日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2016年12月22日木曜日

◆レアルと鹿島の決定的な違いはスピードだ(日刊ゲンダイ)


http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/196164

ハットトリックのC.ロナウドと先制点のベンゼマ(後ろ)/(C)日刊ゲンダイ

 クラブW杯決勝で強豪レアル・マドリード相手に善戦して「世界2位」となった鹿島アントラーズ。レアル相手にまずはしっかり守り、ここぞという局面で攻撃のギアを上げ、ゴールを予感させるようなカウンターを仕掛けていった。  

 選手全員が自陣に引きっぱなしの専守防衛だったら、あそこまでレアルのゴールには近づけなかった。レアルの名前にひるまないで勝負を挑んでいき、レアルに計30本のシュート(ゴール枠内12本)を打たれたが、鹿島のシュート計11本(枠内5本)も悪くなかった。

 明らかに格上の相手に対して鹿島はうまく守ったし、効果的な攻撃も見せた。W杯や五輪で日本代表が成績を残せないでいるが、鹿島の戦いぶりは参考になるだろう。

 クラブW杯での鹿島の奮闘は大きな声で称えたい。ただし――。

 テレビやスポーツ紙の「鹿島が世界2位」には違和感を覚えてしまう。

 あくまでオセアニア代表、アフリカ代表、南米代表クラブを破って決勝に駒を進めた鹿島が、レアルに負けて「クラブW杯」という大会で2位になっただけ。世界中に何万と存在するクラブの「2位」に位置しているという意味ではない。

 レアルと同じスペインのバルセロナ、イングランドのチェルシー、イタリアのユベントス、ドイツのバイエルンM、フランスのパリSG……と鹿島よりも強いクラブは世界中にゴマンとある。実際、クラブW杯決勝を戦った彼我のレベル差は、スコア以上に大きいと言わざるを得ない。

 年俸の違いと言ってしまえばそれまでだが、レアルの選手と鹿島の選手とでは「スピード」が決定的に違う。体の寄せの速さ、パスの速さ、サイドチェンジの速さ、攻守の切り替えの速さ、判断力の速さ……とすべての面で「スピード」が見劣りしてしまう。

 さらに彼らは、普段から自国リーグで週末ごとに手ごわい相手と真剣勝負を繰り返し、欧州CLやELでは他国の強豪クラブとホーム&アウェーを戦い、幾多の修羅場をくぐり抜けながら自身の経験値を高めていっている。

 この経験値などJリーグでは、どうしても得難い経験である。欧州の強豪クラブとの差が埋まるには、これから何十年かかるのだろうか……。

 決勝戦の試合会場のスタンドでそう思った。

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事