日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年7月6日木曜日

◆2017明治安田生命J1リーグ 第13節(オフィシャル)


明治安田J1 第13節

遠藤が芸術的ループ弾!鹿島がアウェイでG大阪を撃破、リーグ戦5連勝で首位浮上!

7月のアウェイ4連戦、第2章を迎えた。J1第13節未消化分、対するはガンバ大阪。リーグ戦17試合目、折り返しとなる一戦で難敵と対峙した鹿島は、55分に遠藤が鮮やかなループシュートを決めて先制に成功する。終盤はG大阪の猛攻に遭ったものの、チーム一丸で1点を死守。1-0と勝利を収め、5連勝でJ1首位に立った。

鹿島は3日前、首位の柏とアウェイで激突し、3-2と勝利を収めた。満員の日立台で先制を許しながらも、金崎の火を噴くような強烈ミドルで同点に追い付き、永木の直接FKで逆転に成功。一時は2-2とされたものの、ペドロ ジュニオールが鮮やかなドリブルシュートで3試合連続得点を挙げ、底力を見せて勝ち点3を奪い取った。大岩監督就任後、これで公式戦5連勝。リーグ戦では4連勝となり、暫定3位に浮上した。



昌子が「チーム力はシーズン序盤よりも上がっていると思う」と手応えを語れば、大岩監督も「全てがスーパーゴールだったとはいえ、アクションを起こして生まれたもの。チームが上昇気流に乗っていると思う」と、就任時から求め続けるアグレッシブな姿勢を体現した選手たちを称賛した。課題と反省はもちろんあるが、勝利という結果の下でそれらと向き合えることこそ収穫だ。休む間もなく戦いは続く。中2日で組まれたG大阪との激突に向けて、チームはトレーニングに打ち込んだ。すぐに迎えた試合前日には、入念なミーティングとセットプレー練習を敢行。限られた準備期間で難敵との対峙を繰り返す日々は、昨季のクラブW杯を想起させる。センターバックでのチャレンジに臨んでいる三竿健斗は「次の試合が楽しみ。課題を克服するチャンス」と過密日程を前向きに捉える言葉を残し、大阪へと飛んだ。



台風が過ぎ去り、不安定な大気に覆われた大阪。水曜日のナイトゲームにも関わらず、吹田には数多くの背番号12が足を運んだ。勝利への渇望を胸にボルテージを高めていく。大きなチームコールが鳴り響く中、読み上げられたメンバーリスト。大岩監督が指名した先発11人は、3日前から3名の変更が施されていた。無念の離脱を強いられたクォン スンテに代わって曽ケ端、ボランチの一角に小笠原、そして右サイドハーフに遠藤を指名。実績十分の3選手へ信頼を託し、必勝を期す。最終ラインは右から西、健斗、昌子、山本の4人。ボランチには小笠原とともにレオ シルバが君臨し、2列目には遠藤と中村、そして前線には金崎とペドロが並んだ。そしてベンチには、GKの川俣、ブエノ、伊東、永木、土居、鈴木、金森が座る。



19時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。開始早々、鹿島は右サイド深くまで突破されてピンチを迎えたが、ペナルティーエリア内からの相手のシュートが枠を逸れて事なきを得る。立ち上がりから両チームともに縦への意識を高め、非常にテンションの高い展開となった。鹿島は6分、FKのリスタートから中村がペナルティーエリア手前までドリブルで持ち込んだものの、足を滑らせてシュートを打つことはできず。それでも、瞬時の機転で金崎がシュートチャンスを生み出してみせた一連のプレーからは、一瞬の隙も許されない、濃密な試合が繰り広げられる予感が漂った。









15分過ぎからは次第に鹿島が中盤でセカンドボールを拾えるようになったが、決定機を作るには至らない。激しいボディコンタクトの応酬となり、ルーズボールを確保した側が素早いカウンターで背後を狙う展開となった。ハイレベルかつスピーディーな攻防に、両ゴール裏もヒートアップしていく。鹿島は27分、曽ケ端が1対1のピンチでシュートを身体に当て、カバーに戻った健斗のクリアによってG大阪の望みを絶つ。大ピンチだったが、スコアレスのまま試合は推移することとなった。











ペドロと金崎が献身を体現するプレスとポストプレーを絶えず繰り返す中、なかなかシュートまで持ち込めなかった鹿島。決定機は31分に生まれた。中盤でのボール奪取から右サイドへ展開し、西のクロスに中村が反応。背番号13の左足シュートがG大阪ゴールを襲ったが、惜しくも相手GKの正面を突いてしまった。





前半のラスト15分も一進一退の攻防が繰り広げられた。G大阪のビルドアップに対して、鹿島は各選手がマークを受け渡しながらポジションをスライド。統制を保ち、ひとたびマッチアップの場面となれば、激しいプレスとタックルで戦いを挑んでいった。ボールを奪えなくとも、相手の攻撃を後方に戻させる厳しい守備を見せれば、大岩監督がピッチサイドで拍手を惜しまない。アグレッシブな姿勢を示し続けたまま、前半はスコアレスで終了した。



ハーフタイム、アントラーズレッドのゴール裏はタオルマフラーを掲げ、来るべき後半45分に向けてより強く揺るがない決意を常緑のピッチへ注ぎ込んだ。そして始まった、勝負のセカンドハーフ。前半から変わらず、激しいマッチアップと素早い攻守の応酬が続いていった。







51分、惜しみなくプレスを続けた金崎が相手のクリアを身体に当てると、こぼれ球に反応したペドロが長距離のボレーでゴールを狙う。古巣相手の一戦、ブーイングを浴び続けた背番号7の冷静かつ巧みなチャレンジは枠を越えたが、どこからでもゴールを狙う姿勢はチーム全員の共通意識として浸透。そして4分後、次のチャレンジが結実することとなった。熱戦の均衡を破ったのは、あまりにも鮮やかなループシュート。主役は、約2カ月ぶりに先発のピッチに帰ってきた背番号25だ。

55分、敵陣右サイドでの波状攻撃。クロスを阻まれてもすぐにセカンドボールを奪い、二度三度とゴールへの挑戦を続けた。そして、敵陣中央で小笠原がボールを収める。瞬時にパスコースを見出したキャプテンからのスルーパス、その走路には遠藤がいた。ペナルティーエリア右奥へ進出した背番号25は、だれも予想し得なかった左足でのループシュートを選択。角度のないところから放たれ、鮮やかな弧を描いたボールがゴールへ吸い込まれる。1-0。青黒の沈黙、そしてアントラーズレッドの歓喜が夜空を切り裂いた。







リードを奪った鹿島は60分に土居を投入。背番号8はスペースを狙い続け、そして献身的なプレスでチームのために走り続けた。拮抗した展開のまま残り15分を切ると、指揮官は伊東をピッチへ送り出す。G大阪の選手交代に対して即座に反応し、サイドアタックを封じるべく、背番号24を最終ラインに加えた。「とにかく集中力が全てだった」と振り返った伊東は、試合後に充実の表情を見せていた。終了間際に投入され、ミドルゾーンに強度をもたらした永木も含め、全選手がしっかりと任務を遂行。後半アディショナルタイムには相手のCKからゴールライン上に密集が殺到するピンチを迎えたが、最後の一線だけは死守してみせた。













1-0。完封勝利を告げるホイッスルが鳴り響き、吹田の夜にアントラーズレッドの歓喜が爆発した。これでリーグ戦5連勝、勝ち点36で17試合を終了。単独首位に立って、リーグ戦の折り返しを迎えることとなった。とはいえ、まだ何も勝ち得てはいない。曽ケ端が、昌子が、遠藤が、「最後に一番上にいないと意味がない」と淡々と語り、チームは吹田の地を後にした。休む間もなく、3日後には第18節のFC東京戦を控えている。明日、鹿嶋へ帰還するチームはわずかな準備期間を経て、土曜日のアウェイゲームへ向かう。連勝街道を突き進むべく、総力戦の日々は続く。





【この試合のトピックス】
・大岩監督就任後、リーグ戦5連勝。公式戦は6連勝となった。
・J1でのG大阪戦は2試合ぶり、アウェイでは2年連続の勝利を収めた。
・遠藤が先発に復帰。5月14日に行われたJ1第11節の神戸戦以来、リーグ戦6試合ぶりの先発出場を果たし、4月16日の第7節仙台戦以来となる今季2得点目を挙げた。
・曽ケ端がリーグ戦3試合ぶりの先発出場を果たした。
・ブエノがリーグ戦3試合ぶりのベンチ入りを果たした。
・リーグ前半戦、アウェイゲーム全勝はJ1初。



監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・攻撃の時、サイドにボールをあてて、もっと深さを使って攻めよう。
・ボールがない時のポジショニングを意識して、正しい位置をとること。
・連動した守備をもう一度確認すること。

ガンバ大阪:長谷川 健太
・もっとテンポよくボールを動かす。
・攻めている時のリスク管理をしっかり。
・後半の立ち上がり、しっかり入る。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
この厳しい条件の中で選手がピッチで見せてくれたパフォーマンスは称賛に値すると思う。1-0という結果だが、それ以上の価値があると思う。

Q.中村選手や金崎選手に続いて今日は遠藤選手と、起用する選手が次々に結果を出しているが、その要因は?先発起用するにあたって考えていることは?

A.結果を出している選手は経験があるし、パフォーマンスが悪いから先発を外れていたというわけでもない。それぞれのパフォーマンスをピッチの上で表現しているということ。結果が出ているのは自分自身、嬉しい。それがチーム力を上げる要因になる。とはいえ、彼らは得点を決めているが、それ以外のプレーも評価している。それ以外の選手も評価している。得点以外の評価を忘れてはいけないと思う。

Q.連戦で中2日、移動もあった中での戦いだった。前半はチャンスの数が少なかったように思うが、守備を重視していたのか?

A.守備を重視して前半を戦おうという意識は特になかった。ただ、ピッチの上で起きていることに対して「それぞれの選手同士で判断をしてプレーしなさい」と伝えていたし、自分たちだけでなく相手もキツそうだったので、試合自体がスローテンポになったので、そのように見えたのではないかと思う。

ガンバ大阪:長谷川 健太
リーグ戦の折り返しの試合で、何が何でもホームで勝ちたかったが、決めるべきところで決めるか、決められるかという展開だった。ある程度は予想していたが、ミスから取られてしまった。(アントラーズの決定機は)遠藤のあの1本と、前半の中村の1本くらいだったと思う。うちも前半の立ち上がりにチャンスがあったが、決めきれなかった。そのことが、競り負けるという結果につながったと思っている。リーグ前半戦の最後に勝ち点を積み上げることはできなかったが、32ポイントという結果は悪くなかったと思う。ただ、後半戦で35ポイント以上取れないと優勝に手が届かないと思うので、35プラスアルファを取れるかどうかに懸かっていると思う。次の試合が中2日で控えている。コンディションを見ながらメンバーを考えていきたい。


選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
誰が点を取るかではなく、チームが勝つことが大事。得点の場面は興味本位で狙ってみて、狙ったら入ったという感じ。クロスを上げる選択肢もあったけど、あの位置からだったらいけるかなと思って打ってみた。自分のゴールはもちろん嬉しいけど、チームが勝てたことが何よりも良かった。

【昌子 源】
勝ちたい気持ちで上回ったと思う。絶対に後半勝負になると思っていて、健斗とは「仕事が増えるから、2人で守らないといけない」と話していた。連勝できたのは良かったけど、監督が変わる前にできなければいけなかったという思いもある。個人的にはボールが足についていなかったプレーもあったし、次に向けて反省しないといけない。

【三竿 健斗】
気合いを入れてプレーした。声が通らなかったので、源くんとはお互いをよく見ていた。インターセプトの回数も多かったし、勇気を出して前に出て良かった。源くんと近い位置をとって、うまく反応できたと思う。自分は読みで勝負するしかないので、賢くプレーする必要がある。

【山本 脩斗】
先に失点すると苦しくなるので、しっかりと守備から入ろうと思っていた。タイトルが懸かった試合ではないけど、勝てば首位で折り返せるということもわかっていたし、上位対決では気持ちも昂る。良いモチベーションでやれていると思う。

【曽ケ端 準】
先制した後は相手が前線に人数をかけてくることはわかっていた。カウンターで追加点を取れれば良かったけど、しっかりと対応できていたと思う。意思統一をしっかりとやって戦えていたと思う。

【土居 聖真】
カウンターを仕掛け合うような展開の中で、ボールをキープする時間を少しでも作ることを心がけてプレーしていた。ここで勝つと負けるとでは全く違うので、勝ち切れたことは大きい。

【伊東 幸敏】
あの時間帯に入るのは、集中力が全てという感じ。泉澤選手が投入されて、自分も「行くぞ」とベンチから呼ばれた。藤春選手への対応もあったので難しい展開だったけど、あの時間帯にピッチに入って、チームの集中力というものを強く感じた。




http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51980

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