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J1 第14節 徳島ヴォルティス戦
赤崎がリーグ戦初ゴール!鹿島が徳島を完封で撃破、連敗は3でストップ。
10日に行われた川崎F戦で1-4と大敗を喫し、3連敗で7位に転落した鹿島が、W杯中断前最後のリーグ戦に臨んだ。カシマスタジアムで開催されたJ1第14節の徳島ヴォルティス戦は、先発したルーキー赤崎が前半に決めたリーグ戦初ゴールが決勝点となり、1-0で完封勝利を収めた。
鹿島は川崎F戦から先発メンバーを2人入れ替え、左サイドバックには今季初先発初出場となる前野、1トップには赤崎が入った。連敗ストップを懸ける鹿島は立ち上がりからボールを支配し、徳島ゴールを狙う。前線の赤崎が攻守に渡って運動量豊富に走り回り、最終ラインへのプレスでボールを奪うなど、存在感を示した。8分には、土居が右サイドの背後へスルーパスを出すと、反応した赤崎がゴールライン際から中央へ折り返す。クロスボールは相手DFにブロックされたが、土居と赤崎の好連係からチャンスを演出した。15分には、右サイドの伊東がクロスを上げ、赤崎が飛び込んだものの、わずかに届かなかった。
待望の先制点は24分、赤崎によってもたらされた。土居が右サイドの背後を取ると、中央へグラウンダーのクロスを送る。反応した赤崎は右足を一閃。強烈なシュートは対面していた相手DFの股下を抜き、ゴールネットに突き刺さった。赤崎のリーグ戦初ゴールで、鹿島が4試合ぶりに先制に成功した。
1点リードの鹿島は、その後もボール支配率で徳島を圧倒し、追加点を目指す。30分には、左サイドでのパス交換からペナルティーエリア手前までボールを運ぶと、最後は後方から走り込んだ柴崎がミドルシュート。相手DFに阻まれたが、攻撃の形を作った。その直後にも、左サイドからカットインしたカイオの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、相手GKにキャッチされた。鹿島は追加点を奪えなかったが、1-0でハーフタイムを迎えた。
鹿島は後半も攻撃の手を緩めず、50分には右サイドからカットインした遠藤が中央のカイオへパスを出す。カイオはペナルティーエリア手前から右足シュートを放ったが、うまくヒットせず、相手GKにキャッチされた。55分には、柴崎が糸を引くようなスルーパスを通し、オーバーラップした伊東がペナルティーエリア内でボールに触ると、こぼれ球を土居がシュート。惜しくも枠の上へ外れた。
61分には、植田に代えて中田を投入し、最終ラインのテコ入れをして追加点を目指す。75分には、土居からのラストパスを受けた赤崎がペナルティーエリア内でボールを持ったものの、シュートは相手DFにブロックされてしまった。76分にルイス アルベルト、79分にダヴィを投入して活性化を図る鹿島は、終盤もチャンスを作り続ける。83分には、2列目にポジションを上げた柴崎が右サイド深くまで攻め込み、中央へピンポイントのクロスを送る。ゴール手前でフリーのダヴィが、左足ボレーで合わせたものの、至近距離からのシュートをGKに阻まれて追加点は生まれなかった。
鹿島は26本ものシュートを放ち、1点止まりではあったが、1-0で完封勝利。連敗を3で止め、中断期間前最後のリーグ戦を白星で飾った。次戦は21日のヤマザキナビスコカップA組第4節のガンバ大阪戦だ。決勝トーナメント進出のために重要な意味を持つ一戦となる。中3日で迎えるアウェイゲームだが、勝点3を奪って波に乗りたい。
【この試合のトピックス】
・公式戦初顔合わせの徳島を相手に完封勝利を収めた。
・リーグ戦の連敗を3で止め、リーグ戦8勝目で勝点を24に伸ばした。
・赤崎が第7節の新潟戦以来、7試合ぶり2戦目の先発出場。リーグ戦初ゴールを決めた。
・前野が今季初先発初出場を果たした。
・中田が61分に途中出場し、第3節の鳥栖戦以来、11試合ぶりにリーグ戦のピッチを踏んだ。
・山村が第9節の広島戦以来、5試合ぶりとなるベンチ入りを果たした。
・26本のシュートを放ち、リーグ戦では歴代5番目に多い数値を記録した。なお、26本のシュートを放った試合は過去に5回あった。過去最多は1999年の2ndステージ第14節の平塚(現・湘南)戦で、34本のシュートで6得点を奪っている。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・相手ディフェンスラインを左右にゆさぶりながら攻撃を組み立てよう。
・必ず得点チャンスは来る。焦らずシンプルに戦おう。
・守備については、まずはボールを入れさせないこと。
ボールに対するアグレッシブさを忘れず各エリアで守備の意識を持つこと。
徳島ヴォルティス:小林 伸二
・相手がボールを下げたときに間合いをきっちり詰めて球際にもっと行こう。
・落ち着いて、縦と脇に受けるサポートを作ろう。積極的にもう1回行こう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(1ゴールに終わり、)作ったチャンスとゴール数を見ると物足りないとは思うし、後々この結果が悔やまれることになるかもしれない。ただ、チャンスが作ることができたのは、いいこと。これから精度が高まれば、ゴールも入る。
・後半は、危うく代償を払う危険性もあった。若いチームなので体力的な問題や気持ちの問題もあった。しかしそれは若さゆえということもあるので、やむを得ない部分もある。
・シーズンは長いので、今いるメンバー全員で戦い抜かなければならない。今後もまだ出場機会を得ていない選手を起用することもある。(出場しなかった)山本の場合は負傷なので、(その代役として)同じポジションの前野を使うのは当たり前のこと。またダヴィは連戦続きだったし、若い赤崎を使うタイミングとしても適当だった。若い選手はいつかは試合に出なければいけないわけだし、赤崎がいることでボールも良く回ったし、体力が落ちるまで良かったと思う。ダヴィも短い出場時間でチャンスを作っていた。
・(植田の代わりに入った)中田は実績も経験もある。彼はやるべきことを知っているし、たとえ目をつぶっていてもボールの音を聞いただけで何をすればいいか分かっているし、その力を発揮してくれた。植田は、まだ19歳であり、これから成長していく。中田が今できることを植田はこれからできるようになっていく。今日の植田で評価したいのは、イエローカードをもらったこと。これは積極性の証だし、イエローカードをもらえないセンターバックでは話にならない。
徳島ヴォルティス:小林 伸二
前半はサイドでの守りが緩く、ボールを保持している時には相手のプレッシングが早いのに焦りを感じ、追い詰められた。序盤も後半と同じように恐れずにボールを回せば回避できたのではないかと思う。失点はもったいなかった。後半の戦い方は良かったし、ああいう時間をもっと増やせれば良かった。最後の交代枠を使った後に負傷者が出たのは、(他の10人の)選手たちにダメージを与えてしまった。しかし失点しなかったのは、(GKの)長谷川のおかげかと思う。
選手コメント
[試合後]
【赤崎 秀平】
多くのチャンスを外してしまったので、嬉しさと悔しさが半分ずつという感じ。自分が出た試合では、自分の動き出し次第でヤスさんや聖真、満男さんからいくらでもパスが出てくる。本当に今日は外しまくったという感じです。前日の午後にクラブハウスに行った時、(大岩)剛さんに「明日、あるからな」と言われていた。しっかりと準備ができた。チームに貢献できたことが嬉しい。日々の練習の中で、お手本になるすばらしい先輩がいるので、盗んでいきたい。2点目を決めていればチームは楽になったと思う。最後まで何が起こるかわからない展開にしてしまったのは攻撃陣の責任だと思う。その中で僕は一番多くのシュートを打っていると思うし、そこは高めていかないといけない。
【前野 貴徳】
久しぶりの試合だったので、非常に緊張した。その中で落ち着いて入ろうという意識はあった。相手が引いてくることはわかっていたので、バイタルエリアやサイドチェンジをうまく使ってパスを回す意識でやっていた。思いきって攻撃参加をしようと思っていた。後半は主導権を握られる場面もあったし、90分通してチームとして積極的に、主導権を握る戦いをしたかった。ある程度、自分のプレーを出せた。無失点で終わることができたのは良かった。1-0という難しい試合を勝ちきったのはチームにとってプラスだが、2点、3点と取れる場面もあったので、質を上げていきたい。
【遠藤 康】
相手は引き分け狙いで来ていた。中断前にとりあえず勝てて良かった。すぐにヤマザキナビスコカップがあるので、勝ちきっていきたい。今日はボランチもよくボールを触って、よくボールは回っていた。秀平はよく顔を出してくれて、裏を狙ってくれたりもした。秀平に助けられた試合だと思う。こういう試合を、去年は落としたり引き分けたりしていた。勝てたことが大事だと思う。
伊東選手、土居選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。