J1 2nd 第17節 vs名古屋グランパス
中村が決勝点。鹿島、リーグ最終戦を完封勝利で飾る。
鹿島が、2ndステージ最終戦を白星で飾った。J1 2nd 第17節、名古屋グランパスをカシマスタジアムに迎えると、54分に中村が決勝点を挙げ、1-0で勝利。勝ち点を37に伸ばし、2ndステージは2位で終了した。
鹿島は2週間前の第16節で横浜F・マリノスをホームに迎え、カイオの2ゴールで2-0と快勝した。ヤマザキナビスコカップ決勝から続く、攻守ともに充実した内容の90分間を披露し、相手を寄せ付けずに勝ち点3を奪った。
あれから2週間のインターバル、選手たちは日々、トレーニングを積んだ。15日には湘南ベルマーレとの練習試合を行い、さらなるレベルアップを期した。西が「本当の力がついてきたと感じている」と手応えを語る通り、チーム全体の底上げが見て取れるほど、選手たちの力は向上している。充実感と緊張感に満ちた日々を経て、ホーム最終戦を迎えた。
試合前日の練習を終え、石井監督は「ヤマザキナビスコカップを獲ったことで、チームのレベルは上がっているし、それを継続できている。たくさんのサポーターの皆さんの前で、良いサッカーを見せて終わりたいと思う」と、決意を語った。
指揮官は横浜FM戦から、先発メンバー1名を変更。金崎に代わって中村を起用し、カイオを前線に配した。その他、GKに曽ヶ端、最終ラインは西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原のコンビで、2列目には中村と並んで遠藤、そして前線にはカイオと赤崎が入った。そしてベンチには、GK佐藤のほか、山村、青木、植田、豊川、杉本、鈴木優磨が座る。
ステージ最終戦、カシマスタジアムには多くのサポーターが足を運んだ。ホーム側スタンドをアントラーズレッドで埋め尽くし、勝利への思い、そしてわずかに残る逆転優勝への望みを大きな声に託した。ウォーミングアップに現れた選手たちに、「奇跡を起こせ」と大音量のチャントが降り注がれた。
13時33分、キックオフのホイッスルが鳴った。背番号12のサポートを背に、鹿島は序盤から積極的にゴールを目指した。前線に入ったカイオと赤崎が起点となり、力強い突破でチームの推進力となっていく。まずは6分、カイオが強烈なミドルシュートを放ってゴールへの意欲を示した。
最初のチャンスは17分、赤崎がペナルティーエリア手前から強烈なミドルシュートを放ったが、相手にブロックされてしまう。18分には遠藤の左CKがファーサイドへ流れ、中村が中央へパスを戻すと、最後はソッコがシュート。GKの手を避けて枠を捉えていたが、ボールは無情にもゴールライン上でクリアされてしまった。
攻勢をかける鹿島は、さらに20分にもチャンスを作る。キレのある動きを見せ続けるカイオが、左サイドを高速ドリブルで切り裂き、巧みなルーレットで相手をかわして右足を一閃。強烈なシュートは、惜しくも相手GKに弾き出されてしまった。
前半の半ばを過ぎ、試合は拮抗した展開となった。高さのある選手を前線に揃える名古屋に起点を作られ、押し込まれる場面もあったが、曽ヶ端を中心とした守備陣がしっかりと集中力を保って応戦する。昌子とソッコのセンターバックコンビも激しい競り合いと冷静なカバーリングを繰り返し、ピンチの芽を摘んだ。
前半終了間際、鹿島はビッグチャンスを迎える。44分、カイオからのパスを受けた赤崎が、丁寧なパスをペナルティーエリア手前へ。走り込んでいた遠藤が得意の左足を振り抜くと、強烈なシュートはクロスバーを直撃してしまった。前半は均衡を破ることができず、スコアレスでハーフタイムに突入した。
0-0で迎えた後半も、鹿島は立ち上がりから攻勢をかける。カイオがドリブルで名古屋を押し込み、何度もチャンスを演出。52分には左サイドを突破し、ゴールライン際から中央へ折り返すと、最後は遠藤がダイレクトで狙ったが、枠を越えてしまった。
しかし、2分後に歓喜の時が待っていた。54分、敵陣中央からドリブルで仕掛けた中村が、ペナルティーエリア右側に進入。鋭い切り返しでシュートコースを作り出すと、左足を振り抜いた。「GKもDFも、位置が全て見えていた」と言う冷静な背番号13が、正確なシュートでゴールネットを揺らした。鹿島がついに均衡を破った。
リードを奪った鹿島は、次のゴールを目指してたたみ掛ける。56分、ペナルティーエリア右側を縦へ突破した遠藤の右足シュートはゴールライン上でクリアされ、直後にも遠藤のボレーシュートがGKのビッグセーブに防がれた。しかし、1点を奪っただけでは満足しない鹿島の猛攻に、スタジアムのボルテージは高まった。
その後、前線に長身の選手を投入してパワープレー気味に攻撃を仕掛ける名古屋に対して、鹿島は守勢に回った。しかし、高い集中力を保ち続ける守備陣が綻びを見せない。名古屋にボールをキープされる時間が長くなったが、途中出場した鈴木優磨や豊川が時折、ゴールを狙うなど、追加点への意欲は失わなかった。
1点リードを保ったまま、後半アディショナルタイムに突入した。1分を過ぎた頃、鹿島は最大のピンチを迎える。右サイドからクロスを上げられ、ゴール前でシュートを打たれたが、昌子が気迫の顔面ブロック。背番号3が気迫に満ちた守備を見せ、チームを救った。
中村が決勝点。鹿島、リーグ最終戦を完封勝利で飾る。
鹿島が、2ndステージ最終戦を白星で飾った。J1 2nd 第17節、名古屋グランパスをカシマスタジアムに迎えると、54分に中村が決勝点を挙げ、1-0で勝利。勝ち点を37に伸ばし、2ndステージは2位で終了した。
鹿島は2週間前の第16節で横浜F・マリノスをホームに迎え、カイオの2ゴールで2-0と快勝した。ヤマザキナビスコカップ決勝から続く、攻守ともに充実した内容の90分間を披露し、相手を寄せ付けずに勝ち点3を奪った。
あれから2週間のインターバル、選手たちは日々、トレーニングを積んだ。15日には湘南ベルマーレとの練習試合を行い、さらなるレベルアップを期した。西が「本当の力がついてきたと感じている」と手応えを語る通り、チーム全体の底上げが見て取れるほど、選手たちの力は向上している。充実感と緊張感に満ちた日々を経て、ホーム最終戦を迎えた。
試合前日の練習を終え、石井監督は「ヤマザキナビスコカップを獲ったことで、チームのレベルは上がっているし、それを継続できている。たくさんのサポーターの皆さんの前で、良いサッカーを見せて終わりたいと思う」と、決意を語った。
指揮官は横浜FM戦から、先発メンバー1名を変更。金崎に代わって中村を起用し、カイオを前線に配した。その他、GKに曽ヶ端、最終ラインは西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原のコンビで、2列目には中村と並んで遠藤、そして前線にはカイオと赤崎が入った。そしてベンチには、GK佐藤のほか、山村、青木、植田、豊川、杉本、鈴木優磨が座る。
ステージ最終戦、カシマスタジアムには多くのサポーターが足を運んだ。ホーム側スタンドをアントラーズレッドで埋め尽くし、勝利への思い、そしてわずかに残る逆転優勝への望みを大きな声に託した。ウォーミングアップに現れた選手たちに、「奇跡を起こせ」と大音量のチャントが降り注がれた。
13時33分、キックオフのホイッスルが鳴った。背番号12のサポートを背に、鹿島は序盤から積極的にゴールを目指した。前線に入ったカイオと赤崎が起点となり、力強い突破でチームの推進力となっていく。まずは6分、カイオが強烈なミドルシュートを放ってゴールへの意欲を示した。
最初のチャンスは17分、赤崎がペナルティーエリア手前から強烈なミドルシュートを放ったが、相手にブロックされてしまう。18分には遠藤の左CKがファーサイドへ流れ、中村が中央へパスを戻すと、最後はソッコがシュート。GKの手を避けて枠を捉えていたが、ボールは無情にもゴールライン上でクリアされてしまった。
攻勢をかける鹿島は、さらに20分にもチャンスを作る。キレのある動きを見せ続けるカイオが、左サイドを高速ドリブルで切り裂き、巧みなルーレットで相手をかわして右足を一閃。強烈なシュートは、惜しくも相手GKに弾き出されてしまった。
前半の半ばを過ぎ、試合は拮抗した展開となった。高さのある選手を前線に揃える名古屋に起点を作られ、押し込まれる場面もあったが、曽ヶ端を中心とした守備陣がしっかりと集中力を保って応戦する。昌子とソッコのセンターバックコンビも激しい競り合いと冷静なカバーリングを繰り返し、ピンチの芽を摘んだ。
前半終了間際、鹿島はビッグチャンスを迎える。44分、カイオからのパスを受けた赤崎が、丁寧なパスをペナルティーエリア手前へ。走り込んでいた遠藤が得意の左足を振り抜くと、強烈なシュートはクロスバーを直撃してしまった。前半は均衡を破ることができず、スコアレスでハーフタイムに突入した。
0-0で迎えた後半も、鹿島は立ち上がりから攻勢をかける。カイオがドリブルで名古屋を押し込み、何度もチャンスを演出。52分には左サイドを突破し、ゴールライン際から中央へ折り返すと、最後は遠藤がダイレクトで狙ったが、枠を越えてしまった。
しかし、2分後に歓喜の時が待っていた。54分、敵陣中央からドリブルで仕掛けた中村が、ペナルティーエリア右側に進入。鋭い切り返しでシュートコースを作り出すと、左足を振り抜いた。「GKもDFも、位置が全て見えていた」と言う冷静な背番号13が、正確なシュートでゴールネットを揺らした。鹿島がついに均衡を破った。
リードを奪った鹿島は、次のゴールを目指してたたみ掛ける。56分、ペナルティーエリア右側を縦へ突破した遠藤の右足シュートはゴールライン上でクリアされ、直後にも遠藤のボレーシュートがGKのビッグセーブに防がれた。しかし、1点を奪っただけでは満足しない鹿島の猛攻に、スタジアムのボルテージは高まった。
その後、前線に長身の選手を投入してパワープレー気味に攻撃を仕掛ける名古屋に対して、鹿島は守勢に回った。しかし、高い集中力を保ち続ける守備陣が綻びを見せない。名古屋にボールをキープされる時間が長くなったが、途中出場した鈴木優磨や豊川が時折、ゴールを狙うなど、追加点への意欲は失わなかった。
1点リードを保ったまま、後半アディショナルタイムに突入した。1分を過ぎた頃、鹿島は最大のピンチを迎える。右サイドからクロスを上げられ、ゴール前でシュートを打たれたが、昌子が気迫の顔面ブロック。背番号3が気迫に満ちた守備を見せ、チームを救った。
試合終了のホイッスルが鳴り響いた。1-0。公式戦3試合連続のクリーンシートで、鹿島が勝ち点を37に伸ばした。しかし、同時刻キックオフの一戦で首位の広島が勝利を収めたため、首位奪回は叶わなかった。
これで、鹿島は今季の公式戦全日程を終了した。2ndステージは2位、年間勝ち点では5位でのフィニッシュ。リーグ戦のタイトルを6年連続で逃した悔しさ、天皇杯とAFCチャンピオンズリーグでの早期敗退という屈辱、そしてヤマザキナビスコカップ制覇という喜び。様々な思いを胸に、さらなる飛躍を期して鹿島の2015年は幕を閉じた。
【この試合のトピックス】
・公式戦3試合連続の完封勝利を収めた。
・石井監督の就任後、2ndステージ14試合の成績は11勝3敗だった。
・2ndステージは2位、年間勝ち点では5位で今季の全日程を終えた。
・名古屋との今季の対戦は1勝1分となった。
・中村がリーグ戦2試合ぶりに先発出場し、2ndステージ初ゴール、今季のリーグ戦2ゴール目を挙げた。
・豊川が2試合連続の途中出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・ピッチがスリッピーなので、テンポは維持しつつ落ち着いてボールをつないでいこう。
・ボールを支配し、相手を陣内に押し込んで、積極的にシュートを打とう。
・相手攻撃陣への対応とカバーは集中して続けること。
名古屋グランパス:西野 朗
・1つ1つの局面で競り勝つこと。
・ボールを持った時に全体で前へ向かうこと。
・後半はもっと周りをみて連携できるように。
・最後の45分、勝ちにいこう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日は最終節であり、ホーム最終戦ということもあったので、まず勝つことを目標にしていた。そのうえで、可能な限りゴールを決めて広島を逆転することをねらっていた。そこは叶わなかったが、失点ゼロで勝って終われたことは非常によかったと思う。広島には優勝おめでとうと伝えたい。
Q 激動のシーズンを振り返って、今の気持ちは?
A シーズン途中で監督が代わったことは、セレーゾ前監督自身の問題だけではない。アシスタントコーチをやっていた自分自身の責任も感じている。チームを再建するために、監督を受けた。一番考えたのは、選手の能力を100%出し切るための練習をすること。その取り組みが後半の成績につながっていった。選手たちも、自分たちが変わらなくてはいけないという意識を持ってくれたことが大きかった。4ヵ月ほど監督を経験して、本当に大変な仕事だと感じている。
Q 3年続けて最終戦にタイトルがかかっていた。今年は勝って終わることができたが、来年につながるものはあるか?
A 最終節だけではなく、これまでの積み重ねでこのような状態になってしまった。こうなる前に勝ち点を積み重ねていれば、こういう状態にはならなかった。単純に最終節だけが問題ではない。今日の勝利は、確かに来年につなげたいと思っている。しかし、メンバーも変わるので、今日の試合というよりも、ナビスコカップ決勝の試合を最低ベースに考えて、そこからチームを積み重ねていきたいと考えている。
Q 選手の力を100%出すための練習とは、具体的にどんなものか?
A ゲームと同じ状況で練習をするということが一番。若い選手にもしっかりチャンスを与え、それぞれの選手の能力を見極めるのが私の仕事だと思っている。練習では試合で起こりうる状況を作りながら練習してきた。タッチ制限をあまりしない、サイドにボールが出たらスローインするなど、単純なこと。
Q 喪章をつけてのプレーだったが、特別な思いはあったか? 来年は続投ということか?
A アントラーズ創設期から非常に力を注いでくれた下妻さんに哀悼の意を込めて喪章をつけた。そういう気持ちもあって、選手がいいパフォーマンスをしてくれた。下妻さんには常に声をかけていただいた。ナビスコカップも見ていただいたがお会いできず、先日の横浜FM戦で頑張ってるねと声を掛けてもらったのが最期だった。来年に関しては、オファーをいただいた。
Q 前半をどう見ていたか?
A 相手が前からプレッシャーをかけてきていた。途中から緩くなったところがあり、こちらが相手陣内でボールを回す時間も増えていた。後半はこのペースではいかないのではと感じていた。前半はプレッシャーをかけられていたので、なかなか相手陣内にボールを運ぶことができなかったが、DF陣も落ち着いて対応できていたので、安心して見ていた。
名古屋グランパス:西野 朗
選手たちが最後までタフに戦ってくれた。負けたゲームで満足することはありえないが、選手が気持ちを入れて戦ってくれたことには満足している。多少オープンな展開になったが、最後までゴールを奪いに行く姿勢を見せられた。チームが機能して戦えたことはよかったと思う。杉森にとっては刺激のあった1年だった。先週まで代表でイングランドに行っていたが、一段と姿勢が高まり悪い状態ではなかった。彼をこの試合で使ったのは、将来だけを考えたのではなく、しっかりと力を出せる状態だったから。私自身の来年に関してはまったくのフラット。自分のモチベーションを問い直したい。グランパスを2年間停滞させてしまった。もう一度燃やすものを見つけられたらと思う。
選手コメント
[試合後]
【中村 充孝】
結果的には勝つことができたが、内容は反省しなければいけない。ヤマザキナビスコカップ決勝のイメージからはかけ離れている内容だった。ゴールの場面は、相手の位置が全て見えていた。相手の逆を突くことができて良かった。
【西 大伍】
あまり良い試合ではなかったけど、勝てて良かった。成長した部分を出せた試合とは言えないが、1年を通じて考えれば、成長を感じられたと思う。
【曽ヶ端 準】
チーム全体がアグレッシブに行けていた。相手は最後、パワープレーだったが、セカンドボールへの自分たちの反応は良かったと思う。
昌子選手、山村選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。