日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2024年2月3日土曜日

◆8か月11発…上田綺世はなぜA代表で開花? W杯の挫折から“変貌”遂げた訳【コラム】(FOOTBALLZONE)



上田綺世


カタールW杯で世界トップとの差を痛感、その後の経験が大きな財産へ


「FWは点を取る職業。GKがシュートを止めるのと同じ。FWが点を取ったらもちろんチームが盛り上がるし、それがFWの良さであり、求められること。必要なことだとも思うんで、常に意識していきたい」

 今回のアジアカップが始まる直前、上田綺世(フェイエノールト)は自身に課せられた役割をこう表現していた。

「この大会で何点取ろうとか、そういうのは僕にはない」と数字的ノルマや得点王タイトルへの野心は口にしなかったものの、「自分がゴールしてチームを勝たせなければならない」という責任感を彼なりに感じていたに違いない。

 2024年元日のタイ戦(東京・国立)を体調不良で回避するなど、調整が遅れていた上田は案の定、今大会初戦・ベトナム戦のスタメンから外れた。しかしながら、後半頭から出場し、久保建英(レアル・ソシエダ)のパスを受け、自らドリブルでDFを剥がして右足を一閃。待望の大会1ゴール目をマークする。

 まさかの苦杯を喫したイラク戦では結果を残せなかったものの、崖っぷちに追い込まれるなか、迎えたインドネシア戦では自ら奪ったPKでいきなり先制。後半には左に回り込んだ堂安律(フライブルク)の折り返しをファーで合わせて2点目をゲット。3点目のシュートはオウンゴールと判定され、ハットトリックを逃したものの、グループリーグ3得点という結果を残し、勢いに乗って決勝トーナメントに進むことができた。

「カタール・ワールドカップ(W杯)の時と比べたら、ほぼワンシーズンまたそこからやってますし、環境も変わって、個人的にそのサッカー観もそうだし、成長できてるんじゃないかなという実感はあります」と、彼は中6日のインターバルの間に前向きなコメントを残したほど。その姿はW杯グループリーグ・コスタリカ戦の前半のみで交代を告げられ、世界トップとの差に打ちひしがれた1年2か月前とは明らかに違っていた。

 本人がここまで自信をつけたのは、今季フェイエノールトでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を経験したことが非常に大きいだろう。同ポジションのライバル、サンティアゴ・ヒメネスが君臨するため、ピッチに立ったのはアトレティコ・マドリード戦、ラツィオ戦などのわずかな時間だが、アクセル・ヴィツェルやセサル・アスピリクエタというトップクラスのDF陣から感じた寄せや球際の激しさは、上田にとってのいい学びになったはずだ。

 その基準を体感したのだから、アジア相手、あるいは親善試合レベルで戸惑うことはない。6月のエルサルバドル戦(豊田)から約半年でA代表2桁ゴールという大台に乗せたのも、シュート時に余裕を持てることが大きいだろう。


アジアカップで4ゴール、得点王獲得も視野に


「綺世のようなシュートのうまい選手はなかなかいない。彼がどこまでいくか楽しみで仕方ない」と鹿島アントラーズで2022年の半年間指導した岩政大樹コーチ(現ハノイFC監督)も語っていたが、そのポテンシャルを経験値やメンタル面の成長によって、存分に発揮できるようになったのは確かだ。

 それが1月31日の今大会ラウンド16・バーレーン戦の3点目にも色濃く出ていた。右サイドで毎熊晟矢(セレッソ大阪)がボールを受け、南野拓実(ASモナコ)が裏抜けした瞬間、上田は自分の周りに生まれたスペースを見逃さなかった。そしてパスを受けると、迷うことなく反転して、一目散にゴールへドリブルで前進。相手GKイブラヒム・ルトファラの股を抜く強烈な右足シュートをお見舞いしたのだ。

「相手の隙だったり、フォーメーションの雑さというか、陣形の悪さは何となく自分の中でも背後を狙いながら、前半から理解していたので、その隙を突けたのかなと思います。ゴールは今、欲しいから取れるものでもないし、運とかタイミングとかいろいろあるんですけど、今日はタイミング良くチャンスを作って取れたのかな」と上田らしい言い回しで喜びを滲ませた。

 これで今大会4ゴール。目下の得点ランキングトップはすでに敗退が決まっているイラクの大型FWアイメン・フセインの6点。その次はカタールのFWアクラム・アフィフと上田の4点だ。つまり、彼はこのままいけば得点王タイトルに手が届くかもしれない。過去の日本代表でその称号を得たのは、2007年東南アジア4か国共催大会の高原直泰(沖縄SV代表)だけ。5ゴール以上をマークした日本人選手もいないだけに、上田にはまず6点を奪って、前人未到の領域に辿り着いてほしいものである。

「もともと彼が持っている能力が結果に表れていると思います」と森保一監督も太鼓判を押していたが、大迫勇也(ヴィッセル神戸)が代表を離れたあと、ずっと待ち望んでいたエースFWの出現にようやく目途がついたと感じているかもしれない。

 実際、バーレーン戦の上田は迫力あるシュートだけなく、相手DFを背負ってタメを作る仕事も精力的にこなしていた。そこが長年の課題と言われてきたが、そこも確実に良くなっている。遠藤や久保、毎熊や堂安ら周囲の面々も安心して彼にボールを預けられるようになったのではないか。そういう信頼を勝ち得てこそ、エースFWというに相応しい選手。今大会の彼にはそれだけの風格が感じられる。

 中2日で迎える準々決勝の相手イランにはイタリア1部の名門ASローマでプレーするサルダル・アズムンがいる。前回大会でも長友佑都(FC東京)が「彼と大迫はアジアでは頭1つ抜けている」と評したスケールの大きな点取り屋と真っ向勝負するというのは、上田にとっていい機会。そこでアズムン以上のインパクトを残せれば、日本の優勝確率も一気に上がるし、フェイエノールトでの自身の立場もいい方向に変化するはずだ。

 この1年間で代表11ゴールというのは並大抵のことではない。それだけ今の上田は勢いに乗っている。伸び盛りの今を逃す手はない。一気に突き抜け、絶対的エースへと上り詰めてほしい。まずはイラン戦で日本を勝たせる得点を奪うこと。それが先決だ。




◆8か月11発…上田綺世はなぜA代表で開花? W杯の挫折から“変貌”遂げた訳【コラム】(FOOTBALLZONE)





◆今大会4戦4発のFW上田綺世「個をぶつけて通用させないと」日本人アジア杯1大会最多得点まで「1」(スポニチ)



上田綺世


 日本代表は2日、あす3日のアジア杯準々決勝イラン戦へ向けてドーハ市内で最終調整を行った。

 今大会得点ランキング2位の4得点を挙げているFW上田綺世(フェイエノールト)は「やることは変わらない。個の特徴を出し合わないといけないし、個をぶつけて通用させないといけない」と気持ちを高めた。

 三笘効果にも期待が掛かる。19年ユニバーシアードや東京五輪など様々な大会でチームメート。今大会は決勝トーナメント1回戦バーレーン戦のわずか12分間の競演だったが「長くやっているので。薫くんが顔を上げるタイミングやボールを離すタイミングを理解していれば、ボールを出してもらえる。こないだプレーした感じでも“合わない”感覚はなかった」と口にした。

 アジア杯の日本人最多得点数は高原直泰の「9」。同一大会に限れば2000年大会の高原、西沢明訓の「5」が最多得点となる。第2次森保J最多の9戦11得点を叩き出すエースストライカーが、レジェンドたちと肩を並べる。





◆今大会4戦4発のFW上田綺世「個をぶつけて通用させないと」日本人アジア杯1大会最多得点まで「1」(スポニチ)




◆新生・鹿島は上昇できるか 常勝軍団復活へ期待高まる一方…「懸念も見え隠れ」【コラム】(FOOTBALLZONE)



ランコ・ポポヴィッチ


ポポヴィッチ新監督の下、実戦機会でスタイルの方向性を明示


「揺さ振れ、揺さ振れ」

 鹿島アントラーズのベンチから声が飛ぶ。しかし、この指示は今のチームではない。2020年のザーゴ監督が指揮を執っていたときのベンチから発せられた言葉だ。

 ザーゴ監督時代の鹿島は後方のDF陣と中盤の選手が横にパスをつないで相手守備の体勢を崩し、そこを突破口としてゴールを目指すサッカーをチームスタイルとしていた。この戦術は完成を見ることなく終わる。相手を完全に崩すことに意識が向かい過ぎ、ゴールを決めるという本来の目的が二の次になってしまったことが機能しなかった要因だ。

 サッカーでボールを持った選手の前方が、まったくのクリアになることはそれほどない。状況によっては相手DFとの1対1での勝負が必要となる。それをあくまでも戦術によって完全に崩すことを念頭に置いてしまったザーゴ監督時代のチームは、手数が必要以上に増えることによってミスが生まれ、あるいは時間をかけ過ぎて相手の守備体系が整ってしまい、その頑強となった砦に跳ね返される状況に陥った。

 新シーズンに向けて鹿島が招聘したランコ・ポポヴィッチ監督もボールを保持することを重視している。ただ、ザーゴ監督時代の鹿島と比較すると、前線にボールを早く送る意識がより強く、さらに局面によって打開する方法を戦術と個人の力の2通りで使い分けている。実際に30日に行った徳島ヴォルティスとのトレーニングマッチでは目指すスタイルが機能し、流れるような連係プレーが展開された。

 タイトな守備で相手の攻撃を封じてマイボールにすると、グループによるダイレクトプレーでの崩しを見せたかと思うと、打って変わって一気にロングキックでボールを前線に送りゴール奪取を目指す。

 昨年の岩政大樹監督のチームでも後方からのロングパスで得点を狙うプレーは見られたが、そのパスは前線の選手につながるかは一か八かのギャンブル的要素が強かった。だが、ポポヴィッチ指揮下のチームでは、選手間での意思疎通ができていて、その攻撃にも意図を感じる。

 監督が示すチームのコンセプトを選手たちが着実に吸収しているように見えた。強化アドバイザーを務める鈴木満氏も昨年は攻守に渡ってどうプレーするのかという明確な方向性があまり示せなかったが、今年は監督のコンセプトがしっかりと伝えられていると話す。戦うスタイルの方向性は定まっているということだ。そして、徳島戦では合格点の内容を見せた。

しかし、それはあくまでもトレーニングマッチでしかない。なにより相手の守備意識が鹿島以上に高く、サッカーをさせてもらえない状況において、この攻守が連動したスタイルがどれだけ力を発揮できるかは、今のところ未知数に思えた。守備面で激しく戦うスタイルは、相手の出方によっては荒れた潰し合いとなることを誘発するのではないかという懸念も見え隠れする。

復活を目指す鹿島のチームレベルは公式戦を戦ってみて、初めて見えてくる。ただ、ここ数年の優勝争いに加われず、試合内容でも閉塞感があった低空飛行の状況から、鹿島は上昇する術を身につけてきていることは間違いない。





◆新生・鹿島は上昇できるか 常勝軍団復活へ期待高まる一方…「懸念も見え隠れ」【コラム】(FOOTBALLZONE)





◆鹿島、J2甲府に0―2で敗れる 対外試合3試合目で初黒星(報知)



垣田裕暉


◆練習試合(45分×2、30分×1) 鹿島0―2甲府(2日、宮崎・ひなた宮崎県総合運動公園)

 鹿島はJ2甲府と練習試合を行い、0―2で敗れた。対外試合3戦目で初黒星となった。

*  *  *

 鹿島は宮崎キャンプ中のけがで戦線を離れているMF柴崎岳、FW鈴木優磨に加え、DF植田直通がコンディション不良のため大事を取って欠場。日本代表でアジア杯参戦中のMF佐野海舟を含め、センターラインの主力4人を欠いた布陣で試合に臨んだ。

 1本目は0―0。試合のリズムは鹿島が握り、決定機も2度あったが、生かすことができなかった。DF安西幸輝のピンポイントクロスを二種登録の16歳FW徳田誉が頭で合わせたボールは惜しくも枠外に。ボランチで起用されたFW知念慶がボール奪取からそのまま駆け上がって放ったシュートは、うまくミートしなかった。

 2本目は0―2。指揮官が「2つの顔を見せた。トレーニングでやっていたことを見せていた時間帯は、我々のペースだった。ただチームがバラバラになってプレーした時間帯にいいものが見せられなかった」と振り返ったように、甲府がプレスの掛け方を“鹿島仕様”に修正すると、対応に苦戦する場面が増えた。DF関川郁万が退き、センターバックが19歳の津久井佳祐とユース所属選手になった時間帯に2失点を喫したことよりも、フォーカスするべきは目立ったチャンスを作れなかったことだろう。

 続く3本目は内容に改善も見られたが、得点を奪うことができず0―0に終わった。来日間もない新加入FWチャブリッチは、コンディション調整のため出場が見送られた。

 チームは3日に宮崎市内で練習を行い、キャンプを切り上げる。次回の実戦は、10日にカシマスタジアムで行われるJ2水戸とのプレシーズンマッチ。







◆J1鹿島 宮崎キャンプ J2甲府と練習試合 決定機、課題多く 監督「負けない戦い方も」(茨城新聞)



土居聖真





宮崎県宮崎市でキャンプ中のJ1鹿島は2日、ひなた陸上競技場でJ2甲府と練習試合を実施した。1本目は0-0、2本目は0-2、3本目は0-0だった。特に2本目は連動した攻めを展開することができず、逆にカウンターから失点を許すなど課題が多い試合となった。

1本目は強度の高い守備から主導権を握った。日々磨いている前線からの積極的なプレスがはまり、試合を支配する時間帯が長く続いた。攻めては有効なサイドチェンジやボール奪取から決定機を2度創出した。ただ、ゴールを決め切るには至らなかった。

1本目から一転、2本目は「入りからばたついてしまった」と知念。1本目よりも高い位置からプレッシャーをかけてくるよう修正を図った甲府の守りに対し、攻撃のスイッチを入れる縦パスやロングボールを供給することができず、前線まで運ぶ前にボールを失ってピンチを迎える場面が目立った。

2失点について、ポポビッチ監督は「決定機を決め切れないなら決めさせてはいけない。勝てないんだったら負けないという戦い方を学ぶ必要がある」と語気を強めた。

若手中心の3本目は細かなパス交換から好機を多くつくり、厳しい台所事情にあるチームにとって収穫点と言えるだろう。

チームは3日に午前練習を行い、キャンプを打ち上げる。







◆J1鹿島 宮崎キャンプ J2甲府と練習試合 決定機、課題多く 監督「負けない戦い方も」(茨城新聞)





Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事