日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年6月18日土曜日

◆【鹿島】日本代表FW上田綺世が復帰、京都戦は「先発からいける」。ヴァイラー監督が起用を示唆(サカノワ)






ケガのため代表活動は途中で離脱していたが――。


[J1 17節] 鹿島 – 京都/2022年6月18日18:00/県立カシマサッカースタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督が6月17日、オンラインによる取材に応じて、翌日の京都サンガF.C.戦に向けて抱負を語った。そのなかで日本代表の活動に参加していたもののケガのため途中離脱したFW上田綺世について、すでにチームの全体練習に復帰していて「先発でいける状態だと思います」とスタメン起用を示唆した。

 このインターナショナルマッチウィークの間、セカンドボールへの対応、より素早いトランジション、そして試合の先を読むことなど細かい点を追求してきたという。

「順位表を見て分かるように団子状態で、どこのチームも勝つチャンスがあり、負ける可能性もあります。もちろん自分たちは勝つために一つひとつ準備を怠らずやっていきます。しっかり守りつつ自分たちからチャンスを作ることを意識して練習してきました」

 指揮官は京都戦に向けて、「もちろん詳しく話せませんが、相手チームにも自分たちにも長所と短所があり、その相手のウィークポイントを突いていくことが定石です。それを自分たちは徹底してやっていこうと思っています」と対策について語った。

 また上田について。すでに練習に加わっているようだが問題なく、京都戦の先発起用も可能か? という問いに、ヴァイラー監督は「いいコンディションにあると思います。スタートから特に問題ない状態だと思っています」と答えた。

 先発で行ける状態にある、ということだ。もちろん、そのうえで切り札としてスタンバイすることもあり得るだろう。いずれにせよ、目下得点ランキング1位のリーグ10ゴールを決めているストライカーのメンバー入りは“確実”なようだ。

 また代表活動への参加をどのように考えているのか。その問いにヴァイラー監督は「代表とチームはシステムも戦い方も異なります。その中で、個人のステップアップとして、いい経験になると思います。セカンドボールの拾い方や次の試合展開を読む力など、細かいところを身につけてもらえればと思います」と、選手としての幅が広がるはずだと期待を寄せていた。

 勝負の後半戦へ。リーグ戦は3試合勝ち星がなく、ルヴァンカップも敗退するなど悪い流れを断ち切るためにも勝利を収めて、再び上昇気流に乗りたい。





◆【鹿島】日本代表FW上田綺世が復帰、京都戦は「先発からいける」。ヴァイラー監督が起用を示唆(サカノワ)






◆【鹿島】上田綺世が京都戦で先発できる状態と監督明かす「いいコンディションにいる」(ニッカン)






鹿島アントラーズのバイラー監督(48)が17日のオンライン取材で、FW上田綺世(23)が18日の京都サンガ戦(ホーム)に先発できる状態だと明かした。

日本代表に招集されていた上田は、10日のガーナ戦の試合中に左足を踏まれ、痛みが強く12日に離脱。その後、チームに戻りフルメニューを消化するまでに回復していた。

バイラー監督は「いいコンディションにいる。スタートから出ても問題ない状態にいると思っている」とした。

また、代表活動を経ての上田について「リーグ戦と代表は別で、システムも戦い方も違うが、その中でも個人の彼のステップアップとしてはいい経験になる。その中でセカンドボールの拾い方、次の試合展開を読む細かい部分を身に付けてもらえれば」と今後への期待を語った。





◆【鹿島】上田綺世が京都戦で先発できる状態と監督明かす「いいコンディションにいる」(ニッカン)





◆「暴れられる選手が、チームには必要」 “腐った牛乳”鈴木優磨の真価(集英社オンライン)






カタールW杯に向けた日本代表の強化試合が進む中、日本代表メンバーをめぐる争いも熾烈になってきている。Jリーグでたしかな実績を残している鹿島アントラーズの鈴木優磨が日本代表に選ばれる可能性は?


森保監督に嫌われた選手!?


5月29日、味の素スタジアム。FC東京戦、鹿島アントラーズのFW鈴木優磨の言動が注目を集めた。

2点リードされた終盤、鈴木は右サイドでスローインを受けると、相手ディフェンダーを背負いながら力強く反転し、ペナルティエリアへするりと侵入した。そのポストプレーはしなやかで、相手にボールを触らせていない。無理に寄せてきたところを、その力を利用して入れ替わった。刹那、相手に手を使って引き倒されたように映ったが…。

主審の笛は鳴っていない。

鈴木は、この判定に激怒した。流されたプレーが切れた瞬間、主審に近づいて声を荒げて詰め寄った。そこでVARのチェックに入るも、プレーが切れた時のひと悶着に対してで、PKかどうかのVARチェックは入らない。その代わり、鈴木にはイエローカードが提示された(審判への反抗的な態度、ペットボトルを地面に投げつけたことなどが理由か)。

この処分に、鈴木は呆れた表情を浮かべた。そのままゲームは終わり、腹の虫がおさまらなかったのだろう。試合後の挨拶、彼は”慇懃に”審判の手を自ら握った。

模範的な振る舞いとは言えない。鈴木は、その粗暴さがしばしばやり玉に挙げられる。開幕のガンバ大阪戦では相手FWのパトリックとやり合う中、退場に追い込んだプレーが物議を醸した。勝負においてはなりふり構わない。

「その言動が森保一監督から嫌われて、代表にも戻れない」

関係者の間で、まことしやかにそう語られるほどだ。反感を持つと、悪感情を抑えられない。たとえそこに正当性があったとしても、ネガティブに映る。

「ペットボトルを投げるとか、ああいうのが直らない限り、上には行けないと思います」

FC東京戦後、同世代MFの渡辺凌磨に苦言を呈せられていた。

しかし、鈴木は果たしてそこまでこき下ろされる言動をしたのか?


「腐った牛乳」が戦場では武器になる!?


鈴木は球際でも、かなり激しくぶつかる。東京戦も、ベテランの長友佑都が相手でも構わず、猛然と張り合った。相手を睨みつけるような風貌だけに、何をしても喧嘩腰に映る。
見てくれの問題として、荒くれ者なのだ。

しかし、実は器用なタイプで、華麗なターンなどエレガントな動きをするストライカーと言える。ポストプレーも、サイドに流れるプレーも、技術レベルが高い。相手を背負って巧妙にボールを収め、全身を使いこなし、的確なキックでパスをつなげる。

16節終了時点で6得点。さらに、アシスト数もリーグトップを争い、前線のプレーメーカー的センスもある。繊細な技術と体躯を生かしたダイナミズムを感じさせる選手だ。

ただ、驕慢で尊大なイメージが強く残ってしまう。彼自身、ピッチを戦場と心得ているのだろう。その熱量は、おそらく本人も持て余すほどで、味方以外にとっては鼻白むところもあるかもしれないが…。

それは一つの衝動だ。

勝利に向かって、感情に突き動かされるように体を動かす。ピッチではその本能だけ、が時に正義になる。憎まれ子世に憚る、というのか。

「Mala Leche」

スペイン語で、それは「腐った牛乳」が直訳になる。そこから転じて、「感じの悪さ」「不快さ」「不機嫌」となる。一般社会では、褒め言葉とは言えないだろう。しかし、サッカーの世界では「Mala Leche」がしばしば求められる。鈴木のケースは、まさにそれに当てはまる。

彼らのような選手は一見して感じが悪く、独善的で、周りと折り合いをつけない。たとえ悪意はなくとも、敵意は旺盛で、自らの正義で行動し、それが敵味方関わらず、周囲と摩擦を起こすことがある。言わば、「問題児」と隣り合わせだ。

ただ、それだけのパワーは持っている。それが外に向かって放たれた場合、味方にとって、これ以上、頼もしい存在はいない。敵愾心を燃やし、混迷を打ち破ってくれるのだ。


主将プジョルの忘れられない一言


FCバルセロナが最強を誇った時代、カメルーン代表FWサミュエル・エトーは我が強く、気性も著しく激しかった。ジョゼップ・グアルディオラ監督からは当初、戦力外通告を受けていたほどである。全身全霊で戦う精神は持っているのだが、感情の起伏が激しく、敵意が燃えると手が付けられず、周りと安定した関係を保つことが不得意だったと言われる。

「自分を”我が強い人間だな”と思うことはある。考えていることは何でも言っちまうし。でも、その気の強さが自分を後押しし、苦境でも助けてくれた。俺はチームが悪い時こそ、アグレッシブに敵に立ち向かう」

バルサ時代にインタビューした時、エトーは不敵な顔で語っていた。エトーが発した覇気は、バルサに勢いを与えた。宿敵レアル・マドリード戦では、復讐心すら滲み出るプレーで勝利の立役者になった。猛然とした戦いが、チームメイトにも伝播した。

「サミュエル(エトー)のMala Lecheは、パワーダウンしかけたチームに力を与えた。みんな、どこかで仲良し集団になってしまうところがある。彼のおかげで、緊張感を持って戦うことができたんだ」

当時、バルサのキャプテンだったカルラス・プジョルが洩らしていた言葉が忘れられない。エトーはチーム内で周りの空気を読まず、ゴールにつながるパスを強く要求し、それは感じが悪いほどだった。一方で、ピッチに立てば先頭でボールを追い、その闘争心が集団の停滞を打破した。

かつてJリーグ3年連続得点王に輝いた大久保嘉人も、タイプ的にはエトーと同じだった。


「暴れられる選手が、チームには必要なんだよ」


大久保は練習であっても、「パスを出せ」と要求し続けた。理不尽なタイミングもあったはずで、周りには不満を感じた味方もいただろう。いわんや、敵に対してはなりふり構わなかった。イエローカードはJ1歴代最多の104枚。たとえ「乱暴者」のレッテルを貼られても文句は言えまい。しかしJ1通算最多の191ゴールを叩き出すためには、その気性が必要だった。

「暴れられる選手が、チームには必要なんだよ」

日韓ワールドカップなどでも活躍した松田直樹が、生前に言っていたことがある。彼自身、猛々しさを隠さない選手で、自分と似て感情量が豊富な大久保、乾貴士、小野裕二のような選手をかわいがった。決して優等生ではない。しかし人間的に可愛げがあって、戦う気持ちを一方向に出せたら、凄まじい力を発揮できるはずだと――。

鈴木が上に行くか、それはわからない。ありあまる気迫に自身が飲み込まれる可能性もある。Mala Lecheは毒にもなるだろう。しかし、その覇気は精度の高いプレーを続けるために欠かせないもので、制御するべき時はあっても、一つの魅力的なキャラクターだ。

今シーズン、鈴木は、(東京戦まで)Jリーグ16試合すべてに先発出場。首位争いする鹿島で、欠かせないストライカーになっている。

W杯日本代表に選ばれる可能性は低い。しかし、ゼロではないだろう。2018年11月に怪我で辞退して以来、招集は遠ざかっているが、修羅場において異色な存在になる。

7月に行われるE1選手権は国内組で戦うだけに招集はあるか?

文/小宮良之 写真/Getty Images




◆「暴れられる選手が、チームには必要」 “腐った牛乳”鈴木優磨の真価(集英社オンライン)










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