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[1.23 アジア杯準々決勝 日本1-1(PK4-5)UAE シドニー]
日本代表は23日、アジア杯準々決勝でUAE代表と対戦し、1-1のまま突入したPK戦の末、PK4-5で敗れた。前半7分に今大会初失点となる先制点を許した日本は後半36分、途中出場のMF柴崎岳が同点ゴール。1-1で延長戦に突入すると、120分間でも決着が付かず、PK戦で敗れ、96年大会以来、5大会ぶりのベスト8敗退となった。
以下、試合後の選手コメント
●FW本田圭佑(ミラン)
―PK失敗の場面は?
「GKの反応を見て、ちょっと強めに蹴ろうかなと最後に切り替えて、その結果、しっかりと当てられなくて、ああいう感じになった」
―ベスト8敗退という結果については?
「現実ですからね。僕らが敗者であることは間違いない。中2日でも我々のほうがいいサッカーをしていたのは間違いないし、勝負を決する場面もいくつかあった。それができずに、PKまで行って負けてしまったのは、何かしら自分たちに責任があると受け止めざるを得ない。一番悔いが残るのは、追加点を取ってPKまでに試合を決することができなかったこと。最後、シュートを打つ選手が枠内に入れていれば(得点が)入ったという場面もあった。それをつくれていないなら、手詰まりということになるけど、手詰まってはいない。決定力のなさというところ」
―前回は優勝だった。
「現実は厳しいなと。4年前は何とか優勝できて、今回はトーナメントの1回戦で現実を突き付けられた。なかなか思いどおりにいかないのがサッカーだなと思うし、相手を上回っていても勝てないのがサッカー。前回は挑戦者として何とか優勝した。ある程度、優勝するんじゃないかと前回以上に期待されている中で臨んだ今度の大会では、プレッシャーというものに結局、打ち勝つことができなかった。我々が未熟だったので、期待に応えることができなかった」
―足りなかった部分は?
勝つ(ための要素)には、クオリティー以外のものがたくさんある。それはボールを扱う以外の部分。ボールを扱う部分では相手をまさっていたのに試合に勝てないということは、間違いなくそこが欠点。経験とか、厳しい勝負に慣れていないとか。勝たないといけないプレッシャーの中で勝てないのは、そういう精神力を持ち合わせていなかったからだと感じている」
―4年前のチームより完成度が低かった?
「前回は優勝して、今回は優勝できなかったから、前回が上回っているかというと、結果ではそうだけど、いろんなものを見たらそうじゃない。前回もよく優勝できたなという形で優勝した。クオリティー、チームの完成度という点では、サッカーの戦い方においては、今回の大会のほうが高かった。でも、それと勝負を制するのはまた別だということを痛感させられた」
―柴崎にFKを譲った場面は?
「結論から言うと、僕が(柴崎)岳に任せた。壁の右に10番(オマル・アブドゥルラフマン)が立っていて、一番(身長が)小さかったので越えやすいかなと思った。壁にも慣れていないかなと。ああいう選手はボールが来たらよけるので。実際、よけていたし、惜しかった」●FW乾貴士(フランクフルト)
「立ち上がり、フワッとしたところがあの失点につながった。あの失点で苦しくなったのは事実。ああいうのはなくしていかないといけない。決め切るところで決め切れなかったのは、もっと精度を上げないといけない」
●MF香川真司(ドルトムント)
「点を取れなかったし、結局は負けたので、責任を感じるし、申し訳ない」
―PKを失敗したこと?
「試合の中でもチャンスがあったし、PKもそうだし、申し訳ない。負けたのですごく悔しいし、自分が決めていれば勝てたシーンもあった。すべて申し訳ない」
―立ち上がりに失点した。
「みんな冷静にやれていたし、チャンスもあった。しっかり決めれば逆転する自信はあった。1点では勝てなかった。決めたかったし、チャンスを逃し続けた結果、こういう形になった」
―前回の試合で1点取って楽になったかと思ったが?
「決める自信はあった。でも決められなかったのは自分の実力。決めなかったという事実だけ。それを受け止めてやるしかない」
―準々決勝敗退という結果については?
「こんなところで終わるつもりはなかった。でも、負けてしまったら取り返しは付かない。今は悔いしか残らないけど、必ず意味があると思う。若い選手が点を取って、いい雰囲気だったのに、自分が外して負けたのは悔しいし、申し訳ない。でも、時間は返ってこないし、今はしっかりと切り替えていくしかない」
●MF柴崎岳(鹿島)
―同点ゴールを決めたが、勝てなかった。
「結果に結びつかなかったのなら、結果に値するプレーではないということ。数あるチャンスはつくれた。そこで決め切れなかったのは個人としては残念。ゴール前での精度、質を上げていかないといけない」
―途中出場でどんなプレーを意識した?
「スペースがあったので、なるべくボールタッチを多くしようと思った。動きを多くしながらリズムをつくった。いい形はできた」
―得点シーンは?
「イメージどおりと言えば、そう。(本田)圭佑さんが、自分が落としてほしいところに落としてくれた。結構、イージーなボールだった」
―最後のFKは志願して蹴った?
「壁が低い場所があったし、GKの位置を見ながら相談というか、(本田)圭佑さんと話した。あそこはビッグチャンスだった。非常に残念です」●MF長谷部誠(フランクフルト)
「終わったばかりなのでなかなか整理は難しいけど、今日の試合に限っていえば120分であれだけチャンスをつくって1点しか取れていないというのは、自分たちの決定力不足であり、力不足だと思う」
―失点の場面は?
「1回目のピンチのところではボールの取られ方が非常に悪かったし、1失点目の場面はまったくDFラインが集中していなかった。ボールを出した選手に対するプレッシャーもまったくなかった。一つというよりはミスが重なった感じがある」
―立ち上がりにミスが続いた。
「ただ、その10分の中で自分たちも何回かチャンスをつくっていた。これまでの相手よりは多少、オフェンスのクオリティーが高かったと思う。ただ、あれくらいのレベルのクオリティーのチームに短い間にチャンスをつくられるというのは集中していないということだし、なかなか説明しがたい」
―ミーティングはした?
「いや、そういうのはなかったけど、決勝トーナメントに入ったら一発勝負だとみんな分かっていたし、監督も試合の入り方をしっかりと持っていってくれていたので、そこに関しては問題なかった」
―フィジカルの問題か、メンタルの問題か。
「一概に立ち上がりに集中していなかったかと言われると、そういうことも正直なくて、自分たちもしっかりチャンスはつくっていた。失点場面に関して言えば、確かに集中していなかった。ボールホルダーに(プレッシャーに)行けていなかったし、DFラインは寝ていたし、それはなかなか説明がつかない」
●MF遠藤保仁(G大阪)
「トーナメントでは結果がすべて。残念な結果。これだけチャンスをつくったのに負ける。サッカーの怖さをあらためて学んだ。徐々に相手の足も止まっていたし、苦しみながらも同点に追いついて、もうひと押しというか、ビッグチャンスもあった。そこで決めるか決めないかが拮抗した試合では大事。そこで決められなかったことは残念」
●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「ゲームに入り切れなかったと思うし、失点に関しては僕のミスだと思う。ただ、時間も十分あったし、負けるとは思っていなかった。大会の中でもまさかここで負けるとは思っていなかったので、今はもまだちょっと信じられない」
―入りがうまくいかなかった要因は?
「いろんな要素があると思う。相手が前から来ていたし、もしかしたら中2日で体がしっかりフィットし切れていなかったかもしれない。いくらグループリーグで無失点を続けていても、あの1点で敗れてしまっては何の意味もない。あの1点でDFラインの評価がガラッと変わるというのは、DFとしてはアンフェアだと思う部分もあるけど、それが自分の仕事だし、そのミスに関しては全責任を負わないといけないので、言い訳するつもりはない」
―今大会の課題は?
「いつもそうだけど、上のステージに行けば行くほど、一つのプレーが命取りになる。それは試合前にも言っていたし、まさにそういう試合だったと思う。そこに尽きるかなと思う」
―点を取り切れなかった。
「ボールを持てていたし、やっていても明らかに僕らのほうがチームとしてレベルが高いと感じていた。それでも点が入らなくて勝てないときはある。それがサッカーだし、受け入れるのは難しいけど、負けたチームがたくさん話しても言い訳にしか聞こえない」
●DF森重真人(F東京)
「前半の最初のほうは相手のほうがよかった。その中での1失点だった。何でもない縦パス1本。そこは反省しないといけない。自分と(吉田)麻也の間に麻也の後ろから相手が下りてきた。麻也が見るならしっかり麻也が見ないといけないし、自分が見るなら、相手を視野の中に入れてできたらよかった。ただ、それ以上に自分も含めてチャンスはあった。それを決められない自分たちの弱さ。延長を含めて2点目を取りに行けなかったのはまだまだだと思う。PKのところは何も語ることはない。延長までの戦いで試合を決めれなかった。そこはしっかり反省すべきことだと思う」
―失点シーンはパスの出し手もフリーだったが?
「相手がフリーで蹴れる状況なら自分が下がらないといけない。自分もあの1本を出されて、ゴールまで行くとは思ってなかった。自分と麻也の距離が空いてしまった」
―中2日で疲労は?
「疲労の部分でどうこう言いたくない。最後の精度が足りなかったから負けた」
●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「フィールドの選手はやれることをやってくれたと思うし、最後は自分の役割だった。そういうところで自分の仕事ができなかったことは残念。自分自身、力不足だなと思う」
―早い時間に失点した。
「向こうが最初はかなりアグレッシブに来ていた。失点の前にも裏に抜けられる場面があった」
―PK戦では相手の1本目がトリッキーなキックだった。
「自分は1本1本と考えていたし、1本目をああやって蹴られたからといって特に気にしなかった」
(取材・文 西山紘平)