日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年5月28日土曜日

◆元日本代表FW鈴木隆行、スクール運営で「10のこだわり」 子供に寄り添う指導が人気の訳(FOOTBALLZONE)






昨春に開校したサッカースクール、5校目となる品川校を6月にオープン


 2002年日韓ワールドカップ(W杯)に出場した元日本代表FW鈴木隆行氏は、昨年春から首都圏で「UNBRANDED WOLVES SOCCER SCHOOL(アンブランデッド ウルフス サッカースクール)」を運営している。6月には5校目となる品川校をオープンするが、「夢を叶えたいと必死で頑張っている子供たちの力になりたい」と、自らがグラウンドに立ち、子供たちに直接指導するスタイルを貫く決意を明かした。

 鈴木氏は現役時代、鹿島アントラーズや欧州クラブでプレー。日本代表でも通算55試合11得点の成績を残し、02年日韓W杯では初戦のベルギー戦(2-2)で殊勲のゴールを決めた。現役引退後は解説者としても活躍するなか、昨春からスクールを本格的に立ち上げ、約1年でこれまで白金校、光が丘校、吉川美南校、千駄ヶ谷校と4校を運営してきた。

 スクール名の「UNBRANDED WOLVES」とは、「何にも左右されない、独自の色と力を持つ選手」という意味を持っており、小学生年代から自分で考えて決断する「自立心」と、技術を身に付けさせるスクールにしたいとの想いが込められている。そしてこのスクールの最大の特長は、“W杯戦士”である鈴木氏自らがピッチに立ち、子供たちと一緒にボールを蹴りながら直接指導する点だ。練習中は1人1人の名前を呼び、トレーニング後にはその日のプレーで気になった点や改善点をアドバイス。子供たちに寄り添う指導が人気の理由となっている。

 鈴木氏が小学生年代を指導するうえでこだわっているのは、以下の10項目だという。

[1]基礎技術の重要性を理解させること。
[2]オフ・ザ・ボール時の重要なことすべて。頭の準備と体の準備、ポジショニングなど。
[3]1対1での強さを持つ重要性を理解させること。1対1で強さを出せる技術を身に付けさせること。
[4]攻撃時に数的優位な状況を作り出す意識を持たせること。
[5]ボール保持時、その瞬間で適正な判断ができるように、常に複数のプレーイメージを持たせながらプレーさせる。
[6]情熱を持ってサッカーと向き合い、強い気持ちをプレーに出せるようにする。
[7]攻守の切り替えを速くする重要性を理解させる。
[8]守備の重要性とポジショニングを理解させる。
[9]情熱を持って指導する。
[10]愛情を持って子供たちと向き合う。


育成指導に尽きない情熱「より良いものを子供たちに提供したい」


 日本代表として世界と戦ったストライカーの、そんな情熱と愛情にあふれた指導を直接受けられると人気の「UNBRANDED WOLVES SOCCER SCHOOL」が、小学3~6年生を対象とした品川校(品川カルチャーベース)を6月にオープンする。毎週月曜日に開催される予定で、5月30日と6月6日には無料体験を兼ねたセレクションを実施。合格した14名のみでトレーニングする「Jrベーシッククラス」と、マンツーマン(最大2名)で行う「パーソナルクラス」が用意される予定だ。

 開校から約1年で5校目のオープン。育成指導者としてさらなる高みを目指す鈴木氏は、現状について「自信や手応えはあるが、上手くいかないところも多々ある。常に改善し、より良いものを子供たちに提供できるよう努力したい」と語っており、今後もグラウンドに立ちながら、1人でも多くの選手に自身の経験を伝えていくつもりだ。

【品川校の概要】
会場:品川カルチャーベース
対象:小学3~6年生
開催日:毎週月曜日(年間40回)

【無料体験兼セレクションを開催】
品川校では5月30日(月)と6月6日(月)に、無料体験兼セレクションを開催。その他の4校でも、下記の対象カテゴリで随時無料体験トレーニングを実施している。参加申し込みの詳細は公式サイト https://samurai-ss.com/uwss/まで。

■各校の会場と開催日
白金校:白金スポーツパーク(毎月3回日曜日)
光が丘校:光が丘ドーム(毎週金曜日)
吉川美南校:SoLumコミュニティフィールド(毎週木曜日)
千駄ヶ谷校:東京体育館フットサルコート(毎週水曜日)
品川校:品川カルチャーベース(毎週月曜日)

■対象カテゴリ
白金校:年中~小学6年生
光が丘校:小学3~小学6年生
吉川美南校:小学1~6年生
千駄ヶ谷校:小学3~6年生
品川校:小学3~6年生

(FOOTBALL ZONE編集部)




◆元日本代表FW鈴木隆行、スクール運営で「10のこだわり」 子供に寄り添う指導が人気の訳(FOOTBALLZONE)





◆古巣戦でも自身の特長を発揮 鳥栖戦で1得点を記録した鹿島の走れる司令塔(the WORLD)






鳥栖戦は4-4のドローで終わった

今季鹿島アントラーズへ加入して特長を発揮できているMFが樋口雄太だ。好調なチームを支える司令塔は、古巣戦となったサガン鳥栖戦でも高いパフォーマンスを見せて1得点を記録した。

類まれなるパスセンスを武器とし、鹿島で中盤の要となっている樋口。長短問わず精度高いパスを供給できる男は、昨季の鳥栖でのパフォーマンスを評価され、今季より鹿島へ加入した。ここまでJ1全15試合に出場しており、1得点3アシストを決めている。

そんな樋口は、第15節で古巣の鳥栖と初対戦。正確なパスだけでなくアグレッシブな攻撃参加でチャンスを作った樋口は、3点差と大きくリードされた52分、右サイドから和泉竜司のクロスに合わせて鳥栖への恩返し弾となる今季リーグ初得点を決める。またチームの2点目となる上田綺世のゴールでは、右サイドに顔を出してアシストした鈴木にパスを送るなど得点の起点になっている。ポゼッション時には中盤の深い位置から前線への供給役にもなり、ロングボール成功数は「6」と存在感を十分に発揮する(データサイト『SofaScore』より)。

またJリーグ公式によるスタッツでは、総走行距離数「12.043km」を記録。チームでもっともハードワークしており、鳥栖時代に培った樋口の運動量もこの試合に大きく表れている。今季の鹿島は終盤まで中盤の強度を保ってプレイできているが、それは彼の存在によるところが大きいだろう。





◆古巣戦でも自身の特長を発揮 鳥栖戦で1得点を記録した鹿島の走れる司令塔(the WORLD)





◆【鹿島】ヴァイラー監督が珍しく熱弁した理由は?FC東京戦へ「強いチーム」と気を引き締める(サカノワ)






2試合連続ドロー、アウェーで勝利なるか――。


[J1 16節] FC東京 – 鹿島/2022年5月29日15:00/味の素スタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督が5月27日、2日後のアウェーでのFC東京戦を前にオンラインによる記者会見を行い抱負を語った。

 中3日での連戦が続くなか、FC東京の印象について指揮官は「強いチームだと頭に入っています。ここ数試合勝てずにいますが、タフな試合になります。次の試合に限らず、基本的には常に激しく、新しいチャレンジになっていくと思います」と語った。

 北海道コンサドーレ札幌戦から1週間をおき、浦和レッズ戦とサガン鳥栖の連戦、いずれも全く同じスタメンのメンバーで臨んだ。しかし最近2試合は勝利できず。「スタメンとサブの力の差があり、控えの選手に信頼を寄せ切れていないのか?」といったニュアンスの質問が出た。

 するとヴァイラー監督は珍しくやや感情的に熱く語った。

「サッカーの世界には常に、何万というクエスチョンが存在します。スタメンは11人と決まっています。その中で最善の11人を選ぶのが私の仕事ですが、25人の選手全員を私は信頼しています。彼らを信頼していないということはありません。ただ、交代選手、スタメン、戦術面を含め、その疑問の一つ一つに細かく説明することは申し訳ありませんができません。いろんな要素があり、相手や自分たちのパフォーマンス、天気や気温、いろんな要素が絡んできます。その中での最善を選んでいます」

 今後は暑さとの戦いも待っている。ハードワークを常に発揮するのは難しくなると理解し、「賢い形で対応を求めていきたいです」と言う。

 鳥栖戦ではアディショナルタイムに劇的に逆転をしながらも、ラストプレーで追い付かれての4-4ドロー。FC東京戦で勝点3を奪えれば、この2連続引き分けも報われると言える。誰もが貪欲に勝利を欲している。





◆【鹿島】ヴァイラー監督が珍しく熱弁した理由は?FC東京戦へ「強いチーム」と気を引き締める(サカノワ)





◆鈴木優磨(鹿島アントラーズ)「勝つことこそ正義。鹿島を優勝させるためだけに帰ってきた」(週プレNEWS)






「日本代表で見たい選手」。『週刊プレイボーイ』連載でもおなじみの辛口評論家・セルジオ越後氏が、事あるごとに期待を口にするストライカーの登場だ! そのいかつい風貌に似合わぬ(?)献身的なプレーで、2年半ぶりに復帰した古巣・鹿島を牽引する鈴木優磨選手(26歳)。その素顔と本音に迫った。


■「この風貌だからいいイメージは......」


〈2016年度の天皇杯を最後に国内タイトルから遠ざかっている鹿島だが、今季は開幕から好調をキープ。シーズンの約3分の1に当たる13試合を終えて9勝3敗1分けで暫定首位に立っている〉

――ここまでの戦いをどう感じていますか。

鈴木 若いチームで課題があるなか、うまくいっている部分とそうじゃない部分があって試行錯誤しながらやっているところです。いい雰囲気でやれていますけど、優勝を経験している選手が少ないので、経験不足は否めません。今後、大事な試合で勝ち切れるかどうかがチームの浮き沈みのカギになると思います。

――鈴木選手はリーグ戦全試合に先発出場して6得点4アシスト。自身のプレーについては?

鈴木 評価は自分ではわからないですね。若手の頃はただ突っ走ればよかった。今は年齢的に上のほうになってきてチーム内での立場も変わりましたし、ギラギラする部分を出しながらも、考えながらやれたらという感じです。FWとしては得点やアシストの数字はおろそかにできないし、それプラスでチームを勝たせるために何ができるかなって。 

〈金髪の外見はもちろん、ピッチで闘争心を前面に出すスタイルゆえにエゴイスティックな選手だと誤解されがち。だが、そのプレーはひと言でいえば献身的だ〉

――いかつい風貌に似合わず......と言ったら失礼ですが、チームを助けるようなプレーが目立ちます。

鈴木 この風貌でなかなかいいイメージは持たれないですけど、そこはチームメイトや見てくれている人がわかってくれればいい。自分は鹿島を優勝させるためだけに(欧州から)帰ってきた。そのために鹿島が拾ってくれたと思っているし、とにかくチームが勝つためのプレーを心がけていますね。

――2トップを組む後輩の上田綺世(あやせ)選手がプレーしやすいように、自分が前に行きたい気持ちを抑えてプレーしているようにも見えます。

鈴木 綺世の点を取る能力、パワーや決定力は日本人離れしていますし、チームとして生かさない手はない。だから、自分はなるべく綺世がゴール前の仕事に専念できるように考えています。

ただ、それって我慢じゃなくて、綺世に相手DFがつられて俺がフリーになることもあるし、お互いにどっちがどうではなく、いいバランスでできているかなって。チームが勝つためには陰で活躍したり、気が利く選手も必要で、鹿島はそれが全員でできているということだと思います。

――これまで鹿島は常にJリーグをリードしてきましたが、近年は主役の座を川崎に持っていかれています。そのことについて「面白くない」とのコメントもありました。

鈴木 そうっすね。17年に川崎が初めてリーグ優勝したときも、最後にウチがまくられたわけです。その悔しさは忘れていないし、俺たちがきっかけをつくった以上、俺たちで止めないと。(2節に0-2で敗れているし)現状の力は川崎が上かもしれないですけど、重要なのは最後にどっちが上にいるかです。

〈2020-21シーズンにはベルギーのシント=トロイデンで17得点を挙げ、昨夏には欧州でのステップアップが濃厚とみられていたが、今年1月、鹿島に電撃復帰した〉

――鹿島復帰に当たっての心境は?

鈴木 ベルギーで17点取って、自分自身いいタイミングで移籍できると思っていたし、行きたいリーグもありました。ただ、納得いくオファーがまとまらずに、この結果を出して移籍できないなら厳しいって自分の中でひと区切りついたというか。そこからは鹿島一択でした。俺自身、鹿島をまた優勝させたいという思いが強かったですから。

――ベルギーに残る選択もあったなか、すぐに気持ちは切り替えられました?

鈴木 新しい挑戦をしたかったので、ベルギーに残る選択はなかったですね。だから、けっこう割り切れました。もともと俺は何がなんでも欧州でプレーしたいというわけではなかったですし。

ただ、去年夏の移籍期間の1ヵ月はシビれたというか、二度とできない経験をしました。最後は、いつ(オファーの)電話が来るかとソワソワと待っていて......(苦笑)。

――欧州サッカー好きで有名、いつかチャンピオンズリーグ(以下CL)や英プレミアリーグでプレーしたいと口にしていたこともありました。

鈴木 プレミアに行きたいと思っていましたけど、ベルギーでもFWはフィジカルで勝負するのが大変なのに、それよりはるかに強いプレミアは無理だなって。そこでストライカーとして欧州で生き残るにはどこかと考え、現実的にはドイツかイタリアかなって思っていました。特にセリエAは好きだったし、イタリアを中心に移籍先を探してはいたんですけどね。

――ベルギーでの生活面はどうでした?

鈴木 苦でした(苦笑)。ご飯は合わないし、日本と違って不規則なことがいっぱい起きるんで。

――鹿島で結果を出せば、また欧州挑戦のチャンスがあるかもしれません。

鈴木 それはないっす。俺は一回無理だと思ったら無理だし。帰ってくるタイミングで欧州での夢はすべて捨ててきたので、今後は鹿島のために全身全霊を尽くすだけです。





■「小中学生時代はケンカばっかり(苦笑)」
〈ベルギーで結果を出す以前にも、18年には鹿島のアジアチャンピオンズリーグ優勝に貢献し、大会MVPを獲得。22年カタールW杯を約半年後に控えた今、メディアやファンの間では日本代表の決定力不足解消のため、鈴木の招集を期待する声も多い〉

――代表待望論もありますが、どう受け止めていますか。

鈴木 メディアはいい記事を書きたいだけでしょ。俺が踊らされることはないです(笑)。俺が今興味あるのは、鹿島が優勝するかしないかだけですから。

――それにしても、世代別代表を含め一度も日の丸をつけたことがないのは意外です(*18年11月に日本代表に招集されるもケガで辞退)。

鈴木 縁がないですね。

――欧州サッカーが好きで、CLなどに憧れていたというなら、その延長線上にはW杯もあるのでは。26歳と年齢的にもいい時期ですし、カタールW杯出たくないですか。

鈴木 いや、(ここからは)もうないでしょ(笑)。

――鈴木選手を表現するときに「やんちゃ」という言葉がよく使われますが、小さい頃はどんな子供でしたか?

鈴木 見たまんまです。小中学生時代はケンカばっかりして、しょっちゅう学校に親が呼ばれていました(苦笑)。

――(笑)。今だから明かせるやんちゃエピソードなどありますか?

鈴木 なんだろうな。いっぱいありすぎて......。まあ、負けず嫌いではありましたけど、学校で勝負する必要はなかったですね(苦笑)。

〈ピッチでは時に鬼の形相でチームメイトを鼓舞する熱い姿はおなじみ。勝利へのこだわりは人一倍強く、勝つためには周囲の雑音など気にせず突き進むのがスタイルだ〉

鈴木 フェアプレーはもちろん、子供たちのお手本にならないといけないとか、夢を与えなければいけないってことはわかっています。

でも、俺ら選手はまずは勝つことが大事で、負けたら何を言ってもただの戯(ざ)れ言になってしまうじゃないですか。勝ってこそ伝えられることがあるし、ピッチではダマし合いじゃないけど、いろんな駆け引きがある。

だから、俺は内容ではなく勝ちにこだわっているし、勝つことこそが正義だと思っている。そこに対しては、いろんな意見があるのはわかりますけど、何を言われてもブレることはないですね。

――今季は鹿島のレジェンドで、最も影響を受けた選手だという小笠原満男さんが背負った「40番」を着てプレーしています。プレッシャーにはなっていないですか。

鈴木 逆に意気に感じているというか。満男さんからも「おまえらしく頑張れ」と声をかけてもらいました。07年に満男さんがイタリア(のメッシーナ)から復帰して、そのまま鹿島をリーグ優勝させたことは俺の中に鮮明な記憶として残っています。やるしかないです。

――ここまでは優勝に向けて順調ですね。

鈴木 それは、まだ気が早い。道のりは長いし、もっともっとチームとして成長する必要はあります。ただ、最終的にそこに行けたらいいかなって思っています。

●鈴木優磨(すずき・ゆうま)
1996年生まれ、千葉県出身。鹿島ユースから2015年にトップチーム昇格。18年に鹿島が制したアジアチャンピオンズリーグでは大会MVPに。翌19年夏に加入したベルギーのシント=トロイデンで2年半過ごした後、今年1月に鹿島に復帰。182㎝、75㎏





◆鈴木優磨(鹿島アントラーズ)「勝つことこそ正義。鹿島を優勝させるためだけに帰ってきた」(週プレNEWS)





◆【鹿島】「勝利のために100パーセントやる」後半の4ゴールを下支えした和泉竜司の献身性(サッカーダイジェスト)






指揮官は「相手が予測できないチーム」を目ざす


[J1第15節]鹿島4ー4鳥栖/5月25日/県立カシマサッカースタジアム

 4失点を喫している以上、評価が分かれる試合と言えそうだ。鹿島はホームに鳥栖を迎えた一戦で、4-4の引き分けに終わった。

 31分に許した田代雅也のゴール以降は攻守で歯車がかみ合わず、38分には宮代大聖に、後半立ち上がりには元チームメイトの小泉慶に“恩返し弾”を決められ3点のリードを許す。

 連戦の疲労なのか、どこか集中力が欠如する場面や、相手の攻撃に対して後手を踏む場面が見られたのは事実。怒涛の反撃で3点のビハインドをひっくり返し、大きく蹴り出せば試合が終わったであろう最終盤に、攻め込まれて2本のCKを許し、こぼれ球への反応で相手選手に負けて同点弾を奪われる脆さもあった。

 一方で、3点を追う後半に、樋口雄太にリーグ戦初ゴールが生まれ、上田は得点ランキングトップとなる9得点目をゲット。アディショナルタイムには今季出場時間を減らしている土居聖真が途中出場からJ1通算50ゴールとなる節目のゴールで同点とし、染野唯月のJ1初得点で一時は逆転に成功するなど、今後にもつながりそうな価値あるゴールが生まれたのは好材料だ。

 特に、攻撃時には、2トップの一角の鈴木優磨が左右に開き、チャンスを創出。上田、土居の得点は、鈴木の空けたスペースを上手く使うなど、前線での流動性が生まれているのは大きな収穫だ。

 レネ・ヴァイラー監督が目ざす、「相手が予測できないチーム」を実践できるようになっている。

「スペースの作り方、使い方で、必ずしも同じ選手が同じ場所を使う必要はありません。誰かがチームで作ったスペースに入っていけば何も問題はありません。守備のときも、その状況でそこにいる人が対応すれば問題ありません」

 後半に4ゴールを奪取した鳥栖戦で、指揮官の理想とする攻撃を陰ながら支えたのは和泉竜司だ。試合序盤は右サイドハーフとしてプレーし、メンバー交代を重ねるなかで右SB、最後は3バックの一角を担うなど、終盤の猛追を下支えした。

 和泉は、「今日はSBもやりましたし、その後は3バックの一角もやりました。準備していたわけではなく、展開によって務めることになりました」とし、「ボールを動かすなかで相手の嫌がるところを意識していた。優磨が右に下りて、ポジションを変えながら、お互いを見ながら良い関係を作れていた」と鈴木との連係にも手応えを感じているようだ。

「全員で戦っているので。広島戦ではピトゥカがCBに入った時間帯もありましたし、監督としては、誰がどこというイメージはないと思う。しっかり全員がどこで出てもやるべきことや、勝利のために100パーセントやることが大事」と自分だけが特別ではないと言い切る。

 さらに、今後に向けて「連戦なので、(ピッチ上の)11人、(ベンチ入りの)18人でやっているわけではなく、チーム全員で戦っています。(浦和戦、鳥栖戦と)2試合引き分けているので、次はしっかり勝ちたい」と次節のアウェー・FC東京戦を見据えた。

 3か月の治療期間を必要とする荒木遼太郎や名古新太郎、負傷離脱からまだ実戦に復帰できていないエヴェラウドや、仲間隼人など苦しい台所事情のなか、指揮官の采配を助ける和泉の活躍に注目だ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)





◆【鹿島】「勝利のために100パーセントやる」後半の4ゴールを下支えした和泉竜司の献身性(サッカーダイジェスト)





◆鹿島ヴァイラー監督が前節4失点の守備に言及「もうちょっとうまく守らないと」(スポニチ)






 首位・鹿島のヴァイラー監督が守備の改善を求めた。前節・鳥栖戦は0―3から怒濤(どとう)の反撃で4得点を奪って一時は逆転したものの、ラストプレーのコーナーキックから失点して引き分けに終わった。「もうちょっとうまく守らないといけない。失点が多いのは改善点があることだと思う」と振り返った。

 29日は中3日でFC東京(味スタ)と対戦する。体力消耗の激しいインテンシティー(強度)の高いサッカーを志向する分、試合間隔が短い日程は“苦手”。過去には横浜、広島と過密日程では3失点するというデータもある。特に試合日は真夏日も予想されているだけに、ヴァイラー監督は「もちろん気温の変化に対応するのは求めていく。気温が上がることで今みたいな走り方ができなくなるとは思っている」と戦い方に柔軟性を持たせることも示唆した。





◆鹿島ヴァイラー監督が前節4失点の守備に言及「もうちょっとうまく守らないと」(スポニチ)





◆好調・鹿島をけん引する鈴木優磨の大きな武器は ここまで“7アシスト”と得点創出でも貢献(the WORLD)






鈴木の2アシストで鳥栖にドロー


近年でもっとも良い前半戦を過ごしていると言える鹿島アントラーズ。好調の要因は、鈴木優磨の復帰によるところが大きい。ベルギーでシーズン17ゴールを決めた得点力はもちろんのこと、彼の黒子に徹することができる力が、鹿島の攻撃に厚みを持たせている。

今季の鈴木はJ1で15試合に出場し、6ゴールを挙げている。上田綺世とのコンビで得点を量産しており、リーグでもトップクラスの2トップといえるだろう。今シーズンの鈴木はアシストもすでに「7」を記録。自らフィニッシャーになるだけでなく、決定機を創出する力も持ち合わせ、ピッチで表現できているのだ。上田が9ゴールを決めて得点ランキングトップに立っている要因として鈴木の存在も大きい。

第15節のサガン鳥栖戦では終了間際に3ゴールが入り、4-4と壮絶な点の取り合いとなった。この試合で鈴木はゴールこそなかったものの、2アシストを記録してチームの得点に関与している。特にチームの2点目となる68分のゴールでは、右サイドに流れた樋口雄太にボールが入ると、鈴木は相手ディフェンスラインの間に顔を出す。ボールを受けるとマークに付いていた守備を切り返しでかわして中央の上田にパスを送る。リーグトップスコアラーは、そのチャンスを逃すことなくゴールネットを揺らし追撃となる得点を挙げた。

鈴木は切り返したタイミングで、ストライカーとしてシュートを考えたかもしれない。しかし、中央でフリーとなっていた上田へラストパスを送ることができる余裕が今の鈴木にはあるのだ。同点弾となった土居聖真のゴールもアシストして意地を見せた鈴木。勝利こそできなかったが、圧倒的な劣勢の中、彼の献身的なプレイが鹿島に勝点をもたらしている。





◆好調・鹿島をけん引する鈴木優磨の大きな武器は ここまで“7アシスト”と得点創出でも貢献(the WORLD)





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