[12.15 クラブW杯準々決勝 鹿島3-2グアダラハラ アルアイン]
FIFAクラブワールドカップ2018は15日、UAEのアルアインで準々決勝を行い、アジア代表の鹿島アントラーズは北中米カリブ海代表のグアダラハラ(メキシコ)と対戦し、3-2で逆転勝ちした。苦しみながらも初戦を突破した鹿島は19日の準決勝で欧州代表のレアル・マドリー(スペイン)と対戦。負けたグアダラハラは18日の5位決定戦に回る。
初出場で準優勝した16年大会以来、2年ぶり2度目のクラブW杯出場となった鹿島。FW鈴木優磨、MF三竿健斗という主力がケガでメンバー外となる中、MFレオ・シルバ、MFレアンドロが先発に復帰し、5日の天皇杯準決勝・浦和戦(●0-1)からはスタメン3人を変更した。DF西大伍、MF安部裕葵がベンチスタートとなり、登録外の鈴木に代わって前線ではMF土居聖真が先発した。
いきなり出端をくじかれた。グアダラハラは前半3分、右サイドからMFイサーク・ブリスエラが個人技で突破。DF山本脩斗、DF昌子源をかわしてクロスを入れると、ヘディングでクリアしようとしたDF内田篤人がかぶってしまい、その背後からFWアンヘル・サルディバルがヘディングシュートを流し込んだ。
立ち上がりの失点で1点を追う展開となった鹿島はなかなかリズムに乗れない。前半13分にレアンドロがミドルシュートを放つが、攻撃は単発。守備でもグアダラハラの高い個人技と鋭いカウンターの前にボールの奪いどころがなく、守勢を強いられた。
それでも前半32分、カウンターから許したブリスエラのミドルシュートはDFチョン・スンヒョンが身を投げ出してブロック。グアダラハラは同40分にもロングスローからPA内のこぼれ球をサルディバルが左足で狙ったが、GKクォン・スンテがビッグセーブで弾き出した。前半アディショナルタイムにはMFオルベリン・ピネダのミドルシュートがクロスバーを直撃。苦しみながらも1失点で耐え、前半を折り返した。
鹿島は後半開始からレアンドロに代えて安部を投入。すると立ち上がりの4分、少ないチャンスを生かした。クォン・スンテのロングフィードをおさめたFWセルジーニョのスルーパスに土居が反応。左サイドからグラウンダーのクロスを入れ、ファーサイドに走り込んだ永木が滑り込みながら右足で押し込んだ。
1-1の同点に追いつき、落ち着きを取り戻した鹿島が徐々にペースを握っていく。グアダラハラの攻撃にも慣れ始めたか、守備でも冷静に対応。1-1のまま時計は進み、後半23分、DF内田篤人から縦パスを受けた土居がPA内で切り返したところで後方からMFマイケル・ペレスに倒され、PKを獲得した。キッカーはセルジーニョ。落ち着いてGKの逆を突き、ゴール左に逆転ゴールを流し込んだ。
後半35分、土居に代わってDF安西幸輝が左サイドハーフに入ると、安部が2トップの一角にポジションを上げる。この交代がズバリ的中。同39分、安部が安西とのワンツーからPA内に切れ込み、PA左角の位置から右足でファーサイドに鮮やかなダメ押しゴールを叩き込んだ。
3-1とリードを広げた鹿島は後半42分、MF遠藤康に代えて西を投入。後半アディショナルタイムには自陣PA内でDFハイル・ペレイラを倒した山本のプレーがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によりPKと判断され、FWアラン・プリードのキックを一度はクォン・スンテが止めながら跳ね返りを押し込まれた。それでも3-2で逃げ切った鹿島が初戦を突破し、2大会ぶり2度目の準決勝進出。2年前の決勝で延長戦の末、惜敗した大会2連覇中の王者・レアルに挑戦する。
(取材・文 西山紘平)
◆苦しんだ前半から後半一挙逆転!!初戦突破の鹿島、準決勝でレアルと再戦へ(ゲキサカ)