[4.23 ルヴァン杯グループA第5節 鹿島 3-0 大分 カシマ]
数的不利となった後半に3失点こそ喫したが、19歳にして大分トリニータで出番を重ねるGK西川幸之介がキラリと光るパフォーマンスを見せた。
ハイライトは前半45分。DF羽田健人の一発退場となるファウルでPKを与えたが、西川はMF荒木遼太郎のキックを完璧にセーブした。「荒木選手は非常に上手い選手だったので、決めたところにしっかり蹴ってくるかなと予想していたけど、ボールを置くまでの間とか、目が合った時の表情で迷っているというのは感じたので、見てから飛ぼうという気持ちに切り替わった」。冷静な駆け引きで優位に立ち、股関節を中心としたキックモーションを見てコースを予測。完璧なタイミングで左に飛び、シュートをかき出した。
その他にもFW鈴木優磨のスルーパスに抜け出したMF松村優太にシュートを打たせなかった前半33分の場面、DF常本佳吾のスルーパスに反応したFW染野唯月のシュートを止めた後半13分の場面、染野のパスを受けたMF和泉竜司のシュートをセーブした後半33分の場面など、絶妙な飛び出しや素早い反応でビッグセーブを連発。1失点目と3失点目はノーチャンスだったこともあり、下平隆宏監督も「非常に戦ってくれて、ビッグセーブも背後の処理もやってくれたので評価できる」と目を細めていた。
西川自身も「そこまで手応えを感じたわけではない」としながらも、「ビビらずにプレーできたかなというのが素直な印象」と手応え。また得意の飛び出しについては「鹿島自体が裏とかスルーパスを狙ってくるというのは分析できていたので、自分はプレーエリアが広いタイプだと思っているし、そこを埋めることでディフェンスラインがハイラインで対応できると思った。そこは試合前から意識していた」と前向きに語った。
一方、現在のパフォーマンスに満足しているわけではない。プロ2年目の19歳にしてルヴァン杯4試合目だが、「自分の経験値としては非常に高いものになっていると思うけど、失点数としては4試合で14失点している」と結果にフォーカス。「シュートを止めることだけでなく、シュートに持ってこさせる前に、シュートを打たせないために影響を与えられる選手にならないといけないと感じている」と課題を見つめている。
正守護神を務めるGK高木駿は2017年の加入以来、そうした意味でもチームを牽引してきた存在。「自分は勝たせるGKという目標を持っている」という西川も後に続く活躍が求められる。
「シュートを止めることもそうだけど、チームを引っ張って、統率して、試合前にはチームを締めて、チームの雰囲気を良くしたり、チームの得点源になれる部分もあると思う。また年齢が離れた選手にもモノを言えるとか、責任を持ってプレーするところもしっかり突き詰めていきたい」。現状維持で満足しない19歳はさらなる高みを見据えながら、プロキャリアを歩み続けようとしている。
(取材・文 竹内達也)
◆「迷っているのは感じた」大分19歳GK西川が荒木のPKストップ! 3失点も好セーブ連発(ゲキサカ)
大分GK西川選手『(荒木が)ボールを置くまでの間とか、目が合った時の表情で迷っているというのは感じたので、見てから飛ぼうという気持ちに切り替わった』
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) April 24, 2022
◆「迷っているのは感じた」大分19歳GK西川が荒木のPKストップ! 3失点も好セーブ連発(ゲキサカ) https://t.co/7l9vwCxDFB #荒木遼太郎 pic.twitter.com/TOcyVsIi0J