http://www.hochi.co.jp/soccer/world/20140426-OHT1T50401.html
◆ドイツ2部 グロイターフュルト1─2 1860ミュンヘン(25日・トロリ・アレーナ)
【フュルト(ドイツ)25日】サッカー日本代表FW大迫勇也(23)が所属するドイツ2部1860ミュンヘンは25日、アウェーでグロイターフュルトを2―1で下した。フル出場した大迫は前半15分、約20メートルのミドルシュートを左足で決めるなど、勝利に大きく貢献。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が視察に訪れる中で、ザック・ジャパン1トップのポジション奪取へ、強烈なアピールに成功した。
大迫が「違い」を見せた。前半15分、右サイドでボールを拾い、ゴールと平行移動するようにドリブルで運び、ゴール前中央、約20メートルの位置から左足を振り抜いた。「イメージ通り。でも、これまで結構外し続けてきたんで」。試合後はきれいなミドル弾を振り返るよりも、ストライカーらしく無得点が6試合で止まったことに、安どの表情を見せた。
6月のブラジルW杯に出場する日本代表のザッケローニ監督が視察に訪れていた。関係者から前夜にメールで連絡を受け、「ザッケローニさん来てたんでしょ?」と本人も意識して臨んだ試合。「まだまだ(アピールが足りない)ですけど。これから頑張っていければいい」と言うが、W杯メンバー発表(5月12日)前に、武器であるミドルシュートをザックに直接見せられたのは、大きな意味を持つ。
大迫は日本代表に定着しており、W杯メンバーに選出される可能性は高い。ただ、目指しているのは選出ではなく、「W杯で試合に出て、活躍すること」(大迫)。1トップのポジション争いでは現在、FW柿谷(C大阪)に半歩リードされているが、この日の20メートル弾を目にしたことで、指揮官の評価が変わる可能性は十分にある。
大迫の最大の武器は、世界レベルのシュートレンジの広さ。ゴールまで30メートルの位置から得点を決められるシュート力を持つ。代表には、MF本田(ACミラン)らミドルシュートを武器にする選手もいるが、精度を考えれば、20メートルからが射程圏。もちろん柿谷よりも圧倒的に広い。W杯では各国慎重な戦い方を選ぶ傾向があり、ゴール前を崩して、得点できる場面は少ない。遠くから決められる能力が重用視される舞台でもある。
ライバルの柿谷は、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でゴールを決めているが、J1は9試合無得点と結果を残せていない。その中で大迫は、利き足とは逆の左足でもミドルを決められる能力を示した。ドイツ2部リーグ戦は残り2試合。「あと2試合で少しでも成長できるようにするのが一番」。ブラジルW杯で活躍する目標に向かって、ゴールを決め続ける。