◆カタールW杯アジア2次予選 日本10―0ミャンマー(28日、フクアリ)
オール海外組で臨んだ日本代表がミャンマー代表に10―0で勝利して6連勝し、2試合を残してカタールW杯アジア2次予選突破を決めた。FW大迫勇也(31)=ブレーメン=が5得点の大暴れでモンゴル戦(3月30日)に続く、ハットトリックを達成した。
まるで当たり前かのように、大迫はネットを揺らし続けた。前半22分。DF長友のクロスをファーサイドで合わせた。DFを駆け引きで上回り「イメージ通り」のヘディングでゴールラッシュの火蓋を切った。同30分にPK、同36分にも決め、わずか14分で2試合連続のハットトリックを達成。後半にも2点を奪い、計5ゴールの固め取りだ。「試合前から取れるだけ取りたいと考えていた。本当に周りに感謝です」。仲間をたたえる言葉に、エースの風格がにじんだ。
日本代表での2試合連続ハットトリックは史上4人目。W杯予選では97年フランスW杯1次予選(3月25日マカオ戦、同27日ネパール戦)でのFW高木琢也以来、2人目となった。本来は2列目を生かす巧みなポストプレーを武器に、得点がなくてもチームへの貢献度は高いタイプだ。しかしこの日は、組み立てはチームメートに任せ、最後までゴール前での仕事に集中した結果の5ゴールだった。
今季はドイツ1部・ブレーメンで自身初の無得点に終わった。途中出場、2列目での起用が続いたことが要因だった。ゴールから遠ざかり、森保ジャパンでの序列は揺らいだ。昨年時点では最有力だった東京五輪のオーバーエージ(OA)候補に、FW鈴木武蔵の名前が挙がった時期もあったという。最終的にはチーム事情でOAにFWの選出はなかった。ただ、A代表のポジション争いでも、力を証明するには、数字を残すしかないと理解していた。
これで代表での歴代ゴール数を23に伸ばし、FW中山雅史の21を抜き、FW高原直泰に並んで歴代10位タイに。森保ジャパンでのゴール数も、南野に並んで15点とトップタイに浮上した。「積み重ね、積み重ねなので。今に満足せずにまた次しっかり取れるようにするだけ」。歴代の日本代表を背負ってきたFWたちと肩を並べた。“半端ない”ゴールへの飢えは、まだまだ満たされることはない。(金川 誉)
◆日本代表での大量得点 過去に1試合5得点以上を達成したのは、FW釜本邦茂、MF木村和司、FW三浦知良で、大迫が4人目。大迫は97年マカオ戦の三浦以来となった。1試合での最多得点は、67年フィリピン戦での釜本と、同マカオ戦の三浦の6得点。
◆大迫勇也やっぱり半端ないって! 釜本、木村和司、カズ以来の5発! 独では今季無得点も…(報知)