負けたら終わりの一発勝負で、試合を締める大役を担った。日本代表DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)はアジアカップ決勝トーナメント1回戦バーレーン戦(○3-1)から一夜明けた1日、報道陣の取材に対応。3バックへの変更に伴って後半35分から出場した一戦を「感触はチームとしてもよかった」と前向きに振り返った。
町田は3-1で迎えたバーレーン戦の後半35分、チームが4-2-3-1から3-4-2-1にシステムを変えたことに伴い、3バックの左CBで途中出場。相手が長身選手を前線に2枚並べてきていた中、190cmの長身を生かした対人守備でアディショナルタイム10分が取られた終盤の展開を落ち着かせ、勝利に貢献していた。
試合後にはDF冨安健洋(アーセナル)から、町田投入による布陣変更に前向きな言葉が出ていたが、町田自身も手応えがあった様子。「(中山)雄太くんも僕が入ってからやりやすくなったと言ってくれたし、ああいう起用になってもチームとして攻撃しに行く、攻撃のチャンスを作り出すこともできた。後ろが重くなりすぎずやれていたのはいいこと。僕自身もああいう起用は今後も多くなると思うので、クローザーとしての仕事をしっかり遂行したい」とも述べ、良いテストになったようだ。
中2日で迎える準々決勝で対戦するイランは、バーレーン以上に前線に迫力のある選手が並ぶ強敵。幸いにもポルト所属のエースFWメフディ・タレミは決勝トーナメント1回戦の退場処分により日本戦は出場停止となるが、ローマ所属のFWサルダル・アズムンは186cmの長身と強いフィジカル、高い得点力を兼ね備えており、警戒すべきキーマンとなる。
町田自身も「出場停止の選手(タレミ)もいるので、そうなってくるとアズムンにかかる攻撃の負担は大きくなると思うし、そこは潰しておかないといけない」と警戒は欠かさない。昨季はUEFAヨーロッパリーグ準々決勝で、当時アズムンが所属していたレバークーゼンと対戦。第2戦ではフル出場し、マッチアップしていた経験は活きそうだ。
「身体が強くてボールが収まるし、起点を作って味方を活かせる印象を持っている。しっかり得点に関わるところも怖い選手。しっかり起点を作らせないようにしたい」。イメージは万全。「失点が続いているのでゼロで終わりたい気持ちはDF陣みんな持っている。結果で示したい」と意気込んだ。
またバーレーン戦ではDF板倉滉(ボルシアMG)が終盤に左すねを痛めており、イラン戦の出場可否はそのコンディション次第。グループリーグ第3戦で好プレーを続けていた町田はクローザー起用だけでなく、先発出場の可能性も浮上している。
中2日で迎える一戦だが、「みんなヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグでやっている選手が多いので、そこの調整は慣れていると思う。僕自身も中2日、中3日が続くほうが身体が動いていたりする。1週間空くよりもやりやすい」と町田。「総力戦なので誰が出ても準備できている。今日もいい練習ができたのであとはピッチで出すだけ」と先発に名乗りをあげた。
(取材・文 竹内達也)
◆3バック締めた町田浩樹、イランFWはELで対戦経験あり「そこはつぶしておかないと」(ゲキサカ)