日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年2月27日土曜日

◆元日本代表3人が徹底予想<J1リーグ優勝はどこ?> 本命は川崎だが、対抗は「鹿島、名古屋、そして…」(Number)






昨季よりも2チーム増えて、20チームで行われるJ1。史上最速優勝を果たした川崎フロンターレを止めるチームは現れるのか? 福田正博さん、岩本輝雄さん、岩政大樹さん、元日本代表の3人の識者に“優勝予想チーム”を聞いた。


福田正博「川崎・鬼木監督と日本代表・森保監督の共通点」


■福田正博(元日本代表FW)

 優勝予想
 ◎ 川崎フロンターレ
 〇 名古屋グランパス
 〇 鹿島アントラーズ


 優勝争いの中心は昨季、圧倒的な強さでリーグと天皇杯の2冠を達成した川崎になるだろう。長くチームを引っ張ってきた中村憲剛が引退し、中盤のアンカー守田英正が移籍(→サンタ・クララ/ポルトガル)したとはいえ、川崎の優位は動かない気がする。

 昨季終盤の守田の働きは、確かに素晴らしかった。だが、たとえば序盤(2節から11節にかけて)10連勝したときには途中出場(7試合)も多く、あくまで中盤の構成要員の1人に過ぎなかった。新加入のジョアン・シミッチ(←名古屋)がどれくらいフィットするかは不透明だとしても東京五輪世代の田中碧の成長は著しく、昨季は故障がちだった大島僚太が年間を通してプレーできるようなら、脇坂泰斗ら中盤のタレントは十分。守田の抜けた穴はそれほど感じないのではないか。

 ひとつの見どころは、今季の川崎はACLに参加するだけに鬼木監督のマネジメントといえるかもしれない。リーグ連覇のあと、1年おいて優勝という流れは日本代表現監督を務める森保一監督の広島時代と一緒。森保監督はその後、タイトル争いに加われずに解任されることになったが、鬼木監督にとっても長期政権の難しさが出てきても不思議ではない。もちろん、リーグだけでなくカップ戦のタイトルを取っているという点で、当時の広島と現在の川崎の状況はまったく同じとは言い切れない部分もあるが……。


名古屋は柿谷がハマれば面白い


 川崎の対抗馬には名古屋と鹿島を挙げたい。イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督のもと、昨季リーグ最少失点ながら3位に終わった名古屋。今季のテーマは、いかに得点を挙げるかということだと思う。その点で、C大阪から新加入の柿谷曜一朗の出来がカギになりそう。私がキャンプを現地取材したところ、すごくいい動きをしていた。柿谷自身、強く誘われての移籍だったということで、新たなモチベーションでシーズンに臨むはず。名古屋はスムーズな補強で戦力を充実させたが、(ケガで金崎夢生が長期離脱しており)“9番タイプ”の選手が手薄なだけに、そこに柿谷がハマると面白そうだ。

 2列目のサイドにもマテウス、前田直輝、新加入の齋藤学(←川崎)ら実力者が揃うが、個人的には相馬勇紀に注目している。相馬自身「ことしは勝負の年」とし、食事を見直し体も絞ったと聞いているし、今季は相当やるような気がする。

 一方、鹿島は大きな補強はなかった。ただ、ブラジル人FWエヴェラウドが残留したのは何より。昨季の得点王はオルンガ(当時柏)に譲ったが、点を取るだけじゃなく体が強くポストプレーができ、ヘディングも上手い。そのうえでハードワークも厭わないなど、他の外国人と比較してもその能力は圧倒的と言ってもいい。

 エヴェラウドのほか、ファン・アラーノ、レオ・シルバも残留した。新加入のディエゴ・ピトゥカ、アルトゥール・カイキの合流は新型コロナの影響で遅れているようだが、元ブラジル代表のザーゴ監督ならブラジル人選手の扱いも問題ない。新加入のブラジル人選手が馴染めばさらなるプラスアルファになるかもしれない


岩本輝雄「なぜ横浜F・マリノスが優勝本命か」


■岩本輝雄(元日本代表MF)

 優勝予想
 ◎ 横浜F・マリノス
 〇 川崎フロンターレ
 〇 サンフレッチェ広島

 王者・川崎が強いのは間違いない。ただ、優勝候補の本命には期待を込めて横浜FMを挙げたい。

 昨季はコロナ禍での過密スケジュールに加え、ACLにも参加したことで連戦のなか苦しい戦いが続いたが、ことしはリーグ戦に集中できるのはメリット。一昨年の優勝時に見せた縦に速い攻撃サッカーは魅力的だったし、強烈なインパクトがあった。ことしはポステコグルー監督になって4年目のシーズン、エリキらが抜けて外国人選手の入れ替えはあったものの、戦うベースはできている。

 いまのサッカーは時間をかけて得点を取るのが難しいといわれているなか、横浜FMの縦への攻撃の意識はJリーグでも屈指。個人的には走れて上手い、中盤の和田拓也が今季は重宝されるのではないかと思っている。昨季は故障もあって守備の要チアゴ・マルチンスがパフォーマンスを落としていたのが気になったが、彼の調子が戻ってくれば十分に優勝をねらえるはず。


川崎の不安材料は? 広島は補強&若手に注目


 昨季、それまでの4-2-3-1から4-3-3にシステムを変えた川崎は、より攻撃に人数をかけられるようになっただけでなく、前線の三笘薫のところでポイントを作れるようになったのが大きい。2月の沖縄キャンプでは、札幌との練習試合(45分×4分)で14点を挙げているなど、ことしも川崎の攻撃力は健在だ。

 一方で、昨季その札幌が川崎の連勝を12で止めた際は、前線から積極的にマンツーマン気味でプレスにいったことが功を奏したわけで、対戦相手は引いて守るのではなく勇気を持って前から守備にいくことでチャンスが生まれると思う。

 川崎で気になるのは、中村憲剛が引退したことでチームがバタついたときに落ち着かせることのできる選手がいるかどうかということ。好調時にはそんな心配は不要だが、チームの歯車が狂ったときには彼のようなリーダーがいるといないとでは大きな違いになる場合がある。憲剛は若手にとってもいい手本になれる選手だったし、三笘や旗手怜央ら若手が台頭したとはいえ、個人的にはもう1年くらいやってもよかったのではないかと思っている。

 昨季はリーグ3位タイの失点の少なさながら、思ったように得点が奪えず8位に終わった広島も、今季は横浜FMからFWジュニオール・サントスを補強するなどしており面白そうだ。J・サントスは昨季22試合13点と結果を出したが、点を取るだけでなくスピードがあり相手の裏も狙える選手。広島には、青山敏弘や川辺駿らいいパサーがおり、その能力をさらに発揮する可能性も。他のクラブと比較しても広島ほど、連動した守備をやるチームはないし、前線にも森島司、浅野雄也らイキのいい若手が出てきているなど、チームのバランスは悪くない。

 徳島からリカルド・ロドリゲス監督を引き抜いた浦和も期待できそうな気配はあったが、シーズン開幕を前に昨季チーム得点王のレオナルドが中国の山東へ、DF橋岡大樹がベルギーのシント・トロイデンへそれぞれ移籍してしまったのは痛手。ロドリゲス監督の手腕は高く評価するが、その効果が出るには少し時間がかかるだろう。


岩政大樹「川崎独走の展開にはならないだろう」


■岩政大樹(元日本代表DF)

 優勝予想
 ◎ 川崎フロンターレ
 〇 鹿島アントラーズ
 〇 名古屋グランパス
 △ ガンバ大阪

 勝ち点はいったんゼロになるが、昨季圧倒的な強さを見せた川崎の力がなくなるわけではないので、今季もタイトルレースの本命は川崎になるだろう。

 昨季は降格がなく、下位クラブも上位クラブに対して真っ向勝負するような展開もみられ、終盤に交代枠が5人に増えたことをうまく利用するなどして、川崎が勢いづいた部分もあった。ただ、今季はJ2への降格枠が4つに増えたことで下位クラブは上位クラブに対して、勝ち点1でもOKと割り切った戦い方を選択する場面も十分考えられる。川崎の優位は変わらないとはいえ、昨季のように大型連勝が2度も続いた独走の展開にはならないと思う。


鹿島の2トップはJ最強と言ってもいい


 対抗馬には、昨年からの自信と継続性を踏まえて、鹿島と名古屋を挙げたい。

 鹿島はエヴェラウドが残留したことは戦力的にはもちろん、チームの士気を高める意味でも大きい。エヴェラウドはトップだけでなく、左サイドでもプレーできるし、昨季成長した上田綺世との2トップは破壊力という点でJリーグ最強と言ってもいい。

 ザーゴ監督になって、強引に若手を起用するようなところも見られたが、彼らは元々力のある選手たちで、そうした世代交代は鹿島がこれまでもやってきたことである。

 3連覇を達成した09年以来、“勝ち点での年間優勝がない”というのは懸念材料である。ただ、鹿島はことし創設30周年を迎え、クラブもそれを謳っていることからも力を入れてくるだろうし、ここ数年遠ざかっていた覇権を川崎から奪い返したいとの思いは強いはずだ

 名古屋は、(柿谷曜一朗や齋藤学ら)力がありながら近年はその能力を発揮できていなかった選手たちをこぞって取った印象があるが、彼らがどう復活するかというのは単純に楽しみ。また、地味ながら守備能力の高い木本恭生(←C大阪)、両サイドバックをこなす森下龍矢(←鳥栖)ら的確な補強を行い、起用できる駒が増えたのは強み。フィッカデンティ監督の戦術はそれほど複雑ではないし、新加入選手にとっても相性は悪くないように思う。とくに2列目は、齋藤、マテウス、相馬勇紀、前田直輝、阿部浩之と個性の違う選手が揃い、疲労度をみながらローテーションで使えるのはメリットになるはず。

 読めないのはG大阪。昨季はリーグと天皇杯をいずれも2位で終えたものの、戦い方としては相手を凌駕するような試合はほとんどなく、チーム全体で統一された献身性に東口順昭やパトリックたちの個性を組み込むことで手堅く勝ち点を拾っていた印象である。今季はそこに攻撃力をプラスしたいのだと思うが、選手を獲得したからといって単純な足し算にならないのがサッカーの面白いところ。新加入のレアンドロ・ペレイラは昨季広島で15点を挙げているなど能力は高いが、いい意味でも悪い意味でも王様タイプの選手。すでに宇佐美貴史という“王様”がいるなか、宮本恒靖監督がチームをどうマネジメントしていくのかは注目といえるだろう。

 また、昨季は古傷の故障もあった昌子源が100%の状態で1シーズンやれるかどうかも気になる。もし昌子がベストの状態なら日本でもトップレベルのDFだけに、優勝をねらううえで大きな要素になると思う。



◆元日本代表3人が徹底予想<J1リーグ優勝はどこ?> 本命は川崎だが、対抗は「鹿島、名古屋、そして…」(Number)





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