【BD】鹿島アントラーズシーズンレビュー2017 【BLU-RAY DISC】
2019年07月20日(土) 18:33キックオフ 県立カシマサッカースタジアム
【入場者数】25,117人 【天候】曇のち雨、弱、 気温24.2度、 湿度86.0% 【ピッチ】全面良芝、水含み
【主審】家本 政明 【副審】越智 新次 【副審】西村 幹也 【第4の審判員】岩﨑 創一
明治安田J1 第20節
逆境を乗り越えて掴んだ勝ち点3!リーグ戦3連勝を飾る!
アントラーズは明治安田J1第20節でサガン鳥栖と対戦した。前半20分、レアンドロがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。これをレアンドロが自ら決めてアントラーズが先制に成功した。23分に金崎のゴールで同点に追いつかれたアントラーズだったが、35分に白崎が勝ち越し弾を決めて、再びリードを奪う。90分を通して激しい球際の攻防が繰り広げられたが、選手たちは最後まで冷静さを失わずにプレーし、2-1で勝利を収めた。
▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼
VIDEO
1週間前のアウェイ仙台戦。立ち上がりから主導権を握ったアントラーズは、16分にセルジーニョの得点で幸先よく先制に成功すると、前半アディショナルタイムには再びセルジーニョのゴールでリードを広げ、2-0で前半を折り返す。後半に入ると、守勢に回る時間帯が続いたが、67分に白崎が追加点を奪うと、75分には土居がダメ押しの4点目を決めて、スコアは4-0。リーグ戦2試合連続の完封勝利を収めた。
試合後の会見で指揮官は「この1週間は仙台戦のための準備をしてきた。準備してきたことを、選手たちがピッチで非常に良く表現してくれて、いい結果を得ることができた。非常に評価できるゲームだったと思う」と、選手たちを称えた。
会心の勝利を収めたチームは、火曜日から練習を再開。鳥栖戦へ準備を進めた。
今シーズンの前半戦では、鳥栖に敗戦を喫している。選手たちもリベンジに向けて闘志を燃やしていた。白崎は「前回の鳥栖戦は厳しい試合をしてしまっているので、切り替えて、リベンジできるようにやっていきたい」と話し、三竿は「アウェイでは負けている。今回はホームなので、相手を圧倒して勝ちたい」と語っていた。
迎えた試合当日。キックオフ約2時間前に先発メンバーが発表された。前節仙台戦からは3人を変更。GKは今季2試合目のリーグ戦出場となる曽ケ端準。最終ラインは右から永木、犬飼、町田、小池が入る。ボランチは三竿と名古がコンビを組み、サイドハーフは右にレアンドロ、左に白崎。前線は伊藤とセルジーニョが務めた。ベンチには、川俣、小田、ブエノ、平戸、遠藤、金森、山口が入る。
土曜日のナイトゲーム。湿度が高く、蒸し暑い気候となったが、カシマスタジアムには続々と背番号12が詰めかけた。アントラーズファミリー全員の力を結集して、勝利のみを目指す。
18時33分。戦いの火蓋が切って落とされた。
立ち上がりは拮抗した展開となる。互いの意地とプライドがぶつかり、激しい球際のバトルがピッチの至るところで繰り広げられた。
最初のチャンスはアントラーズに訪れる。11分、右サイドでボールを受けたレアンドロから伊藤へスルーパスが通る。伊藤は右足を振り抜き、強烈なシュートを放ったが、シュートは右のポストに当たって、真横に跳ね返ると、今度は左のポストに当たり、惜しくもゴールにはならなかった。
初めてのチャンスをつくったアントラーズは、ここから勢いづいていく。15分、レアンドロがセルジーニョとのワンツーで中央を崩し、低く鋭いミドルシュートを放つ。しかし、これは相手GK高丘の好セーブに阻まれた。
試合の主導権を握ったアントラーズ。カシマスタジアムにこだまするチームコールを力に変えて、さらに攻勢を強めていく。
すると、20分にスコアが動く。レアンドロが右サイドから強引にペナルティエリア内へと進入すると、相手DFに足をかけられて転倒する。これがファウルの判定となり、アントラーズにPKが与えられた。このPKをレアンドロが冷静に決めて、アントラーズが先制に成功した。
しかし、得点直後に失点を喫してしまう。23分、右サイド深い位置から金崎にカットインされると、低く鋭いシュートを打たれる。これがゴールネットを揺らした。副審はシュートに詰めていた松岡のオフサイドをとり、ノーゴールと判定されたが、主審が判定を覆し、得点が認められた。
不運な形で失点を喫したアントラーズ。だが、選手たちはすぐに気持ちを切り替えて、目の前のプレーに集中した。逆境を跳ね返そう。スタジアムが一体となる。
すると、35分に歓喜の瞬間が訪れた。ペナルティエリア内右からレアンドロが中央へクロスを上げると、ファーサイドで白崎が滑り込みながら合わせる。強くバウンドしたシュートは、相手GKの頭上を超えて、ゴールネットへと吸い込まれた。2-1。カシマスタジアムが沸騰した。
勝ち越しに成功したアントラーズは、得点後も攻撃姿勢を崩さず、積極的なプレーをみせる。
前半はこのまま終了。2-1とリードしてハーフタイムを迎えた。指揮官は「パスを繋ぎつつ、空いているスペースを狙い続けること」、「ボールを奪ったあとに、人数をかけて攻め切ること」、「後半の立ち上がり、絶対に相手に流れを渡さないこと」とポイントを伝え、選手たちを再びピッチへと送り出した。
後半は好守が目まぐるしく入れ替わるスリリングな展開となった。
51分、まずはアントラーズがピンチを迎える。左サイドからクロスを上げられると、ゴール前で豊田に枠を捉えたヘディングシュートを打たれてしまう。だが、これは曽ケ端が右手一本で弾き出し、決定的なピンチを救った。
53分、今度はアントラーズがカウンターからチャンスをつくる。ペナルティエリア手前からセルジーニョがスルーパスを送ると、ボールを受けた伊藤がシュート。しかし、これは相手選手にブロックされ、追加点には至らなかった。
アントラーズは中盤のボールカットから手数をかけないカウンターを繰り出し、チャンスをつくっていく。64分には、右サイドから白崎がクロスを入れると、ファーサイドでレアンドロが落とし、最後はセルジーニョが振り向きざまにボレーシュートを放った。相手GKに阻まれて、得点には至らなかったものの、アントラーズのペースで時計の針が進む。
時間の経過とともに、ピッチ上の攻防はさらに激しさを増していく。ファウルにより試合が止まる場面が目立つようになったが、選手たちは集中を切らさず、コミュニケーションを取り、ポジティブな姿勢で戦い続けた。どんな逆境も跳ね返す。スタジアムは一体感に包まれた。
83分、先制点を決めたレアンドロに代えて遠藤、87分には名古に代えてブエノを投入した。ひたむきに勝利だけを目指し、総力戦で戦う。
90分、鳥栖の高橋祐治が2枚目のイエローカードを提示され、退場処分となった。だが、鳥栖は捨て身の攻撃でアントラーズが守るゴールへと迫ってきた。
後半アディショナルタイム、伊藤に代えて金森を投入。カシマスタジアムに集った大勢のアントラーズファミリーの想いを背負い、ピッチに立つ11人は最後まで高い集中力で鳥栖の攻撃を跳ね返した。
そして、ついに試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。カシマスタジアムが歓喜に沸く。様々な逆境を跳ね返し、掴み取った勝ち点3だ。誰が出ても鹿島は鹿島。チームの底力を証明した一戦だった。
次戦は、少し日が空いて11日後のアウェイ浦和戦。厳しい戦いになったとしても、結束を固めた我々であれば乗り越えられるはずだ。国内タイトル奪還に向けて、このまま連勝街道を突き進もう。
【この試合のトピックス】
・白崎がリーグ戦2試合連続ゴール
・リーグ戦3連勝
・リーグ戦通算対戦成績で鳥栖に勝ち越し
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・パスを繋ぎつつ、空いているスペースを狙い続けること。
・ボールを奪ったあとに、人数をかけて攻め切ること。
・後半の立ち上がり、絶対に相手に流れを渡さないこと。
サガン鳥栖:金 明輝
・もっとみんなで声をかけ合うこと。
・もっとボールを動かすこと。
・相手を自由にさせないこと。
[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
今日、ピッチに立った14人の選手たちは、本当にインテンシブの高いゲームをしてくれた。その気持ち、その姿勢が、伝わるようなゲームができて非常にうれしく思う。サポーターの皆さんと、しっかりと喜びをわかちあえる試合ができたと評価している。
Q. 白崎選手の適応をどう評価しているか?
A. 清水にいたときの白崎は外からしか見ていないので、皆さんと見え方が違うと思うが、今年アントラーズに来てから、彼のポテンシャルの高さを非常に評価している。怪我で少し合流が遅れたが、ポテンシャルと献身的な守備の部分は、皆さんが思っている以上に貢献してくれている。あとは、得点のところ。個人的にも得点にこだわるように伝えている。数字にも表れているし、そういうところにいることが重要なので、攻守において非常にチームに貢献してくれていると感じている。
サガン鳥栖:金 明輝
アントラーズに先制点を取られると苦しい展開になることはわかっていたので、できるだけ0-0の状況で得点のチャンスをうかがうというプランだった。しかし、早い時間に失点してしまい、同点に追いついたまではよかったが、その後すぐに失点してしまった。自分たちのリズムでは戦えなかった。アントラーズは試合巧者なので、そういった意味でも、プラン通りにいかなかったゲームだった。
選手コメント
[試合後]
【白崎 凌兵】
(右サイドの)レアンドロが、結構、前に強くいくタイプなので、左サイドではリズムを出していこうと思っていた。今シーズンは、結果を残すことができている。危険なところに入っていけているので、チームの中で自分の役割を果たせているという感じがある。
【犬飼 智也】
無失点で抑えることができたらよかったが、失点した後もみんなが集中してやることができたのでよかった。試合前から激しいゲームになることは想定していたので、誰一人引くことなく、みんなが積極的にいっていた。そこの部分が勝利につながったと思う。
【町田 浩樹】
球際で負けないことと、ロングボールを蹴ってくるので起点を作らせないようにすることを意識していた。前節に続き、ボールを持つ時間を作れた。まだまだ改善していけると思う。前からの守備がしっかりしているので、後ろの守備もやりやすい。いいゲーム運びが出来ていたし、全体としての出来が良かった。
【曽ケ端 準】
普段出場している選手とは別の選手が出たが、みんなが積極的にできていたと思う。思っていたほどロングボールも多くなく、サイドへの寄せもよかったので、クロスを入れられる場面も少なかった。多くのサポーターが来てくれて、勝利を届けることができたのでよかった。
【名古 新太郎】
試合前から難しい試合になることは分かっていたし、攻守において球際で戦ってくるチームだった。それに負けずに、自分たちからアクションを起こして、気持ちの面で全員が相手を上回ることができていた。
【小池 裕太】
相手が前線からプレスをかけてくるチームだったので、前半は難しい試合になった。後半も相手にボールを持たれる時間が多い中で、自分たちが守備の部分で耐えることができたことが勝利につながったと思う。
◆2019明治安田生命J1リーグ 第20節(オフィシャル)