
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年3月24日土曜日
◆昌子源が説くハリルJでのデュエル論。 個で優る相手といかに戦うのか?(Number)

ミックスゾーンでの昌子源は、とてもリラックスしていた。
代表のジャージを着た彼を取材するのは、昨年11月のブラジル戦前以来だったが、そのときは少しピリピリしているような印象を持った。当時、鹿島アントラーズは、優勝争いの佳境を迎えていた。9月下旬には8ポイント離れていた2位との勝ち点差も4ポイントまで詰められたし、ブラジル戦で先発から外れることも感じ取っていたのかもしれない。
結局、ブラジル戦だけでなく、ベルギー戦も出場機会がなかった。そして、J1でも優勝を逃した。その1週間後のE-1フットボールチャンピオンシップでは出場機会を得たものの韓国に1-4と惨敗して、こちらも2位で終わっている。
E-1はJリーグ閉幕直後に代表合宿が始まり、気持ちの切り替えも難しかったに違いない。それが結果に影響したとは思わないが、昌子の心中を察すると、悔しさしか残らなかったのだろうと思った。それはほとばしる熱を持った悔しさではなく、どこか冷たさを感じる悔しさだ。
麻也の負傷を「深くは考えずに」。
ワールドカップイヤー初戦となる試合を前に、昌子は前向きに当時を振り返った。
「チームも代表も2位でしたね。自分も世界トップレベルのブラジルやベルギーと対戦できるチャンスがあったのに、出られなかった。いろんな悔しい想いが続きましたけど、去年は去年ですし、今年は今年だから。
代表の悔しさは代表で晴らす。代表の悔しさを鹿島でということはないし、鹿島の悔しさを代表でというのもナンセンスだと思っている。あのときの悔しさ、E-1の悔しさもそうですけど、マリ戦とウクライナ戦で晴らしたいと思います」
今回の遠征には吉田麻也が負傷のために参加していない。その代役として出場が濃厚という状況もあるのだろう。大きなチャンスが到来したわけだが、前のめりな様子もない。
「そんなに深くは考えていません。ただ、自分の思い通りのプレーをしたい。それができれば、全く問題はないと思っている。もちろんそういうプレーはクラブと違って、代表で出すのは難しいけれど」
自信を漂わせながらも、慎重にそう答える。その難しさは言葉では説明できないのかもしれない。練習時間が短く、戦術もクラブとは異なる。そして、代表という特別な舞台……。自身がそのピッチに立ってきたからこそ、実感する難しさなのだろう。
一番うるさいくらい声を出したい。
それでも自分の強みはわかっている。
「しっかり自分ができることをやる。しっかり声を出して、コミュニケーションを取って、連係を高めれば、そう崩れることはないと思うから。それ以外はあまり言わない(笑)。
百戦錬磨な味方の選手が自分より前でプレーしていても、結局うまくいかないことがあるわけだから。それをしっかりサポートするのが後ろの仕事だと思っている。もし見えないところから相手が入ってきたら『右から来たぞ、左から来たぞ』と当たり前のように声を出せるようになっているので、いつも通りそれを出したい。一番うるさいくらいがいい。とにかく静かな試合にはしたくないですね」
11月の遠征ではブラジル戦とベルギー戦の間に、守備面での大きな修正が行われた。結果こそ2連敗に終わったものの、ベルギー戦ではポジティブな変化が見られた。それを昌子はどう見ていたのか?
「ブラジル戦では個対個の対決で負けていた、そこで個では勝てない部分をチームで補おう、という風に修正できたのがベルギー戦だったと思う。誰かが抜かれても、次の人がしっかりカバーして、という。
そういうのは今回も大事だと思うし、今回に限らず、これからもそういう戦い方をしないといけない。単純な個の力では、結構差があったと外から見て思った。試合には出られなかったけれど、それを生で見られたことだけでも、大きな経験だった。試合を見ながら抱いたイメージというのは忘れずにやっていきたい」
ブラジル戦はデュエル前にやられていた。
ブラジル戦では、ハリルホジッチ監督の掲げる「デュエル」に持ち込む以前の問題だったともいう。
「みなさんも同じことを感じたと思うけれど、デュエルに持ち込む前のファーストタッチで抜かれていたし、身体を当てられず、球際勝負すらさせてくれなかった。駆け引きの上手さがあったし、スペースもあったから抜かれていた。そうなったとき、どこでデュエルに持ち込むかといったら、ペナ内(ペナルティエリア内)だと思っている。
ペナ内だと、ファーストタッチで抜かれるようなスペースがない。そこでガツンとぶつかったときに、いかに勝つか、相手のシュートモーションを崩すとか、相手からわずかでもボールを離すとか、そういうデュエルは日本人でもできると思う。
ベルギー戦での失点シーンもクロスボールからだった。ペナ内でいかにタイトにマークできるのかはとても大事。もちろんレバンドフスキとかは、ペナ内での巧さがあるけれど、そこでハナから負けていたら『どうぞ点を取ってください』ということだから」
ペナ内に相手を入れないことが理想だが。
槙野智章は「ディフェンスラインを高く保ち、相手選手をゴール前から遠ざけることを監督から求められている」と話している。そのためには前線からのプレスが必須となる。
「そうですね。ペナ内に相手を入れないことが理想だし、ラインをペナの外に構えるというのは理想です。でも、ブラジル戦では前からプレスへ行こうとするタイミングで、相手にファーストタッチで抜かれて、一気に攻め込まれた。相手陣地でボールを失っても、何秒後かにはうちのゴールまで来ている。
そう思うと、全部が全部、前からプレスへ行けないだろうし。後ろでしっかりとブロックを組むことも大事。それをキーパー前で組むのか、ペナルティエリアの外で組むのか、その違いで局面は変わってくる。どうしても後ろに比重がかかる時間帯はあると思う。そういうときに、いかにデュエルで戦えるのかというのが大事なことだと思う。
外で回されている分にはいいけど、中へ入ってきたタイミングでバッと行くのも手だと思う。“日本はなかなか入らせてくれないな”と相手に思わせるのもひとつの守備の仕方だから。でも、そこから攻撃へ繋げないと意味がない。守備だけをしていればいいというわけにはいかない、点をとって勝つスポーツですから」
勝つ喜びは大事。チームを明るくする。
失点をしないことも重要なポイントとして挙げる昌子だが、一番は「勝つこと」だという。勝ち癖をつけて本大会へ向かうというのは、ハリルホジッチ監督が掲げるテーマでもある。
「ワールドカップイヤー最初の試合。負けて課題が出ましたというような試合をやっている場合じゃない。試合数も多くはないから、すべてに勝って、いいイメージを持って本大会へ臨みたい。
サッカーはわからないところがある、勝っていたのに本番でダメだったり、全然ダメだったのに本番で良かったり……。だけど、勝つ喜びは大事。チームを明るくするので」
森重も復帰、CBの競争も激しさを増す。
それに加えて昌子自身、代表内での競争という意味でも無失点で抑えるだけでは意味がないと考えている。
「センターバックは、チームを勝たせることが必要とされるポジションだから」
負傷で離脱していた森重真人も復帰し、センターバックのポジション争いもほかのポジション同様に厳しさを増している。
訪れたチャンスで力を発揮しなければ、次のチャンスがいつ訪れるかわからない。
そんな競争の現場に立っているという覚悟が決まったからこそ、昌子は落ち着いた心持ちで、試合に挑めるのだろう。

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