ジュニアから生え抜き 「一日一日大切に練習」
サッカーJ1鹿島アントラーズのホームタウン、鹿嶋市出身のJリーガーがプロへの第一歩を踏み出した。期待の新人は、背番号31のGK沖悠哉選手(18)。同郷のベテランGK曽ケ端準選手(38)をはじめ層の厚いGK陣に挑む若武者は、「現時点で何一つ勝てていない。自分にできることは一日一日を大切に練習に取り組んでいくこと」と前だけを見ている。
沖選手は、鹿嶋市立三笠小、同立鹿島中、現在は鹿島学園高3年生。小学4年から鹿島アントラーズジュニアで活動を始め、ジュニアユース、ユースで活躍。2017年8月にトップチーム昇格が内定した生え抜き選手だ。
小学5年の時にフィールドプレーヤーからGKへ転向し才能を伸ばした。既に中学1年の頃「プロでやっていきたい」と心に決めた。同3年で15歳以下の日本クラブユースサッカー選手権で初優勝を飾り、大会MVPも受賞。各世代の日本代表にも選ばれてきた。
今月9日、チームが始動。10日には神栖市内で新加入選手の会見が行われた。沖選手は「小さい頃からスタジアムで優勝カップを上げている姿を見て、ずっとこのチームでやりたいと思っていた。一日も早く試合に出られるように頑張る」と決意を語った。
沖選手は身長184センチ、体重82キロ。これからプロで通用する体づくりが始まる中、持ち味は「最優先はゴールを守ることだが自分はキックが得意。キックを生かして点にも絡みたい」。長短のキックを正確に使い分け、最後尾から攻撃の起点となるGKを目指す。
今季チームのGK登録数は4人。そのトップに立つのがJ1通算521試合出場を誇る曽ケ端選手。沖選手はユース時代からプロの練習に参加しており、実力差を痛感しているが「気持ちでは負けない。プレーを盗みながら自分の理想像をつくりたい」。課題は「心技体」全てを挙げる。
鹿嶋市出身の新人は、09年加入の川島大地選手(現J3ギラヴァンツ北九州)以来。将来が嘱望される“地元の星”は「いろいろな応援をもらいありがたい。応援に応えたい」と活躍を誓う。(小林久隆)
鹿嶋出身、J1鹿島入り 沖選手、正GKに挑む