◆MF松村 優太(3年)
県選手権決勝・富士市立戦キックオフ直後だ。50メートル5秒8の快足を生かし右サイドからカットイン。開始18秒で先制点。4ゴールで大会得点王になったFW小山尚紀(3年)に次ぐ3ゴール。大会前は決定力を課題に挙げていたが「ゴールを意識する中、準決勝(浜松開誠館戦)で2得点できたのが大きかった」。
中学まで在籍した東淀川FC(大阪)では主にトップ下だった。だが静学入学後、右サイドにコンバート。「トップ下は360度見ないといけない。サイドではより攻撃に力を置いて、動けるようになった」。天性のスピードと突破力がより生きるようになり、昨年9月には初めて世代別の日本代表にも選ばれた。
今季は県新人戦と県総体では厳しいマークにあった。どちらも決勝で精彩を欠き、無得点で準優勝。「考えすぎたことで、ダメだった」。選手権へ向け、周囲を生かすことで自分が生きる道を模索。その上で本能でプレーすることを心がけた。「あまり考えずに、感覚でやっている」。迷いが消え、得点も生まれた。
冷静に全体に目を配る力には、イレブンも信頼を置く。DF阿部健人主将(3年)は「チームのことを一番考えている」、FW岩本悠輝(3年)は「しっかりしているけど、ふざける時は誰かをいじって盛り上げる。空気を読む力がある」。サッカー人生初めての全国の舞台へ―。「自分を信じてやるだけ」。日本一へ力を解放する。(山田 豊)
◆松村 優太(まつむら・ゆうた)2001年4月13日、大阪市生まれ。5歳でサッカーを始め、大阪の東淀川FCを経て静学入学。U―18日本代表。J1鹿島に内定。173センチ、68キロ。
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