日刊鹿島アントラーズニュース

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2013年9月1日日曜日

◆「思わぬ劣勢」も200試合出場の柏木のアシストで興梠が決勝弾(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/402141_124503_fl

[8.31 J1第24節 浦和1-0新潟 埼玉]

 ハーフタイムに「吐き気を催す選手もいた」(ペトロヴィッチ監督)というほど満身創痍だった浦和レッズを救ったのは、エースFW興梠慎三の一撃だった。後半17分、トップ下からボランチへとポジションを下げていたMF柏木陽介がゴール前まで顔を出すと、それまで高い集中力で守っていた新潟DF陣が“ボールウォッチャー”に。そのスキを付いて興梠が新潟DFの背後を取った一瞬を柏木は見逃さなかった。「いつもオフサイドギリギリで駆け引きしてくれているので。どうかなと思って出したんですけど」。柏木の見事なスルーパスは、この日最大の決定機をつくりだした。


「苦戦しましたけど、足元で崩したときにはワンチャンスくると思っていたので。いつもなら外しているだろうけど(笑)、今日は決められてよかったです」。飛び出してきたGK東口順昭の上をいく技ありのシュート。ワンチャンスをものにし今季9点目を挙げた興梠は、重責から開放され安堵の表情を見せていた。

 7年間負けなしとアルビレックス新潟を得意としている浦和。しかも新潟に一度も負けたことがないホームでの一戦だったが、試合は意外な展開になった。試合の入り方こそ良かった浦和だったが、10分が経過した頃には主導権は新潟に渡っていた。「思わぬ劣勢に立たされた」。興梠がそう語るほど、前半は立て続けにピンチを迎えた。

 この試合で通算200試合出場となった柏木。メモリアルマッチを自らのアシストで勝利に導いたが、「200試合でどうこうというのはない」と言う。「内容的にはよくなかったけど、今日の試合は勝つことが第一優先だった」。個人記録よりも、チームの勝利を喜んでいた。ミックスゾーンで取材を受けている柏木を見つけたペトロヴィッチは、「ヨースケ!」とご機嫌な様子で近寄ると、ハグで愛弟子を労っていた。

 首位横浜FMが敗れたことで勝ち点差は「1」に縮まり、広島も敗れたことで順位はひとつ上がり2位となった。「夏場の連戦で、我々のサッカーにとっては厳しい状況下だったが、結果を残せたので良しとしている」。内容は伴わなかったが、ホームで勝ち切れたことにペトロヴィッチ監督も満足していた。

(取材・文 奥山典幸)

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