日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年1月21日火曜日

◆「才能がある選手には、どうしたって才能がある」1アシストの柴崎岳をデポルティボ監督が大絶賛!(GOAL)







デポルティーボ・ラ・コルーニャのフェルナンド・バスケス監督が、日本代表MF柴崎岳を絶賛した。スペイン『ラ・ボス・デ・ガリシア』が伝えている。

19日に行われたリーガ2部第24節で、首位カディスとの一戦に臨んだデポルティーボ。そんな大一番で2試合連続のスタメン入りを果たした柴崎は65分、アタッキングサードで前を向くと右足で絶妙なパスでサビン・メリノのシュートをアシスト。チームはこの1点を守り切り、首位チームを破っている。

一時期は最下位に低迷していたデポルティーボだが、これでリーグ戦4連勝(F・バスケス監督就任以降は3連勝)を記録。未だ20位と苦しむものの、復調の兆しを見せている。そして、前半戦は負傷などの影響もあって不振に陥っていた柴崎もきっかけを掴んだのかもしれない。直近公式戦3試合でフル出場を果たすなど、指揮官からの信頼を得ることに成功している。

試合後バスケス監督は、柴崎について以下のように絶賛。さらなる期待も込めた。

「柴崎に期待すること? ただ彼であることを期待している。ヘタフェと日本代表でのプレーを見たが、とても優れた選手であることに疑いの余地はない。信じられないほどのダイナミズムがあり、フィジカル的にも素晴らしく、中盤なら中央、右、左、トップ下と、どこでも適応することができる。パーフェクトだよ」

「彼はどんな監督にとっても、大きな評価を与えるべき選手なんだよ。以前にどうであったのかは知らないが、才能がある選手には、どうしたって才能がある。私にとって、彼がここ最近の試合で見せているプレーはまだまだ普通だ。もっと上向く必要があるね」


◆「才能がある選手には、どうしたって才能がある」1アシストの柴崎岳をデポルティボ監督が大絶賛!(GOAL)

◆ジーコは新監督ザーゴに期待。 「鹿島が欲するものをすべて持っている」(Sportiva)






リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko


 鹿島アントラーズの新監督としてザーゴに白羽の矢を立てたのは、テクニカルディレクターのジーコだ。そのジーコ自身の口から、そのいきさつを説明してもらった。


「ザーゴにチームを任そうと思った理由は明確だ。彼はアントラーズに欲しいものすべてを持っていたからだ。パワー、ポテンシャル、勝利、誠実さ、レベルの高いテクニックと戦術――。彼のメンタリティーは鹿島が常に目指してきたサッカーと一致する。いつでもゴールを目指し、恐れを抱かず、勇敢で、積極的なサッカー。そしてなにより、いつどんな時も勝利しか目にないことだ。それがザーゴを選んだ一番の理由だ。

 この仕事をするうえで、私は常にできるだけ多くの情報に接するように心がけている。トップリーグだけでなく、3部や2部の試合、ユースの大会など、可能な限りすべての試合を観るし、できるだけ多くの選手や監督と知り合いたいと思う。そんななかで、私の注意を引いたのが昨年のサンパウロ選手権でのブラガンチーノのプレーだった。それはこれまでのサッカーとはかなり違うものだった。

 私はしばらくこの新しいチームを追い続けることにし、そこにとても興味深いザーゴという監督と、そのテクニカルスタッフを見出した。彼らは非常に準備のできたプロだった。

 ザーゴがピッチに描き出すサッカーは非常に興味深いもので、なにより我々鹿島のサッカーと、そして我々が目指しているサッカーと、非常に似通っていた。ザーゴのチームはとてもオフェンシブで、それこそ私が鹿島にもたらしたいと思っているものだった。

 ザーゴのチームを見ていると、チームプレーの巧みさを感じる。相手にプレッシャーをかけてマークしながらも、負けるのを恐れることなく攻め続ける。目的はただひとつ。ゴールすること、勝利することだ。もしそれがうまくいかず、負けてしまっても、精神的ダメージは負わない。

 常に積極的に攻め、多くのゴールを決めて勝利を目指すのが鹿島のフィロソフィーだ。そして、ザーゴはそうしたサッカーを指導するのが巧みだった。

 そこで私はザーゴの人となりを知るために、彼の友人や知人とも話をした。その結果、ザーゴはテクニカル面でも、人間としても、鹿島にふさわしい監督であるという答えにたどり着いた。私はすぐにザーゴを招聘すべきだと鹿島の幹部に告げた。

 もちろん、ザーゴがブラガンチーノでいい結果を出していたのは、選手たちのおかげも大いにあるだろう。しかし、鹿島にもレベルが高く、チームとしてプレーできる、勝利のメンタリティーを持った選手は大勢いる。

 鹿島で私ができることはすべてした。ザーゴは皆が思っている以上の結果を、ここ鹿島で出してくれると私は信じている。また彼の強みは、すでに日本のサッカーを、日本人のメンタリティーを知っていることだ。この点は非常に重要だと思う。私はただやみくもにブラジル人監督を連れてきているわけではない。すべての面において彼が最適であると感じたからだ。

 また、彼が偉大な監督ミルチェア・ルチェスク(ルーマニア代表、インテル、ガラタサライ、トルコ代表などの監督を歴任)から教えを受けたことは、あまり知られていないだろう。シャフタール・ドネツクでは、アシスタントコーチとして、ルチェスクのサッカーを間近に学んでいる。今の日本で、これほどのクオリティを持った監督を探すのは難しいだろう。プロとしてブラジル、ヨーロッパでプレーし、キャプテンを務め、多くのタイトルを勝ち取り、ブラジル代表で10年間プレーした。指導者としては小さなチームから大きなチームまで率いた経験を持ち、おまけにJリーグ(柏レイソル)でプレーしていたし、まだ50歳と若い。

 ザーゴは数人のスタッフを連れてくる予定だ。そこにはおそらくフィジカルトレーナーとパフォーマンス・アナリストが含まれるだろう。鹿島もそのことを了承した。そのほかの優秀なスタッフは鹿島にそろっているし、私は情報を集めたり、仕事をやりやすいような環境を作ることで、ザーゴやそのスタッフを助けていきたいと思う。

 鹿島の選手、ひとりひとりのスタイルや個性をザーゴに伝えるのも私の仕事だ。そうすれば彼はすぐに、自分がどんなチームを手にしているのか、わかるだろう。新シーズンから鹿島に加入する選手については、私も学んでいかなければならないが、とにかく私とザーゴのふたりは、誰よりも選手を知っている存在でなければならないのだ。

 私はザーゴに特別な忠告などはしないつもりだ。彼のようなプロは、私に言われずとも何をすべきかがわかっているはずだ。ただひとつだけ彼に言ったのは、日本のサッカーのすべてのカテゴリーの試合や練習を、時間を作って可能な限り見てほしい、ということだ。そして日本のチームや選手について、とにかくよく知ってもらいたい。こうした情報は彼を大いに助けるはずだ。

 ザーゴと前のチームとの契約問題に関しては皆が心配しているが、彼が1日も早く鹿島に来ることを待ちわびている。選手、スタッフ、チーム幹部を紹介し、できるだけ早く、彼が鹿島を我が家のように感じられるようにしたい。監督は落ち着いた環境にあってこそ、力を発揮できるものだ。彼がアントラーズというチームを知るために、私はできるだけのことをするつもりだ」


◆ジーコは新監督ザーゴに期待。 「鹿島が欲するものをすべて持っている」(Sportiva)




◆鹿島の新監督は中田英寿の元同僚。 今までのブラジル人とはひと味違う(Sportiva)







リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko


 鹿島アントラーズを新シーズンから率いることになったアントニオ・カルロス・ザーゴは、経験豊かな監督だ。

 ちなみに、ブラジル人にとって彼は「アントニオ・カルロス」だが、そのほかの国、イタリア、スペイン、トルコ、そして日本では「ザーゴ」として知られているようなので、この記事でも彼をザーゴと呼ぼう。

 鹿島はブラジルで最も愛されている日本のチームであり、これまでも多くのブラジル人監督がチームを率いてきた。エドゥ・コインブラ(ジーコの兄)、ジョアン・カルロス・コスタ、ゼ・マリオ、ジーコ、トニーニョ・セレーゾ、パウロ・アウトゥオリ、オズワルド・オリヴェイラ、ジョルジーニョ。

 しかし鹿島の新監督は、彼らとは明らかに一線を画している。共通点はブラジル人であること、そして攻撃的なサッカーが好きなこと。それだけだ。

 これまでの鹿島の監督たちは、一様に冷静沈着で、落ち着いた人物であった。しかしザーゴは違う。ホットで性格的に強く、エモーショナルで激しく、エネルギッシュ、そしてなによりも挑戦的で危険を恐れない。

 私はザーゴのことを、プロ選手としてのキャリアをスタートしたサンパウロ時代から知っている。ここで彼はリベルタドーレス杯をはじめ多くの重要なタイトルを勝ち取った。1991年からはブラジル代表にも選ばれ、その後ヨーロッパのチームに呼ばれたが、プレーしたのはスペインリーグでも弱小のアルバセテ。彼は満足ができず、ブラジルに戻って名門パルメイラスに入った。ここでのザーゴはスター選手であり、チームのキャプテンも任された。

 その後、日本の柏レイソルに移籍、チームの守備の要となった。レイソル時代にも私は何度か彼と話をした。「レイソルには満足している」と言いながらも、彼はずっとヨーロッパのビッグチームを見つめていた。結局は24試合出場しただけで、またブラジルの名門コリンチャンスに移籍した。

 やがて、真面目でハードでパワフルなザーゴのサッカーは、ついに彼をヨーロッパに導いた。イタリアのビッグチーム、フランチェスコ・トッティのローマに移籍したのだ。守備に問題を持っていたローマは、それを解決するためにザーゴを獲得。ザーゴは当時のローマにとって最適な選手だった。ロマニスタは、彼のハードで激しく、敵のアッタカ―に対して無慈悲なプレーを愛した。そして2000-2001シーズンには夢に見たリーグ優勝を果たす。

 ザーゴとともに勝利の美酒を飲んだチームには、トッティのほかにもカフー、ヴィンチェンツォ・モンテッラ、アウダイール、ワルテル・サムエル、マルコ・デルヴェッキオ、そして中田英寿がいた。率いるのはファビオ・カペッロ。多くの者は、ザーゴが暴力的な選手だったと言うが、それは彼の元監督の言葉を聞けば勘違いであることがわかる。カペッロは彼についてこう言っている。

「ザーゴはサッカーというものをよく知っている。チャンピオンになりたいチームには必要不可欠な選手だ。彼にとってサッカーはゲームではなく、人生そのものだ。だからパスのひとつひとつが彼にとっては生死に関わる問題なのだ。ザーゴのプレーを見ているうちに、私はとても貴重な選手を持っていることを理解した。私は彼を深く信頼していた」

 この年、ローマはイタリアスーパーカップも勝ちとり、ザーゴはチームの中心選手だったが、それでもローマには残らなかった。トルコのベシクタシュからのオファーが、断れないほどの高額だったのだ。トルコでも彼は多くのタイトルを勝ち取った。

 彼は現役時代から、「引退したら監督になりたい」とずっと言い続けていた。そしてベシクタシュを辞めたころから、その夢に近づいていった。

 ブラジルに戻り、サントスやジュヴェントゥージで3シーズン、プレーした後、2007年に引退。その1年半後には地元のサン・カエタノの監督になっていた。このチームでは何のタイトルも勝ち取れなかったが、それでもブラジルの新世代の監督の中ではトップクラスという評をメディアやチーム幹部から受けた。

 ピッチでのザーゴは、決して疲れることなく、他のブラジル人のように笑顔を見せず、冗談も飛ばさず、多くの者はとっつきにくい印象を受ける。

 しかし、一度でも彼と言葉をかわせば、彼が勉強家で控えめであることがわかる。ザーゴはサッカーのあらゆることに精通していて、その視点はとても先進的だ。5つの国でプレーし、そのすべてでタイトルを勝ち取った経験は伊達ではない。だからこそジーコも彼を選んだのだろう。

 鹿島のサポーターにぜひ知っておいてもらいたいのは、ザーゴは最高の監督になるためにずっと準備してきた男だということだ。彼はサッカーを本当によく研究し、学んでいる

 彼はまた、UEFAのプロ監督としてのライセンスを3種類持っている数少ないブラジル人でもあり、コーチとしてヨーロッパのチームに所属した経験を持つ。古巣のローマのアシスタントコーチ、ウクライナのシャフタール・ドネツクのアシスタントコーチを務め、シャフタールではチャンピオンズリーグにも出場している。ヨーロッパからブラジルに戻ると、名門インテルナシオナルの監督を務め、また、ジュヴェントゥージとフォルタレーザではチームを3部から2部に引き上げた。ちなみにブラジルではこういう”下克上”は非常に難しい。こうしてザーゴは注目の若手監督となった。

 鹿島と契約を結ぶ直前まで、レッドブル・ブラガンチーノの監督を務めていた。彼はそこで多くの勝利もたらし、チームの記録を塗り替えた。ブラジル全国選手権2部リーグでは、第6節に首位に躍り出ると、そのまま下に落ちることなく31週トップを走り続け、そのまま2位のチームを7ポイント離して優勝。1部リーグ昇格を決めた。

 また、サンパウロ州選手権では準々決勝まで勝ち進み、他の4チームとともに大会の最多ゴールをあげた。4チームとはサンパウロ、パルメイラス、サントス、コリンチャンスといった押しも押されもせぬ名門である。大会のあと、ザーゴは最優秀監督に選ばれた。

 レッドブルは金をかけていい選手を集め、トップリーグに臨むつもりだった。チーム幹部もサポーターも希望に満ちていた。しかし、ここで思いもかけないニュースが舞い込んだ。ザーゴが次のシーズン、ブラガンチーノを率いないというのだ。新シーズンの彼の行き先は鹿島。この移籍は物議を醸した。自らトップリーグに導いたチームをどうして捨てることができるのか、レッドブルとの契約も尊重すべきだ……などの意見が噴出した。

 一方で、ザーゴの鹿島行きを評価する者もいた。アジアで最強のチームへの移籍は、ザーゴのキャリアにとってアップグレードにほかならない、と。

 そして、ザーゴを鹿島の監督に選んだのは、ほかでもないジーコだった。
(つづく)


◆鹿島の新監督は中田英寿の元同僚。 今までのブラジル人とはひと味違う(Sportiva)




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