サッカーJ1鹿島アントラーズの試合後に発生する交通渋滞緩和に向けた「バスレーン設置実証実験」が20日、茨城県鹿嶋市内で始まった。試合後はこれまで、県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)から東関東自動車道潮来IC(潮来市)までの8.2キロ区間で渋滞が発生しており、高速バスやシャトルバスの専用レーンを設けることで所要時間を短縮し、バスの定時性確保を狙う。
県などによると、コロナ禍以前、同スタジアムの平均観客数は約2万人で、首都圏からの来場が多かった。試合後はマイカー来場者が一斉に帰路に就くため交通量が増加。同区間の移動時間は通常15~20分のところ、試合後は最大120分に上ることがあった。
この日の実験は、鹿島対大分戦終了後の午後5時から約1時間実施。専用レーンは対象区間の片側1車線に設け、東京方面に向かう高速バスや鹿島神宮駅に向かうシャトルバスが走行した。潮来IC方面に向かう一般車両レーンはこれまで同様に混雑したが、バスレーンは円滑に運行した。
「消防署南交差点」(鹿嶋市宮中)から同ICまでの約7キロは今回、一般車の通行を禁止した。迂回(うかい)路の一つとなった国道124号では、通行量がやや増えたものの、大きな混乱はなかった。
同駅までのシャトルバスを待つ列に並んでいた東京在住の30代女性は、「渋滞がないなら高速バスでも良かったかな」と話した。
県や市、鹿島アントラーズFCなどで組織する「カシマサッカースタジアム周辺渋滞対策協議会」は、実験を通して専用レーンの効果や迂回路の渋滞状況などを調べる予定。来年3月以降にも再実験を予定している。
◆J1試合後、渋滞緩和へ 専用車線、バスすいすい 茨城・鹿嶋で実証実験(茨城新聞)