日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年2月23日金曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2018 グループステージ 第2節(オフィシャル)




ACLグループステージ 第2節

新10番・金崎が2得点!鹿島が水原三星を敵地で撃破、今季初勝利!

敵地に乗り込んだ鹿島が、力強く今季初勝利を掴み取った。AFCチャンピオンズリーグ グループステージ第2節、水原三星ブルーウイングスとのアウェイゲーム。勝利をもたらしたのはエースだった。背番号10を継承した金崎が2得点を挙げると、相手の反撃を1点に抑えて逃げ切った。2-1で競り勝ち、2試合を終えて1勝1分の勝ち点4となった。

1週間前、カシマスタジアムで迎えたオープニングマッチは悔しさの募る90分となった。中国の上海申花を迎え撃った一戦、結果は1-1。開始早々に失点を喫してビハインドを負うと、守備を固める相手を終始押し込み続けたものの、ゴールネットを揺らせずにハーフタイムを迎える。後半立ち上がりに遠藤が同点ゴールを挙げ、逆転を目指してさらに攻勢をかけたものの、決定機を活かすことができず。シュートチャンスを迎えるたびに、聖地は失意のため息に包まれた。

ホームで是が非でも掴み取りたかった3ポイントを逃した鹿島。昨季の最終盤を想起させる展開を踏まえ、昌子は「あの時と変わっていない」と自らに言い聞かせるように語っていた。鋭い突破と力強いポストプレーで推進力となり、マン・オブ・ザ・マッチに選出された鈴木もまた、無得点に終わった悔しさと向き合っていた。

だが、8シーズンぶりにアントラーズレッドを纏って聖地のピッチに立った内田が「チームとしては素晴らしい戦いだった。自信を持っていい」と頷いたように、内容面では多くの収穫があった。植田が「良い形は作れているので、続けることが大事」と言えば、厳しい言葉を突き付けていた昌子も「あれだけの内容で試合を進めることができて、手応えがある」と、次なる戦いを見据えていた。

上海申花戦翌日に練習試合を実施したチームは、切磋琢磨を続けながら水原三星戦へ照準を合わせていった。ジョイフル本田つくばFCとのトレーニングゲーム、金森がハットトリックの大活躍。指揮官に己の存在を認めさせるべく、各々がひたむきにボールを追った。16日のチームオフを挟み、17日からクラブハウスで行ったトレーニングを経て、19日の早朝に韓国へ発った。

水原到着後、準備期間は2日間。ピッチの状態や自らのコンディションを確かめながら、選手たちは集中力を高めていった。試合前日には大岩監督と鈴木が公式会見に出席し、アウェイでの勝ち点3獲得を誓う。ともに戦う背番号12もまた、続々と現地へ到着。過去2試合、勝利がない水原での戦いを制し、己を「こえる」ために――。チーム一丸で挑む、重要な90分が始まる。

指揮官が指名した先発メンバー11人は、上海申花戦から3名が入れ替わっていた。GKにクォン スンテ、最終ラインに山本が入り、前線の一角には新10番・金崎が君臨。カシマスタジアムで躍動を見せた安西が右サイドバックに回り、植田と昌子が不動のセンターバックコンビを形成。ボランチにはレオ シルバと三竿健斗が並び、2列目は遠藤と安部が務める。そして前線、金崎のパートナーは鈴木だ。またベンチには、GKの曽ケ端、犬飼、永木、小笠原、土居、ペドロ ジュニオール、金森が座る。



寒空の水原ワールドカップスタジアム、19時にキックオフ。「しっかりとゲームに入りたい」と指揮官が展望していた通り、鹿島は開始早々から水原三星ゴールを目指していった。1分足らずで金崎が右サイド深くへ進出。起点を作ってクロスを上げ、CKのチャンスを獲得してみせる。10番を背負って初めて公式戦のピッチに立ったエースが、チームの推進力として勝利への意志を示した。

そして8分、待望の先制点をもたらしたのは、エースの右足だった。敵陣左サイドから鈴木が中央へパスを出すと、ペナルティーエリア手前で遠藤が反応。ワンタッチでスルーパスを出すと、水原三星の守備網を鮮やかに切り裂いた。待っていたのは背番号10。冷静なトラップから正確なシュートをゴール右隅へ届け、均衡を破った。1-0。金崎のゴールで、鹿島がいきなりリードを奪った。










優位に立った鹿島は、反撃を期す水原三星にボールをキープされる時間が続いた。終わってみれば、前半のボールポゼッション率は3割台。それでも鹿島はしっかりとブロックを組み、金崎と鈴木が機を見たプレスで相手のリズムを崩していく。両サイドの高い位置で起点を作られても、安部と遠藤が2列目からプレスバックして献身を続けた。ミドルゾーンでは健斗とレオが出足の速いプレスとパスカットで攻撃の芽を摘んだ。

だが、23分に落とし穴が待っていた。ペナルティーエリア内での空中戦でレオがファウルを取られ、水原三星のPKに。シミュレーションのようにも見えたが、判定が覆ることはない。極寒の敵地で、絶体絶命のピンチを迎えることとなった。だが、背番号1が立ちはだかる。今季初出場を果たしたスンテが、デヤン ダミヤノヴィッチのシュートをセーブ。コースを読み切って右側へ飛び、渾身のPKストップを見せた。守護神が母国のピッチで意地を見せ、鹿島はリードを保った。











鹿島はなかなか前線で起点を作れずにいたが、30分には金崎が左足ミドルシュートを枠に飛ばして水原三星を脅かす。35分には鮮やかなパス交換から安部が敵陣左サイド深くまで突破し、クロスを供給。41分にも左サイドを攻略した金崎がペナルティーエリア内から狙う。枠を捉えたシュートは相手GKに弾かれ、こぼれ球に遠藤も詰めたが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。だが、追加点の予感を漂わせながらハーフタイムを迎えることとなった。

気温が氷点下に下がる、厳しい寒さに見舞われた水原。ビジタースタンドのアントラーズレッドが情熱を注ぎ込み、後半のキックオフを迎えた。鹿島はいきなり決定機を作り出す。47分、金崎が敵陣右サイドでタイミングを計り、高速クロスをゴール前へ。阿吽の呼吸で反応した鈴木が至近距離からのヘディングシュートを放ったものの、惜しくも相手GKにキャッチされてしまった。



水原三星の反撃意欲を削ぐように、開始早々にゴールを脅かした鹿島は、敵陣でのプレー機会を増やしていく。次第に最終ラインの背後を狙い合う展開に傾斜していく中、鈴木や金崎が虎視眈々と追加点を狙っていた。





そして59分、2度目の歓喜が訪れた。レオが左CKをショートコーナーで開始すると、ペナルティーエリア手前から遠藤がピンポイントの浮き球をペナルティーエリア右奥へ。鈴木のダイビングヘッドが枠を捉えると、詰めていた金崎がボールもろともゴールへと突進して押し込んだ。2-0。エースが意地と気迫の2得点目を決め、鹿島がリードを広げた。







2点差となり、残りは30分。次第にスペースが増え始める中、打開を図る水原三星は選手交代を織り交ぜて攻勢をかけてきた。激しいボディコンタクトを辞さず、イエローカードが飛び交い始める。それでも鹿島の選手たちは冷静に、熱く戦い続けた。



指揮官は73分に土居、81分に永木を投入する。2人は前線からの運動量豊富なプレスと球際での攻防で任務を遂行。しっかりと時計の針を進めていった。86分には安部がクロスバー直撃の強烈な一撃も放っている。リードを守り切るため、全員がチームのために走り続けた。





鹿島は89分に中央突破から1点を返されたものの、3分と表示されたアディショナルタイムも集中力を貫き通し、そして勝利のホイッスルを聞いた。2-1。水原で成し遂げた"三度目の正直"、そして掴んでみせた今季初勝利。貴重な3ポイントを手中に収めた。







そして次戦は4日後、J1第1節の清水戦だ。中3日で迎えるアウェイ連戦、そしてついに始まる王座奪回への長き道のり。チケット完売が発表されたIAIスタジアム日本平で、勝ち点3を奪い取るために。チームは明日、鹿嶋に帰還する。次なる勝利だけを見据えて、準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・水原三星との対戦は2011年4月19日以来、通算5回目。戦績は2勝2分1敗となった。
・水原三星とのアウェイゲームは通算3回目で、初勝利を挙げた。戦績は1勝1分1敗。
・金崎が先発メンバーに名を連ね、今季の公式戦初出場を果たした。背番号10を着けて初めてピッチに立った一戦で、2得点を記録した。
・金崎は名古屋所属時を含め、AFCチャンピオンズリーグでの通算得点数を11に伸ばした。日本人選手の歴代単独2位に浮上している。
・クォン スンテと山本が先発入りし、今季の公式戦初出場を果たした。
・永木と金森が途中出場。今季の公式戦で初めてピッチに立った。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


水原三星ブルーウイングス:ソ ジョンウォン


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常に激しい試合だった。選手たちがアグレッシブにプレーしてくれた結果が出て、非常に高く評価している。アウェイゲームだったが、勝ち点3 を取るつもりで来た。この3ポイントを次以降に活かしていきたい。

Q.厳しい試合だったと思うが、勝敗を分けたポイントは?

A.選手全員が攻守両面で連動してアグレッシブにプレーしてくれた結果だと思う。先制点が非常に大きかった。

Q.久しぶりにクォン スンテ選手が出場したが、相手のことを考えて意図的に起用したのか?

A.各ポジションで激しい競争がある中で、曽ケ端選手とクォン スンテ選手がレベルの高い争いをしている。どちらが出場する時も非常に信頼して、安心して送り出している。今日もスンテを信頼して送り出した。

Q.水原三星の攻撃、特にデヤン ダミヤノヴィッチ選手をうまく抑えていたと思うが?

A.非常に能力の高い選手なので、簡単にボールを触らせないようにした。特にセンターバックコンビの昌子と植田が十分にケアをしていたし、セカンドボールにもしっかりと反応できていた。彼だけではなく、他の選手もしっかりと抑えることができたと思う。

Q.KリーグのクラブとJリーグのクラブが対戦する時はJリーグのクラブの方がボール保持率が高まると思うが、今日は逆だった。意図的だったのか?

A.意図的ではない。相手には勢いがあり、我々にとってはアウェイゲームということで、ピッチコンディションを含めて「アウェイである」ということを感じながら試合を進めていた。それでも効果的に得点を決めることができたので、ポゼッション率は低かったかもしれないが、試合自体はしっかりとコントロールできていたと思う。

水原三星ブルーウイングス:ソ ジョンウォン
ホームゲームで勝利を収めることができず、残念だ。特に守備の部分で非常に多くの課題が出た試合で、今後に活かすためには修正しないといけない。攻撃の部分でも流れを変えることができたところもあったが、うまく活かせなかった。それも課題なので、修正して次につなげていきたい。


選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
相手も相当強かったけど、勝ち点3を取れたことは良かった。ヤスや優磨が良いボールをくれたので決めるだけだった。初勝利なので、波に乗っていけるように頑張りたい。

【遠藤 康】
特に前半が難しかった。PKを決められていたら、どうなっていたか分からない。アウェイで勝ち点3を取れて良かった。ボールを保持する時間を長くしたかったけど、我慢強く守った結果だと思う。ただ、最後の失点はいらなかった。

【昌子 源】
前半は守備がハマらなかった。ハーフタイムに選手同士ですごく声が出ていて、どうしたらいいのかを話し合っていた。グラウンドが凍っていて足が浮いているような状態だったので、慎重にプレーしていた。後半は慣れて、自分もナオもインターセプトもできるようになった。ボールを奪いに行く方法も変えた。1点を取ったら2点目、2点目を取ったら3点目という姿勢が良かったと思う。

【山本 脩斗】
最後に失点してしまったけど、アウェイで勝ち点3を取れたことは良かった。良い時間に点を取れて良かった。久しぶりの公式戦だったけど、しっかりできたと思う。

【安西 幸輝】
クロスの精度を上げないといけない。チャンスは2、3回しかないなかったけど、精度が高ければ点を決められた場面もあった。守備は悪くなかったと思う。今はチャンスがあるうちに、やらないといけないと思っている。

【クォン スンテ】
久しぶりの公式戦出場だった。結果的に勝てて良かった。個人的には課題もあった。選手が言い訳をしてはいけないけど、凍っているピッチでも良いパフォーマンスを出さないといけない。反省する部分がある。ここまで凍ったピッチで試合をするのは初めて。デヤンとは何度も対戦しているので、それが役に立った。彼のPKは初めて止めたと思う。

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