日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年11月30日水曜日
◆空席目立ったCS決勝平日ナイターのカシマスタジアム…観衆は2万3074人、集客率は56.6%(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204336-204336-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
29日、チャンピオンシップ決勝の第1戦がカシマスタジアムで行われ、浦和レッズが鹿島アントラーズに1-0で先勝した。第2戦は12月3日に埼玉スタジアムで行われる。
得点はMF阿部勇樹が決めたPKによる1点のみだったが、試合は開始直後から球際の激しさがみられるなど、今季の日本一のクラブを決める決戦に相応しい熱戦が繰り広げられた。
しかし残念ながら客席は空席が目立っていた。平日夜にカシマスタジアムで開催される試合、さらに23日に行われた準決勝の結果を受けて一般販売が25日と直前であったこともあり、戦前からチケットの売れ行きを心配する声も少なくなかった。
発表されたこの日の観衆は2万3074人で、今季のカシマスタジアムで行われたリーグ戦に当てはめると、5番目の観客数。収容人数は4万728人のため、集客率は56.6%だった。
ただし埼玉スタジアムで行われる第2戦のチケットはすでに完売。来季から1シーズン制に戻るため、“最後”となる頂上決戦は超満員で行われることが決まっている。キックオフは12月3日19時30分。NHK総合とスカパー!で生中継される。
◇CS決勝第1戦のMOMは浦和MF阿部…PK弾で勝利呼び込む(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204358-204358-fl
2016Jリーグチャンピオンシップの決勝第1戦が29日にカシマスタジアムで行われた。試合はアウェーの浦和レッズが鹿島アントラーズに1-0で勝利。Jリーグは同日、試合で最も活躍した選手に贈られるマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)として、PKで決勝点を挙げた浦和MF阿部勇樹を選出し、賞金として50万円が授与されたことを発表した。
なお、決勝第2戦は12月3日に埼玉スタジアムで開催。チケットはすでに完売したことが発表されている。
■Jリーグチャンピオンシップ決勝
[第1戦]
11月29日(火)
鹿島 0-1 浦和 [カシマ]
[第2戦]
12月3日(土)
浦和 19:30 鹿島 [埼玉]
◆好機逃した鹿島・遠藤…体調不良で取材に応じず(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112923190031-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)鹿島は0-0の後半6分、この試合で唯一と言える好機を逃した。中盤でのボール奪取から速攻を仕掛け、土居が右へスルーパスを送る。完全に抜け出した遠藤が右足で狙ったが、前に出てきたGKの正面を突き、思わず天を仰いだ。
パスにダイレクトで合わせたシュートだったが、もう少し余裕を持ってもよかったか。後半35分に交代した遠藤は体調不良を訴え、取材には応じなかった。
◆鹿島MF永木、第2戦に切り替え「内容悪くない」「2点取って勝つ」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/29/kiji/K20161129013817190.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 鹿島0―1浦和 (11月29日 カシマ)
CS準決勝で年間勝ち点2位の川崎Fを下す“下克上”で浦和の待つ決勝進出を果たした年間勝ち点3位の鹿島だったが、厳しいホーム戦黒星となった。
DF西大伍(29)が2012年まで鹿島に在籍していた浦和FW興梠慎三(30)を倒して与えたPKを後半12分にMF阿部勇樹(35)に決められ、0―1での敗戦。1点を先制された直後の後半17分には、右足第5中足骨の負傷で公式戦4試合を欠場していたMF柴崎岳(24)が1カ月ぶりに試合復帰し、同20分にMF遠藤康(28)の落としから右足で強烈なシュート。5分が掲示されたロスタイム突入後の後半47分には柴崎の左クロスにMF土居聖真(24)が頭を合わせる決定機的なシーンもあったが、ゴール右に外れ、追いつくことはできなかった。
日本代表MF永木亮太(28)は「負けてしまったので切り替えていくしかない」と厳しい表情。それでも「内容自体は悪くない。自分たちは2点取って勝つしかない」と第2戦での大逆転優勝に気合を入れ直した。
◆鹿島なら逆転できる!本拠で零敗も柴崎復帰 石井監督「次に期待」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/30/kiji/K20161130013817280.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 浦和1―0鹿島 (11月29日 カシマ)
CS制覇が遠のく痛恨の失点だ。鹿島は後半12分にDF西が興梠を倒したとして痛恨のPKを献上。選手が主審に詰め寄って異議を唱えたが、判定は覆らなかった。そのPKを阿部に決められた。「判定は変わらない。失点をしてしまったので。切り替えて、次のアウェー戦に向けて準備できれば」。GK曽ケ端は潔く負けを認め、前を向いた。
PKを与えた以外は守備は落ち着いていた。ボールを持たれる時間が長かったが、MF永木が相手の司令塔・柏木のマークにつき、決定的なところでは自由にさせなかった。自陣深くに攻め込まれても最終ラインがはじき返し、前半44分のMF武藤の決定的なシュートは曽ケ端が左手一本でセーブした。DF昌子は「僕ら的には手応えを感じていた。完璧とは言わないけど、いい内容だった」と冷静に振り返った。
課題は攻撃だ。前半はシュートゼロ。一転、11本のシュートを放った後半は、後半6分にスルーパスに抜け出した遠藤がGKと1対1になりながら決めきれなかった。「ファウルを取られることが多くて、いい守備からいい攻撃につながらなかった」とFW土居。石井監督は「次の試合では攻撃を重視していきたい」と修正を誓った。
優勝するためには、第2戦で2点以上を挙げた上で勝利を収める必要がある。光明はMF柴崎の復帰だ。後半17分、公式戦5試合ぶりに2列目の左でピッチに立つと、3分後には左45度の位置から鋭いボレーシュートを放った。セットプレーではキッカーとして正確なボールを放った。具体名こそ出さなかったが、指揮官は「交代選手は予定通りの動きをしてくれた。次の試合に向けて期待できる」と手応えを語った。
CSは98、00、01年に3度制した。そのうち98年と01年は年間勝ち点で1位ではなかったが、逆転で王者になった。今年のCSは、7年ぶりのリーグ戦4連敗で第2ステージを終えて迎えた。準決勝では川崎Fを下したが、CS決勝では過去、第1戦で敗れたチームが優勝した例はない。またも苦しい状況に追い込まれたが、過去17冠の常勝軍団の心が折れることはない。「次だ次、顔を上げていこう」。試合後に整列した際、力強い曽ケ端の声が響いた。
▼CSの優勝チーム決定方法 ホーム&アウェーで90分間(前後半各45分)の2試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分け。2試合が終了した時点で(1)勝利数(2)得失点差(3)アウェーゴール数(4)年間勝ち点1位(浦和)の順で決定。
◆鹿島、ホームで痛恨敗戦…次戦は2-0で6・11再現だ!(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161130/jle16113005020003-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)ホームで0-1の敗戦。選手たちは肩を落としながらも、必死に前を見つめサポーター席にあいさつした。
「こういう(接戦の)試合は予想していた。判定は変わらないけど、いい守備はできた」。GK曽ケ端が熱戦を振り返った。前半、鹿島のシュートは0本。浦和も2本と互角の展開で後半へと折り返した。
ハーフタイムには「後半も集中しろ」とDF昌子がハッパをかけたが、6分、FW土居のパスにMF遠藤がフリーで抜け出すも、GKの好守で得点できず。逆に微妙な判定でPKを取られ、12分に先制を許した。不用意に興梠にぶつかり、PKを献上したDF西は「足も掛かっていないし、手も出していない」と納得できない様子だったが、チームはこの判定を受け入れた。
「やられたところ以外は完璧だった。第1ステージもアウェーで勝っているし、2-0なら勝てる」と昌子。鹿島が6月11日の勝利(◯2-0)の再現を狙う。 (一色伸裕)
★ハリル監督視察もミス多く渋い顔
視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督は「両チームとも緊張していたのか、決定機が少なく、パスミスも多かった」と渋い顔。試合を決めたPKの判定に関しても「私もPKには悪い思い出がある。W杯予選でもファウルを取ってもらえなかった。あまりコメントしたくない」と苦笑いを浮かべた。試合後の交通渋滞を予想して早めに会場を後にした。
◆鹿島本拠で痛い黒星「2点取って勝つしかない」永木(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1745103.html
<明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ:鹿島0-1浦和>◇決勝第1戦◇29日◇カシマ
年間3位の鹿島が同1位の浦和にホームで痛い敗戦を喫した。日本代表のMF永木亮太(28)は「点を取れるチャンスはあった。自分たちは2点を取って勝つしかない、割り切ってやるしかない」と第2戦を見据えた。
第2戦は12月3日に埼玉で行われる。延長はなく、90分終了の時点で引き分け以上なら浦和が優勝。鹿島は2点差以上を付けて勝利すれば優勝となる。2試合合計で同点の場合、アウェーゴール数で勝敗を決める。アウェーゴール数でも並んだ場合は年間順位が上位の浦和優勝となる。
◆JリーグCS決勝 鹿島、第1戦黒星(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14804289125959
J1の年間王座を争う明治安田チャンピオンシップ(CS)決勝第1戦は29日、カシマスタジアムで行い、第1ステージで優勝した鹿島(年間勝ち点3位)は第2ステージを制した浦和(同1位)に0-1で敗れた。鹿島が2009年以来7年ぶりのリーグ優勝を果たすには、第2戦で2得点以上で勝利することが条件となった。
前半は互いの厳しい守りを崩せず、0-0で折り返した。鹿島は後半12分にPKで先制を許し、その後攻勢を強めて何度も浦和ゴールに迫ったが得点を奪えなかった。
決勝第2戦は12月3日、埼玉スタジアムで午後7時半から行う。鹿島が優勝するためには敵地の第2戦で2得点以上の勝利が条件。負け、引き分け、1-0での勝利のいずれの場合は年間勝ち点1位の浦和の優勝が決まる。 (矢幡佳那子)
◆鹿島・曽ケ端、PKでの失点に「判定は変わらない。切り替えてやるしかない」(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112923330032-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)鹿島のGK曽ケ端はPKで失った1点での敗戦に「(PKの)判定は変わらないです。切り替えてやるしかない」とうなだれた。チーム全体の守備は機能し、決定機は与えなかっただけに悔やまれた。
年間優勝を手にするには、第2戦で2点以上奪っての勝利が必要。「しっかり守備もして、点を取れるようにしないと」と攻撃陣の奮起を求めた。
◆PK判定に不服の鹿島DF西「足もかかってないし、手も使ってない」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204348-204348-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
試合を決定づけるジャッジだった。0-0で迎えた後半11分、浦和はMF柏木陽介が右サイドから左足でクロスボールを入れると、PA内でFW興梠慎三がDF西大伍と接触し、転倒。家本政明主審はすぐさま笛を吹き、浦和にPKを与えた。これをMF阿部勇樹が沈め、浦和が1-0で先勝。鹿島アントラーズの選手にとっては簡単に受け入れることはできない判定だった。
「僕の感覚では(ファウルは)なかった。それは興梠選手も分かっていると思う」。試合後のミックスゾーン。PKの場面について聞かれた西は判定に疑問を投げかけたうえで、「あの場面は、違う守り方もできた。僕が選択を間違えた」と、自分自身の対応を悔やみつつ、「足もかかってないし、手も使ってない。この話はこれぐらいでいいんじゃないですか」と、不満の色を隠せないままPKの話題を切り上げた。
PKの場面で真横にいたDF昌子源は試合後に映像でも確認したという。「しんどい判定だった」。そう率直に口を開くと、「苦しいジャッジが続いたけど、それは言い訳になる。うちが弱かったから負けただけ」と、自分に言い聞かせるように話した。
このシーンだけでなく、球際の競り合いでは何度も家本主審の笛が鳴った。FW土居聖真は「ファウルを取られることが多くて、いい守備からいい攻撃というリズムがなかなかできなかった」と振り返る。高い位置からプレッシャーをかけ、ショートカウンターで好機をうかがっていた鹿島にとって、たびたびファウルでプレーが止まる流れは厳しかった。
「負けてからレフェリーのことを言うと、言い訳になる」。そう繰り返した昌子だが、「だれがどう見てもジャッジは不公平だったと思う。(球際で)バチバチするシーンがあまり見られなかったし、浦和さんボールになることが多かった」と恨み節も漏れた。「それ(PK)以外は完璧だった。やられる雰囲気もなかった。あのPKは予想外だった」。そう話す表情にはやり場のない消化不良感がにじみ出た。
(取材・文 西山紘平)
◆“駆け引き”制した興梠、PK献上の元同僚DF西に掛けた言葉とは!?(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204354-204354-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
本人は「ラッキーな部分もあったかなと思う」と試合後に語った。スコアレスのまま迎えた後半11分、右サイドからMF柏木陽介が送ったクロスに反応したFW興梠慎三は、PA内でDF西大伍のファウルを誘ってPKを獲得。「FWとしては駆け引きの部分もあった」と振り返る。
柏木のクロスに対して、興梠は西の前方に構えていた。そして後方から迫った西に倒されると、家本政明主審の笛が吹かれてPKが与えられる。「そんなに激しいタックルでは、もちろんなかった」と認めた興梠だったが、「ただ、自分はボールを見ていたので、フッと力が抜けているときにポンと来たので倒れてしまった」と説明すると、「大伍と話しましたが、『お前、若いな』と言っておきました」と元同僚と言葉を交わしたことを明かした。
このプレーで得たPKをMF阿部勇樹がきっちりと沈めて先制した浦和レッズは、その後は鹿島の反撃を体を張ってしのぎ切り、1-0の完封勝利を収めた。「ディフェンスに回る機会が多かったので、レッズらしいサッカーはできなかった」。そして、自身の出来についても「前で収めることができなかった」と納得いくものではなかったようだが、「でも、後半にどうにかハードワークしてPKをもらえたので、最低限の仕事はできたかなと思う」と安堵の表情を浮かべる。
決して内容には満足できなかったものの、きっちりと結果を残した。「アウェーで勝てたのは良かったし、良いアドバンテージになったと思う」と話しながらも、「ただ、それを考えながらゲーム運びをしていたら絶対にやられると思うので、これを忘れて勝ちにいきたい」とホームで行われる第2戦に視線を移した。
(取材・文 折戸岳彦)
◆鹿島DF西 悔しいPK判定「選択肢を間違えたかな」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/30/kiji/K20161130013818450.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 浦和1―0鹿島 (11月29日 カシマ)
興梠を倒してPKを与えてしまった場面について、鹿島のDF西は「僕は今までもああいう守り方で守っていた。足もかかっていないし手も使っていない」と訴えた。一方で「違う守り方もできたのではないか。選択肢を間違えたかな」とも話し悔しさをのぞかせた。
90分間を通して浦和には26本、鹿島には22本の直接FKが与えられ、ファウルが多い試合だった。昌子は「苦しいジャッジが続いた。でもそれを言い訳にしたくない」と語った。
◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第1戦(オフィシャル)
http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51930
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第1戦
PKでの1点に屈す。鹿島、ホームでの第1戦は完封負け。
7年ぶりのリーグ制覇を懸けた決勝、第1戦の日を迎えた。浦和レッズを聖地・カシマスタジアムに迎え撃った鹿島は、57分にPKで先制ゴールを許し、最後まで反撃は叶わずに0-1で敗れた。
鹿島は23日のチャンピオンズリーグ準決勝で川崎Fを1-0で破った。決勝進出のためには勝利以外は許されない、一発勝負のアウェイゲーム。制度上のディスアドバンテージを抱える中、まさに狙いどおりに試合を進めた。前半をスコアレスで終えると、50分にワンチャンスを生かして金崎が均衡を破る。その後は川崎Fの猛攻を受けたが、チーム一丸となって身体を張り、1点を守り切った。ビジタースタンドを埋め尽くし、熱いサポートを貫き通した背番号12とともに、決勝への切符を奪い取った。
決勝第1戦までの準備期間は5日間。準決勝直後に小笠原が顔色一つ変えずに語ったとおり、「まだ何も勝ち得ていない」チームは、日々集中力を高めていった。離脱していた柴崎も復帰を果たし、役者は出揃った。激化するポジション争い。リーグ制覇へ向けて定まった1本のベクトルを、「試合に出たい、そして勝ちたい」という各々の渇望と切磋琢磨がさらに強く、太くする。ビッグマッチ前特有の高揚感と緊張感に包まれながら、準備は着実に進んでいった。そして前日練習を終えて、石井監督は静かに語った。「チームは非常に良い状態にある」。
指揮官は川崎F戦から先発メンバーを1名変更。2列目に中村を起用し、攻撃陣の一角を託す。前線は金崎と土居、中盤は中村とともに遠藤が並び、ボランチでは永木と小笠原がコンビを組む。そして最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本。最後尾には曽ケ端が立ちはだかる。ベンチには、GK櫛引と植田、伊東、復帰を果たした柴崎、三竿、ファブリシオ、赤崎が控える。
日中は穏やかな青空に恵まれたカシマスタジアム。サポーターが続々と入場し、選手バスが到着した頃には日が沈み、聖地は漆黒の闇に包まれた。それを切り裂くように照らされた常緑のピッチに、アントラーズレッドの情熱が降り注がれる。ヒートアップするスタンド。ファイナルの舞台に立つ誇りと、タイトル獲得への意志を胸に。19時25分、背番号12とともに戦いの始まりを告げるホイッスルを聞いた。
立ち上がりから、ファイナルにふさわしい緊迫した展開となった。鹿島は開始早々にシュートを打たれ、浦和の攻勢を受ける形となったものの、身体を張った守備で対応。8分にはクロスからのヘディングシュートでゴールネットを揺らされたものの、最終ラインがしっかりとラインコントロールを行ってオフサイドを取った。鹿島は時計の針が進むにつれ、少しずつペースを取り戻していった。
20分頃から、鹿島は中盤でセカンドボールを確保できるようになって主導権を握る。両サイドバックの西と山本がオーバーラップする場面も増え始め、浦和を押し込んだ。ただ、セットプレーのチャンスも含めてシュートへ持ち込むことができない。中盤でのファウルも増え始め、激しいボディコンタクトの応酬となった。
鹿島は44分にペナルティーエリア左側からシュートを打たれたものの、曽ケ端がビッグセーブを見せてゴールを許さない。前半ながら3分と表示されたアディショナルタイムを終え、スコアレスでハーフタイムを迎えることとなった。鹿島は前半、シュートを打つことができなかったが、無失点で45分を終えた。
後半開始早々、鹿島はビッグチャンスを迎える。51分、最終ラインの背後でパスを受けた遠藤が相手GKと1対1になって右足で狙ったものの、シュートは阻まれてしまった。
この日最初のシュートチャンス、しかも決定機を作り出したことで、カシマスタジアムのボルテージは高まる。しかし6分後、先制ゴールは浦和のものだった。ペナルティーエリア内に飛んだクロスに対応した西が相手と接触。主審はペナルティースポットを指し示し、PKが宣告された。騒然とするスタジアム、そして放たれた阿部のボールがゴールネットを揺らした。
アウェイゴールを奪われてビハインドを負った鹿島は、62分に柴崎を投入して打開を図る。10月22日以来の出場となった背番号10はブランクを感じさせない動きで存在感を見せた。ピッチに立ってから2分後の64分、ペナルティーエリア左側から強烈なシュート。惜しくも枠の左へ逸れてサイドネットを揺らしたが、いきなりチャンスを作り出してみせた。
守りに入る浦和に対し、鹿島はボールキープ率を高めてゴールを狙っていく。73分には西がペナルティーエリア右角から強烈なシュート。77分にもオーバーラップしていた西がペナルティーエリア内で倒されたが、笛は鳴らなかった。金崎や土居も力強い突破や献身的なプレスを敢行し、必死にゴールを目指した。
石井監督は80分にファブリシオを投入し、前線を活性化して同点ゴールを狙う。85分には右CKから金崎がヘディングシュートを枠に飛ばしたが、相手GKの正面を突いてゴールには至らない。そして89分には伊東をピッチへ送り出し、右サイドからのオーバーラップに突破口を見出した。
そして、この日最後のビッグチャンスは後半アディショナルタイム。右サイドからのFKがファーサイドへ流れたところから、パスを受けた柴崎がペナルティーエリア左手前でボールを持つ。狙いを定めて放たれた浮き球のパス、反応した土居。ヘディングシュートはゴール方向へ飛んだが、しかし、枠のわずかに右へ逸れていった。
0-1。ホームでの第1戦は完封負けという結果に終わった。だが、まだ90分間が残されている。試合終了のホイッスルが吹かれた後、選手たちを出迎えるスタンドからは熱い声援が送られた。下を向く暇はない。12月3日の第2戦、埼玉スタジアムで2点以上を奪って勝利を収めること。それだけを目指して、中3日で迎える最終決戦へ準備を進めていく。勝負はまだ終わっていない。
【この試合のトピックス】
・中村が7月23日のJ1 2nd 第5節浦和戦以来の先発出場を果たした。
・柴崎が10月22日のJ1 2nd 第15節FC東京戦以来の出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半も前線から相手の選択肢を制限しながら厳しくプレッシャーをかけよう。
・自陣でもっとボールを保持して、バランスよく、自分たちのリズムを作っていくこと。
・もっと周りをシンプルに使うこと。お互いの呼吸とイメージを合わせていこう。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
・後半最初の15分が大事。
・慌てずに落ち着いてプレーしよう。
・走ること。
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
第1戦、ホームゲームでもあり、最低でも相手に得点を奪われない形にしたかったが、それができず非常に残念だ。しかし、(2試合トータルの)前半が終わったという形になるので3日間をかけて、しっかり準備して第2戦に向かいたいと思う。
Q. 守りから入りたいと言っていたが、前半シュート0だったことはOKと考えていたか?
A. 守備のところでは相手を制限することができたと思うが、そこから攻撃に移るときに自分たちでボールを失ってしまう場面が見られた。その点は満足していないが、守備に関してはある程度はできていたと思う。
Q. 川崎F戦のように前からボールを奪いに行くと思っていたが、ブロックを作る戦い方をしたのか?
A. 全体の意図としては、前から自分たちでボールを奪いに行くかたちを多くしたいと考えていた。しかし相手のいることであり、そこは状況を見て選手がしっかり判断してくれたと思う。
Q. 柴崎選手が久しぶりの試合出場だったが、調子はどうか?
A. 非常にいい状態になっている。今日は負けてしまったが、第2戦に向けていい材料だと思う。
Q. 次の試合、最低2点が必要だが、どのように変化をつけるか。
A. 失点した後の戦い方が理想的。自分たちからボールを奪いに行くかたちを考えつつ、しっかり相手陣内でボールを動かす。そのために、今日、交代の選手を入れたが要望通りの動きをしてくれたので、次の試合に向けて期待が高まる。
Q. コーナーキックからチャンスが多かったが、狙い通りか?
A. それほど普段と変わらないと思う。今日はキッカーの質が非常によかったと思う。そこがチャンスに見えたと思うが、普段も同じようなかたちでやっている。今日は中に入る選手のタイミングと、キッカーの質があっていたと思う。それがさらにゴールに向かえばと思う。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
非常に強い2チームの対戦となり、厳しいゲームになることはわかっていた。我々にとっては日程的にも非常に難しい試合だった。11月3日のリーグ最終戦から今日まで約1カ月弱、試合が空いた。11月12日に天皇杯で川崎Fと戦った後、17日間あったが、大学生としか練習試合を組むことができなかった。長いシーズン、選手たちは緊張感とプレッシャーのなかで戦ってきた。選手たちは気持ちの面でも肉体的にもゼロに近い状態になっていた。22年間監督をやってきたが、こういったスケジュールで仕事をした経験はない。いかにチームを持っていくか、私自身、手探りのなかでの仕事だった。アントラーズは川崎Fとの準決勝を戦い、試合勘、緊張感を持って今日の試合に臨んでいた。しかし、今日のゲーム、選手たちは立ち上がりから非常に高い集中力と規律を持って戦ってくれた。特に相手の攻撃の部分ではチャンスらしいチャンスを与えることなく、コントロールできていた。しかし、我々の攻撃もうまくいっていなかった。相手のペナルティエリア付近まではボールを運べるが、そのあとのコンビネーションの質やラストパスの精度が悪く、なかなか落ち着いてプレーすることができなかった。しかし、今日の試合、1-0でアウェイで勝利できたことを、前向きにとらえたい。緊張感のある試合を経験して、第2戦を迎えられる。第2戦は落ち着いてプレーできると思う。第2戦も自分たちのサッカーに自信を持って戦いたい。そして、我々がチャンピオンにふさわしいチームであることを勝って証明したい。
選手コメント
[試合後]
【土居 聖真】
何回かチャンスもあったし、自分のヘディングシュートもあった。切り替えて、次の試合で結果を残すしかない。今日よりもさらに攻撃的にいかないといけない。2点を取って勝ちたい。
【昌子 源】
浦和のやり方をチーム全員が分かっていることが重要だった。負けたことが残念。2点目を取られると厳しくなることは分かっていた。相手はカウンターも強いが、1点で抑えることができたことを良い意味で捉えて2戦目に臨みたい。1stステージでの対戦では2-0で勝った。不可能ではない。
【山本 脩斗】
個人の1対1ではうまく対応できたと思う。相手が両ワイドに張っていたので、中を閉じてサイドでボールを取りきることを狙っていた。全体として自分たちのイメージ通りの守備ができたと思う。危ないシーンもなかった。そこから攻撃にどうつなげるか。次は2点を取らないといけない。個人としての質も高めていきたいし、どの時間帯で勝負するのかというところを、明日から石井さんを中心にチーム全体で意思統一していきたい。
【曽ケ端 準】
こういう試合なので、ある程度手堅い展開になった。プレスに行くところは前からしっかりと行けていたと思う。しっかりと球際でも戦えていたと思う。次、頑張ります。
【伊東 幸敏】
相手の背後を取ってサイドから攻めようと思ってピッチに立った。チャンスは1本あるかないかだと思っていたので、1本で勝負を決めるつもりで出場した。雰囲気は全然悪くない。チャンスはある。
【ファン ソッコ】
ホームで失点せず、0点で終わらせたかった。前半は自分たちの意図していた通りに相手をコントロールしながら守ることができた。後半は全体的に体力が落ちたところでタイトな守備が出来ずにフリーでボールを持たれる場面を作らせてしまった。2戦目に向けてコンディションを整えて臨みたいと思う。絶対に勝つという強い気持ちで戦いたい。
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