日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年3月7日木曜日

◆鹿島OB中田浩二が語る今季注目の「ワクワクするプレーヤー」とは?(ゲキサカ)



中田浩二 Koji.Nakata


中田浩二の「個の力」を賢く見抜く観戦術 - サッカーが11倍楽しくなる! -【電...


 鹿島アントラーズはホームで迎えた今季開幕戦で昇格組の大分トリニータに敗戦。初白星がほしい鹿島は本日、金曜日開催の第2節に王者川崎フロンターレと激突する。鹿島OBでクラブのC.R.Oを務める中田浩二氏がDAZNインタビューに応じ、王座奪還へのポイントを語った。(取材日:2月20日)

—リーグ最多タイトルを誇る鹿島アントラーズ強さの秘訣は?
「このクラブはジーコが作ったというか、ジーコの考えのもと色々なものが落とし込まれたクラブです。それを一貫して継続しているからこそ、強さの秘訣というかずっと続けていくことが出来ている。ぶれずに同じ方向を向いて戦ってきた結果。今だけというよりも、ジーコの時から、また本田さんや秋田さんの時代もそうですし、そういう人たちがずっと継続してやってきたからかなと思いますね。

 ジーコがチームに落とし込んだことというのは常に勝利にこだわること。それは試合だけではなくて、試合に勝つために練習で何をするかということをずっと言われてきました。プロとして、常に練習で100%やる、それが試合で出るということもそうですし。自分がどうやりたいではなく、チームのために何ができるか、チームが勝つために何ができるかということをずっと教えてこられたと思います。それを僕らはグラウンドで先輩方が体現している姿を見てやってきましたし、それを下の世代に繋げていくということをやってきたからだと思いますね。」

—他のチームとの違いは?
「(国内では)他のチームに行っていないからわからないのですが。怪我するから練習で思いっきり行かないのではなくて、練習から試合以上の、時にはスライディングとかもありますし、試合以上の感覚、強度でやることを常に求められてきました。だから、(試合で)楽というとおかしいかもしれないけど、そういう風に感じることもありました。あとは、内容を求めることもあるじゃないですか。もちろん内容も大事だけど、勝つことのほうが大事であって内容が悪くても常に勝つことを求められてきたというのはありますね。」

—ご自身が現役時代に鹿島の強さが出た試合というのは?
「いっぱいありますけど、2009年に3連覇したときの最後の浦和戦なんかは1点とってから浦和のホームでずっと押されていましたけど、そこを全員で体を張って守り切って3連覇。そういうところですかね。体を張って守るところとかもそうだし、うまく時間を使いながらですとか、そういうアントラーズらしさが随所に出た試合だったと思います。
(2001年)ジュビロとチャンピオンシップをやったときも、1stレグ相手のアウェイで0-2の状況で鹿島は退場者も出して、そういう中でもやっぱり最低限引き分け、次につなげるために結果的に10人で2点取って2-2に追いついてホームの試合を迎えた試合ですとかも、勝負強さや粘り強さ、あきらめない、勝ちにこだわるところは随所に出たのかなと思いますね。」

—鹿島は常にタイトルを獲得されてきましたが、強ければ強いほど相手に警戒されると思いますが、その中で一番難しかったことは?
「難しかったことはそんなにないかなと。逆にそういうプレッシャーというのも常に楽しめている部分がありましたし、個人というよりもチームでのタイトルを求めていたので。そこを常にやっていました。ただ結果が出ないときには苦しいときもありましたし、難しい状況でもありましたね。」

—昨年鹿島はACLタイトルを取られて、日本では数多くタイトルをとりながらやっと海外の大会でタイトルをとれた。それまでのシーズンと昨年との違いは?
「違いというのはそんなにないと思うんですよね。ただアントラーズはJリーグのタイトルを取るとともに、ジーコはアジアでもNo.1にならないといけないと言っていました。そこを意識してやってきた中で、レッズやガンバが先にタイトルを取って悔しい部分もあったので、昨年後輩たちがとってくれたのはうれしかったですし、それがチームの悲願でもあったので。やっぱり胸を張れるというのはおかしいですけど、ちょっとレッズやガンバに遅れていた部分はあったので、やっとここからスタートを切れるという風になったのかなと。」

—鹿島にとっては大きなタイトル?
「ものすごく大きいですし、鹿島にないタイトルでしたしね。またACLをとってクラブワールドカップに出ることで世界を目指すというところにも意識がいって、そこは当然目指さなければいけない舞台なので。これで今後アジアを勝ち抜いて世界へという風になっていくのかなと思います。」

—鹿島が今シーズンのリーグ奪還へ向けてのポイントは?
「そうですね。今シーズン抜けた選手、海外へ移籍した選手、他のクラブへ移籍した選手、引退した選手など、主力が抜けていますから難しいシーズンにはなると思いますけど、逆に若い選手にはチャンスになると思いますし、そういう選手が活躍すればよりチームの底上げに繋がる。ただ若い選手だけでなくてベテランと呼ばれる選手含め、全ての選手がレベルアップすること、昨シーズン国内タイトルは取れなかったので、是非そこを意識して戦ってほしいなと思います。」

—中田さんが考える今シーズン注目の選手は?
「若い選手の台頭という意味では、安部裕葵なんかは非常に可能性を持っていると思います。10番をつけて多少プレッシャーはあるでしょうけども、彼のプレーを見ていると僕もそうですし、サポーターもワクワクするようなプレーヤ―なので、彼がそういうプレーを数多く出してくれるとよりアントラーズの勝利に近づくと思いますので裕葵には期待していきたいですね。」

—鹿島で10番つけるのは意味のある事ですか?
「ジーコがつけていて重い番号だと思いますけど、裕葵なら十分プレッシャーを跳ね返してそれ以上のプレー、新しい10番像を作ってくれると思うので期待したいと思いますね。」

—3月1日はリーグ王者の川崎と対戦しますが、この試合の持つ意味は?
「今年一年どちらのチームが主導権をとってリーグ戦を戦っていくかという意味では、両チームとも先手を取りたい、そういう意識を植え付けたいと思うので、間違いなく面白い試合になると思いますし、鹿島としてはそこで勝つことで川崎に精神面でも優位に立ちたいというところはあると思いますね。」

—最後に今シーズンの意気込みを
「とにかく昨年ACLをとりましたけど、Jリーグのタイトルはとれなかったですし、まだ3連覇しているのは鹿島だけなので、川崎に3連覇取らせない、逆に鹿島がタイトルをとってこれからタイトルを取り続ける年にしてほしいなと思いますから、是非サポーターにも一緒になって戦ってほしいと思いますね。」




◆鹿島OB中田浩二が語る今季注目の「ワクワクするプレーヤー」とは?(ゲキサカ)


◆昌子源がフランスで大切にする事。 「ここは鹿島ではないと割り切る」(Number)



昌子源 Gen.Shoji


◆◆報知グラフ / 2019年1月号


 フランスリーグ1の古豪でもあり、歴史的に見れば、フランス随一のクラブと言っていい。現在はPSGが独走するリーグで3位と苦戦しているリヨンだが、それでも貫禄は変わらない。3月3日にそのホームスタジアムへ乗り込んだのは、15位のトゥールーズFCだ。

 開始10分にリヨンが先制、15分にトゥールーズが同点に追いついても、リヨン優勢の流れは変わらない。30分にやすやすと勝ち越し弾を決めると、35分にはPKで3点目をマークする。後半にも3回ゴールネットを揺らした。1本はオフサイドでノーゴールとなったが、5-1と圧倒した。

「レベルの差を前半から痛感してしまった。なんか、子どものように扱われて、非常に苦しかった。早く試合が終わってくれとこんなに思ったのは初めてだった。鹿島でレアルとやったときにもそんなふうに思ったけど」

 試合終了から約1時間後、ミックスゾーンに姿を見せたトゥールーズの昌子源はそう振り返った。1月に移籍してから約2カ月。カップ戦を含めて9試合にフル出場を続けて来たが、初めての上位チームとの対戦は昌子に大きな衝撃を与えた。

「やっとトップレベルのチームと対戦できる、リヨンとやれるというワクワク感はもちろんありました。徐々にフランスのサッカー、選手との間合いを掴めてきたなという手ごたえみたいなものを感じ始めていた。だから、すげー楽しみにしていた。ここで自分がいかにできるかと思っていたから。

 でもなんか、天国から地獄に落とされた。結構メンタル的に落ちるけど、次の試合まで1週間あるので、しっかり切り替えてやっていくしかない」

1対1の対応でもまったく歯が立たず。

 多分、ロッカールームで気持ちを整理するために必要な1時間だったのだろう。それでも、試合を振り返る言葉は重い。1対1の対応でも、まったく歯が立たなかった。もちろん体格差もあるし、スピードも違う。なによりも、日本人にはないアジリティを持った一流選手が相手だ。そう簡単に阻止できるわけではない。

 身体能力で劣ることは承知している。だからこそ、間合いを読む、考えることで、その差を埋めなくてはならない。それでもその判断を上回る能力が相手にはあった。

「日本にいた時と同じ対応の仕方をやっていると、ボールがとれない。相手はバランスを崩しているのに、最後に足だけが伸びてきて、知らない間にピョンってかわされている。こちらの感覚的には相手は体勢を崩しているし、マイボールやのに、足だけが残っているんです。

 今日も左のメンディは、左利きで左足にボールを持つ。絶対縦に来るってわかっているのに、クロスまで上げられてしまう。これは多分、日本にはいない相手。これを知りに来たわけだから。でも、いい経験をしたで終わらせられる点差じゃない。これから、このレベルの相手との間合いを掴めるようにならなくちゃいけない」

鹿島の選手は負けた後は笑えない。

 ポゼッション率は61パーセント対39パーセント。そして、シュート数は20本対5本。枠内シュートは10本対2本。データだけを見ても、その差は歴然だ。失点するたびに下を向き、どんどん気持ちが萎えている仲間に対して、昌子は英語やフランス語、知る限りの言葉を使って大きなジェスチャーで鼓舞したが、ピッチ上の空気は変わらなかった。

 大敗したにも関わらず、笑顔を浮かべながら日本人記者に愛想を振りまくチームメイト、 ロッカールームで選手たちを「よくやった」と励ます幹部。昌子はそんなチームの空気にも違和感を抱いているように見えた。

 鹿島アントラーズなら、こんな試合のあとは笑ってはいけない。笑えない。個対個でのプレーが主体で、カバーリングの意識も薄い。強敵を相手にしても組織力でどうにか耐えるという、鹿島や日本代表でやっていたサッカーとは全く違う。自分が立つ場所を改めて再確認するような、そんな試合だったかもしれない。

フィジカルで劣る昌子を獲得した理由。

 その試合から4日前の2月27日、昌子源はトゥールーズの練習場にいた。まだ2月だというのに、気温は20度を超えている。

 約2時間の練習では、ハーフコートを使ったミニゲームに時間を割いていた。その守備陣の中央に立つ昌子は、何本もロングフィードで攻撃を演出していた。そして、プレーが止まるたびに厳しい表情を浮かべる。なにか思案を巡らせているようだ。そんな昌子に対して、チームメイトたちは、すでに信頼感や尊敬の念を抱いているように見えた。

――移籍直後から先発起用が続いていますが、今、ご自身はどういう状態でしょうか?

「やはり、こちらは間合いが日本とは全然違う。懐も深いし、なかなかボールがとれない。そのうえ、冬だったこともあって、柔らかいグラウンドにてこずりました。ずるっとすべってしまうんですよ。そういういろんなことがあって、やっぱり不安にもなった。

 だから、監督のところへ行ったんです。『どうしたら、適応できるのか』って。普通監督と面談する選手って、起用法とかで文句をいうことが多いらしくて、監督は嬉しそうに驚いてました。『お前をとった最大の理由はパスが出せるから、後ろからのビルドアップができるからだ。1対1で吹っ飛ばされるくらい、こっちのフィジカルは強い。日本では小さくはなかったかもしれないけど、ここでは小さいし、スピードもここでは平均的だ。

 まずはそれに慣れろ、そのうえで、今持っている技術を活かせれば、おまえはフランスでトップのクラブにも行ける』って言ってもらえた」

――欧州のなかでもフランスは、強烈なフィジカルを持った選手が多いですよね。フィジカル面以外に、日本との違いはありますか?

「無名の選手でもすごいスピードだったりするから、驚くことはあります。こっちの選手は、チャレンジアンドカバーの意識がない。チャレンジだけです。それでチャレンジに失敗したら独走される。

 それで俺がカバーへ行ったら最初すごい怒られたんです。自分のマークを外すなと。でも、カバーを成功させられる自信があるから行っているので。成功すると、周りはびっくりして驚いている。基本的にハーフウェーラインでボールを取られても、そこでアタックしに行くという選択肢がなくて、ペナルティエリアまで下がる守り方なんです。だから、前で取れそうやなと思っても、なかなかそれができない」

欧州が日本の真上にあるわけではない。

――それでも、チャレンジ、ボールを取りにいかないと評価もされないでしょう?

「そうですね。行って抜かれるのは当たり前みたいなところもありますね。日本だったら、抜かれてしまえば『あいつ軽いな』ということになるけど、ここではそれは全然ノーマルなことで、しょうがないなと。だから監督もチームメイトも、僕がヘディングで勝てないことも当然だろうって感じなんです。まあ、190センチの選手同士が競うわけだから。俺が負けても問題にはならない(笑)」

――大岩剛監督が、「昌子は上のレベルへ行って引き出しを作っているんだろう』と言っていました。試合の結果なども結構把握されていましたよ。

「そうなんですか(笑)。でも、まだその段階には来ていないかな。ただ今思うのは、海外でプレーしてた選手がJリーグに復帰したら簡単にプレーできるだろうって思ってたけど、それはまったく違うなということですね。日本の延長線上、日本の上に欧州があるわけじゃない。上でも下でもないんだなと。

 比べるものでもなくて、まったくの別世界だというふうに思いますね。たとえば、うちの選手しか知らないけれど、彼らは本当に負けず嫌い。1タッチゲームなのに、2タッチしただろうってケンカになるほど(笑)。だけど、プレーやサッカーに対しては非常に原始的というか、シンプルなんです。

 たとえば、日本では最終手段だったスライディングが、こっちではファーストチョイスなんですよ。でも、相手もそれをかわすんじゃなくて真っ正直に突っ込んでくるので、結構それでボールが獲れることもある。そこで、ドリブルでかわすことができる選手が、リヨンやPSGにいる選手なんだと思う」

「めちゃくちゃキックが上手いな」

――欧州でも下位のクラブだと、選手の技術や思考力や発想力、そして視野などが、日本人選手に比べても低いと感じることがあるんですが、いかがですか?

「決定力が意外にないなと思うこともあります(笑)。攻めの部分では僕が起点になるんですけど、最近やっと、僕がボールを持ったときに、正確に出せるとわかっているからライン間で待っていてくれたりするし、『ここにくれ』と要求してくれる。それで、僕が試合でそこへパスを供給すると、『めちゃくちゃキックが上手いな、ボランチをやったらどうだ』って、言われたりして(笑)」

――言葉の壁はどうですか?

「わからないなりにフランス語と英語で頑張っています。わかっている単語だけでの勝負ですけど。『アレ』とか、『サバ』とか、『セボン』とか。まあまあという『タマル』も交えながら。あとは右、左、前、後ろもフランス語で使います。それでなんとか」

――他の選手へのダメ出しはできる?

「怒っている。納得がいかない。そういう感情は態度で伝えることができる。相手も言い返して来ますけど、言われっぱなしになることはないですね」

鹿島で培った「サッカーは勝ってなんぼ」。

――チームは今15位で、残留争いには巻き込まれていませんが難しい状況ですね。

「リーグ戦は6試合勝てていない。こんな状況は鹿島では経験したことがなかった。点が入らないし、1点とられたら、周りがすごい沈むんですよ。そういうところは負けず嫌いじゃないのかって。

 だから、高いプロ意識を持った選手は少ないのかなぁと思います、正直なところ。練習もいつもギリギリに来るし、ストレッチも何もしない。僕がストレッチをしていると、驚いてますからね。『だから源は怪我をしないんだな』って。そういう問題じゃないのに。

 でも彼らも怪我しないから、それでいいんだって感じなんでしょうね。もちろん中にはプレミアでプレーしていた選手もいますし、ボランチのヤニック・カユザックは手本になりますね。彼は大きくもないし、横幅もスピードもないけど、球際はびびらずに行く。ああいうところを僕が身につければと監督も言っているんだと思います。でもまあ、メンタル的にはしんどいなぁと感じることもあります」

――やっぱり鹿島と比べてしまう?

「そうですね。ホームシック感はないんです。ただ、鹿島の試合を見たら、帰りたいっていうか、勝ちたい、優勝したいという気持ちを思い出す。サッカーは勝ってなんぼやし、優勝経験したら、優勝してなんぼってなるし。でも鹿島とは180度違うチーム、残留争いするチームへ来たから。ここは鹿島ではないと割り切っている。

 幸い試合も週1なので、そういうことすら新鮮だし、毎日驚きもたくさんある。そういうのが楽しいですね。ただ、自分としてはこのクラブの環境、雰囲気に慣れたらダメだという意識を持っています。常に新しいことに挑戦したいと考えている。プレーもそうですし、ウェイトトレーニングをやったり、進化するための何かを探して、チャレンジしていかなくちゃいけないと」

柳沢や小笠原は、海外移籍を応援していた。

――海外移籍、ヨーロッパ、フランス……きっと来る前はキラキラしたイメージだったのではないですか? でもそうじゃない。

「ですね。来てみたら、キラキラ具合とか、夢みたいなのは、正直日本のほうがあると思う。(香川)真司くんみたいに、ドルトムントとか、マンチェスター・ユナイテッドってなったら、話は別ですけど。

 チームメイトに言われるんですよ。『日本でいくつタイトル持っていたの?』『6つは持っていたね』と答えると、『なんで、トゥールーズに来たの? もしかして、フランスでは無名だけど、日本では町歩けない選手じゃないのか』って(笑)。イニエスタが日本へ来たこともあって、日本の知名度はすごい。日本でプレーしたいっていう選手は多いですね」

――勝てないと勝利給も入ってこないし(笑)。

「確かに(笑)。でもここから先、自分がどこへ行くのかによっては、今は見えない世界、風景を目にすることもできるわけだから。それを味わいたくてここに来たという気持ちはブレてはいないから。

 たとえ、誰もが認める大きなクラブへの移籍ができなくても、海外へ移籍することに『失敗』はないと思うんです。日本でしか成長できないことと、ヨーロッパでしか成長できないことがあって、その両方を経験する、ヨーロッパを知るだけでも、選手としてはプラスになると思っています。

 こっちへ来る前に、ヤナ(柳沢敦)さんや(小笠原)満男さんと話したんですけど、『試合に出ている出ていないに関係なく、『海外へ行っただけで成功だと俺は思う』って。1カ月ちょっとですけど、日本と欧州との違いを色々気づくことができた。まだまだ、剛さんのいう引き出しを増やすというところまではいかないけど、それでも学びや気づきもあるんですよね。だから、失敗はないと確信しています」

「大事なのは、自信を失わないこと」

 日本ではなかなか感じる機会がないが、ヨーロッパでサッカーを見ていると、「格」や「クラス」の違いというのを目の当たりにすることは多い。どんなクラブでも優勝できるわけではないという明確な格差がそこにはある。タイトルを獲得すれば強化費も潤沢となり、それ相応の選手を獲得できる。そこには高いレベルでの厳しい競争があり、高い技術と意識を持った選手だけが生き残る。

 そしてそれは国内リーグだけでなく、各国リーグの間にもその格差は存在する。20代半ばのリヨンの選手たちは、誰もがプレミアリーグのような上のリーグへのステップアップを望む野心家たちだ。

 そう考えると、リーグ1の15位に位置するトゥールーズの選手にとっては、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出クラス(例えばリヨン)ですら、遥かに遠いのかもしれない。

 日本とはいえ、その国のトップクラブで数々のタイトルを手にしてきた昌子は、意識の高い選手たちの中で、勝利をエネルギーにして成長してきた。そして大きな野心とともに、ヨーロッパへの挑戦を決意。そのチャンスに恵まれたのだから、遠い頂であっても、そこを目指すことを諦めるつもりはないだろう。

「大事なのは、自信を失わないこと。日本では抜かれることもなかった。それを簡単に抜かれてしまう。そういう経験をすれば正直へこむけれど、失点を経験して成長する。日本でもずっとそう言って来ましたけど、それはここでも同じ。トップクラスを経験したいから、ここへ来た。自信とプライドを持って、やっていくしかない」

 リヨンと対戦して味わった衝撃は大きい。でもこれは、鹿島にいれば味わえなかったものだ。下位チームでもがくこともまた、昌子を強くするはずだ。彼は驚くほど冷静に現実を受け入れていた。浮かれた様子は何もない。背負った危機感は昌子源の進化のきっかけになるだろう。


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◆早くもアジアデビュー! 鹿島MF名古は“宿命”背負って戦う「そうやってアントラーズは勝ってきた」(ゲキサカ)



名古新太郎 Shintaro.Nago


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[3.5 ACLグループE第1節 鹿島2-1ジョホール]

 順天堂大から加わった鹿島アントラーズMF名古新太郎がAFCチャンピオンズリーグ初戦でアジアデビューを果たした。「チームとして勝てて良かったけど、自分自身はもっとやらないといけないし、チームとして結果が出たことをプラスに捉えたい」。プロとしての第一歩は自らを見つめる上でも大きな経験となったようだ。

 2018年の大学ナンバーワンMFと称されてきた名古は昨季、特別指定選手としてJリーグデビュー。今季はリーグ戦開幕2試合で出番はなく、大きくメンバーを入れ替えて臨んだACLグループリーグ第1節のジョホール・ダルル・タクジム戦でプロ入り初出場を果たした。

 持ち味は的確なボールタッチと相手の出方を伺いながらのゲームメーク。序盤はなかなか存在感を発揮できない時間帯が続いたが、相手のプレッシングが弱くなってきた後半は最終ラインでボールを散らす場面も増えていった。

「相手の出方が変わったのもあるし、自分がちょっとボールに絡めばチームとしてのビルドアップが良くなるのは分かっていたので、そこは修正しながら、センターバックとも喋りながらやれた」(名古)。

 この日は全日本大学選抜でも共にプレーしたFW山口一真が左サイドハーフで先発。「一真くんは大学からやっていたので、あの人の得意なプレーも分かるし、俺の特長も分かってくれている。『もっと出して』と言われたし、俺も『どうやったら出せる』かと考えていた」。使い方、使われ方には手応えもあり、今後も良好な連係が期待できそうだ。

 あくまでもこの日はカップ戦要員。だが、その立場に臆するつもりはない。「間違いなく連戦になるし、それは強いチーム、勝っていくチームの宿命。そうやってアントラーズは勝ってきたので、その自覚と責任は若い時から持たないといけない」。舞台はどこであれ、常勝軍団の一員として自らのアピールを続けていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)




◆早くもアジアデビュー! 鹿島MF名古は“宿命”背負って戦う「そうやってアントラーズは勝ってきた」(ゲキサカ)





◆ようやく見せた積極シュートも…鹿島FW山口一真の課題「得点に常に絡まないと」(ゲキサカ)



山口一真 Kazuma.Yamaguchi


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[3.5 ACLグループE第1節 鹿島2-1ジョホール]

 放ったシュートは両チーム最多の5本。大卒2年目の鹿島アントラーズFW山口一真が今季初先発となったAFCチャンピオンズリーグ初戦で持ち前の積極性を見せた。しかし、試合後は浮かない表情。無得点という結果に向き合い、「もっと進化していかないといけない」と前を見据えた。

 リーグ開幕節の大分戦(●1-2)、第2節の川崎F戦(△1-1)ではいずれも後半途中に出番を得ながらもシュート0。強みでもあるカットインを警戒してくる相手に対し、なかなか存在感を発揮することができなかった。

 だが、この日はアジアの舞台。スカウティングの厳しさはJクラブほどではなく、持ち前の積極性が光った。それが実を結んだのは前半14分、中央にボールを持ち出してからの右足シュートをGKがファンブル。これを拾ったMFセルジーニョがPKを獲得した。

 しかし、このPKをセルジーニョが失敗し、得点にはつながらず。後半にも反対側のゴールに強烈なシュートをお見舞いしたが、これも相手に阻まれた。「シュートまで行けているのでどんどん増やして点を取りたい」。その姿勢は変えるつもりはないが、その姿勢だけで生き残れる世界でもないことを分かっている。

「シュートの精度、パスの精度、得点に常に絡まないといけないし、そういう仕事を求められている。毎試合そういう仕事ができるようにならないといけない」。昨季は公式戦17試合1得点。今季は精度にもフォーカスし、コンスタントな結果を志す。

(取材・文 竹内達也)


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◆ようやく見せた積極シュートも…鹿島FW山口一真の課題「得点に常に絡まないと」(ゲキサカ)





◆鹿島ロッカーに響いた叱咤…その主はGKクォン・スンテ「鹿島としては物足りない」(ゲキサカ)



クォン・スンテ Kwon Sun-tae


サッカーダイジェスト 2019年2月28日号【電子書籍】


[3.5 ACLグループE第1節 鹿島2-1ジョホール]

 鹿島アントラーズの1点リードで迎えたハーフタイム、ロッカールームでは3度のアジア制覇を経験してきたGKクォン・スンテの怒声が飛んでいたという。「『俺らアジアチャンピオンなのに小さなミスを連発して恥ずかしくないのか』と」(MF安西幸輝)。連覇に向けて白星発進を果たしたアジア王者だが、浮かれるムードはなさそうだ。

「ホームで残念な試合をしてしまって残念」。試合後、ミックスゾーンに現れた34歳の守護神は神妙な口調で述べた。「失点のところより、サポーターの前でこういう試合をしてしまって残念」とホームの観客に思いを向けると、「もっともっと上を目指さないといけない鹿島アントラーズとしては物足りない」と言葉を続けた。

「鹿島アントラーズとして結果はもちろんだし、内容も求められていると思う。前半が終わった後に『俺らはピッチ内で評価されてるんだよ』って話をしたけど、まだまだやらないといけない」(クォン)。そんな思いを受け取った安西は「どこかの気の緩みがパスにも表れるし、しっかりしないと2連覇はない」と気を引き締めていた。

「年間50〜60試合を戦っていかなきゃいけない中で、5試合くらい内容が悪い試合はある。ただ勝ち切ったところに意味はあると思うし、選手たちは波に乗れるきっかけを感じたと思うので、これからもっとやっていかないといけない」(クォン)。この日は後半に内容が向上したとは言い難い。しかし、守護神の叱咤は今後の戦いにこそ生きてくるはずだ。

(取材・文 竹内達也)




◆鹿島ロッカーに響いた叱咤…その主はGKクォン・スンテ「鹿島としては物足りない」(ゲキサカ)





◆鹿島アントラーズvs湘南ベルマーレ 第3節(サンスポ)



永木亮太 Ryota.Nagaki


サッカーダイジェスト 2016年12月22日号2016年12月22日号【電子書籍】


 ・鹿島対湘南の通算26試合では、鹿島が17勝1分8敗と大きく勝ち越している。鹿島にとって湘南は、現在J1に在籍しており、15試合以上対戦したチームの中で最も勝率の高い相手(65.4%)。

 ・鹿島は湘南戦直近6試合で3敗(3勝)。それ以前の今カード14試合で喫した敗戦数と同じ(10勝1分3敗)。

 ・鹿島は今季開幕から2試合連続未勝利(1分1敗)。今節も勝利を挙げられなければ、年間5位に終わった2015年シーズン以来の開幕3戦未勝利となる(当時1分2敗)。

 ・湘南はアウェイでは現在3試合連続未勝利(1分2敗)。今節も引き分け以下だと、敵地では2018年3月~4月以来の4試合連続未勝利となる(当時は5試合連続:2分3敗)。

 ・鹿島は前節川崎戦でのポゼッションが26.6%だった。optaがJ1のデータ集計を始めた2015年シーズン以降では、クラブ史上で最も低いポゼッションを記録した。

 ・湘南は今季、タックル数(44)と、タックル勝利数(30)がリーグ最多。また、タックル成功率はリーグで3番目に高い(68.2%)。対する鹿島は、タックル成功率がリーグワースト(44%)。

 ・レオ・シルバは前節川崎戦でのタッチ数(59)、パス数(37)、パス成功数(25)がいずれもチームトップだった。同選手は今季、チームでもトップのタッチ数(159)とパス成功数(103)を記録している。

 ・武富孝介は今季3本のシュートで3得点を挙げている。それ以前に出場した16試合で放ったシュート13本での得点数と同じ(532日間)。

 ※ファクト内の数字はJ1での成績




◆鹿島アントラーズvs湘南ベルマーレ 第3節(サンスポ)




◆【鹿島】採点&寸評…連覇へ大きな白星発進、最高点はカミナリ落として猛ゲキの守護神(報知)



セルジーニョ Serginho


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 ◆アジア・チャンピオンズリーグ2019▽1次リーグE組 鹿島2―1ジョホール・ダルル・タクジム(5日・カシマスタジアム)

 昨季王者の鹿島(Jリーグ3位)はジョホール・ダルル・タクジム(マレーシアリーグ王者)に2―1で勝利し、白星スタートを決めた。前半43分に東京五輪世代のDF平戸太貴(21)が先制点を挙げ、後半11分にFWセルジーニョが追加点。先発に25歳以下を8人並べた中、2004~05年のアルイテハド(サウジアラビア)に続く史上2度目の大会連覇へ好発進した。

 ◆採点と寸評は以下の通り。

 ▽GK権純泰【7・0】HTに「恥ずかしくないのか?」とカミナリ。ACL3度制覇の実績はピッチ外でも。MOM

 ▽DF平戸太貴【6・0】背伸びせず不慣れな位置で最低限を徹底。貴重な先制点

 ▽DF犬飼智也【5・5】フリーでキックミス×2。コーチングの指示は去年の3倍出ている。後は結果

 ▽DF町田浩樹【6・0】不運な形で失点絡むも、川崎戦での自信ゲットは明らか

 ▽DF安西幸輝【6・0】対面DFの守備意識低く、積極的駆け上がりで持ち味

 ▽MF永木亮太【6・5】周囲が若いのもあり、大人びたプレーが輝いて見えた

 ▽MF名古新太郎【6・5】攻守に戦う姿勢。今後も貴重な戦力。鋭いスライディングに歓声も

 ▽MF遠藤康【5・5】守備で平戸を積極的フォローも、攻撃時は存在感発揮できず

 ▽MF山口一真【5・5】脱・切り札のアピールは不発。バックパスにもう少し愛を

 ▽FWセルジーニョ【6・5】PK失敗も圧巻の技ありゴール。昨季から金森との相性抜群

 ▽FW金森健志【6・0】右に左にボール呼び込む。川崎戦で足首捻挫も「足首めっちゃ強いんで大丈夫です」。本当だった

 ▽MF安部裕葵【5・5】後半25分IN。いつもと逆の右サイドでプレー

 ▽MF三竿健斗【―】後半34分IN。出場時間短く採点なし

 ▽MF土居聖真【―】後半42分IN。出場時間短く採点なし

 ▽大岩剛監督【6・5】先発5人入れ替えで勝利。伊藤、土居、安部ら温存で白星発進は大きい

 ※アルフダイル主審【3・0】ラフプレーを許容し、正当タックルを拒絶。「ブレる」以前の問題




◆【鹿島】採点&寸評…連覇へ大きな白星発進、最高点はカミナリ落として猛ゲキの守護神(報知)





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