日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年12月22日日曜日

◆J2長崎・高田社長、元日決勝逃すも“ノーサイド”「鹿島の皆さん、決勝戦頑張って下さい」(スポニチ)






 第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会は21日、準決勝2試合が各地で行われ、神戸が3―1で清水を、鹿島が3―2でJ2長崎をそれぞれ下し、来年元日に東京・国立競技場で行われる決勝進出を決めた。J2から唯一、クラブ初の4強入りを果たした長崎は0―2から1点、1―3から1点を返して2度1点差としたが、及ばなかった。

 来年元日付けで退任する長崎の高田明社長(71)は試合後、自身のツイッターを更新。「最後まで熱い声援ありがとうございました。新国立への夢を叶えるべく選手達は力の限り頑張ってくれましたが、あと一歩及ばず。応援してくださった皆様には申し訳なく思っています。この無念さを来季の飛躍へと繋げてくれると思います」と思いをつづり、「鹿島の皆さん、決勝戦頑張って下さい」と鹿島に“ノーサイド”のエール。「サッカーには夢がある!」と決め台詞で締めくくった。

 「ジャパネットたかた」のテレビショッピングでお茶の間でもお馴染みだった高田社長はクラブが深刻な経営不振にあった2017年4月に社長に就任するとみるみるうちに経営を立て直し、同年にはクラブ初のJ1昇格。11月3日に「なんとか自立できるところまで来られたのではないかと思っています」として退任を表明した。後任社長には長女の高田春奈氏(42)が来年1月2日付で就任する。


◆J2長崎・高田社長、元日決勝逃すも“ノーサイド”「鹿島の皆さん、決勝戦頑張って下さい」(スポニチ)










◆神戸西大伍が決勝へ気合「鹿島なのか、オレなのか」(ニッカン)







<天皇杯:神戸3-1清水>◇準決勝◇21日◇ノエスタ

イニエスタの先制点を演出したヴィッセル神戸DF西大伍は、古巣鹿島との決勝に気合を入れた。

8年在籍した鹿島から今季加入したばかり。「(鹿島時代に)決勝で負けたのは(16年クラブW杯での)Rマドリードだけ。今度(負けるのは)鹿島なのか、オレなのか分かりませんけどね。(新国立でできるのは)すばらしいこと」と話していた。


◆神戸西大伍が決勝へ気合「鹿島なのか、オレなのか」(ニッカン)





◆鹿島、主将・内田に契約延長オファー 精神面でも欠かせない存在(スポニチ)






 鹿島がDF内田篤人主将に契約延長オファーを提示していることが分かった。

 ドイツ2部ウニオン・ベルリンから18年に復帰した際に、20年1月末までの契約を締結。今季からは主将を務めるなどプレー面でも精神面でも欠かせない存在となっている。また横浜DF広瀬、仙台MF永戸、川崎F・DF奈良の加入も決定的となっている。

◆鹿島、主将・内田に契約延長オファー 精神面でも欠かせない存在(スポニチ)





◆鹿島GK曽ケ端スタメン、天皇杯最多出場記録を更新(ニッカン)



曽ヶ端準 Hirothi.Sogahata


<天皇杯:鹿島3-2長崎>◇準決勝◇21日◇カシマ

鹿島アントラーズ一筋22年目のGK曽ケ端準(40)が先発出場し、自身の持つ天皇杯最多出場記録を更新して66試合とした。負傷のGKクォンに代わり、ゴールマウスを守った。

曽ケ端の初出場は00年12月13日、第80回大会3回戦のサガン鳥栖戦。2-1で勝利した。この年の天皇杯は1試合の出場にとどまったが、チームは優勝した。その後は主力として07年、10年、16年と3度の優勝に貢献している。


◆鹿島GK曽ケ端スタメン、天皇杯最多出場記録を更新(ニッカン)





◆“奇策”で鹿島追い詰めた長崎・手倉森監督「新国立の夢を見てもらいたかった」(ゲキサカ)



手倉森誠 Makoto.Teguramori


[12.21 天皇杯準決勝 鹿島3-2長崎 カシマ]

 V・ファーレン長崎は天皇杯準決勝の鹿島アントラーズ戦で、今季の公式戦55試合目で初めて3-4-2-1のシステムを採用した。相手の弱点につけ込む奇策は効力を発揮し、試合を支配する時間帯を作りつつ2点を奪取。最後は一歩及ばず決勝進出を逃したものの、手倉森誠監督は「王者鹿島を追い詰めるまではできた」と手応えを語った。

 今季の長崎はJ2リーグ42試合に加え、カップ戦13試合というJ2リーグでは異例の過密日程を戦ってきた。昨季J1リーグ在籍のため出場権を得たルヴァン杯ではプレーオフステージに進出し、天皇杯ではベスト4入り。カップ戦ではリーグ戦の主力でない選手たちも出場機会を掴み、クラブ史上最高クラスの躍進劇に大きく貢献した。

 手倉森監督は元日・新国立での決勝進出をかけて大一番でも、そうした控え選手たちを先発に抜擢した。「リーグ戦とカップ戦でターンオーバーをしてきた中で、リーグ戦で出場機会のないメンバーで勝ってきた」。そう自信を示した指揮官は今季一度も採用していなかった3-4-2-1のシステムにも着手し、ビッグマッチに臨んできた。

「鹿島に『誰が来るんだろう』と思われたいなという狙いと、J1リーグの終盤戦で鹿島が3バック相手に手を焼いているなと。だったらやらせてみようじゃないか、と」。その作戦は的中。序盤こそ相手のマークが曖昧になり、不運もあって失点を喫したが、試合中盤以降は主導権を奪った。その後は2点ビハインドから2度も1点差に詰め寄るなど、アウェーの地で見事な奮戦を演じた。

「王者鹿島を追い詰めるまではできた。流れの面とかタクティカル面(戦術面)では準備したこと、鹿島が嫌がることをやれたと思う。ただ、リスタートなどの引き出しのインサイドワークは鹿島が上手だった。崩されたわけじゃないけど3点を取るあたりがJリーグで20冠をとっている鹿島」。

 理想通りの戦いでなくとも決勝進出を果たした相手を見上げた指揮官は「われわれが新興勢力になっていくためには鹿島を倒さないといけない」と決意を新たにした様子。「可能性を示すことができた。来季への可能性を選手たちが示してくれた。この悔しさを忘れず、V・ファーレンが目指す日本に誇るクラブづくりをしていければ」と未来への希望を語った。

 また最後は長崎から集まったサポーター、テレビの前で応援していた県民へ「長崎から遠く鹿島まで足を運んでくれたみなさんに新国立の夢を見てもらいたかったけど、申し訳ない。ただ長崎県民がみんなその気になってくれて、力強い声援を送ってくれたからこそこれくらいのゲームができたんだろうなと思っている」と感謝の言葉を述べた。

(取材・文 竹内達也)


◆“奇策”で鹿島追い詰めた長崎・手倉森監督「新国立の夢を見てもらいたかった」(ゲキサカ)




◆【天皇杯】勝負を決めた3点目の鹿島ブエノ、「全力を尽くしたい」と21冠へ向けて決意!(サッカーダイジェスト)






ブエノのゴールで鹿島が逃げ切りに成功


 第99回天皇杯の準決勝、鹿島アントラーズとV・ファーレン長崎の一戦が12月21日に県立カシマサッカースタジアムで行なわれ、3-2で鹿島が勝利を収め、元日の決勝へと駒を進めた。

 幸先良く先制したものの、薄氷を踏む勝利となった。

 セルジーニョの得点と相手オウンゴールで2点を先行した鹿島だったが、前半のうちに長崎の米田隼也に1点を返される。後半ブエノのゴールで2点差にするものの、直後の76分に澤田崇に返され再び1点差に。試合終盤まで長崎に攻め込まれるシーンも目立つなど盤石とは言えない戦いぶりだった。しかし、先制後はタイムアップまでリードを守り切り、試合巧者ぶりを見せた。

 試合終了後には決勝点を決めたブエノがフラッシュインタビューに応え、以下のようなコメントを語った。

「チームを決勝に導く得点を取れて、チームに貢献出来てとても嬉しく思っています。(リーグ戦では)重要な試合をホームで勝ち切れなかったという部分はありましたが、大会も違いますし、気持ちを切り替えて、みんなで決勝に向かうという事を達成できたので、非常に嬉しく思っています。素晴らしい2クラブが決勝に立つ権利を得ました。お互いに良い試合をやって全力を尽くしたいと思います」

 鹿島としては21個目のタイトル獲得を目指す天皇杯決勝。契約満了で退任の決まっている大岩剛監督にとっても現役最後に鹿島で掲げたタイトルでもある。

 鹿島アントラーズと、ヴィッセル神戸が対戦する天皇杯決勝は1月1日に新国立競技場で14時35分にキックオフ予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部


◆【天皇杯】勝負を決めた3点目の鹿島ブエノ、「全力を尽くしたい」と21冠へ向けて決意!(サッカーダイジェスト)





◆鹿島、薄氷進出 6度目の栄冠へ元日決勝 大岩監督「ここまで来たら本当に結果」(スポニチ)






第99回全日本天皇杯サッカー選手権準決勝   鹿島3-2長崎 ( 2019年12月21日    カシマ )


 準決勝2試合が行われ、3季ぶりの優勝を狙う鹿島はJ2長崎を3―2で下して決勝進出を決めた。前半4分、MFセルジーニョ(24)が右足で先制。リズムをつかみきれない中、その後はセットプレーで加点して勝ちきった。神戸はMFイニエスタ(35)の先制ゴールなどで清水に圧勝し初の決勝進出。国立競技場最初のスポーツイベントとなる元日の決勝は、鹿島―神戸のカードに決まった。

 J2クラブを相手に、薄氷の突破だった。前半4分にMF三竿のミドルシュートのこぼれ球を伊藤がつなぎ、セルジーニョが押し込んで先制。幸先は良かったが、終始つたない試合運びだった。「自分たちからリズムを崩してしまい、ボールが回らなかった。勝ったのが最低限の結果で、決勝につながったことだけが良かったこと」。MF白崎の言葉が全てを表していた。

 前半23分。レオ・シルバがFKからオウンゴールを誘発して2―0とすると、GKを除く全員が小さく集まった。はたから見れば喜びの光景。ただ、その中では、2点リードしても前線からの守備を続けるか、引いた守備を選択するのかが、短い時間で話し合われていた。

 天皇杯を前に大岩監督の退任が決定。移籍が決まっている選手もいる。試合前に選手から漏れた「一つになるのは難しい」という声。その現実を受け止めているからこそ、ピッチの中で選手はより強固に意思統一を図ろうとしていた。

 しかし直後からDFのボール処理ミスなど個人のミスが続く。裏のスペースにパスを通されて喫した前半37分の失点から流れは長崎へ。「結果オーライというところではあるけど、修正しないといけない」。FW伊藤は厳しく受け止めた。

 決勝は元日、国立競技場での“こけら落とし”となる。クラブとして国内主要タイトル20冠目を懸けて、6度目の優勝に挑む。「ここまで来たら本当に結果」と白崎。笑って終わるために、気を引き締める。


◆鹿島、薄氷進出 6度目の栄冠へ元日決勝 大岩監督「ここまで来たら本当に結果」(スポニチ)





◆無冠では終わらない!鹿島、J2長崎振り切った/天皇杯(サンスポ)






 天皇杯全日本選手権準決勝(21日、鹿島3-2長崎、カシマ)鹿島は、食らいつくJ2長崎を振り切った。鹿島イレブンの厳しい表情が、試合の苦しさを物語った。

 「イージーなミスからピンチをつくられた。改善しないといけない」

 鹿島より2本多いシュート12本を許し、DF永木は悔しがった。開始早々、MFセルジーニョのゴールで先制し、前半23分にオウンゴールで2点リード。大勢は決まったかに見えた。しかし、同37分にDF裏を取られ失点。後半にCKから加点し、直後にまたもDF裏に抜け出され再び1点差。長崎の連係に何度もゴールを脅かされた。

 J1は終盤の失速で3位に終わった。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)、ルヴァン杯もタイトルを逃し、今季無冠だったが、3大会ぶり6度目の天皇杯優勝に王手をかけた。

 決勝でぶつかる神戸には11月末に1-3で完敗を喫した。J1優勝の可能性を完全に消された相手でもあり、MF白崎は「決勝でもう1度やれるのはやりがいがある」。新たに完成した国立の舞台で、常勝軍団の意地を見せる。 (山下幸志朗)


◆無冠では終わらない!鹿島、J2長崎振り切った/天皇杯(サンスポ)





◆鹿島修正力見せ決勝、大岩監督ハーフタイムに動いた(ニッカン)






<天皇杯:鹿島3-2長崎>◇準決勝◇21日◇カシマ

持ち前の修正力で、鹿島アントラーズがJ1の底力を見せつけた。前半は圧巻の試合運びで23分までに2点をリードしたが、その後に細かいミスが続き「自分たちからリズムを崩してしまった」(MF白崎)。次第に主導権を奪われ、前半37分にゴールを許した。

2-1で迎えたハーフタイムのロッカールーム。今季限りでの退任が決まっている大岩監督が、動いた。FW伊藤は「スタートの(守備に行く)高さをちょっと調整したのと、誰がどこについていくかを剛さん(大岩監督)が明確にした」。MF永木も「(相手の)左サイドの選手を自分が2枚見ていたので、健斗(三竿)やレオに『1枚気にかけて』と話した。(同サイドの)セルジーニョを前に残したかった」と、試合中にマークの修正をしていたことを明かした。この修正力こそ鹿島の力。8月から10月にかけて、公式戦13試合負けなしだったあの時の強さがよみがえった。

後半はCKから追加点を奪ってリードを再び2点に広げたが、直後に1点を許して薄氷の勝利となった。MF白崎は「勝ったのは最低限」と言った。J1の意地は見せつけたが、優勝にはまだまだ改善も必要だ。【杉山理紗】


◆鹿島修正力見せ決勝、大岩監督ハーフタイムに動いた(ニッカン)




◆新国立のこけら落とし、天皇杯決勝は神戸対鹿島!ビジャが有終の美を飾るか?常勝軍団が6度目Vか?(サッカーダイジェスト)







鹿島は長崎の追撃をかわし3-2で勝利!


 第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会は12月21日、準決勝の鹿島アントラーズ対V・ファーレン長崎の一戦が県立カシマサッカースタジアムで行なわれ、鹿島が3対2で勝利した。

 試合は開始4分、鹿島が三竿健斗のミドルシュートのこぼれ球からチャンスを掴み、最後はセルジーニョが右足で押し込んで先制。さらに23分にはセットプレーから相手のオウンゴールを誘って、2-0とリードを広げた。

 一方初の決勝進出を目指す長崎は37分に反撃。吉岡雅和からのスルーパスに米田隼也が抜け出し、ネットを揺らす。長崎が1点差に迫る。

 迎えた後半は、追う長崎がボールを支配し、主導権を握る。しかし、鹿島は61分に左サイドから流れたボールに伊藤翔が反応。右足で押し込みネットを揺らす。だが、これは出されたボールに反応した地点がオフサイドと判定され、ノーゴールに。

 それでも鹿島は73分、CKからブエノがヘディングシュートを叩き込み3-1と長崎を突き放す。だが長崎も簡単には引き下がらない。76分、スルーパスに抜け出した呉屋大翔のシュートがクロスバーを直撃するも、こぼれ球を澤田崇が押し込み、再び1点差とする。

 しかし、最後は鹿島が1点差を守り切り、3-2でタイムアップ。鹿島が神戸の待つ決勝に駒を進めた。

 鹿島は2016年大会以来となる6度目の優勝を目指す。一方、初優勝を目指す神戸は引退するダビド・ビジャや那須大亮の最後の花道を飾れるか。新国立競技場のこけら落としとなる元日決勝は、注目の一戦となる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部



◆新国立のこけら落とし、天皇杯決勝は神戸対鹿島!ビジャが有終の美を飾るか?常勝軍団が6度目Vか?(サッカーダイジェスト)





◆鹿島、決勝進出 天皇杯 神戸と元日決戦(茨城新聞)



セルジーニョ Serginho


サッカーの第99回天皇杯全日本選手権第9日は21日、各地で準決勝2試合が行われ、J1鹿島はカシマスタジアムでJ2長崎を3-2で下し、決勝進出した。

鹿島は前半4分、ゴール前のこぼれ球をセルジーニョが蹴り込んで先制した。同23分にはオウンゴールで加点。守勢に回った同37分に1点を返された。後半は28分にブエノのヘディングシュートを伊藤が触って得点。その後1点差に迫られたが逃げ切った。

決勝は1月1日、国立競技場で行われ、J1神戸と対戦する。(岡田恭平)

▽カシマ(観衆15,760人)
鹿島 3-2 長崎
2-1
1-1




◆鹿島、決勝進出 天皇杯 神戸と元日決戦(茨城新聞)



◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 準決勝(オフィシャル)






今季最後のホームゲームで勝利!新国立での元日決勝へ

天皇杯準決勝でアントラーズは長崎と対戦した。開始4分でセルジーニョが先制ゴールを決めると、23分には相手のオウンゴールでリードを広げる。だが、37分に一瞬の隙を突かれて失点し、前半は2-1のスコアで折り返した。後半に入ると、長崎に押し込まれる時間帯が長くなったが、73分にコーナーキックから伊藤が追加点を奪う。得点直後の76分に失点を喫したものの、このままリードを保ち、3-2のスコアで試合終了を迎えた。


2週間前のリーグ最終節、アントラーズは名古屋相手にアウェイで苦戦を強いられたものの、前半のオウンゴールを守り切り、1-0と勝利した。リーグタイトルを失った悔しさは消えないが、ACLプレーオフ出場権が与えられる3位を確保し、しっかりと来季の戦いへと繋げた。

リーグ最終節の翌日から3日間のオフをとったチームは、12月11日に再びクラブハウスへ集結した。練習前に恒例のミーテイングが行われる。その場で初めて、大岩剛監督の口から選手たちへ、今季限りで退任する旨が伝えられた。約16年間に渡り、選手、コーチ、監督として、アントラーズでともに戦ってきた大岩監督との別れに、誰もが寂しさを覚えた。

だが、感傷に浸る時間はない。今季最後の大会でタイトルを獲ることに集中する必要がある。「剛さんに有終の美で終わってもらいたい。剛さんと長くやってきて、いい形で別れたい。選手たちもタイトルを獲らないといけないと思っています」。永木亮太は選手全員の気持ちを代弁して語った。想いは一つ。指揮官とともに、新国立での元日決勝へ。



12月21日、試合当日を迎えた。今季最後のカシマスタジアムでのゲームだ。開場前から聖地は緊張感と高揚感に包まれ、背番号12がスタンドをアントラーズレッドに染め上げていった。



キックオフ2時間前にスタメンが発表された。ゴールマウスは曽ケ端が守る。最終ラインは右から永木、ブエノ、犬飼、町田が入った。ボランチは三竿とレオがコンビを組む。サイドハーフは右にセルジーニョ、左に白崎が入り、前線は土居と伊藤が務めた。ベンチには、沖、内田、山本、関川、中村、名古、有馬が座る。





試合開始を告げるホイッスルが鳴った。

長崎は今季継続して採用していた「4-4-2」のフォーメーションではなく、新たな布陣「5-4-1」で臨んできた。それでも、アントラーズは動じることなく、相手の隙を探りながら、ボールを動かしていく。

すると前半4分、いきなりアントラーズが先手を取る。三竿がミドルシュートを放つと、伊藤翔に当たり、セルジーニョの前にこぼれる。GKに寄せられたが、セルジーニョはふわりとしたシュートでゴールネットを揺らした。アントラーズが幸先よく先制に成功する。







リードを奪ったアントラーズは、コンパクトな陣形で中盤を圧縮し、長崎の選手に自由を与えない。ボールロストからピンチを招く場面もあったが、チーム一丸となった素早い戻りで得点を許さなかった。











22分、左サイドでフリーキックを獲得する。キッカーのレオから放たれたファーサイドへのクロスは、誰にも触れられることなく、ゴール方向へ飛んだ。決定的な場面だったが、相手GKの好セーブに阻まれ、追加点には至らなかった。

直後の23分にも再び同じような位置でフリーキックを獲得した。キッカーのレオから送られたニアサイドへのクロスが、相手選手のクリアミスを誘う。ボールはコースが変わり、ゴールネットに吸い込まれた。流れの良い時間帯にアントラーズがしっかり追加点を奪った。











2点にリードを広げたアントラーズだったが、一瞬の隙を突かれてしまう。37分、バイタルエリアに進入した吉岡を囲みながらも、抑えきることが出来ず、スルーパスを出される。ペナルティエリア内へ抜け出した米田にシュートされ、ゴールを奪われてしまった。これでアントラーズは1点差に迫られた。



失点を許したアントラーズは、時間の経過とともに、長崎に押し込まれていく。3バックの右に入った徳永から斜めの縦パスを入れられ、対応に苦労した。







前半終盤は厳しい時間帯となったが、アントラーズは集中を切らさず、チーム一丸となって戦う。そして、2-1のスコアのまま、前半終了を迎えた。







後半開始からアントラーズは一人目の選手交代を行う。土居との交代で名古をピッチに送り、名古は右サイドハーフ、セルジーニョが前線へとポジションを移した。



後半立ち上がりは、前半終盤の流れのまま、長崎に主導権を握られる展開となる。サイドの立ち位置で優位をつくられて、押し込まれる時間帯が続いた。





厳しい試合展開となったアントラーズだが、61分に決定機をつくる。ペナルティーエリア内左からセルジーニョがシュートすると、相手DFに当たってコースが変わり、クロスバーに跳ね返る。こぼれ球を伊藤が押し込み、ゴールネットを揺らした。だが、これは伊藤のポジションがオフサイドの判定でゴールは認められなかった。









73分、アントラーズは右からのコーナーキックを獲得する。キッカーの永木が入れたクロスをファーサイドでブエノがヘディングで合わせた。ボールは伊藤の背中に当たって、ゴールへと吸い込まれ、アントラーズがリードを再び2点差に広げた。







しかし、得点からわずか3分後に失点を喫してしまう。磯村のスルーパスから呉屋に最終ラインの裏へ抜け出され、シュートされる。クロスバーに跳ね返ったところを澤田に押し込まれ、ゴールネットを揺らされてしまった。



再び1点差に迫られたアントラーズは、84分に二人目の選手交代を行う。伊藤との交代で中村をピッチに送った。



85分、アントラーズがチャンスをつくる。ゴールの混戦からのこぼれ球を拾った三竿が、ダイレクトでゴールを狙う。強烈なシュートだったが、わずかに枠を捉えることができず、追加点には至らなかった。

後半アディショナルタイム、アントラーズは最後の選手交代を行った。白崎との交代で山本を投入する。選手たちは最後まで集中を切らさずに戦った。



そして、3-2のスコアのまま、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。壮絶な撃ち合いを制し、3年ぶりに元日決勝への切符を掴み取った。



2020年1月1日、決戦の舞台は新国立競技場だ。中10日で迎えるファイナルへ、そして21個目のタイトル獲得へ。アントラーズファミリー全員で準備を進めていく。



【この試合のトピックス】
・2016年以来、3年ぶりの天皇杯決勝進出
・曽ケ端準が天皇杯通算出場試合数を66試合とし、自身の持つ天皇杯最多出場記録を更新


入場者数 15,760人
天候 曇り 
気温 9.8℃ / 湿度 78.0%
ピッチ 全面良芝、乾燥
主審 東城 穣
副審 西橋 勲 岡野 宇広
追加審判 山本 雄大 荒木 友輔
第4の審判員 越智 新次


監督コメント
ハーフタイム

鹿島アントラーズ:大岩 剛
・全体的に下がりすぎず、一人ひとりがコンパクトな距離感を保つこと。
・攻撃では積極的に縦パスを入れ、自信をもってプレーしよう。
・勝っているのは俺たち。後半もチーム全体で戦おう!

V・ファーレン長崎:手倉森 誠
・崩されて2失点したわけではない。いい戦いができている。
・常にシュートを 考えながら、プレーしていこう。
・守備集中。これ以上失点をしない!
試合後

鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常にタイトな試合で、勝ち上がることが第一だった。決勝に進むことができてよかった。今シーズンやってきた改善と継続を次の決勝に向けて再び繰り返して、必ずタイトルを獲ろうという話を選手たちにした。
 
Q.自分たちからリズムを崩したように見えたが、その部分はどのように感じている?
 
A.原因はいろいろあって、それを次に生かしていかなければいけない。リードした時に、自分たちがどのような試合の進め方をするのかというところの統一感を持つことが重要。しっかりと再確認していかなければいけない。ただ、試合の中で選手たちが修正するということをやってくれた。そこはしっかり評価したい。決勝の相手は神戸なので、今日よりはクオリティが上のチームとの対戦となる。しっかりとした組織的なプレーとそれに伴うスピーディーな攻撃ができるように修正をしていく。
 
Q.相手は3バックだったが、やりにくさはあった?
 
A.3バックでやってくるという情報は入っていた。今日の長崎だけではなく、ミスマッチに対してのやり方は自分たちの中にあった。それをしっかりとやろうと言って今日の試合に臨んだ。前半リードした後の戦い方は、改善する必要がある。戸惑いというよりも、プレーの統一感を合わせることが重要。それを次までに改善していきたい。
 
Q.決勝戦はどのようなサッカーをしたい?また、それまでにどのように過ごしていきたい?
 
A.決勝戦なので、どんな形でも勝利を目指して戦う。アントラーズの哲学である、常に目の前の試合に全力を尽くすという気持ちで挑みたい。そのための準備をしていきたい。
 
Q.カシマスタジアムでの最後の試合となったが、今の気持ちは?
 
A.カシマスタジアムと言えば、我々の背中を押してくれて、力を与えてくれるスタジアム。対戦相手としてカシマスタジアムに来た時の威圧感はすごく、やりにくいスタジアムだった。味方に付けば、我々に大きな力と勇気を与えてくれる。今日もサポーターの皆さんのおかげで勝ち切ることができた。この大きな声援をしっかりと背中で感じながら、力も借りながら、決勝戦も戦っていきたい。

V・ファーレン長崎:手倉森 誠
アントラーズを追い詰めるまではできたと思う。ゲームの流れのプランやタクティカル面では準備したことをやることができたと思う。リスタートや切り替えの部分ではアントラーズの方が上手だったと思う。崩されたわけではないが、3点を取るあたりは、Jリーグで20冠を取ってきたチームだなと感じた。来季への可能性を今日、選手たちが示してくれた。この悔しさを忘れずに、日本に誇れるクラブづくりを押し進めていきたい。

選手コメント

試合前

【曽ケ端 準】
前線には玉田選手や呉屋選手など、クオリティが高く特長のある選手がいる。そこにいい形でボールが入らないように、チーム全体で守備をしていくことがすごく大事になってくる。セットプレーも、いいキッカーがいる。そこを注意していきたい。
 
【町田 浩樹】
攻撃力のあるチームという印象がある。前線には玉田選手という経験のある選手がいる。呉屋選手もJ2で多く点を取っているので、この攻撃力には注意していかなければいけない。
 
【犬飼 智也】
長崎は縦への攻撃が早かったり、シンプルな攻撃を仕掛けてくるそこは気を付けていかないといけない。サイドには縦への推進力がある選手がいて、前線には得点を取ることのできる選手がいる。自分たちは、普段と変わらないやり方でしっかりと自分たちのやるべきことをやっていきたい。
 
【白崎 凌兵】
長崎は特長がある選手がいる。J2のチームだからと言って、侮ることのできないチームになる。FWには、多くのゴールを決めている選手がいるし、セットプレーのキッカーも精度の高いボールを蹴る選手がいる。そこは、注意していかなければいけない部分になる。
 
【ブエノ】
ミーティングでしっかりと長崎の戦い方を分析した。そして、練習で自分たちのやるべきことをしっかりやってきた。最初からアグレッシブに前から行きたい。カシマスタジアムでの試合なので、勝たなければいけない。まずは、試合の入りを大事にしていきたい。

試合後

【セルジーニョ】
監督から相手DFの裏を狙っていこうということを言われていた。健斗が打ったシュートが翔に当たって、こぼれ球を自分がうまく決めることができた。試合の立ち上がりに得点を決めることができてよかった。
 
【町田 浩樹】
もう少し上手くゲームをやることができたと思う。もっとボールを持つ時間を増やしてもよかった。相手が3バックだったので、上がっていってボールを取られてしまうという場面が多かった。もっと高い位置でボールを保持することができればよかったと思う。
 
【伊藤 翔】
余分な失点だった。失点してしまったことによって、難しい試合にしてしまった。ただ、トーナメントでは勝つことが大事。勝利できたことはよかったと思うが、ここから修正をしていかなければいけない。
 
【白崎 凌兵】
自分たちのミスなどでリズムを崩してしまった。うまくボールをつなげることができなかった。今日の勝利は最低限の結果だと思う。その中でも、決めれるところで決めきることができたということがよかった。このようなトーナメントの大会だとセットプレーが大事になってくる。そこで点を取ることができて、優位に試合を進めることができたと思う。
 
【ブエノ】
非常に難しい試合になるということは認識していた。立ち上がりは非常にいい形で試合を進めていくことができた。ただ、自分たちでペースを乱してしまい、相手にチャンスを与えてしまう場面があった。しっかりと自分たちの守備をやっていくということを徹底していかなければいけない。
 
【永木 亮太】
相手はすごくハードワークをしていた。自分たちのミスから、相手にシュートまでもっていかれていた。そこで相手のリズムにさせてしまった。ここ最近、簡単なミスが多い。そのミスから自分たちの首を絞めてしまっている。そこは改善していかなければいけない。


◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 準決勝(オフィシャル)

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