鹿島アントラーズの新体制・新加入選手会見では、選手権を2日前に終えたばかりのCB関川郁万(←流通経済大柏高)やFW伊藤翔(←横浜FM)への取材が集中していたが、大学ナンバー1MF名古新太郎もブレイク期待のルーキーだ。
名古は強豪・順天堂大で主将を務めたプレーメーカーで将来の10番候補。状況に応じたアイディア、一瞬のスピード、1タッチを含めた正確なパス、ドリブルを特長とするボランチは大学3年時に鹿島からの内定を得て、すでに昨年8月の名古屋戦でJ1デビューも果たしている。順大では下級生時から非常に余裕のあるプレーをするなど、周囲との違いを見せてきただけにプロでどのような活躍をするか注目だ。
会見後に名古は「ここからやな、というのが一番ですし、早くピッチの上でプレーしたいというのが一番」とコメント。そして、「頭の中では絵が描けていますし、あとは実戦の中でやっていけるか」と語り、チームメートの特長を確認しながら、自分のプレーと合わせて互いの良さを出して行く考えを口にしていた。
注目ルーキーとは言え、大学サッカーから鳴り物入りでプロ入りした選手でも苦戦している選手が多い。だが、昨年、流通経済大から川崎F入りしたMF守田英正はルーキーイヤーからJ1王者のボランチのポジションを確保。9月には日本代表デビューも果たした。
名古も「身近にいた選手で守田ヒデくんはあそこまで行って刺激になります」と刺激を受けている様子。そして、「自分の年代でも(北川)航也、(鹿島のチームメートである鈴木)優磨、(三竿)健斗も日本代表に入っている。(22歳は)若いとは言えないので」。身近な大卒Jリーガーや先を行く同世代の選手たちに負けないように、1年目からチャンスを掴み、試合に出続けることを目指す。
同じボランチを主戦場とする三竿は同じ1996年生まれ。誕生日も4月17日生まれの名古に対し、三竿は16日で1日違いだ。本人は特別意識はしていないというが、それでも「ポジション的にも被るところもありますし、競争力が高いのが鹿島。競争を勝ち抜くということが今の自分には必要だと思います」と語り、三竿を含めたライバルとの競争を勝ち抜く意志を口にしていた。
名門・静岡学園高で10番を背負ったMFは大学を経由してからのプロ入りとなったが、常に自分の可能性を信じてきた。「自分に対する可能性は信じていますし、伸びしろというか、そこは自分に対して自信をもっています」。日本代表、外国人選手との競争となる鹿島で先発を勝ち取ることが簡単ではないことは分かっている。それでも自分に期待し、日々成長を遂げて「勝ち抜く」こと。そして、鹿島にとって欠かせない存在になる。
(取材・文 吉田太郎)
◆大学ナンバー1から鹿島の中軸、そして…。MF名古は刺激を受ける大卒MF守田に続くか(ゲキサカ)