日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年8月20日月曜日

◆J1鹿島 ピッチ稼働率向上へ 芝に新品種、管理法改善(茨城新聞)






「聖域」でキャンプ催し


サッカーJ1の鹿島アントラーズFC(鹿嶋市粟生、庄野洋社長)は、指定管理者を務める県立カシマサッカースタジアム(同市神向寺)でキャンプイベントを初開催した。サッカー場の命とも言える芝の上にテントを張る大胆な企画を可能にしたのは、今年から採用している新品種の芝や独自に開発した芝の管理手法。年間を通じてピッチを良好な状態に保つことで、スタジアムの稼働率の向上につなげている。


11、12の両日、いつもは選手たちが必死にボールを追う天然芝のピッチ上に、60張りものテントが並ぶ珍しい光景が見られた。テントは初開催した「アントラーズスタジアムキャンプ」で使用。親子連れを中心とした54組の参加者は、普段はテレビや観客席からしか見られない「聖域」に足を踏み入れ、テント内で一晩を過ごした。親子3人で参加した神奈川県小田原市の若林武さん(46)は「鹿島のファンだったのですぐに申し込んだ。息子の夏休みのいい思い出になった」と、非日常的な空間を満喫した。

同FCによると、サッカー場の芝の上にテントを設置するキャンプイベントは日本初。同スタジアムをはじめ、日本では冬でも常緑を保てる寒地型の「冬芝」を使うケースが多い。夏場は暑さに弱い冬芝の管理が難しいため、試合以外のイベントが制限されることが多い。くいを打ち込んでテントを張る行為はもってのほかだ。

同スタジアムでは夏場の稼働率を高めるため、今年から暖地型「夏芝」の新品種に張り替えた。暑さに強く、塩害にも強いのが特徴だ。約2年の実証実験を重ね、冬場も枯れないことを確認し採用に踏み切った。例年は使用頻度が高いゴール周辺の芝が剥がれやすくなるが、今年は猛暑の影響もなく、青々とした芝生が広がっている。テントを撤去した後も、目立った芝生の傷みはなかった。

新品種の採用のほか、同FCでは使用頻度が高まっても芝の状態を良好に保てるように、独自の保温シートや成長を促進するLED(発光ダイオード)の照明装置をソニービジネスソリューション(本社東京)などと共同開発。短期間で芝張り替える工法も確立し、傷みが激しい箇所は随時張り替えが可能となった。一連の管理手法を「ターフプロジェクト」として、他のスタジアムや施設での事業展開も目指している。

同スタジアムではこれまで、スポーツクラブ「カシマウェルネスプラザ」や整形外科「アントラーズスポーツクリニック」を開業。ゾンビから逃げながら謎解きを楽しむ体験型イベント「ゾンビスタジアム」など、趣向を凝らした新規のイベントも続々と打ち出し収益性を高めてきた。

試合日以外にピッチ上も使えれば小学校の運動会など、さらに多彩なイベントの開催ができる。同スタジアムの萩原智行副所長は「芝の問題がクリアになり、以前から構想があった企画が実現できる。さらにスタジアムの利活用を進めたい」と意欲を見せた。

(藤崎徹)




◆J1鹿島 ピッチ稼働率向上へ 芝に新品種、管理法改善(茨城新聞)

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