14日のアジアカップ初戦でベトナムと対戦する日本代表は、これまでの主力組に経験の浅い選手をミックスさせた布陣で戦うことになりそうだ。MF遠藤航、MF三笘薫、DF冨安健洋、MF久保建英の欠場が見込まれる中、選手層を示すべき一戦となる。
9日に完全非公開で行われたヨルダン戦はA代表通算2試合出場のMF佐野海舟(鹿島)がボランチの先発に抜擢され、MF守田英正(スポルティング)とコンビを組んだ模様。森保一監督は試合後、遠藤を出場させなかったと明かしていたが、ベトナム戦も無理はさせないとみられ、引き続き佐野と守田のコンビが採用される可能性が高そうだ。
佐野は11月の北中米W杯アジア2次予選でA代表に初招集され、初戦のミャンマー戦(○5-0)で後半開始からデビュー。攻守の振る舞いでアピールを果たした結果、元日のタイ戦(○5-0)でも先発出場のチャンスを得ており、初招集から2か月間でアジア杯行きの切符を掴んだ。
11日の練習後の取材対応では「最初の時よりは慣れたけど、まだまだなところもあるので、これから慣れていきたい」と初々しさをのぞかせつつも、アジア杯の活動期間に向けて「今までは短い間だったけど、1か月間というのは長いので、しっかり学んでいろんなことを吸収していきたい」と充実感をうかがわせていた。
そうした日々の中で、ボランチコンビを組む守田とは関係性も深まっている様子だ。
「同じポジションの守田くんとは話しているし、いろんなことを教えてくれるし、考えを伝えてくれるのですごく学びにもなる。どんどん自分のものにできればと思う」。そう話した佐野は守田の振る舞いについて「常に先のことを考えてプレーしている」と指摘。「自分は考えられても次のことくらいしか考えられていない。その次の次のことも考えられるくらいに、ポジショニングやボールの流れを読む力が必要だと思う」と大きな刺激を受けていた。
またそんな佐野は練習後、名波浩コーチのもと、FW上田綺世(フェイエノールト)とともに一番遅くまで居残りシュート練習に励む姿も見られた。「ポジションは守備的だけど、どんどんゴールを狙っていきたいと思っている」。その姿勢からも伝わるように成長意欲は人一倍強い。「どんどん成長していかないと追いつけないし、ここでやれているのは特別なことだと思っている。いろんなことを学んで、どんどん成長してやっていきたい」。大会中にもレベルアップをしながら、代表でのパフォーマンスを研ぎ澄ませていくつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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