点の評価額の点で決して高いレベルにないと指摘している。
一方で、バルセロナの戦略は日本に対するマーケティングだとの見方を示している。
「安部はバルセロナとスポーツ的にも、マーケティング戦略にもサインした。メディア的にも確実にアジア市場にインパクトがある。メインスポンサーの楽天との強いつながりがある。インターネットサービスのグローバルリーダーは、日本に拠点を置く。2017年7月にパートナーシップを交わした。楽天がメイングローバルパートナーとなった」
2017年からバルセロナのメインスポンサーを日本企業の楽天株式会社が務めていることに触れながら、次のように続けている。
「マーケティングの側面以前に、安部は確実にスポーツ面では賭けだ。この日本人が成長したら、彼の現代的でフレッシュなイメージは、バルサのパートナーと合わせて様々な商品となる。選手は“大使”となって、日本と他のアジアにバルセロナのブランドを拡販していく。バルセロナのマーケティングエリアのプロジェクトのなかには、選手と国旗の国際化、地理的に特殊なマーケットが図られている。スポンサー契約の様式もより現代的で発展性がある。ただ単にユニフォームやピッチの広告にとどまらない」
成功の条件は「確実にバルサのAチームに入ること」
「トゥット・スポルト」紙の特集では、セリエAでプレーした日本人選手たち、元日本代表FW三浦知良らの加入時のマーケティング的な面も指摘していた。そのため、安部の獲得と“投資”は、アジア市場の開拓という側面が強いことを指摘している。
安部のキャリアとバルセロナのマーケティングに対する成功の条件を、同紙では「確実にバルサのAチームに入ること。あるいは常に日本代表に入ること。長い消費が見込めるアジアのマーケットの基点として考えてもらえるようにすることが大切だ」と、トップチーム入りと日本代表への継続的な選出がキーポイントだとしている。
バルセロナはそのパートナーである楽天の肝入りで来日して、23日にチェルシー(1-2)と、27日にヴィッセル神戸(2-0)と親善試合を行った。安部は負傷により出場のチャンスを逃したが、これからのスペインでのキャリアのなかで「マーケティング目的」という視線を払拭するだけの成長と成功を収めることができるのか。レアル・マドリードに加入した日本代表FW久保建英とともに、好奇を伴う海外からの視線を浴びることは避けられないだろう。