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メルカリ社(本社・東京都港区)がJ1鹿島の経営権を取得することで、これまで運営してきた日本製鉄と大筋合意したことが30日、分かった。この日のJリーグ理事会で報告されるとみられ、承認されればメルカリ社が都内で会見し、経緯などを説明する。
「ITとスポーツの親和性は高い。これからも続々と参入してくるのではないか」。大手IT企業幹部はメルカリがJリーグ・鹿島の経営権を取得する方針を固めた背景についてこう分析する。「ネット中継やVRやAIなどの最新技術を活用することで、よりスポーツの魅力は高まる。相乗効果は計り知れない」
一方、金融筋によると、Jリーグ創設時から安定したクラブ経営を続けてきた鹿島だが、2012年10月に大きな転機が訪れた。住友金属工業は業界最大手の新日本製鉄(現・日本製鉄)と合併。これを契機に鹿島の今後についても議論されるようになった。
業界トップの新日鉄はこれまで、社会人野球部やラグビーの新日鉄釜石などを所有しており、スポーツ振興にも積極的だった。だが、1990年代後半の鉄鋼不況を受け、これまでの方針を大きく転換。2000年代に入ると国際競争は一層、激化した。経営合理化を進める中で、社会人チームを廃止してきた経緯がある。
メルカリによる鹿島の経営権取得はその流れを象徴したものとなった。
◆IT企業とスポーツ
▼ソフトバンク 04年11月、福岡ダイエーホークスを買収。
▼楽天 球界再編問題に揺れる中、04年11月、東北楽天ゴールデンイーグルスとして球界参入。また、14年12月には、Jリーグ神戸の運営会社の全株を取得。元スペイン代表MFイニエスタら海外の大物選手を獲得。
▼DeNA 11年12月、球界参入。13年4月には「エスビー食品陸上競技部」の選手、スタッフらを受け入れる形で「DeNAランニングクラブ」を設立。Bリーグ「川崎ブレイブサンダース」も運営。
▼ミクシィ FC東京とスポンサー契約を締結したほか、Bリーグの「千葉ジェッツふなばし」も運営。今後、スポーツ事業を中心に拡大していく方針。
▼サイバーエージェント 18年10月、J2・FC町田の約11億円で経営権を取得。
▼アカツキ 同12月、アプリ開発などを行うアカツキが東京Vの株式を取得し、関連会社となる。
◆【解説】IT企業がプロスポーツに参入する理由…メルカリが鹿島の経営権取得へ(報知)