日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年2月27日土曜日

◆識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た(Sportiva)






2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!

今回は、毎年恒例の識者5人による今季の「J1全順位」予想。Jリーグに精通する面々がV候補に選んだのはどのチームか、さらには4チームが降格する残留争いをどう見ているのか、必見である――。


強力2トップ擁する鹿島が王者・川崎を倒す!?
ダークホースはロティーナ監督率いる清水

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 名古屋グランパス
4位 FC東京
5位 横浜F・マリノス
6位 ガンバ大阪
7位 清水エスパルス
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 柏レイソル
11位 セレッソ大阪
12位 北海道コンサドーレ札幌
13位 ヴィッセル神戸
14位 大分トリニータ
15位 横浜FC
16位 サガン鳥栖
17位 アビスパ福岡
18位 ベガルタ仙台
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 王者・川崎フロンターレをどこが倒すか?

 それは、ひとつの焦点になるだろう。

 昨シーズンの川崎は、ライバルを振り切る強さがあった。ゴールへ迫るボールプレーの質が際立って高く、"日本人MVP"とも言える三笘薫の存在は象徴的だったのではないか。中村憲剛の現役引退発表もあり、川崎一色のシーズンだった。そして、今シーズンもその強さは変わらない。

 対抗馬は、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、FC東京、横浜F・マリノスの4チームになるか。

 鹿島は、その筆頭格だろう。安定したマネジメントで、スカウティングのよさが光り、各ポジションに人材がそろった。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督体制2年目、王道を行く予感がある。

 その裏づけに、昨シーズン後半の巻き返しは瞠目(どうもく)に値した。エヴェラウド、上田綺世の2トップの実力はリーグナンバー1。不安要素はコロナ禍で新たに獲得したブラジル人選手たちの合流が遅れていることだが、仮に補強なしでも分厚いチーム力だ。

 名古屋は、イタリア人マッシモ・フィッカデンティ監督が戦い方を確立。GKランゲラックを中心にした守備陣は難攻不落の感があり、FWマテウスはカウンター一発で相手を仕留められる。基本戦術は変えず、前線にFW齋藤学、FW柿谷曜一朗を獲得し、単純に得点力を高めた格好だ。

 FC東京、横浜FMは一長一短か。前者は守備戦術を極め、ブラジル人助っ人も計算が立つが、MF橋本拳人の穴は埋まっていない。横浜FMは3バック、4バックの両刀になりそうだが、超がつくほどの攻撃戦術がハマるかどうかは、DFチアゴ・マルチンスの働き次第か。

 伏兵は、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が指揮を執ることになった清水エスパルス。スペインの名将は、組織的な守備と効果的なセットプレーを植えつける手腕に優れる。上位をうかがう可能性もある。

 4チームが降格となる残留争いは、熾烈になるだろう。10チーム程度が団子状態で、どう転んでもおかしくない。

 例えば、アビスパ福岡はFWブルーノ・メンデスなど外国人が稼働した場合、残留の道は開ける。一方で、横浜FCはMF松尾佑介の活躍次第で3つは順位が変わり、サガン鳥栖はどう転んでもおかしくないし、大分トリニータは大きく様変わりして未知数だ。

 最後に注目選手には、ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタの名前を挙げたい。彼は別格。故障離脱の機会が多くなりそうだが、出場した試合に巡り会ったら、それは幸せと言える。

 DF中野伸哉(鳥栖)、MF中村仁郎(ガンバ大阪)、MF西川潤(セレッソ大阪)、DF中村拓海(FC東京)など、新鋭選手の台頭も期待したい。


戦力ダウンの今季、川崎の独走は考えにくい
ACL不出場のFC東京と鹿島に巻き返しのチャンス

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 FC東京
3位 川崎フロンターレ
4位 横浜F・マリノス
5位 名古屋グランパス
6位 ガンバ大阪
7位 サンフレッチェ広島
8位 清水エスパルス
9位 ヴィッセル神戸
10位 柏レイソル
11位 セレッソ大阪
12位 浦和レッズ
13位 北海道コンサドーレ札幌
14位 大分トリニータ
15位 アビスパ福岡
16位 横浜FC
17位 サガン鳥栖
18位 徳島ヴォルティス
19位 ベガルタ仙台
20位 湘南ベルマーレ

 今季J1の順位予想をするにあたって、まずは川崎フロンターレの評価から始めたい。要するに、今季の川崎もぶっちぎりで独走するのかどうか、である。

 単純に川崎の戦力評価だけで言えば、昨季より落ちていると見ていいだろう。中村憲剛の引退に加え、アンカーとして堅実なプレーを見せていた守田英正が海外移籍。さらには齋藤学も名古屋グランパスへ移籍と、主力級が相次いでチームを離れた一方で、補強はジョアン・シミッチ以外、実績に乏しい選手が中心となった。

 にもかかわらず、今季はJ1と並行して、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)もこなさなければならないのである。かかる負荷は昨季の比ではない。

 実際、昨季のACL出場組にしても、横浜F・マリノスは9位、FC東京は6位、ヴィッセル神戸は14位と、総崩れに終わっている。いかに川崎といえども昨季のような独走は考えにくく、下手をすれば、ACL出場圏外(5位以下)に沈んでも不思議はない。

 同様にACLに出場するガンバ大阪、名古屋、セレッソ大阪もまた、厳しいシーズンを強いられることになるだろう。昨季以上の順位、すなわち、川崎を上回って優勝するのは難しそうだ。

 裏を返せば、ACLに出場しないクラブは巻き返しのチャンス。なかでも有力な優勝候補は、鹿島アントラーズとFC東京である。

 鹿島は昨季、尻上がりに調子を上げ、チームとしての戦いもまとまってきた。戦力的にもタイトル奪還に十分な駒が揃っている。

 また、鹿島とは対照的に、FC東京は昨季終盤に失速したが、ACLとの兼ね合いで超過密日程になったことの影響が大きかった。若手の成長で選手層は厚みを増しており、本来の力が発揮できれば頂点に立ってもおかしくない。

 その他、川崎、横浜FM、名古屋、G大阪、サンフレッチェ広島まで、上位に予想した7クラブに優勝の可能性があると見ている。

 一方、J2降格につながる下位予想は上位以上に難しい。一応、1位から20位までの予想順位をつけたが、ほとんどのクラブに「一歩間違えれば」の危険性がはらんでいると言ってもいい。

 なかでも厳しい戦いになりそうなのは、湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、横浜FCに、昇格組の徳島ヴォルティス、アビスパ福岡を加えた6クラブだろうか。特に湘南、仙台は昨季順位がワースト1、2だったにもかかわらず、それほど補強が進まず、反転攻勢の材料に乏しい。

 また、昇格組では昨季からの堅実な戦いが継続できる福岡よりも、リスクを負ったスタイルを志向しながらも、監督交代となった徳島のほうに不安要素が大きい。

 とはいえ、今季は下位4クラブが自動降格となるだけに、正直、どこが落ちてもさほどの驚きはない。本当にサプライズと言えるのは、川崎が降格したときくらいだろう。


スタイル確立。右肩上がりの鹿島が王座奪還か
ジュニオール・サントス次第で広島優勝の目も

原山裕平氏(サッカーライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 サンフレッチェ広島
4位 清水エスパルス
5位 FC東京
6位 ガンバ大阪
7位 名古屋グランパス
8位 横浜F・マリノス
9位 セレッソ大阪
10位 ヴィッセル神戸
11位 北海道コンサドーレ札幌
12位 柏レイソル
13位 浦和レッズ
14位 横浜FC
15位 ベガルタ仙台
16位 アビスパ福岡
17位 サガン鳥栖
18位 大分トリニータ
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 2チーム増えただけで、10倍くらい難しくなった気がする......。ただでさえ当たらないのに、さらに当たる気がおきません。でも、新シーズンを前に、これをやらないとどうも落ち着かない。お正月にお雑煮を食べるような感覚で、今年も予想させていただきます。

 優勝は鹿島アントラーズ。そろそろ優勝のターンだなと。鹿島の歴史的に、そういう流れになっている気がする。

 昨季、新体制になって右肩上がりでよくなっていき、今季はさらにスタイルが確立されていくでしょう。FWエヴェラウドとMFファン・アラーノという外国人もいい。何よりFW上田綺世がひとり立ちしたのが大きい。新しい助っ人もフィットすれば、王座奪還も見えてくる。

 川崎フロンターレも優勝候補だが、ゼロックス・スーパーカップを見た感じでは、昨季と同等の強さは感じられなかった。もちろん、まだ調整段階のところもあっただろうけど、去年と比べると勝ち切れない試合も出てきそうな。

(対戦チームの)対策も強まり、AFCチャンピオンズリーグもある。中村憲剛がいなくなったことも、意外と影響がありそうな予感......。

 サンフレッチェ広島はジュニオール・サントス次第。実は去年見た外国人FWのなかで二番目に強烈だったのが、このジュニオール・サントスだった(一番はオルンガ)。

 機動力があり、強さもある。インテンシティの高い試合でも、ボールを失わない技術もあった。チームへの機能性という意味では、オルンガ以上かもしれない。彼がケガなくシーズンを通してプレーできれば、優勝もあり得るかもしれない。

 補強に成功した清水エスパルスにも注目だ。タレント力のアップはもちろん、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の招聘が大きい。

 東京ヴェルディでは2年連続で昇格プレーオフに出場し、セレッソ大阪でも2年連続で上位争いをした。優勝は難しいかもしれないけど、どこへいっても一定の成果を生み出す指揮官なので、清水でも上位に食い込めるチームを作り出すはずだ。

 同じく大型補強を実現した名古屋グランパスは、やっぱり得点力が不安。純粋なストライカーがいないので、優勝とまではいかなそう。

 FC東京とガンバ大阪は似た印象を持つ。整備された守備組織と強烈な前線を備えるけれど、やや創造性に欠けるので、対策されると取りこぼしも増えてきそう。

 新体制の浦和レッズは、今季は基盤作りの1年に。うまくハマれば大勝する試合もある一方で、スタイルにこだわりすぎてミスから失点を重ねる場面も目に浮かぶ。オルンガが抜けた柏レイソルの苦戦は、さもありなんだ。

 今年は4チームが落ちる残留争いも大注目。大分トリニータは主力の流出が痛手で、サガン鳥栖と湘南ベルマーレはここ数年何とか耐えてきたけれど、そろそろ耐久性が限界を迎えそう。

 徳島ヴォルティスは前任者の功績があまりにも大きい。新監督の手腕が未知数な現時点では、下に置くほかない。


成熟度、安定性でリードするFC東京が本命
2年目ザーゴ監督率いる鹿島も有力なV候補

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位 FC東京
2位 鹿島アントラーズ
3位 川崎フロンターレ
4位 名古屋グランパス
5位 清水エスパルス
6位 ガンバ大阪
7位 サンフレッチェ広島
8位 柏レイソル
9位 横浜F・マリノス
10位 ヴィッセル神戸
11位 セレッソ大阪
12位 北海道コンサドーレ札幌
13位 横浜FC
14位 浦和レッズ
15位 大分トリニータ
16位 ベガルタ仙台
17位 サガン鳥栖
18位 アビスパ福岡
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 昨季は圧倒的な強さで独走優勝を果たした川崎フロンターレだが、その力に疑いの余地はないものの、連覇に立ちはだかるハードルは意外と高そうだ。

 今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するうえ、リーグ戦の日程も昨季ほど過密ではないため、対戦相手がじっくり対策を練って王者に挑んでくるはず。そのなかで、昨季のように順調に勝ち点を重ねるのは至難の業と言えるだろう。

 それに対して、ACLに参戦した昨季は超過密日程に悩まされ、橋本拳人と室屋成の海外移籍により、軌道修正が困難な状況に陥ったFC東京は、リーグ戦に集中できる強みがある。しかも、ルヴァンカップで長谷川健太監督体制下における初タイトルを獲得し、チームとしての自信もつけた。

 青木拓矢以外に計算のできる新戦力はいないが、これまで継続してきたメンバー編成で戦える今季は、成熟度、安定性という部分でライバルをリードする。

 2年目のアントニオ・カルロス・ザーゴ監督率いる鹿島アントラーズも有力候補のひとつだ。昨季は新しい戦術の浸透に時間を要して序盤戦で躓いてしまったが、中盤戦以降は勝ち点を積み重ねられるチームに進化した。

 その立役者となったFWエヴェラウドも残留し、中盤には2人のブラジル人新戦力も加わり、各ポジションで競争が激化。守備面に不安があるものの、選手層に厚みを増した今季は、優勝争いに加わることは間違いないだろう。

 一方、4チームが自動降格する残留争いで最も厳しい状況に立たされるのが、ダニエル・ポヤトス新監督がプレシーズンに参加できなかった徳島ヴォルティスだ。今後チームに合流できたとしても、戦術の浸透には時間がかかり、昇格チームとしては厳しいと言わざるを得ない。

 その他では、昇格組のアビスパ福岡、昨季最下位に終わった湘南ベルマーレ、戦力ダウンのサガン鳥栖、ベガルタ仙台、大分トリニータといったところが危険水域。

 その中では、6年目の片野坂知宏監督がブレないサッカーを続ける大分と、手倉森誠監督が復帰して震災から10年を迎える仙台が、やや優位と予想する。


現状維持も王者・川崎の優位は動かない
Bクラス以下は皆、降格の可能性を秘める大激戦

杉山茂樹氏(スポーツライター)

1位 川崎フロンターレ
2位 鹿島アントラーズ
3位 横浜F・マリノス
4位 名古屋グランパス
5位 ガンバ大阪
6位 FC東京
7位 セレッソ大阪
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 清水エスパルス
11位 ベガルタ仙台
12位 大分トリニータ
13位 サガン鳥栖
14位 ヴィッセル神戸
15位 北海道コンサドーレ札幌
16位 横浜FC
17位 柏レイソル
18位 徳島ヴォルティス
19位 アビスパ福岡
20位 湘南ベルマーレ

 昨季覇者の川崎フロンターレは、補強を積極的に行なったわけではない。さらなるチャレンジより、現状維持を優先した格好だ。2位との勝ち点差は昨季(18点差)より詰まるだろうが、逆転は難しいと見る。他チームと基本的な部分で、大きな差が存在する。

 鬼木達監督は昨季、ただ勝とうとしたわけではない。交代枠(5人)をほぼフルに使いながら、勝利を追求した。その結果、誰が出場しても戦力は落ちない状態にある。"経験"という名の貯金は今、どのチームにも勝る。

 追走する一番手は、昨季スタートを大失敗して5位に甘んじた鹿島アントラーズ。このチームも層が厚い。FWエヴェラウドというJリーグ屈指の本格派ストライカーもいる。絶対的な存在ではないが、大崩れしない。高位安定型というチームカラーは健在と見る。

 12位(2018年)→優勝(2019年)→9位(2020年)と、過去3シーズン、上がったり下がったりをしている横浜F・マリノス。アンジェ・ポステコグルー監督の4シーズン目は、昨季(9位)より上昇するだろう。成績のみならず、攻撃的サッカー度でも川崎に先を越された屈辱を、どこまで晴らすことができるか。

 名古屋グランパス、ガンバ大阪、FC東京、セレッソ大阪までがAクラス候補。サンフレッチェ広島以下がBクラス候補になる。

 Cクラスは存在しない。4チームが降格する今季、Bクラスはその可能性を秘めたチームの集団という意味になる。多くのチームが降格の危機にさらされている。

 浦和レッズ、ヴィッセル神戸といった"金満クラブ"も例外ではない。大きなクラブほど慌てる。大きく足を踏み外してしまう可能性も......。

 降格候補に変わりはないが、昨季より状況がいいように見えるのは、ミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督に迎える清水エスパルス。大量失点する癖が解消されれば、自ずと順位は上がるだろう。

 しかし、攻撃的サッカーを標榜したピーター・クラモフスキーからロティーナへの交代は、哲学的に筋が通らない。長い目で見ると危うい選択に見える。

 オルンガがチームを去った柏レイソル、昨季後半に負けが込んだ横浜FC、常にギリギリの戦いを強いられている湘南ベルマーレは、徳島ヴォルティス、アビスパ福岡という昇格組ともども苦しい展開を強いられそうだ。




◆識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た(Sportiva)





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