天才キッカー岩本輝雄のサッカーキックバイブル
◆南米選手権 1次リーグC組第1戦 チリ4―0日本(18日、ブラジル・モルンビースタジアム)
大会2連覇中の南米の雄・チリに4失点完敗の森保ジャパン。中島翔哉(24)=アルドハイル=との2シャドーで初のスタメン出場のMF久保建英(18)=F東京=も不発だった。元日本代表MF岩本輝雄さん(47)は「久保は南米特有の外に追い出される守備で仕事ができなかった」とする反面、この試合最大の発見として、こちらも初スタメンのFW上田綺世(20)=法大=を「スペースを見つけるのが非常にうまい」と高評価した。(構成・中村 健吾)
チリはプレーが激しいし、球回しも運動量も全てが1枚上手だった。残念な結果だったが、日本もチャンスは作れていたし、ポイント、ポイントで得点機はあった。後半25分過ぎ、3点目を入れられてしまう前、センターFWの上田に3回くらい1対1のチャンスがあった。あそこを決めていれば、0―4でなく2―2という結果もあったと思う。
プレーを見たのは初めてだったが、上田はこの日最大の発見だった。最後、シュートを決めるのは個人の問題だが、スピードがあるので、そこまで入っていけるポジショニングがすごくいいし、パスを出す方も出しやすいはず。チリの強力なDF陣に対してチャンスを作ったことで大きな可能性を感じた。今日はただ単にゴールが来なかっただけ。得点は欲しかったが、森保一監督が選ぶ理由も分かった。
久保はいくつか惜しいシーンもあったが、90分を通してFC東京でやっている時とは全然違った。チームでは、もっとバイタルエリアで仕事ができるけど、チリ相手だと外へ外へと追い出されてしまう。中を締めて外に追い出す南米特有の守備にやられた。相手のダブルボランチにきっちりと見られていた。ただ、これは久保だけの問題でなく、周りの動きも関わってくる。慣れていけばいいことだと思う。
中島はさすがだった。彼がボールを持つと失うことはないし、前に運べるので、もう少し周りが絡んでいけば面白かったが。柴崎岳(27)=ヘタフェ=も経験豊富なだけに90分間通して落ち着いていた。日本のチャンスはほとんどが彼の組み立てからだった。
初戦は完敗だったが、この南米選手権は若い選手たちにとって、すごくいい経験。ウルグアイ戦(21日)も頑張って欲しい。
(題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)
◆完敗の中、最大の発見は「スペースを見つけるのがうまい」FW上田綺世…岩本輝雄のDirecto(報知)