http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/09/07/kiji/K20140907008888220.html
新生ジャパンの初陣となった親善試合ウルグアイ戦(札幌ド)の敗戦から一夜明けた6日、日本代表は札幌合宿を打ち上げた。出番がなかったMF柴崎岳(22=鹿島)は0―2で敗れた一因に司令塔不在を挙げ、9日の同ベネズエラ戦(日産ス)でのゲームメークに意欲。アギーレジャパンを初勝利に導くことを誓った。チームはこの日の午後、横浜へ移動した。
ピッチ外から戦況を見つめていたからこそ明確に課題が映った。柴崎は「チームとしては日が浅いし仕方ない。こんなもんかなと思う」と立ち上げから5日目だったことを前置きした上で「ゲームメーカータイプの選手がいなかった。出場した際はゲームづくりとか、そのあたりを意識したい。効果的な攻撃を構築できれば」と意気込んだ。
ウルグアイ戦で流れの中でチャンスを築いたのは前半17分の皆川のヘディングシュートと後半43分の武藤のポスト直撃弾のみ。中盤はアンカーに森重、その前に細貝と田中が先発起用された。だが3者ともテンポ良くボールを回したり、相手の目先を変えるパスでリズムを崩したりするMF遠藤(G大阪)のような試合の流れをつくるタイプではない。そのため単調な攻撃に終わってしまった。視野が広く優れたパスセンスで知られる柴崎は「決定的シーンをつくる前の、ビルドアップとかが大事。早いボールタッチで相手のマークをずらすとか。そのパスが入ることで攻撃の選手がより生きる」と現時点での修正点を挙げた。
アギーレ監督は今回の親善試合2試合で全ての選手を試す意向を示している。ウルグアイ戦で細貝が先発したアンカーの前で出場が有力視される柴崎は、横浜に移動する前に行われた練習で精力的な動き。全員が連動してプレスを掛ける基本動作を確認した後はサブ組主体でのシュート練習やミニゲームをこなした。くしくもシュート練習では柴崎が訴えた通りクロス役の両サイドFWにパスを送るまでの組み立てを重点的に指導された。
「監督が求めること、チームが目指すこと、自分がやりたいこと…。総合的にやっていきたい」。いまだ代表キャップはゼロ。だがベンチから見ることで、自分にしかできないプレーがあることも知った。やはり遠藤らが背負った背番号7に求められるのは「司令塔」の役割。自覚を強めた若き22歳がアギーレジャパンの中盤を支配する。