日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2015年4月17日金曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第6節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51553

J1 1st 第6節 vs 柏

植田がプロ初ゴール!カイオと中村も今季初ゴール!鹿島が柏にアウェイで快勝!



アウェイの地で、鹿島が再び走り始めた。J1 1st 第6節、日立柏サッカー場で柏と対戦すると、植田のプロ初ゴールで先制し、一時は追いつかれたものの、カイオと中村が今季のリーグ戦初ゴールを挙げ、3-1で快勝。リーグ戦2試合ぶりの勝利を挙げた。



4月に入って、鹿島は3戦負けなしと勝ち点を積み重ねてきた。しかし、ホーム3連戦の締めくくりとなる前節の新潟戦では1-1と引き分け、連勝が2でストップ。負けはしなかったものの、選手たちが口を揃えて「内容が良くなかったから、1ポイントを前向きにとらえなければいけない」と語る、厳しい試合を強いられた。停滞感を打ち破り、再び上昇気流に乗っていくためにも、中3日で迎えたアウェイゲームは、重要な意味を持つ一戦だった。



トニーニョ セレーゾ監督は、金崎を2試合ぶりに前線で先発起用。出場停止明けのカイオを左サイドハーフに復帰させ、土居と遠藤とともに、2列目に並べた。ボランチには柴崎と梅鉢の1992年コンビが入り、両サイドバックはフル稼働を続ける2人、西と山本が務める。前節でファン ソッコが途中交代したセンターバックは、昌子と植田のペアとなった。そしてゴールマウスには、曽ヶ端が立ちはだかる。



春らしい陽気に包まれた日立柏サッカー場では、開場前から多くの鹿島サポーターが待機列を作っていた。心地よい夜風が吹く中、ぎっしり埋まったビジター席からの、大声でのサポートを背に、選手たちは19時にキックオフの笛を聞いた。鹿島は立ち上がりから、積極的な動きでゴールへと迫る。まずは4分、柴崎のパスカットから、遠藤が右サイドの背後へ浮き球のパス。土居が収めて後方に戻すと、遠藤のクロスに反応した山本がファーサイドからヘディングシュートを放った。相手GKに弾き出されたが、ファーストシュートで枠を捉え、柏ゴールを脅かした。さらに6分には、遠藤がペナルティーエリア右手前から左足でファーサイドネットを狙うが、惜しくも相手GKにセーブされてしまった。



西が「敵陣でボールを回す時間を長くしたい」と語っていた通り、上々の滑り出しを見せた鹿島は、8分にも土居がペナルティーエリア手前から右足ミドルシュートを放つなど、ゴールへの意欲を示した。15分以降は柏にボールをキープされる時間が多くなったが、多様なポジションチェンジから最終ラインの背後を狙ってくる相手に対し、昌子と植田を中心とした守備陣が奮闘。曽ヶ端もビッグセーブを連発し、柏に先制点を許さない。



柏の時間帯をしのぐと、再び鹿島が攻勢をかける。38分には、中盤で前を向いた土居が相手をかわして敵陣へドリブルで持ち込み、最後はペナルティーエリア手前から左足シュートを放つ。枠の上へ外れたが、ゴールへの意欲を語っていた背番号8が積極的にシュートを放ち、チームに推進力をもたらした。44分には、遠藤がペナルティーエリア右手前の得意の位置から左足を一閃。強烈なシュートが枠を捉えたが、相手GKのファインセーブに阻まれてしまった。



ゴールの予感が漂う中、待望の先制点は前半アディショナルタイムに生まれた。右サイドで得たFKを柴崎が蹴り込むと、中央の植田が打点の高いヘディングシュートでゴールネットを揺らす。加入3年目の植田がプロ入り初ゴールを決め、鹿島にリードをもたらした。前半はそのまま、1-0で終了した。



後半開始時から、セレーゾ監督は梅鉢に代えて青木をピッチに送り出し、ボランチの位置に据えた。鹿島は開始早々に遠藤が右サイド深くからクロスを上げるなど、攻勢をかけて後半をスタートさせたものの、セットプレーから同点に追いつかれてしまう。49分、右サイドでのFKからゴール前で混戦となり、最後はエドゥアルドに押し込まれてしまった。



同点弾の勢いに乗って畳みかけてくる柏に対し、鹿島は必死に応戦した。激しいボディコンタクトと、微妙な判定が続いたことでスタジアムが騒然となる場面もあったが、選手たちは冷静さを失わなかった。ピンチを迎えても、前半から安定したプレーを続ける曽ヶ端が巧みなシュートブロックを連発し、最後尾からチームを支えた。



65分頃から、鹿島は再びペースを掴んだ。67分には、ペナルティーエリア手前へ転がったこぼれ球に反応した青木が、強烈なミドルシュート。惜しくもGKの正面を突いたが、反撃開始を予感させた。さらに70分には、カウンターで柴崎が中盤を抜け出し、カイオへパスを出す。カイオは左サイドからグラウンダーで中央へ戻すと、金崎がボールをまたいでスルー。背後を猛然と走り込んでいた西がシュートを放つと、またもGKに弾き出されてしまった。



次第に漂う予感、真っ赤に染まったアウェイスタンドの期待を、ゴールという形で結実させたのは、カイオだった。71分、青木が左サイドの背後へ浮き球のパスを出すと、全速力でオーバーラップしていた山本が中央へ折り返す。GKが弾いたところに背番号7が詰め、ゴールネットを揺らした。鹿島が2-1と勝ち越しに成功した。



残り20分、再同点を目指して必死の攻撃を仕掛ける柏に対し、鹿島はボールキープを許す時間こそ長くなったものの、集中力を切らさず、身体を張った守備で立ち向かう。セレーゾ監督は87分に中村、アディショナルタイムに高崎を投入し、勝利への希望を託した。



そしてアディショナルタイムが4分に差し掛かった頃、勝利を決定づける3点目が決まった。高崎が右サイド深くでプレスをかけると、相手DFのパスを中村がカット。ペナルティーエリア内でボールを得た中村は、GKをかわして冷静に左足を振り抜き、グラウンダーのシュートをゴールへと届けた。



鹿島が3-1で快勝し、リーグ戦2試合ぶりの白星を挙げた。次戦は5日後、オーストラリアで迎えるAFCチャンピオンズリーグ グループステージ第5節のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦だ。生き残りを懸けた重要な一戦を前に、アウェイで大きな意味を持つ勝利を収めることができた。自信と勢いを得た選手たちは明日、オーストラリアへと飛ぶ。



【この試合のトピックス】
・今季、アウェイゲームでの初勝利を収めた。
・日立柏サッカー場でのリーグ戦は、通算9回目。2005年5月16日、J1第12節以来の勝利を収めた。
・植田がフル出場で、プロ入り初ゴールを記録。3月8日に行われたリーグ開幕戦の清水戦以来の先発出場だった。
・出場停止明けのカイオが、2試合ぶりの先発出場を果たし、決勝点を挙げた。今季のリーグ戦初ゴールだった。
・中村が87分に途中出場し、後半アディショナルタイムに3点目を記録。中村も今季のリーグ戦初ゴールだった。
・青木が2試合連続の途中出場を果たした。
・大橋が、J1 1st 第2節の湘南戦以来、自身2度目のベンチ入りを果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・後半も集中を切らさず、自分たちがやるべきことをしっかり続けよう。
・攻守において、エリア周辺では迷いを捨てろ。自分の力を信じてやり切れ!

柏レイソル:吉田 達磨
・狙ったところへつないで、ボックスにも進入できている。これを続けていこう。
・ピッチの中でもっと話合おう。
・CKのこぼれ球をしっかり拾おう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・柏との試合は毎回、タフになる。クラブがお互いにライバル心を持っているのか、毎回熱い試合になる。今日もタフで厳しい試合だった。1-0になる前、特に前半は、「個人で打開しよう」という意識や、「自分が点を取るんだ」という気持ちが強すぎた。シュートを打つという意識は毎回要求しているので問題はないが、チーム全体としてフワッとした状況だった。ハーフタイムには、数名の選手に対してかなり厳しい言葉をかけた。それが、気持ちを奮い立たせたのだと思うし、そうしなければいけないタイプの選手がいるので、効果があったと思う。
・相手は、ビルドアップがうまくいかない時には、ボランチの1枚がDFラインに入る。そうすると逆に、ボールを運ぶのがセンターバックということになれば、うまくボールを奪うことができれば、そこから後ろにいるのは2人だけになる。センターバックとボランチ、あるいはセンターバック2人という状況で、ピッチの横幅をカバーしなければいけない。それはもう、「カウンターをしてください」と言っている
ようなもの。そこを我々は狙っていたし、そこで効果的な守備をすることができた。金崎選手と土居選手、遠藤選手、カイオ選手、途中から入ってきた攻撃的な選手に関しては、守備時に献身的な姿勢を出すことは辛かったと思うが、良い結果として表れたと思う。
・分析していたFKについては、ニアサイドに速いボールが来ると事前に言っていたし、ハーフタイムにも注意していた。それにも関わらず、その形から失点したというのは、壁の問題なのか、注意力の問題なのか、分析での情報をしっかりと生かさないといけない。まだ改善できるところだし、詰めていかなければならない。
・相手は、中央に1枚と両ウイングという形で、センターバックを引き出して斜めに進入することを狙っている。それに関しては、マークの受け渡しをしっかりとすることができた。縦のポジションチェンジと、斜めの進入に対しても、しっかりと対応できた。意識付けがしっかりできていたから、対応できたと思う。その中で勝ち点を得ることができたこと、特に我々が狙っていたカウンターで相手をおびき出すというと
ころ、前半は全体が中途半端になっていて、相手がビルドアップをくぐり抜けるという部分があったので、後半はブロックを作ってプレーすることを徹底してもらった。それは良かったと思う。
・相手は3トップの2人が中央に絞って、トップ下を1枚にしてそこにボールを当てて、2トップの一角に入るFWが進入する形も狙われていた。落としを受ける選手や2トップ間の横パスとフリーランへのケアを、青木選手に頻繁に伝えていた。うまくできたと思う。
・柏というチームは若くて勢いがあって、攻撃では伸び伸びとプレーしている印象。そういう相手に対して、自分たちがやるべきことをしっかりできて競り勝つことができたのは良かった。柏も、今後のリーグ戦で良い成績を残せる状態にあると思う。

柏レイソル:吉田 達磨
1-3という結果に終わった。このリーグ戦では3回目のスコアだが、以前の2敗とは全く異なる。今日のピッチで見せたサッカー、このテンポや姿勢は、我々の中で大きな転機になる。負けはしたが、今日の選手のプレーや、選手が出そうとしたもの、出せたもののほとんどに感動した。そのうえで、結果が出なかったことに関して、責められるべき選手はいなかった。前半立ち上がりの1秒から、90分のホイッスルが鳴るまで、高い集中力と溢れ出るイメージや走り切ろうとする気持ちを選手たちが表現してくれた。それを嬉しく思う試合だった。ただ、結果として表れていないということに大きな責任を感じている。どこを修正するか考えるような試合ではない。我々がどこへ行こうとしているか、いつ勝ちたいのかということを明確にできるような、そんな90分だったと思う。

選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
みんなが我慢強く戦った結果だと思う。前半はあまりうまくいかなかったけど、後半は修正できたし、それがみんなの頑張りだと思う。パスを回されるのはある程度は仕方ないから、しっかりとボールを奪ってカウンターを仕掛けようと、意思統一できた。結果が出て良かった。

【カイオ】
いつも通り、プレーしようと思っていた。しっかりと相手をマークして、ボールを取ったら、ゴールを狙っていた。ゴールの場面では、青木さんからのパスが出た時、脩斗さんが「OK!」と言っていたので、自分は中に入った。こぼれ球が来て、ゴールを決めることができた。

【植田 直通】
厳しい試合だったけど、みんなで頑張って勝つことができた。この勝ちは大きいと思う。点を取ってやろうという気持ちで試合に入っていたし、かなり良いボールが来た。岳くんに感謝したい。

山本選手、昌子選手、柴崎選手、土居選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事