日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年8月30日水曜日

◆前園真聖「海外選手の体臭はキツい」発言に、サッカー関係者が顔面蒼白!(日刊サイゾー)


前園真聖「海外の選手の体臭はキツい」発言に、サッカー関係者が顔面蒼白!の画像1

 サッカー元日本代表の前園真聖氏が、サッカー界のタブーをぶっちゃけた。

 先日放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)内で、アイドルがTwitterで男性ファンの体臭に苦言を呈したニュースが取り上げられると、話題はサッカー界の体臭に。
 コメンテーターの前園氏は、「海外の選手と試合する時は、常にマッチアップするので、自分のユニホームにもにおいが(うつる)。試合中わかりますから、マークしている選手や誰が臭いかって……」と、つい本音を吐露してしまう。

 さらに、東野幸治から「体臭がキツい選手から試合後にユニホーム交換を要求されたらどうするのか?」と聞かれると、「それは(交換しないと)仕方ないです。ただ、そこでユニホーム交換しない人もいるんです。『あとで、ロッカールームで交換しよう』という場合は、だいたい臭い(選手)」「(そういう選手は)試合中からずっと臭いですから」と答えた。

 スタジオは笑いにつつまれたが、この発言に青ざめたのはサッカー関係者たちだ。というのも、今年5月、浦和レッズのDF森脇良太が、鹿島アントラーズのMFレオ・シルバに対して「くせえんだ、お前」と侮辱的な発言をしたとされる件(参照記事)が蒸し返されるのでは、と恐れたためだ。

 当時、「人種差別ではないか?」と過熱した報道を鎮静化させるため、Jリーグは規律委員会を開き、森脇と、発言が取り上げられるきっかけとなった鹿島の小笠原満男を個別に招集。結果としては、「唾がかかったことを『臭い』と言っただけで、人種差別的に言っていたわけではない」ということで落ち着いた。

 ちなみに前園氏は以前、同番組で、1996年アトランタ五輪で対戦したブラジルのスター選手、ロベルト・カルロスと交換したユニホームを「汗でビチョビチョだし、においも……」ということで持ち帰らなかったと明かしている。そんな前園氏の爆弾発言を聞いて、実は森脇も同じようなノリで外国人選手を挑発していたのでは? と感じてしまう。前園氏の暴露に、頭を抱えたサッカー関係者は多いことだろう。

(文=TV Journal編集部)


前園真聖「海外選手の体臭はキツい」発言に、サッカー関係者が顔面蒼白!

◆元鹿島・岩政が語る「勝てるチーム」の思考法(東洋経済)


「自分たちのサッカー」とは、一体何なのか


スポーツで強いチームと弱いチームを分ける差。それは一体、何なのだろうか。その違いを形作る要素は、スポーツに限らず、ビジネスなども含めたさまざまな組織やチームにも共通するものではないだろうか。サッカー元日本代表DFの岩政大樹が今回、その違いを生み出す思考法を説き明かしていく。

スポーツを伝える"言葉"を探求しようと、毎月1回行われている「ALE14(エイルフォーティーン)」というイベントがある。各スポーツのスペシャリストが、自身の経験から導き出した独自のロジックやメソッド、フィロソフィなどをプレゼンショーの形で披露する。ナビゲーターを務めるのは、元Jリーガーで、スポーツジャーナリストの中西哲生だ。

これまで参加してきたのは、元プロ野球選手の古田敦也、ロンドン五輪卓球団体銀メダルの平野早矢香、北京・ロンドン五輪競泳日本代表の伊藤華英らといった顔ぶれである。

このイベントにサッカー界から登場したのが、元日本代表DFの岩政大樹だ。35歳になった今季は、選手兼コーチとして東京ユナイテッドFC(関東サッカーリーグ1部)に所属している。その岩政が6月にプレゼンしたテーマ――。それは「勝てるチーム、勝てないチーム、どこが違うのか?」だった。

Jリーグの「常勝軍団」鹿島アントラーズの実績

岩政が大卒ルーキーだった2003年から10年間在籍した鹿島アントラーズは、国内屈指の常勝クラブである。アントラーズが獲得した3大タイトル(J1リーグ、リーグカップ、天皇杯)の数は実に19個。2位のガンバ大阪が9個、3位のジュビロ磐田と東京ヴェルディが8個だから、いかに抜きん出た数字かがわかる。

ある時期に優れた選手が揃い、黄金時代と呼ばれる時期を過ごしても、その選手たちが去るとチームが低迷する、というのはよくあることだ。しかし、アントラーズの場合は、そうした浮き沈みがほとんどない。

1993年のJリーグ創設以来、アントラーズがタイトルを獲れなかったのは1993〜1995年の3年間、2003〜2006年の4年間、2013~2014年の2年間だけだ。わずか1年でも無冠に終われば大問題――。それが、アントラーズというクラブなのだ。

なぜ、アントラーズは勝ち続けることができるのか。その謎を解き明かすうえで、岩政が最初に取り上げたのは「自分たちのサッカー」というキーワードだった。

自分たちのサッカー――。この言葉が一般的に注目を浴びたのは、2014年のブラジル・ワールドカップのときだろう。「自分たちのサッカーができれば勝てる」「自分たちのサッカーをさせてもらえなかった」といった代表選手のコメントがたびたび報道された。

実際には、その何年も前から、この言葉はサッカーの現場でよく聞かれている。だが、そもそもこの言葉が使われるようになったのは、「選手にとって便利だったからではないか」と岩政は考察する。

ひとり歩きを始めてしまった「便利」な言葉



例えば、試合前や試合後のインタビュー。「明日の試合はどのような試合にしたいですか?」「今日の試合はどのような試合でしたか?」と選手はよく聞かれる。チームの勝敗を左右しかねないチーム内の約束事や作戦を事細かに話すことができない選手たちからすると、「自分たちのサッカー」という言葉は、なんとなくのイメージを伝え、その場をやり過ごすことができる使い勝手のいいフレーズ、というわけだ。

だが、「『自分たちのサッカー』という言葉が、少しひとり歩きしているように思えてならない」と、岩政は警鐘を鳴らす。

どのチームにも、それぞれ得意なスタイルはあるものだ。パスを繋いで攻撃を組み立てるのが得意なチームもあれば、こぼれ球を拾うことでリズムを掴むチームもある。理想とするスタイルを監督が提示する場合もあるだろう。

だが、「自分たちのサッカー」へのこだわりが自らの足かせになってしまうこともある。

「得意なスタイルで結果を収めるようになると、それを『自分たちのサッカー』と捉えるチームがあります。勝っているときはそれでも構いません。しかし、このようなチームは、結果がついてこなくなったときに、『自分たちのサッカー』をすることが大切だと考えるようになっていくことがあります」

ここで、大きな間違いが起こる。「自分たちのサッカー」をすることが、一番重要なことだろうか? いや、サッカーが勝負事である以上、大切なのはいつだって勝利のはずだ。自分たちの得意なスタイルというものがあるとすれば、それは勝つための手段に過ぎない。

「『自分たちのサッカー』をするために全力を尽くすことと、勝つために全力を尽くすことは、似ているようで、実は違います」と岩政は言う。「なぜなら、『自分たちのサッカー』にこだわるうちに、相手がだんだん見えなくなります。相手のいるスポーツで、相手が見えなくなってしまっては勝つことはできません」。

長いシーズンを戦っていれば、いい流れのときもあれば、悪い流れのときもある。その過程のなかで、いつの間にか目的が勝つことから「自分たちのサッカー」をすることへとすり替わってしまったチームには、何が起きるのか。

岩政は続ける。「『自分たちのサッカー』を貫いて負けたらしょうがない、と考えるようになるんです。でも、これは絶対に間違っています。本来の目的は勝つことですから。皆さんの周りにもいませんか? 自分のやり方はこうだ、自分にはこれしかできない、と決めつけてしまい、結果、うまくいかなくて嘆いている人が」。

つまり、当初の目的を忘れ、手段が目的と化し、本末転倒になってしまうのだ。では、常勝クラブの場合は、どう違うのだろうか。

「勝つこと」から逆算して考える意味

「アントラーズの場合、『勝つこと』からブレない。勝つことからスタートし、勝つことから逆算して考えます」

プロなのだから当たり前のことだ、と思うかもしれないが、実はそれができるクラブは意外と少ない。「勝つことからブレないというのは、具体的に言うと、自分たちのスタイルで今日はダメだと思ったら、『変える』ということです」。

その試合で、その相手に対して、どうすれば勝てるのかを常に肌で感じる。そして、その日のベストの戦い方を求めて変化していく。実際、アントラーズの強みは、パスを繋いで攻撃を組み立てることも、相手陣内でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けることも、引いて守ってカウンターを繰り出すこともできるフレキシブルな戦い方にある。

「3連覇したとき(2007〜2009年)は、僕が後ろにいて、前にマルキーニョス、興梠(慎三)という速い選手がいて、引いて守ってカウンター、というのが得意だったんです。ですから、後ろで守るのが得意だったんですけど、高い位置で奪うのも得意でした。流れによって、どちらでも選択しますよと」

試合の状況や相手の状態、自分たちの状態によって戦い方を使い分ける。つまり、「勝つための手段=選択肢」が多いのだ。アントラーズがチャンピオンシップ決勝や天皇杯決勝といった一発勝負で無類の強さを誇るのは、そのためでもあるだろう。

逆に考えれば「自分たちのサッカー」にこだわるのは、勝つための手段がひとつしかないということになる。「自分たちのサッカー」を貫いて負けたらしょうがないという思考は、「当たって砕けろ」の精神に近い、と岩政は指摘する。

「当たって砕けろ、とはいわば思考停止。考えることをやめてしまっては、勝負に勝つことはできません。当たってダメだと思ったら、当たり方を変えてみたり、タイミングを変えてみたり。あるいは、かわしてみるのもいいかもしれません。とにかく、目の前の相手に勝つための方法を考えなくてはいけないんです」

とは言え、やはりアントラーズにも「自分たちのサッカー」はあるのだという。

アントラーズのロッカールームには、クラブの礎を築いたジーコの教えである「献身・尊重・誠実」という3カ条が貼られている。秋田豊に柳沢敦、小笠原満男、そして岩政も、この3カ条を胸に刻み、戦ってきた。

鹿島アントラーズの「自分たちのサッカー」

岩政は、こう表現する。「アントラーズでは、その3カ条を体現できたときの空気感、チームの一体感、チームのリズムが『自分たちのサッカー』であるという風に捉えています」。

例えば、献身とは一人ひとりがチームのために頑張ること。尊重とは味方を尊重し、相手を尊重すること。「相手を尊重するというのは、相手のレベルを尊重すること。自分たちのスタイルで押し切れるような相手でないなら、泥臭く戦うしかない。それがある意味、相手を尊重するということです」。

そして、誠実とは自分に対しても、試合に対しても誠実に向き合うこと。「最初から簡単な試合も、難しい試合もない。自分たち次第で難しくなるか、簡単になるかであって、相手が優勝争いをしていようが、残留争いをしていようが、天皇杯で格下と当たろうが、その勝負に対して誠実に向き合えるかどうか。それが、勝負強さにつながると僕は考えています」。

つまり、常勝のキモとは、何かひとつのスタイルや何かひとつの戦い方ではないのだ。勝つことから逆算して選択肢をたくさん用意し、勝つためにフレキシブルに戦う――。そこにアントラーズの強さの理由がある。

(文中敬称略)


元鹿島・岩政が語る「勝てるチーム」の思考法

◆ジーコの監督論「黒子に徹し最後に決断」/岩政大樹(ニッカン)




 サッカー元日本代表DF岩政大樹(35=関東1部リーグ東京ユナイテッド所属)が、かつて自身も所属したJ1鹿島アントラーズの「神様」ジーコ氏(64)と語り合った。

 岩政はスカパー!のサッカー情報番組「スカサカ!ライブ」の対談コーナー「今まさに聞く!」のメーンキャストとしてジーコ氏と対談。ブラジルの英雄はなぜ日本にやって来たのか? 当時抱いた思いは? 現役選手であり解説者という自らの現在の立ち位置から、ジーコ氏の胸の内を根掘り葉掘り聞いた。

 8月30日(水)の初回放送(18時20分~)を前に、サッカーファン必見のインタビューの一部を紹介する。

      ◇   ◇

 <岩政>

 日本に来られた後に監督を意外といろんなところでされていたなというのが僕の印象です。現場をやられるという印象は元々なかったんですが、そこからいろんな所に行かれたっていうのは日本での監督経験というのはやはり大きかったですか? それに監督に対する自分のやってみたいという気持ちが出たのかな? というところをうかがいたいのですけど。

 <ジーコ>

 選手の時は監督をやるなんて思いもしませんでしたし、望みませんでした。ただ1度だけ(1999年に)鹿島を率いなくてはならない状況になりました。リーグ戦の最中で残り数試合の時にほかの監督を探す時間がないということで、自分が望んでいたわけではないですが自分しかいないと思って総監督を引き受けました。タイトルとかは望める状況ではありませんでしたが、そこで監督というものを最初に意識しました。もう少し細かく言うと前年(1998年)に初めて年間優勝をして監督がゼ・マリオで、(1999年は)前期が終わったときに鹿島の歴史上初めて降格圏にいました。

 後期が始まっても鹿島は調子が上がらないそこで降格危機という電話を受け、ほかの監督を呼ぶと適応するのに時間がかかるだからこそ「私が行かなければまずい」と思いました。13試合しか残っていない中で降格圏、それでもそこから連勝もしましたし8勝あげ、残留も果たし、実際に監督の仕事をしたからこそ興味がわきました。しかし鹿島で監督を続ける気はなかったのでセレーゾ監督を紹介しました。それでも私の監督としての姿を川淵さん(当時の日本サッカー協会会長)は見ており、2002年に「日本代表監督をやってくれないか」と話をいただいて「やりましょう」と答えました。そのときは監督の面白さを感じ始めていました4年間務めさせてもらってW杯に行けたという経緯です。

 <岩政>

 僕も今日本の5部リーグにあたる社会人リーグでサッカーをしていまして、そのチームが僕を誘ってくれた時にこのチームのジーコになってくれと言われて行ったんですけど、ご自身が鹿島に行ってみようと思われた最初のきかっけは何だったんでしょうか? 本音のところを聞かせていただけますか。

 <ジーコ>

 (鹿島の前身・住友金属のオファーを受けた1991年は)現役を引退して2年が経っていました。左ひざを4回も手術しましたし外国に行ってサッカーをやるなんて考えてもいませんでしたが、それでも「ジーコさんの経験を生かしてください」というオファーが魅力的だったんです。日本もアマチュアからプロ化するということで私も何かできるのではないかと。どういう形かは具体的にわかりませんでしたが自分の経験を伝授できると思いました。

 岩政さんへのアドバイスとして数多くの監督が世界中に存在していて1人1人やり方は違います。チーム作りや選手の良さを引き出すというときに岩政さんが言ったことを選手たちが本当の意味で信用する、信頼するという関係を作ることが一番大切です。どれだけ素晴らしいキャリアを持っていても選手たちが岩政さんを信じなければ意味がない。私もそうでしたが、いい監督につくことが重要でした。岩政さんが鹿島で学んだセレーゾ・アウトゥオリ・オリヴェイラはブラジルでも有数の監督たちです。彼らの良いところや影響の受けたところを自分のものにして、それを選手たちに伝える。

 先ほども言いましたが、選手たちが岩政さんの言葉を信じるために関係を築くことが一番重要です。戦術面からすべて自分の思い通りに動かしたい監督がいますがそれはどうかなと私は思います。試合がある中で勝敗は25%が監督の責任。主役は選手なので、後は選手の責任だと思います。監督がするべきなのは試合が終わって出た課題を克服して次の試合に備えることで、その積み重ねでチームを良くするために黒子に徹するというのが重要です。

 一番大切なのは選手に自信を持って練習させコンディションを作り上げてあげることで、実際にピッチに立つのは選手なので、先ほど言った人間関係がないとうまくいかない。この練習をやれば大丈夫という考えにさせて試合中は選手たちの自主性で進めさせ、その雰囲気作りを黒子に徹してやるという意味で、25%が監督の責任と考えています。岩政さんはルックスもいいし黒い髪の毛もあります。これが数年したら見るも無残な姿になりますよ(笑)。監督とはそういう仕事です。

 <岩政>

 やっぱり監督ってチームを作ったり、もしくは人を作ったりするってすごく面白いことの一方で孤独な職業だと思うんですが、そこで感じるのは楽しみですか? 苦しさですか?

<ジーコ>

 良いか悪いかは別として非常に複雑な部分が多いのは間違いないです。私の場合はクラブでも代表でも良い側近とチームを作れたというのが喜びです。選手もそうですが「自分が自分が」と思うとうまくいかない。周りの人間関係を生かして良い結果を出せる環境を自分でいかに作りだすか。特に監督はすべて自分で決断します。選手さらにはマッサーや理学療法士など自分の専門外のことも登用するのは監督であり、その選択が正解だと良い仕事ができるベースになります。

 そして最後は監督の決断ですべてが決まります。監督は「お前のせいだ」と責めることはできません。自分が選んだ任命責任がありますから。最後には自分が責任をとる。そうならないために良い仕事ができる周りを選ぶのです。それでも勝敗はつきますから自分が信じていたら責任を取れます。その見定めも重要です。

 鹿島の石附次郎さんを覚えていますか?(現鹿島LSC監督)当時マッサーをしていました。ひとつエピソードがあります。当時彼は若くてマッサージ専門でした。ある時、私が「あさっての試合君が監督だったら誰を選ぶ?」といきなり聞いたら、彼はびっくりして耳まで真っ赤でした。「君の責任にしない。どういうチームを選ぶか聞きたい」と2人きりのときに話しました。

 当時、石附次郎は小笠原満男の写真をポケットに入れて持っていたくらい大ファンでした。「そこまで言うなら私はこういうメンバーを選びます」と、もちろん小笠原満男も入っていました。一般的な鹿島ファンなら選ぶであろうメンバーでした。私は「なるほどね」と9割思いましたが、残りの1割足りなかったのは私だったら小笠原満男ではなく熊谷浩二を使っていたからです。自分の頭がいっぱいになった時、そのような会話をすると得るものがあることもあります。もちろん最後は岩政さんが監督だったら自分で決断しなければいけません。ただ頭が固くなりすぎるのは良くないので、いろいろな人の意見を聞くのも一つの手です。ちなみに後半、小笠原を投入したらゴールしました(笑)。

 ◇初回放送 「スカサカ!ライブ」presents今まさに聞く ~元日本代表監督ジーコ篇~8月30日(水)18:20~18:50 スカサカ!(CH800/580)で。再放送多数。

ジーコの監督論「黒子に徹し最後に決断」/岩政大樹


◆ジーコと柳沢が11年前のあの“QBK”を振り返る(ニッカン)




 運命のW杯アジア最終予選オーストラリア戦まで、あと2日となった29日、日本サッカーの歴史とその積み重ねを感じさせる、味わい深い動画に出会った。

 デジタル技術の活用推進を掲げチャレンジを続けるJリーグが、先ごろ来日していた元日本代表監督ジーコ氏(64)を起用。「夏休み特別企画 ジーコおじさんのこども電話相談」という独自番組を制作した。ユーチューブの公式チャンネルで公開中だ。

 神様ジーコ氏が子どもたちの相談を聞き、独特の甲高い声で丁寧に、優しく、真剣に答えている。ほほ笑ましいやりとりに見入っていると、いきなり「柳沢敦です」と元日本代表FWがサプライズ登場。驚いた。

 「ゲンキデスカ~」と、ジーコ氏の顔が一気にほころぶ。「こども相談室」。確かにジーコ・チルドレンの柳沢は“こども”だ。妙に納得して見ていると、突然、柳沢の口から予想もしない言葉が飛び出し、もっと驚いた。

 自ら切り出したのは06年W杯ドイツ大会クロアチア戦のシュートミス。一部で「急にボールが来た(QBK)」と言われ、揶揄(やゆ)された、あの場面についてだった。

 番組内のやりとりを、すべてここに書いてしまうのはどうか。詳細は、実際に番組で確認してもらった方がいいだろう。もう1人のサプライズゲスト、巻誠一郎もそうだが、11年たっても一切変わらぬ師弟の絆を強く感じさせられた。そんなやりとりが、詰まっていた。

 「ジーコおじさん」と呼ばれた神様は「もうおじいちゃんなんだけど」と笑っていた。あの時、53歳だった日本代表監督は、64歳の元日本代表監督となった。ジーコ氏からオシム氏、岡田武史氏、ザッケローニ氏、アギーレ氏、ハリルホジッチ監督と、日本代表指揮官もバトンをつないできた。

 日本代表も、W杯はドイツ以降、10年南アフリカ、14年ブラジルとさらに2大会に出場し、オーストラリア戦に勝てば、18年ロシア大会にも出場できる。

 ジーコ氏もプレーしたJリーグは25年目。四半世紀の歴史を重ねてきた。神様の教えを受け育まれた柳沢は、古巣・鹿島のコーチになった。巻はまだ必死に故郷のクラブ、J2熊本でゴールを狙い、戦い続けている。

 積み重ねと、受け継がれ、紡いできた歴史がサッカーの魅力であり強み。日本代表も、Jリーグも、そしてそれを取り巻く人たち、運命の一戦を前に、今はみんなが同じ思いでいるはずだ。

 オーストラリア戦には、日本サッカーの力を結集させて臨んでもらいたい。ハリルホジッチ監督と27人の代表選手にも、強い絆があるはずだ。ほほ笑ましくも印象深い、この番組を見て、そう強く願った。

【サッカー担当=八反誠】

ジーコと柳沢が11年前のあの“QBK”を振り返る

◆柴崎岳、“空白の2年”で成長。必然の代表復帰「ひとつ認められた証拠だと」(フットボールチャンネル)


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 日本代表は29日、ロシアW杯アジア最終予選・オーストラリア代表戦に向けて練習を行った。

 約2年ぶりの代表復帰となった柴崎岳。鹿島アントラーズでJ1制覇を経験し、直後に行われたクラブW杯ではレアル・マドリーから2得点を奪うなど衝撃のプレーを見せた。そして、今冬にスペイン2部のテネリフェに移籍。質の高いパフォーマンスを披露し、今季からは1部のヘタフェの一員となった。

 ハリルジャパンから遠ざかっていた“空白の2年”で飛躍的に成長。今回の招集は必然とも言える。

「これも運命というか、ベストを尽くして自分なりにサッカー人生を歩んでいれば縁のある場所だと思いますし、縁がなければないと思っています。でも自分が選ばれたいと思ってもコントロールできるものでもないですし、やるべきことをやって選ばれたのはひとつ認められた証拠だと」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は自身の目で確かめたいという意向から、FWを9人招集している。それぞれタイプが異なるが、中盤の柴崎は言う。

「ほとんどの選手と一緒にプレーしたことがありますし、全員の特徴も分かっているので、誰とやってもコミュニケーションを取ってやれると思います。僕自身そういったところを重視するプレーヤーですので、2年ぶりとはいえ全然問題ないと思います」

 スペインに渡ってより逞しくなった柴崎は、今シリーズのピッチに立ち、日本のW杯出場に貢献することができるだろうか。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)

【了】

柴崎岳、“空白の2年”で成長。必然の代表復帰「ひとつ認められた証拠だと」

◆2年の時を経て・・・ 代表復帰の柴崎岳は「ジョーカー」になり得るか(財経新聞)




 ロシアワールドカップアジア最終予選は最終局面を迎え、日本代表は今月31日に豪州戦、来月5日にサウジアラビア戦と大一番の2試合を戦う。

【こちらも】サッカー日本代表、グループで3位になってしまったら

 8月24日におこなわれた日本代表メンバー発表では、およそ2年半ぶりに柴崎岳の名前が呼び上げられた。

■新たな日本代表の可能性として
 2015年1月、オーストラリアで開催されたAFCアジアカップ。決勝トーナメント1回戦、日本代表はUAE代表の堅い守備を崩すことが出来ず、攻めあぐねていた。
 
 前半早々リードされた日本は終始ゲームを支配し、相手ゴールに迫る。後半20分までに交代枠を使い切り、なおもシュートを放つも守備を固めたUAEゴールをこじ開けられない。この試合、公式記録上では日本の放ったシュート数は30本を超えていた。

 後半36分、ついにゴール奪取に成功する。決めたのは途中出場のMF柴崎岳だった。中盤でフリーでボールを受けた後、スピードを上げ相手陣内に侵入、密集するDFの隙間をついた本田圭祐とのワン・ツーからダイレクトで右足を振りぬく。ボールは鮮やかに相手ゴール左隅に吸い込まれた。

 その後1対1のままPK戦までもつれ、結果は日本の敗退となったものの、日本代表の新しい可能性を感じさせるに充分な、若き柴崎岳のゴールだった。

■大一番でさらなる高みに
 現在グループリーグで首位に立つも勝ち点差は3位サウジアラビアまで僅かに1。残り2試合の直接対決を前に代表復帰を果たした柴崎の心境はいかばかりか。

 代表から離れた2年という期間は決して短いものではない。故に、この2試合での出場機会もごくわずかなものになるかもしれない。

 それでも、長きにわたり常勝鹿島アントラーズの中盤を支え、数々のタイトルの獲得に貢献。昨年から欧州移籍を果たし、今季はスペイン1部リーグ・ヘタフェでは背番号10を背負い、開幕から2試合連続でスタメンに名を連ねた柴崎。

 負傷者が多く、コンディション調整に悩む現在の代表メンバーの中では最も頼りになるプレーヤーともいえるのではないだろうか。

 「ジョーカー」として、今回こそ日本を勝利に導くことが出来る。現在の柴崎岳はそんな期待を大いに予感させてくれる。(佐藤文孝)

2年の時を経て・・・ 代表復帰の柴崎岳は「ジョーカー」になり得るか

◆2年間で得た確かな自信…代表復帰の柴崎「大一番には慣れている」(サッカーキング)


柴崎岳

「大一番はこれまでに何度も経験している」

 およそ2年ぶりの日本代表復帰を果たした柴崎岳(ヘタフェ)は、2日後に迫るオーストラリア戦に向けて、確かな自信を示した。

 29日、日本代表は31日に行われる2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選のオーストラリア戦に向けて埼玉スタジアムでトレーニングを実施。ヘタフェでプレーする柴崎はこの日から合流となった。

 2017年1月の移籍市場でスペイン2部のテネリフェに加入した柴崎は、適応に苦しみながらもシーズン終盤にはレギュラーに定着し、1部昇格をかけたプレーオフでも印象的な活躍を披露。結果的にチームは昇格を逃したが、そのテネリフェを破って1部行きの切符を掴んだヘタフェへの移籍が決まり、さらに背番号10を託された。そして迎えた今シーズン、開幕から2試合連続でスタメン出場を果たすなど、好スタートを切っている。

 2年ぶりの招集について「やるべきことをやってきた結果」と話す柴崎は、「この試合の持つ意味も理解しています。ただ、こういった舞台も慣れているというか、鹿島時代から含めて、テネリフェでもプレーオフを戦いましたし、大一番や、意味を持つ試合というのは何度も経験させてもらっているので」とコメント。そして、「自分が出たら結果を残して、(W杯に)導いていきたいという思いはあります」と強い気持ちを示す。

 成長したのはメンタル面だけではない。「いろいろなポジションをやったことによって自分のプレーの幅は広がったと思います。今ではボランチだけでなく、前もサイドも、中盤だったらどこでも役割を果たせると思っています。与えられた役割を全うできるキャパシティも増えてきているので、(ポジションへの)こだわりがないことはないですけど、与えられたポジションで自分を表現したいと思います」と、スペインでの経験を生かし、どんなポジションでもプレーできると主張した。

 連携面に関しても「ほとんどの選手と一緒にプレーしたことがありますし、全員の特徴もわかっています。誰とやってもコミュニケーションを取ってやれると思います」と自信を見せる柴崎は、「2年ぶりではありますけど、全然問題ないと思います」と、大一番に向けて頼もしい言葉を残した。

2年間で得た確かな自信…代表復帰の柴崎「大一番には慣れている」

◆柴崎岳が司令塔!約1年10か月ぶり先発に「これも運命というか」(報知)




 ◆2018年ロシアW杯アジア最終予選B組 日本―オーストラリア(31日、埼玉スタジアム2002)

 サッカー日本代表は29日、アジア最終予選オーストラリア戦(31日・埼玉)に備え、埼玉スタジアムで冒頭15分以外を非公開とした練習を行った。勝てばロシアW杯出場切符を獲得できる大一番。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は、MF柴崎岳(25)=ヘタフェ=を左インサイドハーフでの先発起用を見据えてテスト。15年10月13日の親善試合イラン戦(テヘラン)以来、約1年10か月ぶりの先発となる柴崎が勝負強さを発揮する。

 ハリル監督が1年8か月ぶりに招集したMF柴崎に、チームの司令塔を託す可能性が高まった。日本協会関係者によると、この日非公開で行われた実戦練習で主力組の左インサイドハーフでテストしたという。これまではMF香川が君臨していたポジションだが、今季移籍したスペイン1部ヘタフェでも好プレーを続ける柴崎を指名し、W杯切符をかけた運命の一戦に臨む。

 勝負強さと冷静な判断力に定評がある。昨年12月、鹿島の一員として出場したクラブW杯決勝で、欧州王者・Rマドリード(スペイン)を相手に2得点を記録。世界を驚かせた。12年ナビスコ杯(現ルヴァン杯)決勝の清水戦でも2得点を挙げ、優勝の立役者になった。「サッカーを始めた時から練習を一度もサボったことがない」と言い切る努力家。その積み重ねで、大舞台で力を発揮できる技術と心を磨いてきた。

 長らく代表を離れていたが、この日の練習後には「これも運命というか。ベストを尽くしたい。(代表に)選ばれたいと思っても(自分が監督ではないので)コントロールできない。選ばれたからには果たすべき責任が代表にはある」と自覚十分。さらに「試合の持つ意味は理解している。慣れているというか、鹿島時代から大一番の意味を持つ試合は何度も経験した。自分が出たら結果を残してチームを導いていきたい」と言い切った。

 今年1月、鹿島からスペイン2部のテネリフェに移籍した。初めての海外生活になじめない部分があったが、「いろんなポジションをやったことでプレーの幅が広がった。与えられた役割を全うできるだけのキャパシティーがある」と成長を遂げた。ハリル監督に指摘されてきたプレー、判断スピード、フィジカルの強さもスペイン1部で通用する力を備えた。27日のセビリア戦では先発し、地元紙では両クラブで最高タイの採点を得た。

 この日練習で試した主力メンバーには、FW本田、香川と長く代表を支えてきた実力者の名前がない。「プラチナ世代」と言われる92年生まれの柴崎は「長い目で見ると、こういう(自分たちの)年代の人が試合に出ないと未来がない。自覚は持っている」と世代を乗り越え、チームを引っ張っていく考え。「状況に応じたサッカーをチーム全体で意思統一することが大事。それをアシストしていきたい」。勝てばロシアW杯。常に準備を怠らない柴崎は大舞台にも動じず、チームを勝利に導く。(内田 知宏)

柴崎岳が司令塔!約1年10か月ぶり先発に「これも運命というか」

◆柴崎トップ下!2年ぶり代表招集で先発抜てきへ 31日豪州戦(スポニチ)




 日本代表は31日、埼玉スタジアムで開催されるW杯アジア最終予選でオーストラリアと対戦する。勝てば6大会連続のW杯出場が決まる大一番。2年ぶりの代表復帰を果たしたMF柴崎岳(25=ヘタフェ)が司令塔として先発する可能性が浮上した。スペイン移籍を経て、心身ともに成長。しびれる戦いで自らの存在価値を証明する。

 大舞台で千両役者となるのは、この男かもしれない。W杯出場が決まる大一番。柴崎の腹は据わっていた。「こういう舞台は慣れている。鹿島時代から含めて、大一番や意味を持つ試合は何度も経験している。自分が出たら、結果を残して導いていきたい」。2年ぶりの代表とは思えない、気負いのない物言いだった。

 冒頭15分を除いて非公開の練習。主力組では岡崎をサイド、柴崎を中盤に配置する布陣を試したもようだ。オーストラリアはサイド攻撃を特長とする半面、その裏のスペースは日本にとって狙いどころ。広い視野を持つ25歳の展開力がカギを握る。呼吸を合わせるFW候補は9人と多いが「ほとんどの選手とプレーしたことがある。誰とやってもコミュニケーションをとってやれると思う。2年ぶりとはいえ、全然問題ない」と言い切った。

 長らくMF香川らが君臨してきた司令塔。大一番が世代交代の時と重なった。今回の代表に92年生まれの同級生は5人。「こういう年代が出てこないと未来はない。今の中心選手がずっといるわけではないという自覚を持たないと」。鹿島で同期のDF昌子も「“こいつに付いていったら勝てるんじゃないか”と思わせる雰囲気がある」と慕う25歳が先頭に立って未来を変えていく。

 代表から遠ざかった2年間。スペイン移籍を経て、プレーも心も成長した。ボランチだけでなく、サイドや前線など複数の位置を経験。「プレーの幅が広がった」と自負が生まれた。心にも余裕ができた。今年1月にスペイン2部テネリフェに移籍した直後は体重を約6キロ落とすなど適応に苦しんだ。異国の地での葛藤を乗り越えた今は、こう思う。「こうやって選手としても人間としても大きくなっていくんだろうなあと」。試行錯誤を楽しむ余裕さえある。

 6大会連続の切符が懸かる決戦。司令塔には試合をコントロールする柔軟さも求められる。「チーム全員で意思疎通することが大事。それをアシストしたい」。日本は過去にホームで勝ってW杯出場を決めたことはない。どんな舞台にも動じなくなった柴崎が、歴史的瞬間を引き寄せる。

柴崎トップ下!2年ぶり代表招集で先発抜てきへ 31日豪州戦

◆久保、柴崎、酒井宏らが帰国 乾は「チームの力になれるよう頑張る」(サンスポ)


約2年ぶりの日本代表招集でスペインから帰国した柴崎

 サッカー日本代表のFW久保裕也(23)=ヘント=、FW乾貴士(29)=エイバル=、MF柴崎岳(25)=ヘタフェ=、DF酒井宏樹(27)=マルセイユ=らが29日朝、2018年W杯ロシア大会アジア最終予選に向けた合宿に合流するため成田空港に帰国した。

 今夏スペイン2部テネリフェから同1部ヘタフェへと移籍した柴崎は、約2年ぶりの招集。報道陣の日本代表に関する質問に「あとで話します」と話ながらも、古巣J1鹿島の好調ぶりについて聞かれると「結果は気にしています」と明かし、笑顔も見せた。

 久保は「(所属クラブで不調だが)チームはチーム、代表は代表。ポジティブに考えて切り替える」と語り、乾は「練習からアピールしていく。チームの力になれるように頑張る」と話した。

久保、柴崎、酒井宏らが帰国 乾は「チームの力になれるよう頑張る」

◆DF植田「自分が生きる相手」豪州との空中戦に自信(ニッカン)




 W杯最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)に向け、日本代表が28日、さいたま市内で合宿2日目の練習を行った。

 DF植田が大一番を前に「オーストラリアは自分が生きる相手だと思う。チャンスが欲しい気持ちもあるし、やってやろうという気持ちもある」と代表初出場に準備を整えた。186センチの長身で、空中戦の強さに自信を持つ。「いろいろなシチュエーションもあると思う」と、パワープレー対策での出番も見据えた。

DF植田「自分が生きる相手」豪州との空中戦に自信

◆「鹿島以上のことが出せるほど甘くない…」 昌子への信頼を語る麻也(ゲキサカ)




 勝てばW杯出場が決まる大事な試合を迎える。しかし、日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は“いつも通り”を強調した。

「良い緊張感があるけど、過度のプレッシャーを感じているわけではないし、多くの選手が選ばれて、全員が高いモチベーションでやれているので、雰囲気は悪くない」。試合2日前の練習を終え、チームの雰囲気を問われた吉田は、そう答えた。

 今回招集されたCBメンバーは29歳の吉田の他は、24歳のDF昌子源(鹿島)、22歳のDF植田直通(鹿島)とDF三浦弦太(G大阪)と20代前半の選手が名を連ねた。昌子がA代表4キャップ、植田と三浦は0キャップと経験こそ不足しているものの、吉田は「いつも通り、やっていることをしっかりこなしてくれればいい」と話すと、オーストラリア戦でコンビを組む可能性が高い昌子への信頼を語った。

「僕も彼もお互いをサポートし合って無失点で終われれば一番良いと思う。鹿島でやっていること以上のことが出せるほど(最終予選は)甘くはないので、いつも通りやればいい。キャリアもJリーグでしっかりある選手なので心配はしていない」

 オーストラリア戦は勝てばW杯出場が決まるが、それだけにプレッシャーも大きくなるだろう。だが、「僕らは毎試合勝たないといけないのは変わらない。いつも通りだと思う」と平常心で大一番に臨む。

(取材・文 折戸岳彦)

「鹿島以上のことが出せるほど甘くない…」 昌子への信頼を語る麻也

◆【仙台 vs 鹿島】 ウォーミングアップコラム:佐々木匠の視線は上へ。どんなかたちでも、チームを勝利に導くゴールを決める。(J's GOAL)




7月31日に、佐々木匠(写真)はJリーグYBCルヴァンカップノックアウトステージのオープンドローに、仙台の代表者として出席。ドロワーを務めた。

引き当てた準々決勝の相手は、鹿島。Jクラブで最も多くのタイトルを獲得してきた鹿島は、この大会だけでもJリーグヤマザキナビスコカップ時代から6度の優勝を誇る。明治安田J1でも第24節を終えてトップを走る強敵だ。

しかしこのドロワーは臆することがない。オープンドローの日も、それから約一ヶ月が経った、今でも。J2時代にしかタイトルを取ったことのない仙台が不利な状況にあっても、佐々木は視線を上に向け、ノックアウトステージのまずは第一関門突破を目指す。

8月30日の準々決勝第1戦を前に、佐々木はあらためて、この試合に向けた思いを口にした。

「自分たちもグループステージを1位で突破したので、その勢いを持って戦うことで勝利したい」

勿論、相手の強さには敬意を払っている。何より、明治安田J1第7節と第20節で、佐々木は鹿島との対戦で、相手の圧倒的な強さをピッチ上で実感した。ホームではプロ入り後初めてリーグ戦で先発出場し、アウェイでは1点を追う場面で投入されたが、満足のいく結果を彼自身もチームも残せなかった。

「攻撃の選手として、まずは点を取らなければいけないという思いが強いですね。これまでの対戦では個人としても悔しい思いをしてきたので、“三度目の正直”というか、今度こそ結果を出さなければいけません」

仙台はこの準々決勝で、梁勇基が朝鮮民主主義人民共和国代表の試合のためにチームを離れ、野津田岳人が仙台加入前に清水で今大会の出場を記録していたために、それぞれ欠場する。3-4-2-1の”2”にあたるシャドーの候補が一気に二人抜けるが、佐々木はそのポジションでプレーする選手である。彼らの穴を埋めるだけでなく、チームを引っ張る活躍を思い描く。

何より、グループステージでは佐々木がチームを引っ張ってきた一人だった。3得点2アシストを記録するなど、大活躍。彼は今大会のニューヒーロー賞候補の一人でもあるが、今はその賞の行方よりも、チームの勝利に貢献するために「ゴールという結果を伸ばすことの方を意識しています」と、相手の堅陣をそのドリブルやスルーパスといった武器で突き崩そうと目論む。

この準々決勝は、仙台のホームから始まる。

「ユアテックスタジアム仙台には、仙台の心強いサポーターがいます。先手を取れるチャンスだととらえています。自分たちも勢いを持って戦いますが、そこにサポーターの方々の声援で勢いをプラスしてもらえれば」

仙台に生まれ、仙台に育ち、仙台でプロになり、仙台からタイトルや世界を目指す。佐々木はサポーターにも、ともに上を見て、勝ち進もうと呼びかける。一週間でホーム&アウェイを戦うため、仙台はグループステージのように多くの選手が関わる総力戦でのぞむことが予想される。その中で佐々木の出番は先発になるか途中出場になるかはわからないが、どんなかたちでも、チームを勝利に導くゴールを決めようとしている。
「仙台はまだ準々決勝を突破していないので、その歴史を塗り替えたいんです」

その言葉も、視線も、力強い。

文:板垣晴朗(仙台担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦
8月30日(水)19:00KO ユアスタ
ベガルタ仙台 vs 鹿島アントラーズ

V【仙台 vs 鹿島】 ウォーミングアップコラム:佐々木匠の視線は上へ。どんなかたちでも、チームを勝利に導くゴールを決める。

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