「点を取って勝てればベスト。そこは狙い続けています」
ザーゴ・アントラーズの申し子、と言っても過言ではないはずだ。
ここまで25試合を消化したなかで、チームで唯一、全試合に出場しているのが和泉竜司だ。先発は18試合、途中出場は7試合。累積警告による出場停止も、負傷欠場もなし。トータルのプレータイムは上から数えて6番目の数字だが、常にメンバー入りし、ピッチに立って、チームを支え続けている。
「調子が良い時も、コンディションが良くない時でも、使ってくれている監督やスタッフには本当に感謝しています。自分ができることや、チームを勝たせること。そういうプレーを含めて、監督やスタッフのために戦う気持ちは持っています」
豊富な運動量をベースに、攻守の両局面でハードワークをこなす。確かなテクニックで局面を打開すれば、献身的なディフェンスでピンチを未然に防ぐ。そのパフォーマンスは安定感があり、主戦場の左サイドで存在感を放つ。
過密スケジュールでもタフに戦い続けている。「食事や睡眠はしっかりとるように心掛けていますし、あとは交代浴などチームでも疲れを溜めないように取り組めている」と、身体の調子は良い状態をキープできている。
ゴール数は3。決して多くはないが、いずれも先制点を挙げた9節・鳥栖戦(〇2-0)と14節・名古屋戦(〇3-1)、貴重な追加点をマークした前節の神戸戦(〇3-1)と、和泉が得点したゲームはすべて勝利している。
「点を取って勝てればベスト。そこは狙い続けています。ただ、チームが勝つことが一番なので、そのためにやるべきことをやって、そのなかで自分の得点やアシストで勝利に貢献できればいい」
4試合ぶりのホームゲームとなる次節は、広島と対戦。開幕戦で0-3と手痛い敗戦を喫した相手だ。「非常に悔しい想いをしているので、ホームで借りを返すだけ」と言葉に力をこめる和泉は、「そのために、チームとしても準備している」と続ける。
リベンジを果たすなかで、自身のゴールがその力添えになれば理想的だ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)