[3.23 国際親善試合 日本1-1マリ リエージュ]
味方を信じて放り込んだ。0-1で迎えた後半アディショナルタイム、PA内右手前の位置でセカンドボールに反応した日本代表MF三竿健斗(鹿島)の目にFW中島翔哉の姿は「見えていなかった」という。
「だれかしらがいるというイメージであそこに蹴った。そこにたまたま(中島が)いた」。右足ダイレクトで折り返したボールにゴール前の中島が左足で合わせ、劇的な同点ゴールが生まれた。
国内組で臨んだ昨年12月16日のE-1選手権・韓国戦(1-4)に後半21分から途中出場し、A代表デビュー。国際Aマッチ出場2試合目で貴重な同点アシストを記録した。
この日は後半15分からMF長谷部誠に代わってダブルボランチの一角で途中出場。「ボールを奪うところ、シンプルに前に付けることを言われていた」とピッチに入ったが、「自分にできることをやろうと思ったけど、球際の部分が足りなかった」と、身体能力の高いアフリカ勢相手に手を焼く場面もあった。
「ドリブルのリズムが全然違う。そこにしっかりアプローチして対応することが大事だった」。それでも「途中からは慣れて、うまくできるようになった」と、試合の中で適応したが、手応えと呼べるほどの収穫はなかった。「本大会の選手はレベルが違う。このままじゃ何も通用しない。もっとレベルを上げないといけない」。W杯を見据え、三竿は険しい表情を崩さなかった。
(取材・文 西山紘平)
代表2戦目の三竿が劇的アシストも…「このままじゃ通用しない」