日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年12月4日日曜日

◆【鹿島】チーム崩壊寸前から「ジーコ魂」で結束!大逆転の下克上でJ最多8度目優勝(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161204-OHT1T50036.html



 ◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ ▽決勝第2戦 浦和1―2鹿島=2戦合計2―2、アウェーゴール差で鹿島の優勝=(3日・埼玉スタジアム2002)

 明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦は、年間3位の鹿島が2―1で同1位の浦和を破り、2009年以来8度目の優勝を飾った。1―1の後半34分にFW金崎夢生(27)がこの日2得点目となるPKで勝ち越し。2戦合計1勝1敗で得失点差も同じだったが、アウェーゴール差で振り切った。CS第1戦で敗れたチームの逆転Vは史上初で、鹿島は8日に開幕するクラブW杯の出場権も獲得。来季からは1ステージ制に戻るためCSは行われない。

 金崎は、胴上げされる石井監督を見上げながら万歳を繰り返した。2得点とエースの仕事を果たし、年間勝ち点3位(59)から同首位の浦和に勝ち点15差をつけられたJ史上最大の逆転優勝。最多18個目のタイトルを獲得して「2点取ることしか考えていなかった。すごくうれしい」。大会MVPとこの試合のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されたが「優勝がうれしい」と繰り返した。

 1点を追う前半40分、右サイドからのクロスに大外から走り込み、気迫のダイビングヘッドを突き刺した。後半34分には決勝PKを決めた。1分前にPKを獲得した鈴木に「(鈴木)優磨がPKを取ったので、これはオレだなと思った。あいつが取ったPKはオレと決まっている」とボールを離さず、ゴール左に蹴り込んだ。「1年間いろいろありましたが、最高の形で終われた」。鹿島サポーターが集まるスタンドの前で何度もガッツポーズを繰り出した。

ロッカールームで口論 第1Sを制した後、チームは崩壊寸前に陥った。練習前のミーティングで石井監督が「後ろに残るように」と選手に指示を出すが、30分後の紅白戦では実行されない。試合後のロッカールームは個人の希望を言い合う口論の場になっていた。第1Sを制した自信、そして寛容な指揮官に対する甘えが慢心に変わった。経験豊富な主将MF小笠原も「どうすればいいですか」とクラブ幹部に助けを求めるなど、手のつけようがない状況だった。

 第2Sの終盤は4連敗を喫した。転機はCS開幕を16日後に控えた11月7日。MF遠藤が「このままCSに入っては絶対にダメだと思った。何かやらなければ」と発起人になり、鹿嶋市内の飲食店で全選手参加の決起集会を開いた。

 遠藤は事前に、食事会で発言する「チームを良くするために思うこと」を考えてくるよう伝えた。主力のDF西と金崎は話す内容について相談した。西が「オレたちがまず弱いってことを自覚すべきだ、と話すのはどうかな?」と提案すると、金崎は「サブ組の気持ちも考えないといけない。出ているオレらが弱いって言ったら、サブ組はどう思うか。その気持ちを考えたら違う方がいい」と返した。

 クラブの象徴的存在であるジーコがもたらした「団結」「献身」の基本精神。それが失われていた中で、遠藤の提案が視野を広げた。相手やチームのことを考えるきっかけを作った。決起集会では小笠原が「自分のために頑張ればいいというわけではない。チームのことを考えて頑張るのが鹿島というチームだ」と発言し、金崎も「チームのためにやろう」と続いた。鹿島の伝統が復活した瞬間だった。

 前回のリーグ優勝は09年。当時を知るメンバーで、この日ピッチに立っていたのは小笠原、曽ケ端、遠藤の3人だけ。この7年で内田篤人(シャルケ04)、興梠慎三(浦和)、大迫勇也(1FCケルン)ら多くの主力が移籍した。世代交代に苦しみメンバーも多く入れ替わったが、根幹は揺らがなかった。“最後の”CSを制した最大の要因は、クラブに脈々と息づく勝負強さだった。(内田 知宏)

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