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J1 第31節 アルビレックス新潟戦
鹿島がアウェイで新潟を撃破!中村と西の得点で逆転、5試合ぶりの勝ち点3!
10月26日、浦和との大一番を悔しい引き分けで終えた鹿島が、逆転優勝を懸けて11月の戦いに臨む。その初戦、J1第31節でアルビレックス新潟とアウェイで対戦すると、前半を1点ビハインドで終えたものの、後半に中村と西が得点を挙げ、2-1と逆転。5試合ぶりに勝ち点3を獲得した。
10月の4試合で勝利から遠ざかり、5試合ぶりの勝利を目指す鹿島は、累積警告で出場停止の山本に代わって前野が左サイドバックに入り、今季のリーグ戦2試合目の先発出場を果たした。また左サイドハーフでは豊川が先発メンバーに名を連ねた。試合開始直前から降り始めた豪雨の中、鹿島はなかなか主導権を握ることができない。中盤でのボールロストが目立ち、新潟に押し込まれる場面が多く見られた。13分には相手のシュートが鹿島DFに当たり、コースが変わってクロスバーを直撃。肝を冷やしたが、失点を逃れた。
以降も攻撃のリズムを掴めずにいた鹿島は、19分頃からチャンスを作り始める。赤崎が思い切りよく放ったミドルシュートの後、20分には土居がドリブルで右サイドを突破し、ゴールライン際から中央へ浮き球のクロス。ファーサイドの豊川がボレーで合わせたが相手DFにブロックされ、こぼれ球を拾った遠藤のシュートもDFに阻まれた。21分には西が強烈なミドルシュートを放ったが、惜しくも枠の右へ。均衡を破ることはできなかった。
立て続けのシュートで盛り返したかに思われたが、以降は再びリズムに乗れない時間帯となる。中盤でのパスミスが増え、セカンドボールを先に拾われるプレーが続いた。すると43分、中盤左サイドでボールを失ってショートカウンターを許す。ゴール前へパスを通され、最後は鈴木に押し込まれてしまった。鹿島は1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。
1点を追う後半開始直後、鹿島は新潟のカウンターを受け、ワンタッチパスをつながれて最後は鈴木にループシュートを打たれたが、カバーに戻った植田が何とか頭に当て、CKに逃れた。いきなり訪れたピンチをしのぎ、トニーニョ セレーゾ監督は2選手同時交代を敢行。52分、赤崎と豊川に代えて中村とカイオを投入し、打開を図った。
すると、ピッチに送り出された両選手が躍動する。まずは57分、カイオがワンツーで左サイドを抜け出し、中央へクロス。遠藤が左足で合わせたシュートは惜しくも枠を外れたが、決定機を作り出して得点の予感を漂わせた。そして62分、待望の同点弾は背番号13の右足から生まれた。敵陣右サイドで得たFKを小笠原が蹴り込むと、ファーサイドでフリーになっていた中村が鮮やかな右足ボレーで合わせ、ゴール右隅を射抜いた。中村の今季リーグ2得点目で、鹿島が1-1の同点に追いついた。
以降は互いに打ち合うオープンな展開となったが、同点弾で勢いに乗る鹿島は中村が身体を張ったポストプレーで起点となり、サイドを広く使った攻撃でチャンスを演出。84分にはレオ シルバに至近距離からシュートを打たれるピンチを迎えたが事なきを得ると、歓喜の瞬間は直後に訪れた。85分、土居がゴール前で突破を図ると、こぼれ球に西が反応。右足で放たれた強烈なシュートは、対面する相手DFの股下を抜いてゴール左隅に突き刺さった。
西の逆転弾で2-1と勝利を収めた鹿島。5試合ぶりの白星で勝点を54に伸ばし、明日に試合を控える浦和との勝ち点差を4に、今節で仙台と引き分けた2位G大阪との差を2に縮めた。次戦は3週間のインターバルを挟み、22日に行われる第32節で川崎フロンターレと激突する。リーグ戦は残り3試合となった。カシマスタジアムでの上位対決を制し、ラストスパートの口火を切らなければならない。逆転優勝のためには勝ち点3の獲得が必須だ。1人でも多くのサポーターに熱い声援を送ってもらいたい。
【この試合のトピックス】
・リーグ戦5試合ぶりの勝利を収めた。
・リーグでのアウェイ新潟戦は2011年以来4試合負けなしで、昨季に続いての勝利となった。
・途中出場の中村が同点弾を記録。今季のリーグ戦では、10月18日の第28節柏戦以来、2得点目だった。
・西が今季リーグ戦3得点目を挙げ、自己記録に並んだ。前回は札幌所属時の2008年に記録している。
・前野が、5月17日の第14節徳島戦以来、今季リーグ戦2試合目の先発出場を果たした。
・山村が3試合ぶりにベンチ入りし、9月27日の第26節徳島戦以来の途中出場。J1通算50試合出場を達成した。
・豊川が2試合ぶりに先発メンバーに復帰した。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・自陣で相手に自由を与えすぎている。気持ちを前に出して、アグレッシブにボールを奪いにいけ。
・自分たちのサッカーを見失うな。落ち着いてボールを動かそう。
・プレス、サポート、カバーリングなど、まずは基本的なところをしっかりやっていこう。
アルビレックス新潟:柳下 正明
・守備は切り替えを早くすること。
・攻撃は前半同様、繰り返していく。
・1点しか取れていない。チャンスはたくさんあるぞ。集中して決め切ろう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・新潟は中断期間に補強をしたり、監督の考えが浸透してきていて、前回の対戦よりもいろいろな部分が向上していることは見受けられた。同時に我々も前回の対戦時よりも向上していた部分があると思う。両チームともゴールを目指すというところでは見応えがある試合になったと思うし、厳しくてタフな試合を制することができたので、今は素晴らしい感情を持っている。ただ、シーズンの当初は準備をして開幕するわけだが、シーズンインの後でケガや累積(警告)といった様々なことが起きる。少しずつチームを再構築していく作業の繰り返しで、長所や短所が良くなったり悪くなったりということを繰り返している。達成しようとしている目的に対して、最後にどのくらいのものを持続できるかが1年間のシーズンを通じて最も難しいところでもある。持続力を考えなければいけない。シーズンを通して良い試合も悪い試合もあったが、大半は良い内容。時には引き分けたり負けたりしたが、成長している部分、チームになりつつあるという手応えはある。ただ、それは今日の勝利で成し遂げたわけではなくて、今日はアウェイで勝つことができたということ。この後1回休んで、しっかりと準備をしていきたい。1試合ずつ考えていきたい。
・シーズン終盤なので、次の2週間で何かを改善できるかと言えば、また何かをしようとしてもそれは難しい。体力的、精神的なストレスを抱えている状況なので練習量を増やすのは難しいかなと思っている。攻撃の部分にはそこまで大きな問題はない。落ち着いてプレーしている時にはパスをつなげているし、相手のゴール前まで行ってチャンスを作っている。フィニッシュが決まるかどうかという部分はあるが。問題は、ボールを持っていない時の守備の部分。ポジショニングや相手をどこに置くのかという基本的なことを徹底したい。あとは精神的なこと。サッカーの試合は感情面の激しさが、いろいろなことがある。感情のジェットコースターのような状態になる。それをもう一度リセットすることが重要で、あとは試合中に感情のコントロールをいかにしてできるかということによってプレーの質も変わってくる。
・自分たちが1つ1つ勝っていかなければ状況は何も変わらない。諦めない姿勢についても話をしていきたい。
アルビレックス新潟:柳下 正明
サッカーは難しいなと感じた。だからやめられないということもある。1つ、2つのプレーで相手にリズムを渡してしまった。サッカーは非常に怖いなと感じた。失点のところは、やられるべくしてやられている。アントラーズが得意なカウンターとセットプレー、ここで少し油断があった。攻撃に関してはかなり多くのチャンスを作ったし、1点しか入らなかったからこのような結果になった。ゴール前での精度をもっと上げることと落ち着きが必要かなと感じた。残り3試合、精一杯戦っていく。
選手コメント
[試合後]
【西 大伍】
(逆転ゴールは)コースはイメージ通りだった。前半は新潟の運動量が多いので、無失点で終わろうとヤスと話していたが、その中で失点してしまったのが課題。勝ちたい気持ちが強すぎて、前に行きすぎた。一瞬の判断でチャンスもピンチにもなるので、きつい時間ではあると思うけど、試合中は前の選手に声をかけていた。
【中村 充孝】
途中で入ったら、今日の様な仕事を常に求められる。途中出場は、途中出場なりの仕事がある。あと2点、決められるチャンスがあったので、反省点の方が多い試合。(得点シーンは)そんなに難しいシュートでなく、普通。いつも通りにできた。レオ シルバ選手の位置が微妙だったし、いつも自分が入っていく位置なので、満男さんが狙ってくれたのかもしれない。
【豊川 雄太】
新潟は、マンツーマンでやりにくさはあった。(失点シーンは)最低限、自分が相手を止めていれば、失点につながらなかった。リズムがつかめないまま終わってしまったが、良い課題が見つかったと思って、プラスに考えている。使ってもらっているのだから、結果を残さないといけない。若いから、というのは言い訳にならない。
遠藤選手、前野選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。