日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年12月17日土曜日

◆【クラブW杯】鹿島は速く、しつこくレアルを驚かせろ…大久保嘉人・特別観戦記(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/world/20161216-OHT1T50139.html



 川崎の元日本代表FW大久保嘉人(34)が、クラブW杯準決勝を観戦。スペイン1部マジョルカ在籍時に欧州代表のRマドリード(スペイン)と対戦した経験があり、スポーツ報知に特別観戦記を寄せた。

 レアルと鹿島の決勝は、本当にワクワクするね。日本のクラブが、どこまでやれるのか。鹿島がやってくれれば、Jリーグ全てのチームに自信がつく。海外、特にスペインリーグの選手は守備の時にスライディングで対応する。日本人は速い上にしつこく付いていくから、レアルもあれ?と思うのではないかな。そこにつけ込めればチャンスはあるはず。ただ、レアルのスピードやパワーは異次元の域。鹿島がどういう対応をするのか、楽しみだね。

 1点目が大きかった。決めたベンゼマもさすがだけど、クロースがあの大切な場面でリスクを負って、股を抜くスルーパスを出した。日本人は怖がってできないプレー。ミスしてもいい。パスが通れば得点に直結するのだし、見習わないといけないね。

 間近でレアルを見たのは、マジョルカにいたとき以来10年ぶり。当時はジダン、ベッカム、ラウル、ロナウド…まさに“銀河系”軍団。俺もレアルとの対戦はいつも楽しみで、ベッカムと乱闘騒ぎをしたり、ロベルトカルロスのFKに恐る恐る飛び込んだりした。

 今のレアルも面白いね。けがでベイルはいないけど、前線の破壊力が圧巻。元祖ロナウド(元ブラジル代表)は3人がかりでも止められない怪物だったけど、重要な試合できっちりゴールを奪うC・ロナウドもすごい。俺が好きなプレーは、パスを出した後にゴール前に入る動き。迫力がすごい。

 しかも、ボールを持った瞬間、チーム全体にスイッチが入るのが、とにかく早い。ロナウドだけじゃなくて、周りにいるバスケスやベンゼマも全速力で動き出す。日本の場合は、1人が走るだけ。レアルの動きこそ「連動性」。ハリル(日本代表監督)が言う「縦に速いサッカー」だよ。

 レアルは全員が負けず嫌いで誇りを持ち、日本にはない「勝者のメンタリティー」を備えている。常勝を義務づけられ、なお結果で応える。そのメンタリティーを生で感じられた貴重な一日だったね。

 ◆大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年6月9日、福岡・苅田町生まれ。34歳。サッカーは小学1年から始め、長崎・国見高時代に高校総体、国体、高校選手権3冠。2001年C大阪入団。マジョルカ(スペイン)、C大阪、神戸、ヴォルフスブルク(ドイツ)、神戸を経て13年から川崎に加入し、史上初の3年連続得点王。J1通算371試合171得点。代表通算60試合6得点。家族は妻と3男。170センチ、73キロ。来季はF東京への移籍が内定している。

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