日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年1月2日月曜日
◆鹿島イレブンに浸透していた今すべきこと…CWCで磨かれた勝負どころの見極めが天皇杯で命運分ける(サンスポ)
元日に行われた第96回天皇杯決勝は、まさに鹿島アントラーズの“勝負強さ”を見せつけられる一戦だった。延長にまでもつれた試合は、鹿島が川崎フロンターレに2-1で勝利を収め、6年ぶり5度目の優勝を飾った。もちろん120分に及ぶ激闘の中では、両者ともに特徴を活かして好機を作り出していた。敗れた川崎も後半9分には小林悠が同点となるゴールを決め、後半20分にも再び小林がポストに直撃する惜しいシュートを放った。ただし、終わってみれば鹿島が勝利を収めた結果には、ただただ“勝負強さ”を感じずにはいられなかった。特に痛感させられたのは、得点シーンである。
鹿島の先制点は前半42分、右CKから遠藤康のクロスを、山本脩斗が完璧に頭でとらえた得点だった。また、1-1の同点に追いつかれて突入した延長戦で、ファブリシオが挙げた決勝弾もセットプレーからだった。延長前半4分、やはり右CKの流れから西大伍のヘディングシュートがポストに当たりクリアされると、拾った永木亮太がヘディングでつなぎ、最後は西のパスを受けたファブリシオがゴールに叩き込んだ。
試合は間違いなくパスワークに秀でた川崎がボールを支配していた。一方、鹿島はチャンピオンシップから続くFIFAクラブワールドカップ(以下CWC)、さらに天皇杯といった1カ月で10試合を戦う過密日程の影響もあって、いつもより明らかに運動量は少なかった。普段ならば、前線の2トップから激しく追うはずのプレスもやや緩く、川崎のテンポの良いパス回しに翻弄される場面もあった。だが、そうしたチームの苦しい状況を察知してか、キャプテンの小笠原満男は、川崎の攻撃の要である中村憲剛と大島僚太を激しくチェイス。まさに相手の要所を潰したのである。前半19分に起きた小競り合いについても「パフォーマンスのひとつ。怒っていたわけではない」と小笠原は説明したが、すべては勝つための術(すべ)であり、相手を威嚇もしくは萎縮させるひとつの手段だった。
また、それは小笠原だけに限った話ではなく、鹿島はピッチにいる11人全員が、自分たちが勝つために何をすべきかを把握していた。リードを奪った延長戦の戦い方も然りである。川崎の運動量が落ちてきた状況でならば、リードを守り切れるという自信はひしひしと感じたし、パスひとつとっても、時間を稼ぐプレーひとつにしても、それぞれが今、やるべきことを熟知していた。CSに続き天皇杯も制して二冠を達成した石井正忠監督は、その強さを「タイトルを獲った者だから分かる勝負どころでしかないと思います」と語った。
惜しくもタイトルに手が届かなかった川崎のキャプテンである中村も、「ちょっとの差が天と地と言えるほどの結果を生んでしまう」と話し、鹿島のセットプレーの強さや身体を張る老獪さについて悔しさを滲ませた。
2トップの一角として先発した鹿島の赤崎秀平は、チームの成熟についてこう発言した。
「CWCのときから相手にボールを持たれてもやれる戦い方が身についていたので、焦りはなかったですし、必ず点は入ると思っていた。その思いが全員にあったので、不安なかったですね。前半0-0で行けば勝てるという自信もありましたし、あわよくば1点取れれば、さらに有利になるという自信はあった」
先制点を挙げたものの、CWCで痛めた足に開始15分の時点で違和感を持ち、自ら申し出て前半を終えて交代した山本も同様だった。
「自分たちのサッカーを貫くところと、それが無理だったときにしっかりと引く部分を使い分けられた。特にCWCでは相手の攻撃が、パワーもスピードもうまさも今までに経験したことのない迫力があった。その中でどう対応して、うまく自分たちでやればいいのかを考えてきたことがつながっている」
流れが悪くとも耐えしのげば、チャンスはやって来る。押し込めなければ、リスタートに活路を見出せばいい。まさにセットプレーから決めた2得点は、そうした鹿島の戦い方であり、勝利の方程式でもあった。石井監督の言う「勝負どころ」をピッチにいる選手たちが見極めていた結果こそが、鹿島に19回目となるタイトルをもたらしたのである。
そして「大事なのは本当にこれから。来シーズン、これで勝てなくなったら意味がない」と試合直後に小笠原が話したように、早くも次を見据えていることも鹿島の“強さ”である。土居聖真をはじめ、今後の鹿島を担っていく選手たちが、小笠原と同様に次への欲について言及していたところに鹿島の伝統がある。
文=原田大輔(Goal.com)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20170102/jle17010214020004-n1.html
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