日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2021年2月15日月曜日

◆鹿島アントラーズMFアラーノ、元同僚との関係に「僕が日本に来た時、最初に話したのは…」(FOOTBALL TRIBE)






 明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズに所属するブラジル人MFファン・アラーノがJリーグ参戦を決断した背景を明かしているようだ。12日、ブラジルメディア『GZH COLORADO』が報じている。

 現在24歳のアラーノは2017シーズンにカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)のインテルナシオナルSCでトップチーム昇格を果たした後、2019年にコリチーバへのレンタル移籍をへて昨年1月に鹿島アントラーズへ完全移籍により加入。昨シーズンは公式戦30試合に出場し4ゴールをあげるなど、主力としてカルロス・ザーゴ監督から確かな信頼を寄せられている。

 同選手は母国メディアのインタビューにおいて、鹿島アントラーズでジーコTD(テクニカルディレクター)とともに仕事をしていることについて感想を聞かれると「鹿島アントラーズにはこれまでつねにブラジル人選手を擁しているという歴史がある。ジーコはこのクラブのみならず、日本サッカー界全体において偉大な存在だ。それに彼はたくさんアドバイスをしてくれるし、とても助けになっているよ。彼がどのような人物であるのか僕から説明することはない。そんな彼とともに仕事していることがとても幸せだね」と喜びをあらわにしている。

 また、現在川崎フロンターレに在籍している元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンとの関係について「ダミアンとはインテルナシオナルに所属していた時に一緒にプレーしていたし、つねに連絡を取り合っていた。とても良いやつだよ。(Jリーグの)多くのクラブはブラジル人選手を抱えているし、(日本にいる)誰にとってもアウェイに感じているから僕たちは仲良くしている。だけど、ダミアンと連絡をとる頻度は他の選手よりも多いね。彼が日本でうまくやれていることが嬉しいよ。僕が日本に来た時、最初に話したのは彼だね。僕のことをとても助けてくれたよ」と感謝の言葉を残している。

 昨シーズン無冠に終わった鹿島アントラーズは、今冬のマーケットでブラジル人MFジエゴ・ピトゥカやMFアルトゥール・カイキを獲得するなどさらなる選手層の強化を行っている。ザーゴ監督のもとでタイトル獲得を目指す中、来日2年目のアラーノにさらなる飛躍が期待される。




◆鹿島アントラーズMFアラーノ、元同僚との関係に「僕が日本に来た時、最初に話したのは…」(FOOTBALL TRIBE)





◆鹿島元コーチの黒崎久志氏が中国1部・山東泰山のヘッドコーチ就任(サカノワ)






鈴木優磨、伊藤翔、山口一真らFW陣充実の2018年、ACL制覇に尽力。新潟で監督、大宮でコーチを務める。


 鹿島アントラーズの元コーチである黒崎久志氏がこのほど、中国超級リーグ(1部)の山東泰山足球倶楽部(Shandong Taishan Football Club)のヘッドコーチに就任した。

 近年力を付ける山東泰山は現在、アジアサッカー連盟(AFC)から通達されたACL(アジアチャンピオンズリーグ)の今季出場権はく奪に揺れている。現地報道によると、2016-17年に率いたフェリックス・マガト監督時代のコーチが給与面に対する不満を発したことによるという。アジア制覇を目標に打ち出す山東泰山は、AFCのこの決定に対し不服を申し立てている。

 今回の措置はいずれにせよ、黒崎氏のコーチとしての職務には影響しない。中国超級リーグのクラブにとって、リーグで勝ち続けることとACL制覇は大きなステータスであり、鹿島でコーチとして2018年にACL制覇を達成している黒崎氏にその“鹿島流”の力を求めた形だ。

 同年6月に鹿島のコーチに就任した黒崎氏は、鈴木優磨、伊藤翔、新人の山口一真ら日本人ストライカー、さらに2列目のアタッカー陣のモチベーションを高めるとともに持ち味を引き出し、アジア制覇につなげている。2019年まで鹿島のコーチを務め、大岩剛前監督の退任とともに、アカデミースタッフに就任していた。

 黒崎氏は1968年5月8日生まれの52歳。栃木県鹿沼市出身。現役時代は本田(JSL)から、鹿島、京都、神戸、新潟、大宮とJクラブでプレー。通算成績はJ1リーグ202試合・69得点、J2リーグ104試合・30得点、JSL1部95試合・31得点。日本代表25試合・4得点。94年アメリカW杯を目指して「ドーハの悲劇」を味わった日本代表アジア最終予選メンバーの一人。

 指導者としては、2004年に鹿島ジュニアユースコーチ、05年に鹿島ユースコーチ、08年からアルビレックス新潟のコーチ、2010年から12年まで新潟の監督を務め、10年に9位、11年に14位に導いた。その後、大宮のコーチとしてもJ1残留を果たしている。U-15日本代表コーチ、JFAナショナルトレセンコーチも担った。

 また2017年12月から4か月、日本サッカー協会(JFA)の指導者海外育成プログラムで、ドイツにも渡っている。宇佐美貴史が在籍していた2部デュッセルドルフを中心に、ブンデスリーガでの指導法などを学んだ。

 山東泰山は中国国内でもサッカー熱の高さで知られる山東省済南市をホームタウンとしている。1993年に誕生し、これまで中国超級リーグは通算3度制覇、昨季の国内カップでも優勝している。同リーグは今季から企業名をチーム名に入れることを禁止したため、山東魯能から改称している。

[文:サカノワ編集グループ]

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

スポーツ年鑑2018 (11) [ 小学館クリエイティブ ]
価格:3850円(税込、送料無料) (2021/2/15時点)



◆鹿島元コーチの黒崎久志氏が中国1部・山東泰山のヘッドコーチ就任(サカノワ)





◆鹿島アントラーズ、ブエノ復帰が濃厚に!出場機会減少で1.3億円の買取OPは行使されず…(FOOTBALL TRIBE)






 明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズはアトレチコ・ミネイロへレンタル移籍により加入していたブラジル人DFブエノの復帰する可能性が高いようだ。13日、ブラジルメディア『グローボ』が伝えている。

 ブエノは高校時代に来日すると、千葉国際高校(現翔凜高校)を卒業後の2014年に清水エスパルスに入団する。出場機会が限られたことにより、翌2015シーズンにヴィッセル神戸へ期限付き移籍により加入した後、2016年に鹿島アントラーズへ完全移籍。加入当初は分厚い選手層を前にレギュラーに定着できなかったものの、徳島ヴォルティスへの期限付き移籍をへて2019シーズンに公式戦23試合に出場し一皮むけた印象を与えていたが、昨夏にアトレチコ・ミネイロに加入していた。

 同選手はアトレチコ・ミネイロ加入後、公式戦9試合の出場にとどまっており、昨年12月6日に行われたカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)第24節・インテルナシオナル戦以降はピッチに立っていない。『グローボ』はアトレチコ・ミネイロの来季にむけた戦力の入れ替えに関する記事を掲載しているが、チーム内でのポジション争いで厳しい立場にあるブエノについてはレンタル期間の早期打ち切りにより退団すると予想している。

 なお、一部のブラジルメディアが伝えるところによると、アトレチコ・ミネイロはレンタル料として鹿島アントラーズに150万レアル(約2900万円)を支払っている模様。また、ホルヘ・サンパオリ監督はブエノの残留を望んでいたものの、クラブ首脳陣は650万レアル(約1億2600万円)による買い取りオプションは行使しない決断を下したものとみられる。




◆鹿島アントラーズ、ブエノ復帰が濃厚に!出場機会減少で1.3億円の買取OPは行使されず…(FOOTBALL TRIBE)





◆レガネスが指揮官交代から3連勝達成! スタメン落ち続く柴崎の起用法でも明暗分かれる(ゲキサカ)






[2.14 ラ・リーガ2部第25節 レガネス3-1アルバセテ]

 ラ・リーガ2部は14日、第25節を各地で行い、MF柴崎岳所属のレガネスがアルバセテを3-1で下した。新監督の初陣から3連勝を果たし、順位は4位に浮上。3試合連続でベンチスタートが続いている柴崎は後半27分から出場した。

 試合が動いたのは前半18分。レガネスはゴール左斜め前からのFKをMFルベン・パルドが直接右足で叩き込んだ。さらに23分には、DFハビエル・エルナンデスのクロスに飛び込んだMFハビエル・エラソがつぶれ、こぼれ球を拾ったMFロベルト・イバニェスがシュート。これがネットを揺らして早々に2点のリードを奪った。

 下位に沈むアルバセテは後半26分、MFアルバロ・ヒメネスのゴールで1点を返すが、レガネスの優勢は変わらず。同27分、エラソとMFケビン・ブアとの交代で柴崎、FWサビン・メリノを投入すると、36分にはJ・エルナンデスのスルーパスに抜け出したS・メリノが追加点を奪い、3-1で勝利した。

 レガネスはアジエル・ガリターノ監督が新たに就任し、柴崎が先発落ちした第23節のルーゴ戦(○3-2)から3連勝を達成。なお、柴崎が先発しなかった試合は目下9連勝中と好成績が続いている一方、先発した試合では直近8試合勝ちなし(4分4敗)と明暗が分かれており、柴崎にとってはさらなるアピールが必要な状況となっている。




◆レガネスが指揮官交代から3連勝達成! スタメン落ち続く柴崎の起用法でも明暗分かれる(ゲキサカ)





◆鈴木優磨、欧州1部の日本人記録ハーフナー超え目前(ニッカン)






ベルギー1部シントトロイデンのFW鈴木優磨(24)が、欧州主要1部リーグでの日本人のシーズン最多得点記録を更新しそうな勢いだ。

13日のワーレゲム戦にフル出場し、0-2の後半27分に右からのクロスを高い打点のヘッドで決めた。リーグ戦で2試合連続となる今季14ゴール目。15-16年にオランダ1部デンハーグの元日本代表FWハーフナー・マイクが記録した16得点にあと2点と迫った。

今季は味方のパスを引き出す、動きだしの鋭さが光る。PK(3点)を除く11ゴールのうち、10点が味方のパスをダイレクトで合わせたもの。J1鹿島アントラーズ時代の18年にもシーズン2ケタ得点をマークしたが、そのときは同9点中5点(PK2点)。今季はワンタッチスコアラーとして、さらなる進化を遂げている印象だ。

さらに右足4、左足3、ヘッド4点(他PK3点)と、どんな形でも得点を奪うことができているのも特長。13日のヘディングでの得点については「いいボールだったので、先に飛んで当てるだけだった」と話していた。

ここまで目に見える結果を残すと、日本代表で見たいという声も聞こえそうだが、森保ジャパンには鹿島所属だった18年11月の親善試合(ベネズエラ戦、キルギス戦)で代表初招集。しかし、けがで不参加となり、シントトロイデン移籍後は1度も代表入りしていない。

今季はゴール数だけなら、伊東純也(ゲンク=7点)鈴木武蔵(ベールスホット=6点)というベルギー1部でプレーする日本代表FW2人を上回り、得点ランキング3位につける(13日現在)。

欧州主要1部リーグで2ケタ得点を記録した日本人選手の中で、国際Aマッチ出場0は鈴木優磨だけ。今年4月で25歳になるストライカーは、日本を代表するFWの1人として、FIFAランク1位のリーグでチームの勝利のためゴールを狙い続けている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

◆日本人選手の欧州主要1部シーズン得点記録 16点が最多。オランダ1部デンハーグのFWハーフナー・マイクが15-16年に記録した。次いで13-14年にドイツ1部ブンデスリーガのマインツFW岡崎慎司で15点。リーグのレベルで言えば、岡崎の数字が際立つ。ハーフナーは記録更新時に「ブンデスリーガで15点取っている岡くん(岡崎)のほうが、何倍もすごいと思う。自分はオランダリーグなので…」と話していた。

16点 ハーフナー・マイク(オランダ、デンハーグ)15-16年31試合

15点 岡崎慎司(ドイツ、マインツ)13-14年33試合

14点 鈴木優磨(ベルギー、シントトロイデン)20-21年27試合

13点 香川真司(ドイツ、ドルトムント)11-12年31試合

12点 岡崎慎司(ドイツ、マインツ)14-15年32試合

12点 鎌田大地(ベルギー、シントトロイデン)18-19年24試合

※16点 久保裕也(スイス+ベルギー、ヤングボーイズ5点+ヘント11点)16-17年31試合




◆鈴木優磨、欧州1部の日本人記録ハーフナー超え目前(ニッカン)





◆鹿島の新エース候補に、桜の絶対的リーダー、ロティーナの申し子…J開幕まで2週間、今季の注目株たちに迫る(サッカーダイジェスト)






鹿児島&宮崎キャンプのキーマン7選/伸び盛りの上田に指揮官、柳沢コーチも大きな期待


 Jリーグ開幕まで2週間。鹿児島・宮崎で調整を続けていたセレッソ大阪、清水エスパルス、ジュビロ磐田らが続々とキャンプを打ち上げ、本拠地へ戻りつつある。それぞれ練習試合を行ない、徐々にチーム完成度を高めている段階だが、やはり強固な組織を構築するためには、ピッチ上の牽引者が必要不可欠。そんな重要プレーヤーに焦点を当ててみた。


――◆――◆――


 まずはザーゴ監督体制の下、2016年以来のJ1タイトル奪還を狙う常勝軍団・鹿島アントラーズ。指揮官から「非常にポテンシャルの高い選手。彼の能力が開花すれば、将来的に日本代表になる」と名指しでキーマンに指名されたのが、新エースFWの上田綺世だ。実質ルーキーだった昨季はケガで苦しみながらも二桁得点を記録。今季はさらなるゴール量産が期待される。

「僕はシュートを打つ時に選択肢を多く持つことが余裕につながると考えている。数ある選択肢の中で最善な解決策を選ぶことを意識しています」と昨季終盤にも語ったが、プロ入り1年あまりで点取り屋としての冷静さを身に着けたのは大きな収穫だ。かつて鹿島の最前線に君臨した柳沢敦・ユース監督も「上田選手が自分に似ていると言われるけど、彼の方がずっとパワフルだと思う」と力強さと前線での迫力に太鼓判を押していた。

 今季は背番号を18に変更し、エヴェラウドとともにFWの二枚看板としてゴール量産が求められる。それが鹿島の王座奪還、そして自らの日本代表定着にもつながる。コパ・アメリカなどの国際舞台も踏んでいる上田なら、何をすればその領域に近づけるかよく分かっているはず。伸び盛りの男の一挙手一投足が楽しみだ。

 その鹿島をかわしてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を勝ち取ったセレッソはレヴィー・クルピ監督率いる新体制で攻撃的な戦いができるチーム作りを進めている。ただ、ユン・ジョンファン(現ジェフ千葉)、ミゲル・アンヘル・ロティーナ(現清水エスパルス)両監督が築いた守備のベースも維持しなければ、タイトルの取れる強い集団にはなれない。そう強調するのが、絶対的リーダーの清武弘嗣だ。


清武が語る理想のチームスタイル。清水が挑むロティーナ戦術でキーパーソンとなるのは…


「ユンさんとロティーナの守備を継続しつつ、もう少し攻撃的にできれば理想です。過去4年間を知っている選手が『ここに立ち返るんだ』というのを新戦力に伝え、すり合わせながらいいチームを作らないといけない」と言うキャプテンの清武は、宮崎で挑んだ徳島ヴォルティス、横浜FC、町田ゼルビアとの練習試合でも「立ち位置をしっかりしよう」と周囲に声をかけて戦った。

 新戦力の進藤亮佑、鳥海晃司らセンターバック陣がケガで出遅れ、現時点では瀬古歩夢と西尾隆矢という若いDFが中心とならざるを得ないという懸念もあるものの、昨季主力組の攻守両面にわたる安定感は不動のものだ。清武自身もケガなしで2シーズン連続フル稼働できれば、チーム全体が揺れ動くことはないはず。攻撃のお膳立て、フィニッシュ、統率力を含め、あらゆる面で彼がカギを握っていると言っても過言ではない。

 怪我続きだった清武を再生させ、セレッソに強固な守備を植えつけたロティーナ監督が指揮を執る清水も、守備組織の構築が着実に進んでいる印象だ。9日の松本山雅戦は3本目にまさかの3失点を喫し、合計スコアは4-4のドローに終わったものの、1本目に出た権田修一、原輝綺、鈴木義宣、ヴァウド、片山瑛一の守備陣は手堅い守りを披露。「1本目はミスも少なく、いい状態で入れた」と指揮官も満足そうだった。

 スペイン人指揮官のポジショナルプレーは戦術浸透に時間がかかると言われる。実際、セレッソも1年目は結果が出始めるまで開幕から2か月以上の時間を要した。が、今回は指揮官の愛弟子である片山がピッチ上にいて、立ち位置やゾーンの守り方などの約束事を伝えてくれている。それは非常に心強い要素だろう。

「セレッソ時代の記憶を辿ると、現時点での手応えはほぼ近いものがある。片山がいることも大きい。彼は私のコンセプトを知っているし、彼自身が知っていることを周りに伝えられる。さらに複数ポジションをこなせるいい選手がいることは非常にプラスです」と指揮官も絶大な信頼を寄せていた。

 今後、エウシーニョやウイリアム・マテウスが合流すれば、彼自身の立ち位置は微妙になるかもしれないが、「ロティーナの片腕」という役割は変わらない。要所要所で穴を埋める意味でもこの男の存在は欠かせない。


昨季キャリアハイの数字を残した五輪世代アタッカーと、攻守両面で輝く磐田のキーマン


 監督交代のあったセレッソ、清水とは異なり、サンフレッチェ広島は城福浩監督体制3年目。大きなメンバー変更もなく、成熟度は確実に上がっている。彼らは6日の松本山雅戦を8-1で勝利した後、10日にはジュビロ磐田と対戦し、6-2で勝利。若い鮎川峻やレンタル復帰組の長沼洋一が3試合連続ゴールを挙げるなど、選手層の厚さを印象づけた。

 ベテラン・青山敏弘、キャプテン・佐々木翔、幅広い役割をこなせる柏好文など計算できる選手が数多くいるチームにあって、あえて今季のキーマンを挙げるとすれば、背番号10をつけて2シーズン目となる森島司だろう。昨季はリーグ34試合に全て出場し、5得点を挙げるというキャリアハイの数字を残したものの、アシストは少なかった。本人は「今年はもっと得点に絡みたい」と意欲を燃やしている。

 鹿児島での練習試合では4-4-2の左サイドに入ることが多く、ゲームメイクのみならず、自ら積極的に仕掛けていく場面も目についた。さらに得意のFK、CKからの得点機を作っていた。その精度を一つひとつ高めていくことで、エースナンバー10に相応しい存在になれるはず。4月には24歳になるだけに、もう若手とは言えない。青山ら大ベテランを自分から動かすくらいの強気の姿勢を前面に押し出し、一皮むけた「ニュー・森島」を見せてほしいものである。

 この広島に10日の練習試合で脅威を与えたのが、磐田の大森晃太郎だ。3-4-2-1のシャドーの一角としてプレーした1本目は鋭くダイナミックな飛び出しを繰り返し、決定的シュートを3~4本も打っていた。その大半がサイドネットに飛んだり、枠をかすめたりと決定力の課題は残ったものの、彼の神出鬼没な動きは間違いなく今季の磐田の武器になりそうだ。

「身体を作っている段階で4割5割くらい。去年の途中から(鈴木政一)監督とは一緒で、やりたいサッカーは理解できてきていると思うし、その中で最後の精度、ゴールを取り切るところの精度を付けていかないといけないと思います。自分の(最適な)ポジションはシャドーやと思ってる。厚みのある攻撃を僕たち前の選手がやっていかないといけないと思いますし、もっとFWに近い位置でプレーできたらなと思います」と6日の清水戦後にも語っていたが、広島戦でも意欲はハッキリと出ていた。彼の献身性と運動量が遠藤保仁の攻撃力をより際立たせるという意味でも、その存在は不可欠。J1昇格のためには大森のフル稼働が重要だ。


昇格レースへ巻き返しを期すJ2のキーマンたち


 選手層・成熟度で分がある磐田に比べると、ともにJ1昇格を争う松本山雅FCにはやや不安も残る。だが、昨季途中に大分トリニータから赴いた佐藤和弘のゲームメイク力と攻撃センスがいかんなく発揮されれば、2位以内への躍進の可能性もゼロではない。6日の広島戦、9日の清水戦では、ともにキャプテンマークを巻いてプレー。高い技術と戦術眼でチームを確実に統率していた。

「キャプテンはまだ決まってないですけど、柴田(峡)監督から指名されるようにならなければいけない。山雅の攻撃リズムを作るのは自分だと思っているし、味方を生かすも殺すも自分次第。試合に負けたら『俺のせい』と思うくらいの責任感を感じながら戦いたいですね。前線と距離感がまだ遠いんで、そこを修正しながらやらないといけないし、自分自身もミドルシュートを増やさないと。今年は5点くらい取れればと思っています」と本人も大黒柱の自覚を持って、鹿児島キャンプにのぞんでいるという。

 これまでJ3のツエーゲン金沢を皮切りに、水戸ホーリーホック、ヴァンフォーレ甲府とJ2を渡り歩き、辿り着いたJ1大分では出場機会に恵まれなかった。だからこそ、松本山雅で再びJ1への挑戦権を得たいという気持ちは強いはず。今こそ雑草魂を示す時だ。

 ラストの1人は、松本山雅と2月28日の開幕戦で激突するレノファ山口のエースFW高井和馬だ。昨季J2では、全42試合に出場し、11ゴールとプロ入り後、最高の実績を残した。他クラブからのオファーもあったが、今季は山口残留を決断。目下、4-4-2でチーム構築中の渡邉晋新監督体制でも最大の得点源としてフル稼働するつもりだ。

「ナベさんとも話して、本当に必要としてくれたので『また山口でやろう』と覚悟を決めて今季に挑んでいます。J1昇格するチームには絶対的エースがいる。僕自身も15~20点を取れる選手にならないといけない。そのチャンスは来ているので、全部決められれば達成できると思います。ただ、僕はゴールだけにはこだわっていない。アシストも同じ価値だと思っているので、それを意識して上のレベルに行きたい」と本人も士気を高めている。

 今季J2は4チームが降格。昨季のような低迷は許されない。チーム浮沈のカギを握るのはやはりこの男しかいない。

取材・文●元川悦子(フリーライター)




◆鹿島の新エース候補に、桜の絶対的リーダー、ロティーナの申し子…J開幕まで2週間、今季の注目株たちに迫る(サッカーダイジェスト)


Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事