C大阪にとっては、さらなる高みに登るための大一番がやってくる。J1第24節、ホームで迎えるのは、現在、首位を走る鹿島との上位直接対決。2位につけるC大阪としては、勝てば勝点1差に詰め寄って優勝戦線に再び食い込むことができるが、敗れれば勝点4差に広がり、常勝軍団・鹿島の背中が遠くなってしまう。いわゆる『勝点6』の価値のある大事な試合に、桜色の戦士たちが身を置く。
C大阪のなかで、選手として、また、スタッフとして、大きな役割を担ってきた男が、いま、鹿島の躍進を支えている。その人は、羽田憲司コーチ。2007年に鹿島からC大阪に活躍の場を移すと、当時J2だったチームを牽引し、09年からはキャプテンに就任。抜群のリーダーシップでイレブンをまとめ、J1復帰、ACL出場権獲得などに貢献してきた。また、現役引退後、13年にC大阪へ戻ると、スクールコーチ、U-18チームのコーチ、そして、15年にトップチームコーチと歴任。16年、古巣でもある鹿島から声がかかり、浪速の地を離れることになったが、C大阪における羽田氏の存在は、今なお絶大なものがある。
その羽田氏へ、感謝の想いを述べるひとりが、GKキム ジンヒョン(写真)。桜の不動の守護神がC大阪にやってきた09年から、チームに馴染み、活躍を続けることができているのは、常に周りに気を配る羽田氏のサポートがあったからこそだという。「ハネさん(羽田氏)にはすごく僕はお世話になっていましたし、1年目から、まだ試合の中でも外でも(日本語を)しゃべれないときも、すごく僕をサポートしてくれて、引っ張ってくれていた。そういうところにすごく感謝しています」。いまや、キム ジンヒョンが、柿谷曜一朗らとともに、桜の牽引役のひとりとなったが、その成長を見せるためにも、この試合で、勝利という結果で、『恩返し』をしたいものだ。「ハネさんにも教わったことは多いし、ハネさんのおかげで成長したというところを見せたい。そして、セレッソが成長したところを、ハネさんにもしっかり見せたい」。だからこそ、追い求めるのは、羽田氏とともにピッチに立って勝利をつかんだ10年シーズン以来となる、鹿島戦ホームゲーム勝利だ。
文:前田敏勝(C大阪担当)
明治安田生命J1リーグ 第24節
8月26日(土)19:00KO ヤンマー
セレッソ大阪 vs 鹿島アントラーズ
【C大阪 vs 鹿島】 ウォーミングアップコラム:セレッソが強くなったというところを、ハネさんに見せたい/キム ジンヒョン