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鹿島アントラーズが前人未到の4冠へ大きく前進している。14日の明治安田生命J1リーグ第26節。首位・FC東京をホームに迎え、2-0の完勝を収めた。この一戦で出場はしなかったものの、試合後に取材を受けたDF内田篤人は、ピッチ外から見たチームの姿勢に確かな手応えを感じているようだ。
まさに今後の優勝争いを占う大一番だった。鹿島にとって勝てば逆転優勝の可能性が高まる一方で、負ければその差は7ポイントに開き、優勝は厳しい状況になる。さらに、ホームでは開幕戦以来敗れていないことも、選手にとっては大きなプレッシャーになったことは容易に想像できる。
しかし、この男は極めて冷静だった。
「必要以上の力が入っちゃう。僕も試合前に言いましたけど、平常心で、普通にいつもどおり勝とうと言って送り出しました。こういう大事な試合ほど平常心で普通にやることが大事かなと思います」
FC東京戦ではベンチ入りした内田だが、結局出場せず。それでも試合中はベンチから飛び出し、ピッチ上のイレブンに的確なアドバイスを送り続けた。
「(審判団に)怒られてはいるんだけどね。試合前に第4審判に挨拶にいって、早めに注意してもらって全然大丈夫ですと、一応、言ってはあるんですけど」
内田をはじめ、ベンチも積極的に声を発する姿勢はチームに一体感をもたらしている。
「経験のある選手、ヤス(遠藤康)とかソガ(曽ヶ端準)さんとかがいるし、ベンチの一体感がすごく大事なので。(大岩)剛さんも言っていますけど、苦しいときにみんなの顔を見て、ベンチの声を聞いて走れるくらいなら声を出すし。そこは別に僕がグラウンドにいてもいなくても、というのは関係ないと思います」
これで鹿島は首位・FC東京との勝ち点差を1に縮め、次節の結果次第では今季初の首位浮上の可能性も出てきた。首位チームを目前としたが、内田は「これでやっとスタートラインかなという気はします」と慢心はなし。
一方で「追われる難しさをFC東京がわかっているかは知らないけど、追うほうが楽だからね。これで少し背中が見える位置まで僕らが来て、残りの試合にどう重圧があるのかは何となくわかる気がする。いい位置にいる気がする。もしかしたら上にいるよりはいいかもしれない」と楽観的な姿勢も見せた。
先人たちが築いた伝統のスピリットは、ここぞというときに力を発揮する。むろん、内田もそれを理解しているようで「いいスカウトもいるし、先輩たちが築いて、ジーコが作ってくれたチームの基盤というのがあるから崩れにくい」と話す。だからこそ「優勝争いはできる」と確かな自信を覗かせる。
鹿島はリーグ戦に加えてACL、ルヴァンカップ、天皇杯とすべてのコンペティションで優勝の可能性を残している。開幕当初から4冠を掲げていた鹿島にとっては、ここからが正念場とも言える。主将の三竿健斗は試合後、こう話していた。
「今年の目標で4冠制覇っていうのは、みんなで公言しているので。口にするからには責任が生まれる」
それぞれが強い覚悟を持ちつつ、内田の言う「平常心」を兼ね備えて今後の厳しい戦いにも臨む構えだ。