http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/50894J1 第25節 ベガルタ仙台戦
土居の決勝弾がクラブ通算1300得点目!鹿島がアウェイで仙台を破り、2試合連続の完封勝利!
20日にカシマスタジアムで行われたJ1第24節で横浜FMを1-0で破り、3試合ぶりの勝利を収めた鹿島。再び連勝街道を走り始めるべく、アウェイでの一戦に臨んだ。中2日で迎えた第25節でベガルタ仙台と対戦すると、前半終了間際に土居が挙げた1点を守りきり、2試合連続で完封勝利を収めた。
鹿島は前節と同じ11人が先発メンバーに名を連ねた。中2日の疲れも見せず、立ち上がりから攻勢をかけて積極的にゴールを脅かし、5分に最初のチャンスを迎える。最終ラインの背後へのボールをダヴィが追い、相手GKのクリアを敵陣で土居が収める。土居は右サイド深くまで持ち上がり、後方の柴崎へ。柴崎のシュートは相手DFにブロックされ、こぼれ球を遠藤が拾って右足シュートを放ったが、惜しくも右サイドネットに飛び、得点は生まれなかった。さらに10分にも、柴崎がドリブルでペナルティーエリアに差し掛かり、土居へスルーパスを出す。土居はGKをかわし、角度のないところから右足シュートを放ったが、惜しくも右サイドネットに飛んでしまった。
決定機を演出しながらも均衡を破れない鹿島は、仙台にゴール前へ攻め込まれる場面もあったが、守備陣が安定したプレーを見せてチャンスを作らせない。昌子は相手FWとの対人戦で鉄壁の守備を披露し、山本もサイドでの攻防で主導権を握り、攻撃の糸口を作らせなかった。
先制点を奪いたい鹿島は、25分にダヴィが角度のないところから右足シュートを放つなど、惜しい場面を次々と演出していく。35分には最終ラインの背後に抜け出してペナルティーエリア内に入ったダヴィが相手GKをかわすと同時に倒れたが、シミュレーションを取られてしまう。これでイエローカードを受けたダヴィは累積8枚目のため、次節より2試合出場停止となる。
スコアレスのまま前半を終えることは避けたい展開の中、待望の先制点は43分に生まれた。ダヴィが最終ラインの背後への浮き球に反応し、左サイドからグラウンダーで中央へ折り返すと、ニアサイドに走り込んでいた土居が詰めてゴールネットを揺らした。J1でのクラブ通算1300得点目となるメモリアルゴールで、鹿島が1点リードでハーフタイムを迎えた。
後半立ち上がりも鹿島は攻勢をかけ、47分には柴崎が右サイドから高速の低いクロスを上げたが、ゴール前のダヴィとカイオには惜しくも合わず、追加点は生まれない。以降はチャンスの数が減り、次第に仙台に押し込まれる展開となった。
この状況を打開すべく、トニーニョ セレーゾ監督は70分にジョルジ ワグネルを投入し、小笠原とボランチを組ませて柴崎をトップ下の位置に上げた。さらに77分には、前線のダヴィを赤崎と代え、さらに梅鉢を投入して中盤のポジションを再変更。梅鉢をボランチに据え、ジョルジ ワグネルを左サイドに移してテコ入れを図った。終盤はパワープレー気味にハイボールを多用する仙台に対してピンチを迎えることもあったが、昌子や青木、曽ヶ端を中心に身体を張って応戦し、最後までゴールを割らせなかった。
試合は1-0で終了。鹿島は2連勝を果たし、勝点を46に伸ばした。首位の浦和との勝点差は変わらず7のままで、リーグ戦は残り9試合。次節は27日に行われる第26節の徳島ヴォルティス戦だ。2戦連続のアウェイゲームを中3日で迎えることとなるが、遠方まで駆けつける真っ赤なサポーターとともに勝利を収め、連勝街道を突き進まなければならない。
【この試合のトピックス】
・土居の決勝点が、J1でのクラブ通算1300得点目(739試合)だった。1300得点到達はリーグ初の記録。
・土居の得点は今季6得点目で、更新中の自己記録をさらに伸ばした。
・今季の公式戦で、仙台を相手に3連勝を果たした。
・アウェイでの仙台戦勝利は、リーグ戦では2011年8月13日の第21節以来、約3年ぶり。前回はフェリペ ガブリエルのPKが決勝点となり、1-0で完封勝利を収めた。
・梅鉢が、8月30日の第22節FC東京戦以来、3試合ぶりにリーグ戦出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・後半の入り方をしっかり!セカンドボールへの反応や球際の戦いは絶対に負けるな。
・これ以上、チャンスを無駄にするな。フィニッシュの精度を高めろ。
・相手が有利になるような形を自ら作るな。自陣エリア付近ではリスクヘッジを徹底しろ!
ベガルタ仙台:渡邉 晋
・相手のロングボールに対して、しっかりと対応しよう。
・後半、もう一度集中してゲームに入ろう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・まず前半、特に早い時間帯で6回から8回くらいの得点のチャンスがあったので、3、4点くらい取って楽な試合展開にできたのではないかと思う。1-0というスコアは非常に危険。特にアウェイでここで試合をする時には後半はサポーターの応援が非常に選手たちを勇気づけて、プラスアルファの走りもできるようになる。後半にそういう状況にならないように前半の入り方と得点を決めることを要求したところで、残念ながらこのような展開になってしまった。
・前半は攻撃陣が非常に良い機能性を発揮していた。チームとしてやろうとした意図を出し切っていた。しかし後半は残念ながら、攻撃陣がボールを前でキープすることができなかったため、悪循環から守備に回る状況を自ら招いてしまった。これが反省点だと思う。
・守備陣は非常によく頑張って踏ん張ってくれた。ただ、ベンチで観ていてハラハラドキドキする試合だった。
・ここで勝てたことは非常に喜ばしく、うれしく思っている。また仙台さんに20周年ということでおめでとうと声をかけたい。今までの歴史、様々な困難の中でこのようなクラブを築き上げ、新たな歴史と伝統を作りあげているのは素晴らしいこと。関係する皆さんには心からおめでとうと言いたい。今日のこの試合は、両チームが常にゴールを目指す姿勢を示していたので、観る側にとっては非常に楽しい試合だったと思う。幸いにも、うちのサポーターが楽しい午後を過ごすことができたのではないかと思う。
・前半に決めきれなかったのは単純に決定力の問題。どの試合でもチャンスを数多く作っている。常にシュート練習をしているし、どのチームよりもチャンスを作る頻度が増してきているが、決定力が欠けているので、積み重ねていくしかないと思う。
・中2日は非常にタイトな日程で、アスリートがやるべき日程ではない。質を持続することはトップアスリートであっても難しいこと。小笠原選手はその経験からボールを保持していたし、西選手が落ち着いてボールを扱っていたが、他の選手がそれについていけなかったというところがある。疲労によって、選手たちが普段はしないミスが起きていた部分がある。
・現在は若い選手が多くなっている。ゲームマネージメントやポゼッションの深い意味として、自分がボールを保持していれば守備に回る時間は減り、相手を揺さぶることによって消耗させることもできるということがある。ボールを受けて仕掛ける場面や仕掛けてはいけない場面があり、深さだけ作ってボールを戻して相手をいなしてから展開することもできるが、若い選手はどうしても、スペースがあればそこへ行ってしまう。どのように試合を落ち着かせるか。相手の時間帯は90分間の中で必ずある。相手に流れが行きかけた時にどのように戻すのか、自分たちの主導権をどのように戻すのか。それが若い選手たちにはまだまだ足りない。技術的な部分だったり経験値だったり、個人の自信という部分もある。練習ではできていて、あとは試合でやるかやらないかというところ。遠慮してしまって発揮できないところがあるので、引き続き指導をし続けて、積極的にボールに顔を出してポゼッションの手助けをしながら攻撃参加するということを教え込んでいきたいと思う。
ベガルタ仙台:渡邉 晋
久々のホームでのデーゲームだった。1万7000人を超えるサポーターが駆けつけてくれて、我々のバスが入る時には大勢のサポーターがエールを送ってくれた。今、苦しい状況でサポーターがなんとか後押しをしようという意思表示だったと思う。それに応えられずに悔しい思いでいる。欲しいのは勝点3だが、先に点を取られると難しくなる中で、勝点3を狙いながらも勝点1を積み重ねることが大事という話を今週中はずっとしてきた。前半の入り、前半を通してパワーを持てずに球際の競り合いで勝てなかったり、セカンドボールを拾えなかったりして、もう少しパワーを出す入り方ができればと感じている。ハーフタイムで修正してボールを持つ時間も増えたし、アタッキングサードでのアイデアを表現できたが、ゴールに結びつかなければ、今の時点では厳しい状況を抜け出せないと痛感している。
選手コメント
[試合後]
【土居 聖真】
決定的なシュートを外していたので、決める事が出来て良かった。結果的にチームの勝利につながったゴール。トップに立つために勝って行く事は大事だけど、突き詰めたら取れる時に取って、いらない失点を失点をなくす必要がある。改善していかないといけない。
【西 大伍】
もっと点を取らないと駄目な試合だった。1ゴールは最低限の結果。後半は運動量も落ちた。相手は追いかける立場なので、このような展開になるのは想定内。反省するところはして、次の試合に向けて修正したい。
【遠藤 康】
まずこの3連戦は勝たないといけないので、最低限の結果が出て良かった。今日の試合は自分の出来も良くなかったが、チームが勝てた事は大きい。守備は全員が頑張っている結果。これを継続出来れば良い。くさびの選手に対しても上手く守っていたし、ヘディングでも負けていなかった。SBもカバーしているし、中盤もセカンドボールを拾えていた。今は選手の距離感も良いと思う。
青木選手、昌子選手、赤崎選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。