http://web.gekisaka.jp/news/detail/?135291-135291-fl これまで年代別代表に一度も招集歴のなかった“まっさらな新人”だ。U-21日本代表候補に初招集されたDF伊東幸敏(鹿島)は「ずっと無名で来ていたので」と、代表候補を含め、初めての日の丸。今季、鹿島で開幕から先発出場を続ける右SBが、リオデジャネイロ五輪への第一歩を踏み出した。
静岡学園高から12年に鹿島入団。1年目こそ公式戦出場の機会はなかったが、昨年10月5日の第28節・F東京戦でJリーグデビューを果たすと、6試合連続で先発出場し、今季につなげた。「昔は代表は遠い存在だった。高校のころは自分が入るわけないと思っていたし、プロに入ってからも、代表のメンバー発表があっても自分の名前があるとは思わなかった。ただ、去年、試合に絡み始めて、ちょっとは気になっていた」。
鹿島の右SBといえば、名良橋晃氏やDF内田篤人(シャルケ)ら日本を代表する選手たちばかり。「鹿島で試合に絡むことが、代表への一番の近道だと思う。鹿島で試合に出られなくなったら、オリンピックも遠い存在になる」。まずはクラブでしっかり結果を残す。その考えは、代表に呼ばれた今も変わらない。
オーバーラップが魅力の攻撃的な右SBだが、自分自身の課題は理解している。今季、鹿島では公式戦全5試合に先発しているが、フル出場は2試合。チームがリードしていた3試合はいずれも途中交代している。「守備の意識を高めないと。勝っているときに交代するということは守備を不安視されているから。攻撃でも守備でも信頼されるようにならないといけない」と力を込める。
「鹿島のSBは要求も高いし、今でも悩んだり、考えたりしながらやっている。そこを整理しながらやっていきたい」。鹿島が誇る右SBの系譜を受け継ぐ20歳の新星は「次のオリンピックに出たいという思いはある。そこを目指したい」と力強く話していた。
(取材・文 西山紘平)