与えられた時間はわずかだったかもしれない。しかし、確かな一歩を踏み出したことは間違いない。U-24日本代表DF町田浩樹(鹿島)は「もっと長い時間出たいし、もっと勝利に貢献したい」と満足することなく、次の一歩を踏み出そうとしている。
22日に行われた東京五輪初戦・南アフリカ戦。町田に出番が訪れたのは1-0とリードして迎えた、後半40分だった。「僕に与えられた仕事はしっかりクローザーとして試合を締めることだった。しっかり攻撃を跳ね返すところを意識して試合に入った」。左SBの位置に入ると、自慢の高さを生かして相手攻撃をはね返すだけでなく、粘り強い対応で逃げ切りに貢献した。
メンバー発表時は18人の登録メンバーには入れず、バックアップメンバーとして選出された。しかし、枠が18から22となって出場する可能性を広げると、大事な初戦でピッチに立つ機会を得た。
「5分だけだったけど、バックアップから試合に出られたことは大きな前進だと思う。22人体制になってから、試合に出るためにしっかり準備をしてきたので、出られて良かったという気持ちがある。でも、もっと長い時間出たいし、もっと勝利に貢献したい気持ちが強くあります」
チームは苦しみながらも白星スタートを切った。「やはり勝てたことで少し肩の荷が降りた印象はある」と安堵の表情を浮かべつつ、次戦メキシコ戦に向けて視線を鋭くさせた。19年9月の北中米遠征で行われたメキシコ戦(△0-0)では先発フル出場を果たしており、「相手の特長も分かっているつもり。そういう経験も試合にぶつけたい」と再びピッチに立ち、チームを勝利に導こうと燃えている。
(取材・文 折戸岳彦)
◆バックアップから初戦出場へ…逃げ切り貢献のDF町田浩樹「試合に出るために準備してきた」(ゲキサカ)