待望のラ・リーガ1部デビューを果たしたMF
柴崎岳(しばさき・がく/ヘタフェ【スペイン】)
1992年5月28日生まれ。鹿島アントラーズで成長した柴崎は今冬、スペインへ渡った。2部のテネリフェでは加入当初、コンディションを崩してしまったが、戦列に加わってからはチームに欠かせない存在となった。昇格プレーオフ決勝進出に導いたものの、1部に上げることはできなかった。
それでも、テネリフェでの活躍が認められ、今季から1部のヘタフェでプレーすることになった。高い攻撃センスはすでに認知されており、世界最高峰リーグで揉まれることでさらなる成長が期待できる。
2015年10月以来、ハリルジャパンには招集されていない。しかし柴崎はその間、鹿島でJ1優勝を経験し、クラブW杯ではレアル・マドリーから2得点を奪取。そして、スペインで実力を伸ばしていった。今回、招集されても不思議ではない。
磐田で存在感を増し続けるボランチ
川辺駿(かわべ・はやお/ジュビロ磐田)
1995年9月8日生まれ。サンフレッチェ広島からの期限付き移籍3年目を迎えた川辺は、ジュビロ磐田で存在感を強めている。ウズベキスタン代表のムサエフとのダブルボランチは相手の脅威となっており、川辺は前線へ果敢に飛び出す攻撃的なプレーでチームを牽引する。
中村俊輔との連係も整備され、ゴールに直結する動きを増やしている。昨シーズンに比べて出場時間も長くなり、川辺自身の責任感も強くなった印象だ。そうした意識がプレーに力強さを与え、今や磐田に欠かせない選手となっている。
デュエルにフォーカスすると物足りなく映るかもしれないが、ノーファウルでボールを奪い取る上手さが光る。一度試してもらいたいものだが、果たして。
オランダでスケールアップしたレフティー
小林祐希(こばやし・ゆうき/ヘーレンフェーン【オランダ】)
1992年4月24日生まれ。昨夏、オランダ1部のヘーレンフェーンに移籍した小林は、初年度からレギュラーとして活躍。30試合出場1得点の成績を残した。
ジュビロ磐田ではトップ下でプレーしていたが、ヘーレンフェーンでは低い位置のMFが主戦場。守備も求められるが、大柄な選手が多いオランダリーグの中で大きな成長を遂げている。その上で自慢の左足から繰り出されるパスで違いを生み出し、果敢にゴールを狙う。
ポジション柄、常にゴール前へ顔を出すのは難しいかもしれないが、チャンスを嗅ぎ分け、決定的な仕事が増えればよりハイレベルな選手となる。今シリーズはハリルジャパンにとって大一番だが、何があっても動じない強いメンタルを持つ小林なら、プレッシャーを跳ね除け、いつも通りのプレーを見せられるだろう。
U-20W杯でそのポテンシャルを大いに披露したCB
冨安健洋(とみやす・たけひろ/アビスパ福岡)
1998年11月5日生まれ。明治安田生命J2リーグで、J1自動昇格圏の2位をキープする福岡。好調なチームの中で、冨安も主力として堂々たるプレーを見せている。第29節を終えて23試合に出場、CBだけでなくボランチでも能力の高さを発揮する。
188cmの長身を誇り、高精度のキックで攻撃の起点になることもできる。現代のCBに求められる要素はほとんど備えている。これに経験が加われば、さらに完成度の高いプレーヤーとなるだろう。
世界基準のCBの台頭は日本サッカーにとって大きな課題。今回のシリーズはハリルジャパンにとって大一番で、ここでの招集の可能性は高くないかもしれない。しかし、いずれ必ず名を連ねるはずだ。
現在絶好調。長身で足元の技術備えるCF
杉本健勇(すぎもと・けんゆう/セレッソ大阪)
1992年11月18日生まれ。ユン・ジョンファン監督に率いられたセレッソ大阪は、J1昇格初年度ながら優勝争いを繰り広げている。その中で杉本健勇は出色のパフォーマンスを見せ続けている。得点ランキング2位の14ゴールを挙げており、第23節・ジュビロ磐田戦では右クロスを難しい態勢で合わせるなど、ゴールセンスが光る。
長身だが足元の技術も非常に高く、マークが厳しいバイタルエリアでも巧みな足さばきで相手をかわすことができる。最前線で起用されることでストライカーとしての能力が完全に開花した。
2015年には日本代表候補合宿に招集されており、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も気にかけている存在だ。ハリルジャパンで1トップを務める大迫勇也のコンディションが心配されるだけに、絶好調の杉本が選ばれる可能性もあるのではないだろうか。
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ハリルJに推薦したい5人。期待の新戦力候補たち。2017年8・9月シリーズ編【編集部フォーカス】